Z会と言えば,奇をてらわず王道を行く学習法が特徴的ですが,長い歴史を誇る添削サービスを変わらず提供してくれる以外にも,時代に合わせた試みを積極的に取り入れているところは意外と知られていないかもしれません。
また,多くの方は受験勉強で利用することになるでしょうが,社会人を対象とした講座も存在しています。
当サイトでは,すでにZ会のビジネス用の参考書を複数紹介していますが,今回紹介する「Asteria for Business」はデジタル教材に,添削サービスとオンライン英会話がセットになったもので,英語4技能のすべての実力アップが図れるものです。
特にWritingとSpeakingの2つの技能については,市販教材だけではどうしても伸ばしづらいものなので,本サービスが大いに役立つことでしょう。
以下で,Asteria for Businessの特徴を中心にみていきたいと思います。
目次
Asteria for Businessとは
Z会の公式HPを訪れてみると,Asteria for Businessは大学生・社会人向けの通信教育に分類されているようですが,Z会キャリアアップコースの1つと理解しておくのがよいでしょう。
これまでに当サイトでは,英会話Quick Responseやビジネス英語Word choiceなどのレビュー記事をいくつか書いてきましたが,そうした内容を1つのパッケージに詰め込んだようなものが,このAsteria for Businessです。
もちろん,それぞれの参考書に独自の魅力があることは確かで,Asteriaがそれらの上位互換とはならないのですが,1つで幅広い対策が可能になることはAsteriaならではの強みであり,使い方に迷うこともありません(複数の参考書を同時並行で使う場合,どのような配分で学ぶかなどの点で使用者の力量が問われるものです)。
ちなみに,学習目標としては「仕事でつかえる英語力を身に付けること」だとされていますが,受講の目安となる学力レベルが,
- 英検3級~TOEIC945点
と設定されているように,初心者から上級者まで幅広く利用できます。
英検3級はTOEICに換算すると225点以下になるので,それこそ日常英会話から上級レベルのビジネス英語まで身に付けることができるサービスだというわけです。
最終的な目標がビジネス英語の習得だとしても,基礎から1歩ずつ進めていくことになるので,初心者であっても心配ありません。
また,ある程度の実力がある方は,TOEICのスコア入力をしたり演習問題を解いているうちにレベル自動設定が行われたりで,適切なレベルの問題から始められるようになります。
ところで,TOEIC L&R TESTの対策を行いたいという方は,同じZ会に「ADAPTIE」というサービスが存在するので,そちらを利用するようにしてください。
もちろん,本サービスで学んでいるうちにTOEICのスコアが上昇することにもなるのですが,Asteria for Businessはあくまで英語4技能を総合的に伸ばすためのものだと認識しておくべきでしょう。
なお,結果としてどのようなことができるようになるかについては,後の章でより詳しく触れているので,そちらを参考にしてください。
Asteria for Businessの特徴
Asteria for Businessにおける学ぶ手段ですが,
- 動画
- 添削
- AI演習
- オンライン英会話
の4本立てです。
そして,これらがすべて特徴的な内容を含んでいます。
以下で1つずつ個別にみてみましょう!
動画
まず1つ目の動画についてですが,今ではスマホやPCを用いた学習に必要不可欠なものとなりました。
文法やフレーズ,その他基礎知識を学ぶことになりますが,中でもフレーズについては「Communication Phrases」というコンテンツで170以上を学ぶことができるのが特徴です。
なお,動画をただ視聴して終わりとはならず,練習問題を使って理解できたかどうか確認できるところが親切で,CEFRで言うところのA1レベルの内容ではそれほどではありませんが,B2レベルの内容ともなると練習問題が中心になってきます。
これもまた学習者の実状に沿ったもので,なるほど,上級者は知っていることを懇切丁寧に動画で説明されても困るでしょうし,初心者は逆に1つ1つ解説してほしいと思うことでしょう。
添削
2つ目ですが,Z会と言ったらやはり添削が有名です。
それでは,Asteria for Businessにおいて何を添削してもらえるのかといえば,それはずばりWritingとなります。
英作文の添削を行ってもらえると言えばわかりやすいでしょうか。
ビジネス英語の教材は最近数が増えてきましたが,添削まで行ってくれるものは意外に珍しいと思います。
実際,英作文は独学するのが難しく,模範解答は示されているものの,自分が書いた答案がそれと同じ文章になることはほとんどありません。
そのため,Writingの技能を身に付けるためには個別に添削を受けるのが有効だと言えるわけですが,社会人ともなると,学生時代の時のように,英語の先生を捕まえては答案をみてもらうようなことはできないわけです。
その点,Asteriaでは「課題の達成・言語使用の適切さ・論理構成・文法・語彙」の5つもの観点から細かく採点してもらうことができます。
私自身,以前Z会の添削者だったこともあり(科目は大学受験のための英語でしたが),問題の質や指導の正確さについては普通の人よりも知っているわけで,是非期待していてください!
