「ADAPTIE」はZ会が開発したTOEIC教材です。
オンラインで利用できるので,スマホやPCを使って移動中での学習やリスニング対策が簡単にできます。
全部で72個の解き方を学びますが,自動採点してもらえて通常の半分の長さで終えられる模試も含まれているので実力アップのチェックも容易です。
さらには基礎文法の講義があるため,英語の基礎力を伸ばすことができますし,いつでも無制限に質問ができるサービスや予測スコアが表示されるところに関しては他にあまり類をみない貴重なものでしょう。

ADAPTIEでできること
ADAPTIE(アダプティー)でできるTOEIC対策は以下の3つです↓
- パート別対策
- 模試
- 英文法学習
まず1のパート別対策ですが,全部で72個の講義が用意されており,スコアアップに有効なテクニックを習得することができます。
10分程度の動画による講義を受けた後,問題演習を行うことになりますが,これは他社のサービスでも見られるオーソドックスな進め方です。
続く2の模試についてですが,これは100問を60分で解くハーフサイズのものが存在しているところが珍しく,現在の実力や自身の成長ぶりを比較的短時間で知ることができます。
特に学習始めの段階では,フルサイズの模試を2時間かけて解く体力はないでしょうし,大いに助かるでしょう。
精度もそれほど変わりません。
おまけとして,英文法の基礎講座の用意がありますが,聴いてみると文法をしっかり学ぶことができるものだとすぐにわかるはずです。
英語の基礎力が身に付くと,パート5の文法問題に限らず,リーディングの精度が高まっては,リスニングも文法的に分析しながら聴いていくこともできるようになるので,TOEICの総合的なスコアアップが期待できるでしょう。
逆に,TOEIC対策として他に考えられる単語帳や真の意味での模試対策は別に行う必要があります。
というのも,前者に関しては,メイン講座の解説においてところどころに単語のまとめが出てくるものの,まとめて学びたいと思うはずで,後者においては本番の模試が紙ベースでマークシート形式なので,紙をめくったりマークしたりする作業などは紙の参考書で学んでおく必要があるからです。
これらについては,次章以降でより詳しく学んでいくことにしましょう。
ADAPTIEのパート別対策について
ADAPTIEのメインコンテンツとなるのがこのパート別対策です。
パート1からパート7まで合わせて全72の学習ポイントを学ぶことができますが,学習の流れは,
- 講義動画を観る
- 学んだテクニックを演習問題で確認する
となります。
講義動画を担当するのは田中亜由美氏で,旺文社の英検対策本や通訳案内士の予備校でもその名前を目にすることがあるでしょう。
広義ではZ会らしい真面目な解説が行われますが,単語や熟語の解説に長けている氏の指導力が冴えています↓
パート1では以下のような9つの学習ポイントを学ぶことができました↓
パート1の学習ポイント一覧
動作・状態を表す語彙,名詞の言い換え表現,位置関係の表現,動詞の形(態・時制),一人の人物の動作,複数の人物の動作,複数の人物の比較,風景・静物の状態,風景・静物と人物
これらをみると,特に奇をてらうものはなく,別の参考書でも学ぶことができる内容です。
が,ここにしっかりとした演習問題が付いている上,その出題にはAI機能が搭載されているため,過去の学習履歴から適切な問題を出題してきてくれる点がユニークです。
ADAPTIEのAIは,3900問のデータベースを参照して,学習者が次に解くべき問題を提示してくれます。
TOEICのスコアアップを目指す上では,多くの受験者が正解する問題を間違えないことが重要なので,AI演習で弱点を無くすことができれば効率良い学習へと繋がるでしょう。
このときの問題には制限時間が設定されているため,本番さながらの緊張感を持って取り組めるところが実践的である他,問題はZ会オリジナルなので,どこぞの問題集で見たことがあるような問題は出てきません。
学習進度はこのように%で表示され,自分の現状を把握しながら進めていくことができます↓
参考書を使っていて,最後のページがどこか気になって探してしまうような方は,こうした機能があると安心できるでしょう。
ADAPTIEの模試について
ADAPTIEには全部で4種類の模試があります。
具体的には「プレテスト,ハーフテスト,ターゲットテスト,トレーニングテスト」の4つですが,ターゲットテスト以外の3つはハーフサイズとなっていて,通常の半分の時間で素早く実力チェックができてしまうところが魅力です。

