今回は,「TOEICを使って全国通訳案内士試験の英語筆記(英語の筆記試験)を免除する方法」について,私自身の申請経験をもとにまとめます。
私は実際にTOEICのスコアを使って英語筆記の免除申請を行いました。
その経験から強く感じたのは,英語の一次試験は免除できても,そこで通訳案内士試験が楽になるわけではないということです。
むしろ本当に大変なのは,その先にある口述試験でした。
とはいえ,英語筆記は問題との相性が結果に影響しやすく,他科目を勉強する負担も重いため,免除できるものは早めに免除しておいた方が明らかに有利です。
そこで当記事では,まずTOEIC免除を使うメリットと基準,実際の申請の流れを整理したうえで,最後に避けて通れない口述試験の対策について,実感を交えながら書いていきます。
TOEICで全国通訳案内士の英語筆記を免除する価値は大きい

全国通訳案内士試験の英語筆記は,TOEICのようなビジネス英語中心の試験とはかなり性格が異なります。
単に英語が読めるだけでは正解できない問題があり,日本の地理・歴史・文化に関する知識がそのまま正答率に影響します。
実際,過去問を見ると,英語力そのものに加えて,「その題材を知っているかどうか」が問われる問題が少なくありません。
英語の試験でありながら,現代文や一般教養のような性格も混ざっているのが独特なところです↓
しかも,全国通訳案内士試験は外国語だけ受けて終わりではありません。
午後には地理や一般常識など,他科目の筆記も続きます。
受験当日の負担も重いですし,それ以前に,それらの科目を何ヶ月もかけて準備しなければならないわけです。
さらに試験は年1回ですから,免除制度を使って受験科目を1つでも減らす意味はかなり大きいと言えます。
私自身,英語筆記を免除できたことで,他科目と二次対策に時間や意識を向けやすくなりました。
もちろん,それでも口述試験には別の難しさがありましたが,少なくとも「一次の英語筆記まで全部受ける」状態よりは前に進みやすくなります。
TOEICを含めた免除制度の全体像や,通訳案内士試験全体の攻略法については,以下の記事も参考にしてください↓
TOEICで免除を狙うなら,どのテストを使うかを先に決める
TOEICで免除を狙う場合,多くの人がまず思い浮かべるのはL&Rですが,それ以外にSpeakingやWritingのスコアでも申請可能です。
TOEICの免除基準
- Listening & Readingで900点以上
- Speakingで160点以上
- Writingで170点以上
このうち,どれか1つでも基準を満たせば英語筆記の免除申請が可能です。
ここで強調したいのは,単に免除申請を受けるためだけでなく,その先の「口述試験」まで見据えて受けるテストを選択することです。
全国通訳案内士試験の二次は面接形式なので,L&R試験で免除を狙うと,「読む・聞く」はできても,「話す」準備が不足したまま本番を迎えるリスクがあります。
私自身,この差は非常に大きいと痛感しました。
知識として英単語や文法が入っていても,それが瞬時に口から出るとは限らないからです。
したがって,これから新たにTOEICで免除を狙うのであれば,Speaking Testを選択するのは非常に合理的な判断と言えます。
Speakingの準備そのものが,通訳案内士の口述試験の対策になるからです。
もちろん,Speakingだけでは不安という方はS&Wを受けてWriting側でも保険をかけることができます。
一方で,L&RにはL&Rならではの良さもあります。
普段からTOEIC学習をしている方や,就職・転職など別の目的でも使いたい方であれば,L&R 900を狙う価値は十分あります。
要するに,
どのTOEICを選ぶべきか
- 他用途も含めて汎用性を重視するなら「L&R」
- 口述試験対策まで見据えるなら「Speaking」
- アウトプット全体を鍛えたいなら「S&W」
という考え方で選ぶとわかりやすいでしょう。
なお,免除申請ではスコアの有効期間や,願書締切までに結果が出ていることも重要です。
試験を受けてから慌てないように,出願年度の受験案内を必ず先に確認しておくようにしてください。
私が実際にTOEICで免除申請をしたときの流れ
ここでは,私が実際に英語筆記の免除申請をしたときの流れを振り返ってみます。
願書の提出は電子申請で行いましたが,全体としてはそれほど難しくありませんでした。
大まかな流れは以下の通りです↓
- 電子申請システムにアクセスする
- メールアドレスを登録する
- 受験者情報を入力する
- 受験科目と希望受験地を選ぶ
- 受験料の支払い手続きを行う
- 願書を提出する
免除申請で重要になるのは,受験科目を選ぶ画面です。
ここで英語の免除申請にチェックを入れます↓