AI演習
AIは個別最適化された学習を可能にするため,結果として効率的な学習へと繋がります。
Asteria内では「個別教科AIプログラム」と呼ばれていますが,問題に正解したかどうかだけに留まらず,学習履歴や習熟度までも踏まえて,次に学習すべき内容を提示してくれるのが特徴です。
ちなみに,当サービスでSpeakingを学習する際,学習者の音声は録音され,その出来栄えを自動で判定してもらえるのですが,ここでもAIが活躍します。
自分勝手に学んでいると,どうしても学習内容に偏りが出たり,サボってしまう部分も出てきたりするものですが,人の心を持たないAIなだけに,冷静沈着に必要な内容を提示してきてくれますし,学習時間や正解率なども確認できて便利です。
オンライン英会話
Speakingの練習に使えるものは,上で触れた発音判定だけではありません。
実際,Asteria for Businessではフィリピン講師を相手に月2回,1回25分のレッスンがセットになっています。
こう考えると,料金が大変リーズナブルなものに見えてくるのではないでしょうか。
なお,私は毎週オンラインレッスンがあるとやや負担が高いように思えてしまう人間なのですが,隔週だと程良いと感じます。
また,オンライン英会話が利用できる時間帯ですが,平日は7時から22時55分,土日は10時から18時55分とのことです(2023年5月時点)。
さらには,オンラインフォームで質問が無制限にできるので,わからないところは早いうちに潰しておきましょう。
このサービスは動画内容や添削内容に関しても利用できます。
Asteria for Businessでできるようになること
Asteria for BusinessではCEFR-Jを採用していて,これはCEFRをさらに細かくした日本独自の基準です(JはJapanの略)。
それで言うと,例えば基礎レベルにあたる日常英会話はA1.2レベルあたりからできるようになり,上級とされるビジネス英語ができるようになるにはB2.1レベルが必要とされます。
これらのレベルごとに,どのような内容のものができるようになるかが書かれていて,以下のページからも確認が可能です↓
Asteria for BusinessはB2.2まで対応しているのですが,ここでは例として,基礎レベル(A1.2)のものと上級レベル(B2.1)のものを4技能別に抜粋してみました↓
A1.2レベル
Listening:身近なトピックについて短い話が理解できる
Reading:メールなどによる近況報告ができる
Speaking:日常生活の物事を説明できる(事前に準備があれば)
Writing:メッセージカードや短いメモが作成できる
A1.2は基礎レベル相当ということで,ここまで達すると日常英会話に必要な技能が習得可能です。
長く複雑な内容が扱えるようにはなりませんが,短い文であっても,それをいくつも続けて言えるようになればそれは長文と見なせるわけで,長い目でみて,上級レベルを目指すための準備段階になります。
B2.1レベル
Listening:ネイティブ同士の会話の流れがわかる
Reading:記事やレポートについて重要度に応じた適切な読み方ができる
Speaking:詳細な情報や抽象的な内容にも意見交換ができる
Writing:適切な文体で依頼や交渉のメールや手紙を書ける
先ほどTOEIC L&Rの話をしましたが,B2.1レベルに達すると,S&Wのスコアでも良い結果が出てくるはずです。
もちろん,ビジネスでのやり取りもよりスムーズになります。
「英語がわからなくても自動翻訳を使えば良いじゃないか」という声もありますが,使い手の英語力が高くなるほど,提示された翻訳の不備を見抜く力も高くなるわけで,英語力が低くて良いということにはなりません。
どこかで必ずボロが出てきます。
ビジネスで頻繁に英語を使う方であれば,是非ともこのレベルを目指すようにしましょう!
Asteria for Businessの料金
Asteria for Businessはリーズナブルな料金が魅力です。
動画とテキストがあることに加え,添削とオンライン英会話,そして質問し放題のサービスが含まれるにもかかわらず,月額料金が5900円というのは,同一サービスと比べても値ごろ感があります。
12ヶ月分まとめ払いすると実質月額が4900円になるのは驚きです(6ヶ月前払いだと実質月額は5600円です)。
サービス内容に多少の違いはありますが,同じく当サイトが推している「スタディサプリ」のビジネス英語コースの料金と比べてみても,教材のみのベーシックプランが月額3278円の英会話セットプランが7128円なので,Asteriaは料金的に良い勝負ができていると言えるのではないでしょうか↓
Z会の場合もスタディサプリと同様,前払いを選択した場合に返金制度が利用でき,「支払った受講料ーひと月当たりの会費×利用月数ー手数料」が返ってくるので,急な出張などによって支払ったお金が無駄になることはありません。
支払いはクレジットカード(VISA・MASTER・UC・Diners Club・JCB・AMEX)の他,払込用紙による支払いも可能です。
Asteria for Businessでは時期によってキャンペーンが実施されていることもあり,Amazonギフト券のプレゼントなどの特典が貰えることがあります。
最新の情報は以下のPRページから確認してみてください↓
まとめ
ここまで,Asteria for Businessの特徴や到達レベル,料金を中心にみてきましたが,いかがだったでしょうか。
Z会が教えるビジネス英語は評判が良いのですが,それは社会人になって逆に真面目な王道を行く勉強法が受け入れやすくなったからだと思います。
学生時代は内容をより簡単に面白おかしく教えてくれる教材の方がやりやすかったかもしれませんが,良い歳になると,そういったものは陳腐で中身のないものに見えがちです。
その点,Asteria for Businessは正統派でオーソドックスな内容ですし,かといって時代の先端を行くAI技術を取り入れつつ,歴史あるZ会の添削サービスと,スピーキング力を増やすのに欠かせないオンライン英会話が揃っています。
質問サービスなども利用すれば,オンラインながら人とのつながりも感じられますし,これらのサービスを受けるのにかかる料金はリーズナブルです。
レベル設定も下はCEFRで言うA1レベルから,上はB2レベルにまで達することが可能なので,初心者から英語中上級者まで,是非Asteria for Businessで学んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。