今回はオンラインで受けられるTOEIC関連のテストや学習用模試についてまとめます。
まず前提として知っておいていただきたいのは,日々の学習に使う「オンライン模試」と,IIBCが実施運営する正式な「TOEIC L&R IPテスト(オンライン)」は別物だということです。
前者は本番前の練習やスコア予測に向いており,後者は公開テストよりも短時間で,公式スコアとして実力を確認したい方に向いています。
以下では,これらデジタル形式のテストと模試の違いを踏まえた上で,紙の模試と比べたメリット・デメリットや,利用できるサービスについてみていきましょう。
TOEIC L&R IPテスト(オンライン)とは

TOEIC L&Rには,一般の受験者が会場で受ける「公開テスト」と,企業・学校などで実施される「団体特別受験制度(IPテスト)」があります↓
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IPテストにはマークシート方式とオンライン方式があり,TOEIC L&R IPテスト(オンライン)は,パソコンまたはiPadを使って受験する形式です。
このテストはIIBCが実施運営する正規のTOEIC Programであり,スコアの価値(評価基準)は公開テストと同等です。
また,解答の正誤に応じて出題の難易度が調整されるCATを採用しているため,試験時間は約1時間,問題数は90問に短縮されています。
従来,IPテストは団体利用のイメージが強い制度でしたが,2026年4月からはスタディサプリENGLISHとのAPI連携により,一般の学習者でも申し込みやすくなりました。
スタディサプリENGLISHに登録していれば,コース契約の有無にかかわらず購入でき,料金は1回3,980円です。
受験直後にスコアを確認でき,翌営業日にはPDF形式で詳細結果も受け取れます。
TOEICのオンライン模試について
TOEICの学習用模試には,大きく分けて以下の2つの形態があります↓
- デジタル(パソコンやスマホを使って解く模試)
- アナログ(紙媒体の問題集など)
デジタル形式にはオンライン模試やアプリ学習が含まれ,一方のアナログ形式では,紙の『TOEIC公式問題集』などがその代表格と言えるでしょう↓
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TOEICの本番では冊子が配られ,マークシートを塗りつぶしていくことになるので,紙媒体の方が本番環境に近いように見えますが,デジタルにも独自の魅力があります。
例えば,スマホやパソコンがあれば,思い立ったその場で解き始めることができ,出先でも利用しやすいのはデジタル形式ならではの強みです。
時間の計測や採点は自動で行われ,最後に予想スコアが表示されるものも多くあります。
また,出題内容が固定されているものだけでなく,データベースからランダムに問題が選ばれるタイプもあり,詳細な解説や単語学習機能,ディクテーション機能などを備えたサービスも充実しています。
デジタル形式(模試・IPテスト)を利用するメリット
ここでは,紙の模試(公式問題集など)や会場で受ける公開テストと比べたときの,デジタル形式ならではのメリットを考えてみましょう。
費用を抑えやすい
費用を安く抑えやすいのは,デジタル形式の大きな魅力です。
日々の学習に使うオンライン模試(スタディサプリやabceedなど)であれば,紙の公式問題集1冊分とほぼ同じ月額料金で,数十回分の模試や復習機能が使い放題になります。
また,公式スコアとしての信頼性が高い「TOEIC L&R IPテスト(オンライン)」も,公開テストと比べて約半額(スタディサプリ経由なら1回3,980円)で受験できるため,定期的な実力試しにかかる費用を大きく節約できます。
デジタルの強みが学習効率や対策に直結する
紙の模試では,自分で時間を測って丸付けをし,解説を読み込む必要がありますが,デジタル形式の模試は解答後すぐに自動採点され,予想スコアが算出されます。
学習用アプリなら,間違えた単語を自分専用の単語帳に追加したり,講義動画を視聴したり,リスニングの書き取り(ディクテーション)トレーニングにすぐ移行できたりと,復習の効率が格段に上がります。
公式のIPテスト(オンライン)の場合でも,受験直後にスコアが画面に表示され,翌営業日には分野別の正答率がわかる詳細な結果(PDF)が受け取れます。
結果が出るまで約17日かかる公開テストと比べて,スピーディに弱点を把握し,次の対策へ移れるのは大きなメリットです。
短時間で現在の実力がわかる
TOEIC公開テストや紙の公式問題集を本番通りに解くには,まとまった「2時間(120分)」を確保しなければなりません。
しかし,デジタル形式のテストや模試は,紙のフルサイズよりも短い時間で現在の実力を測れるのが最大の強みです。
例えば,学習用のオンライン模試では,15分や30分などのスキマ時間で解ける「ミニ模試」が用意されており,まとまった時間が取れない日でも実力チェックが可能です。
また,公式のIPテスト(オンライン)もCATシステムを導入しているため,公開テストの約半分となる時間と問題数で終了します。
TOEIC学習は長期戦になりやすいため,短時間で実力をチェックできれば非常に便利です。
やる気が出ず長時間勉強できない日でも,短時間の模試やテストでスコアを確認して,
ちゃんと実力が伸びている!
といった手応えや,
このままじゃまずい!
