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TOEICを使った通訳案内士試験の免除とその後の学習について

TOEICで900点を取れるだけの実力が付くと,全国通訳案内士試験の英語の筆記が免除にできます。

ここでは,「免除に必要な条件や手続き」についてまとめるとともに,2次の口述試験に向けての「英語学習」に関して,具体的に何を勉強していけばよいかについても考えてみましょう!

TOEICとはまた別の知識が必要になりますが,あくまで話題がビジネスから日本のことになるだけです。

語学に終わりはないわけですから,次の目標にしてみるのはいかがでしょうか。

TOEICを使って全国通訳案内士の免除申請をする理由

2023年度の全国通訳案内士の問題冊子

全国通訳案内士の英語1次試験であるが,TOEICと異なり,問題との相性が結果に影響しやすいことで有名です。

受験生は年配の方が多くなるものの総数でみれば少ないですし,記述式ではないものの,選択肢が8択の問題があったり非常に似た文を比較しないといけなかったりで,現代文のテストに通じるようなところもあります↓

しかも,午前中に英語のテストを受けたら終わりとはならず,午後に続けて一般常識や通訳案内の実務といった他の科目の筆記試験を受けなければなりません。

英語の試験が90分で,午後の試験は最大4科目で計100分かかりますし,合間の待ち時間も含めると,6時間以上は拘束されてしまいます。

もちろん,試験当日だけが大変というわけではありません。

前もってこれらの科目に対して勉強をしておかなければならないわけで,それこそが最大の負担であると言えるでしょう。

万全の準備をしておくにしても,不測の事態が起こることも考えられますから,できるだけ免除制度を利用するのが合格への近道であることは間違いありません。

今現在において免除にできる科目は,英語の他に地理と歴史がありますが,当記事ではTOEICを利用した場合の免除申請について詳しくみてみましょう↓

1次試験の免除を狙えるテスト

  • 英語=英語検定またはTOEIC
  • 地理=旅行業務取扱管理者
  • 歴史=歴史検定

総合的な攻略方法について学びたい方は,全国通訳案内士試験に合格するにはという記事を読んでみてください。

さて,TOEICで免除を狙う場合,最も受験者が多いL&Rを受ける以外にも,S&Wの結果も利用することができます

変な話,Speaking Testを受けるだけでも免除申請が狙えるので,できるだけ手短に済ませたいのであればイチ押しです↓

TOEICの免除基準

  • L&Rで900点以上
  • Sで160点以上
  • Wで170点以上

これらのうち,いずれか1つでも達成できればOKなので,自分の現状に合ったものを受けるようにしてください。

ちなみに,件のSpeaking Testですが,受験料は最安となる6930円で,テスト時間も最短です↓

L&Rの場合,料金は7810円で2時間かかる他,かなり先の予約しか取れないという点で劣ります。

L&Rを受ける理由が他にある方であればやむを得ませんが,これからわざわざ対策してTOEICを受けるというのであれば,全国通訳案内士の口述試験の練習にもなるSpeaking Testがおすすめです。

もしも結果に自信がなければ,S&Wを受けることでWritingの方でも基準点を狙うことができます。

S&W試験はその日の出題内容によっては答えに窮するかもしれないので,いざというときのために保険をかけることもできるというわけです。

補足
補足
Writing Testのための勉強はSpeaking能力を上げることにも貢献してくれるので,全国通訳案内士の2次試験対策においても,スピーキングではなくライティングの参考書を使うことが可能で,詳細は2つ先の章をお読みください。

なお,TOEICを使って免除申請を行う場合,有効期限があることと結果が願書提出までに出ていなければならないことに注意する必要があります。

具体的には,全国通訳案内士のテストが行われる前年の4月1日以降のもので,かつ願書締切日(7月上旬頃)までに結果が出ることが必要です。

もちろん,IPテストは利用できず,公開テストのみに限ります。

英検1級を持っていれば有効期限のことを気にせず免除にできますが,TOEICに換算して950点以上は取れる実力が必要なので,より優遇されているのでしょう。

 

 

全国通訳案内士の免除申請をしたときの様子

それでは,実際に全国通訳案内士の免除申請をするときの様子についてみていきたいと思います。

願書の提出自体は電子申請ができるので,必要書類をアップロードすれば良いだけです。

申請手順は以下の通りとなっています↓

  1. 電子申請システムにアクセス
  2. メールアドレスの登録
  3. 受験者情報の登録
  4. 受験科目・希望受験地・免除申請の登録
  5. 受験支払い手続き
  6. 願書提出

免除申請の登録があるのは4番目ですね。

科目選択のところで免除申請にチェックを入れましょう↓

英語の免除申請欄にチェックを入れる

そして,別のページで免除申請にTOEICを用いることを伝え,公式認定証の画像を用意して添付したら終了となります。

このとき,いつ受けたテストなのかも選ぶことになるのですが,つい最近に受けたようなものも選べるようになっていました↓

TOEIC免除を受けるための申請画面

画像は顔写真とスコアが判別できるように撮りますが,願書を提出した後に申請書類の審査が行われるので,不備がある場合(これには入力した情報や受験者の写真まで含まれる)は事務局から修正依頼の連絡が個別に来ます。