模試を受験するタイミングは,
- 学習の開始時
- 半分くらい進んだタイミング
- 学習ポイントを学び終えたタイミング
- 最終仕上げ
があり,まずは1を解いて現状について知りましょう!
ADAPTIEの模試はハーフサイズであっても予想スコアが表示されてきますので,目標までの距離確認が容易です↓
なお,このとき「あえて解答解説をみない」ことで,後でもう一度使うことができますので,本番までの残り期間や進捗状況に合わせて取り入れてみてください。
同様のテクニックとしては「3回チャレンジ法」が有名です↓
ADAPTIEの模試は実践的なものに仕上げられていますが,それでもフルサイズの模試は1回分しかないですし,本番を想定してページをめくったりマークしたりする作業も行っておきたいので,別に問題集を購入することをおすすめします。
マークシートを問題指示が流れている中で一気に塗るようなテクニックは,スコアが低いときこそ有効になることが多いので,是非身に付けておきましょう!
ADAPTIEの良いところ
ADAPTIEにはそれ以外にも良い機能やサービスが見られ,主だったものは以下の4つです↓
- 基礎文法講義がある
- 質問ができる
- 累計学習時間が見られる
- 予想スコアが見られる
まずは基礎文法の講義ですが,これは高校で習うような英文法が動画で学べるもので,駒井亜紀子氏が担当します↓
実際の講義の様子については,関係代名詞をテーマにした講義が公式サイトの方から観られるので,冒頭に示したページでチェックしてみてください。
2つ目として,ADAPTIEでは無制限に質問できることが挙げられ,問題に対する疑問から学習計画の相談に乗ってもらうこともできます。
他社であれば「質問○回に対して△円かかる」などと別料金になっていたり,人の指導が入る専用のコースが別に設けられていることが多く,これを利用しない手はないでしょう。
焦りそうなときでも,相談に乗ってもらえることで安心することができます。
さらには,累計学習時間や予想スコアを日常的に目にすることになるため,目標達成までの距離感がつかみやすいことでモチベーションの維持に役立つはずです↓
なお,予想スコアはある程度学習が進んでくると表示されます。
ADAPTIEのカリキュラムについて
ADAPTIEの学習カリキュラムですが,メインの内容を簡単にまとめると以下のようになり,勉強時間は50~70時間が目安です↓
ADAPTIEの進め方
- プレテストを解く
- ポイント講義とAI演習を半分進める
- ハーフテストを解く
- ポイント講義とAI演習を終わらせる
- ターゲットテストを解く
- トレーニングテストを解く
カリキュラムのコマ数は全部で151個ありますが,「1コマ=1日分の学習目安」とされていて,終わらせるのに20~30分かかります。
公式ページでは,以下のような学習プランが挙げられていました↓
- 1日1コマで週6ペース→6ヶ月
- 1日1コマで週3ペース→12ヶ月
とはいえ,これは1日に20~30分しか学習できない場合の話であり,もし仮に1日に2コマ(40~60分)週6ペースを継続できれば3ヶ月で終えることが可能です。
短期間で学習しようと思ったら1日2時間を費やすことも普通にあるので,その場合の利用期間はさらに短くなります。

ADAPTIEの料金について
ADAPTIEの利用料金ですが,1ヶ月3900円をベースとし,多少お得に利用できる前払いという選択も可能です↓
- 6ヶ月前払い=21600円(1800円得)
- 12ヶ月前払い=34800円(12000円得)
12ヶ月前払いとなると,かなり多額の割引が受けられますが,これは月額払いを9ヶ月続けたときとほぼ同じ料金になります。
入金方法はクレジットカード決済の他,ゆうちょ銀行やコンビニで払うことも可能です。
なお,前払いして途中で解約しなければならなくなった場合であっても,
- 支払った料金ー(一括払いでのひと月あたりの料金×受講した月数)-返金手数料
という返金を申請できます(日払い計算はされずに翌月からの中止になる他,返金手数料が744円であることに注意してください)。
加えて,以下のようなお祝い制度(ジャンプアップ賞)があり,賞品としてはAmazonギフト券がもらえるため,良い結果が出せれば実質お得にADAPTIEを利用できたことになります↓
- 50点以上アップ=1000円分
- 100点以上アップ=3000円分
ただし,この条件を達成するためには,ADAPTIEの受講1年前から終了期間までに最低2回のTOEIC受験が必要です。
2回分の公式認定証を提示しなければならないことを覚えておきましょう。
ADAPTIEの不満なところ
ADAPTIEに対して不満がないわけではありません。
まず1つ目に無料体験ができないため,学習を始めてすぐに自分に合っていないからとわかってしまった際のダメージは大きくなります(月額3900円します)。
また,パート1の解説などを聞いていても,リスニング音声を聴き取れたことが前提となって話が進むことが多く,リスニングの能力自体を高める練習ができない点は不満です。
「聴き取れるようになるには実践あるのみ」という学習方針が合わない方は,別に練習する必要があるように思います。
同じように,単語帳もないわけですので,ある程度の単語を基礎知識として頭に入れておくためには別の参考書を買わなければなりません。
特に,音と単語が一致していなければリスニングパートの理解を妨げるので,この点についても注意しておきましょう。
あとは,Z会の教材は解説内容が全体的に硬めの印象です。
マンガやゲーム的な教材もある現代社会なだけに,人によっては真面目でつまらない教材だと感じるかもしれません。
まとめ
以上,Z会のTOEIC教材であるADAPTIEの学習コンテンツを中心に,料金やカリキュラムなどについてもみてきましたがいかがだったでしょうか。
教材の中では,ハーフサイズの模試やAIを搭載した問題演習が利用できるところが優れていた他,予想スコアが提示されたり,無制限に質問できたりするところは希少なサービスだと言えるものでした。
1日の学習は20~30分から開始でき,全部で50~75時間の学習で十分戦えるテクニックが身に付けられるのがADAPTIEです。
最低限度の準備期間としては3ヶ月が提示されることが多いですが,その場合だと11700円(3900円×3ヶ月)がかかります。
6ヶ月前払いをすれば,100点以上アップのお祝い制度も利用しやすく,半年計画で(実際は模試の結果を待つことになるので5ヶ月くらいの学習になりますが),料金的には実質18600円(21600円-お祝い金の3000円)での利用が実現できるかもしれません。
無料体験や単語帳がなかったりしますが,真面目に王道を行く講義内容は私的には好印象でした。
Z会の通信教育を過去に受けたことがあるような方は是非使ってみてください。
なお,ビジネス英語(S&W)に特化した姉妹サービスもおすすめです↓