という危機感を定期的に実感できることは,学習のモチベーション維持や軌道修正に大きく役立ちます。
デジタル形式のTOEIC模試・IPテストを利用するデメリット
デジタル形式は便利ですが,紙の模試や公開テストの完全な代替とはなりません。
学習用としては優秀でも,本番の環境や体力配分をそのまま再現するのは難しいからです。
本番向けの集中力や体力は鍛えにくい
TOEIC本番では約2時間で200問を連続して解くことになるため,それだけの集中力と体力が必要です。
たとえ30分の模試を4回解いて合計120分に達したとしても,本番の「ぶっ通しで解き続ける負荷」とは別物です。
やりっぱなしでは実力が伸びにくい
オンライン模試の中には,解答はあっても詳細な解説が乏しいものがあります。
もちろん,「苦手パートを知りたい」「出題形式を体験したい」という目的であれば,それでも役立ちます。
しかし,英語力をしっかり伸ばしたいのであれば,復習までやって初めて模試の価値が最大化されます。
おすすめなのは,1回目は時間を測って解き,2回目は解説を読みながら復習し,本番前に3回目で時間感覚を確認する3回チャレンジ法です↓
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問題の質や予想スコアにブレが出ることがある
オンライン模試に限りませんが,収録された問題の質は見極める必要があります。
公式が関わっているものなら比較的安心ですが,他社製の学習アプリなどだと,最新のTOEICの難易度や出題傾向に十分対応できていないことがあります。
この点は,自宅の体脂肪計のようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。
メーカーによって多少の数値のブレが出るのと同じで,模試の予想スコアも実際のスコアとズレることがあります。
だからこそ,絶対値だけを見るのではなく,前回より上がったか下がったかという「変化」に注目することが大切です。
オンラインで利用できるTOEIC関連サービス
ここでは,オンラインで利用できるTOEIC関連のテストや,学習用模試の代表例を紹介します。
公式のオンライン受験
TOEIC L&R IPテスト(オンライン)
TOEIC公式の団体特別受験制度(IPテスト)のオンライン方式です。以前は団体経由での受験が中心でしたが,今はスタディサプリENGLISHに登録することで,一般の方でも受験しやすくなりました。公開テストより短時間で,しかもその場でスコアが確認できるため,現在地の把握に向いています。
学習用のオンライン模試
スタディサプリENGLISH
スタディサプリTOEIC対策コースは,実戦問題集や講義,ディクテーション,単語学習などをまとめて使えるオールインワン型のサービスです。オンライン模試を解いた後,そのまま復習トレーニングへ入れるので,学習効率が高くなります。
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Santaアルク
Santaアルクは,短時間の診断やAIを使った分析に強いアプリです。料金プランは3ヶ月や6ヶ月が基本となっており,模試のスコアだけでなく学習履歴や弱点分析も確認できます。短い時間で現在地を掴みたい方に向いています。
ユーキャン
ユーキャンのTOEIC対策講座は,はじめてから500点を目指すコースが29,000円,650点攻略コースが33,000円です。通信講座型なので模試の量ではサブスク型アプリに及びませんが,教材と講義を組み合わせて着実に進めたい方には合います。
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デジタル形式を利用した人の感想例
ここでは,実際にデジタル形式のテストや模試を利用した方の具体的な感想を紹介します。
例えば,データベースに3,000問(15回分)収録されている模試を,1年間かけて300回近く解いたツワモノがいます。
リスニング対策にオンライン模試が特に役立った!
そう語る彼は,スコアが開始時の600点から850点まで250点もアップしたそうです。
さて,ここでTOEICを受ける目的について考えてみると,就職や昇進のためにスコア提出が必要な方だけでなく,純粋に現在の実力を測りたくて利用している方もいます。
オンライン模試やIPテストを使うようになって,だいぶ費用を節約できた。
という感想を述べている方は,1年で数回TOEICを受ける習慣があったようですが,1回あたり7,810円かかる公開テストの一部をオンライン模試やIPテスト(オンライン)に代えることができれば,わざわざ試験会場まで受けに行く必要がなくなり,時間やお金の節約に繋がるのは当然です。
他には,
テストの出題傾向や雰囲気が掴めた。
という声もあり,何度も問題を解けるタイプの模試であれば,本番のテストに対する恐怖心やプレッシャーを払しょくできるでしょう。
こうした利点があるのは,実際のスコアに近い点数を予測できることと,オンラインかつミニサイズの問題であっても時間制限がある中で解けるからです。
前者は学習者に自信をもたらし,後者は本番を意識した緊張感を保つ助けになります。
もちろん,数十分で終わるデジタル形式のテストや模試は精神的にも楽なので,連続した2時間が捻出しにくい多忙な社会人や学生を中心に好まれています。
まとめ
オンラインでTOEIC対策を行う方法は,学習用の模試だけではありません。
今は,短時間で現在地を測りたいならTOEIC L&R IPテスト(オンライン),復習機能まで含めて数をこなしたいならアプリ型のオンライン模試,2時間通しの本番感覚を養いたいなら紙の公式問題集や公開テスト,という使い分けがしやすくなっています。
どれか一つに絞るのではなく,これらを自分の状況に合わせて組み合わせることが重要です。
目的ごとに役割を分けて使うことで,費用も時間も無駄にせず,より効率的にスコアアップを目指しましょう。
ここまでお読みいただき,ありがとうございました。