その後,別画面で「TOEICのどのスコアを使うか」を選び,公式認定証の画像をアップロードしました。
このあたりは形式に沿って入力していけば済むので,操作そのものに迷うことは少ないと思います。
実際に気をつけるべきなのは,画像の数字が明瞭に読めることと,申請する試験日が条件を満たしていることの2点です。
条件を満たす試験日であれば,受験日を選択する画面でも候補として表示されます↓

願書提出後は書類審査が入り,不備があれば修正依頼が来ます。
この不備には,スコア証明だけでなく,受験者情報や顔写真なども含まれます。
ステータスはマイページ上でも確認可能でした↓

私の感覚では,申請作業そのものよりも,その前段階で「使うスコアをいつまでに取得するか」を考えておく方がずっと重要です。
特に口述試験まで見据えるなら,免除を受けて終わりではなく,そのスコア取得を二次対策の取っ掛かりにするつもりで動いた方が良いと感じます。
口述試験はTOEIC免除の先にある本番
口述試験に向けて先に意識したいこと
- 日本に関する知識は,日本語で分かるだけでなく英語で説明できる形にしておく
- 丸暗記だけでは対応しきれないので,自分の言葉で言い換える練習を重ねる
- 第1問と第3問を軸に準備しつつ,第4問の対話練習も並行する
ここからが本題です。
私自身,TOEICのスコアを使って一次試験の英語を免除し,一次全体は突破できましたが,本当に壁だと感じたのはその後の口述試験でした。
一次の英語筆記を免除にできても,二次では結局,日本の地理・歴史・文化・一般常識に関する知識を英語で説明することが求められます。
しかも,ただ説明できればよいわけではなく,相手の反応を見ながら案内士として対応する力まで見られます。
ここがTOEICと大きく違うところです。
私はこの試験を通して,
日本語で知っていることを,すぐ英語で言える状態にしておかないと間に合わない。
ということを痛感しました。
近年の口述試験では,プレゼンテーション,質疑応答,通訳,シチュエーション対応といった形で,知識と会話力の両方が試されます。
ここで怖いのは,参考書の表現をそのまま丸暗記しても,本番では少し角度を変えた質問をされることが多い点です。
そのため,第1問のプレゼン対策としては,英語で日本を説明する参考書や資料を読みながら,「使えそうな言い回しの型」を増やしていくことが基本となります。
そしてその作業は,そのまま第3問の通訳問題の土台にもなります。
一方,第4問のシチュエーション問題は,知識だけでは乗り切れません。
こちらはむしろ,相手の要望に合わせて,その場で提案を組み立てる力が問われます。
私が受けたときも,「正解を言い当てる」というより,「困った相手にどう寄り添うか」が試されていると感じました。
ですから,少しくらい提案が一度で通らなくても構いません。
大切なのは,
それなら別の案を考えてみます。では,こちらはどうでしょうか。
と返せることです。
つまり,口述試験対策として本当に必要なのは,
- 日本に関する知識を増やすこと
- それを英語で説明する練習をすること
- 相手の反応に応じて言い換える練習をすること
の3つです。
まずは第1問や第3問を形にできるようにし,そのうえで第4問の対話練習に広げると進めやすいでしょう。
なお,TOEIC免除を決めたら,二次対策はできるだけ早く始めるのがおすすめです。
L&Rだけで免除を申請した人ほど,「読む・聞く」に比べて「話す」の準備が遅れやすいからです。
具体的な口述試験の勉強法や,おすすめ教材,生成AIの活用法については,以下の記事で詳しくまとめています↓
まとめ
以上,TOEICを使って全国通訳案内士試験の英語筆記を免除する方法と,その後に待っている口述試験の対策について,私自身の経験を交えてまとめました。
英語筆記の免除は,受験負担を減らすうえで非常に有効です。
ただし,免除を取っただけで合格に近づいた気になってしまうと,その先の二次試験で苦しみます。
私自身,まさにそこに難しさを感じました。
だからこそ,これからTOEICを使って免除を狙う方には,スコア取得と同時に,英語を話す準備も始めておくことをおすすめします。
特にSpeaking Testは,免除基準を満たせる可能性があるだけでなく,口述試験に向けた実践練習にもつながります。
また,申請そのものは電子申請で進めやすいものの,対象となる試験時期やスコア提出の条件があるため,そこは早めに確認しておきましょう。
全国通訳案内士試験は,TOEICの先にある次の目標として非常に興味深い試験です。
日本のことを学び直し,それを英語で伝える力まで鍛えたい方には,大きなやりがいがあります。
TOEICで高得点を取ったあと,「その英語を実際に使えるのか」を試したい方は,ぜひ挑戦してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。