審査状況が気になる方はマイページからも確認することが可能です↓

マイページ上の全国通訳案内士試験の審査状況欄

 

 

全国通訳案内士の口述試験に向けての勉強方法

口述試験の範囲に関して

  • 総合的な外国語能力並びに日本地理,日本歴史,一般常識及び通訳案内の実務に係る正確な知識を活用して行われる,通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力について判定するものとする
  • 日本の観光地等に関連する地理,歴史並びに産業,経済,政治及び文化についての主要な事柄のうち,外国人観光旅客の関心の強いものを題材として,受験者に通訳案内の業務を疑似的に行わせることにより実施するものとする

口述試験の出題内容についてはJNTOの案内ページに書かれています。

TOEICのスコアを使って1次試験が免除にできても,2次試験にて1次試験と同様の知識が問われることになるわけで,さらには通訳案内士としての適性もみられるわけです。

11分ほどの試験時間の中で,プレゼンテーション・コミュニケーション・文法や語彙・発音や抑揚・通訳案内士としての能力が評価され,7割以上で合格となります。

とはいえ,細かい点数などわかりませんから,当日は「通訳案内士らしくベストを尽くす」だけです。

本番までに,とにかく練習を積み重ねましょう!

各種予備校における1次試験の解答速報は本番の翌週までには出揃うので,合格点が取れていそうならすぐに2次対策へと移ります。

8月下旬から12月上旬までとなるので,準備期間は3ヶ月ちょっとある計算です。

その間の具体的な進め方については以下の通りとなります↓

  1. 3つのテーマから1つを選択し,30秒の考慮後,2分間のプレゼンを行う
  2. 試験委員が日本語で読み上げた内容を1分~1分半以内に英語で訳し切る
  3. 日本語で状況説明を受けるので,通訳案内士として対応する

過去に問われた内容を挙げておきますが,1に関しては「里山・七福神・わらびもち」がテーマで,2では

  • アニメ,マンガ,ゲームなどの人気キャラクターフィギュアや文房具になっていたり洋服に印刷されるなど人気が高く,色々な店が取り扱っています。人気キャラの商品はもともと子ども向けだったが,今では大人向けの商品も増えていて,老若男女問わず幅広い年代の方向けに販売されています

といった内容を訳すことになります。

3に関しては,客が「シンガポール出身・60代の夫婦・観光目的の個人旅行・東京新宿のホテル滞在」という条件で,

  • 本日のツアーが終わって時刻は夕方です。孫にアニメキャラのグッズを買ってきてほしいと頼まれたが,明日の昼に出国なのであまり時間がありません。あなたはどのように対応しますか。

といった感じの状況設定が行われ,続いて以下のような質疑応答が来るので,実際に観光客と会話しているように対応しましょう↓

考えられる質問例

何を買ったらいいか,どんなものが人気か,どこに行ったらよいか,店は何時から何時までやっているか,他にどのような店があるか,購入後はスーツケースに入れるべきか

このやり取りは面接時間が終わるまで続くことになります。

1や2であれば,英語で日本のことを説明する参考書がたくさん出ているので,それらをどんどん覚えていけばうまく回答できると思います。

もちろん,日本語を英語にする場合,直訳してもうまくいかないことなどあるので,和製英語がふんだんに使われているような文章(本番は110語前後)を日本語に訳す練習も必要です。

さて,最も大変なのは3で,これは圧迫面接ではないですが,試験官もこちら側が返答に困るような質問を投げかけてきますので,そういった困難な状況での返答になることは覚悟しておかなければなりません

とはいえ,ここでみられているのは通訳案内士としての適性であることを考えると,相手に寄り添い,自分なりに最適解を探すようにすればよいわけで,頭の中で考えていることを英語にしつつ,相手(試験官)のリアクションを伺いながら,一緒になって話し合う姿勢を示すことが大切です。

仮に試験官に「ちょっと良い案ではないね」などと言われたとしても,それで何か問題になることはありません。

「確かにそうですよね,それならこうしてみるのはどうですか」などと別の提案をすればよいだけの話なのです。

そういった能力についてはもはや英語力に関係ないと思うので,頭に浮かんだ説明を英語にできるように訓練あるのみでしょう。

出せるアイディアの数は知識の量によって決まりますし,それを英語にできるということは先に示した問題の1や2が何の問題もなく回答できるということに他なりません。

まずは1や2の問題を完璧にできるように練習し,最後に3を対策するのがよいでしょう。

3については普段から人と会話する中でも,それを英語にして話すようにすれば良い練習になります。

日本人であっても意外と日本のことを知らないわけですから,問題の1対策で使うような問題集からあまり知らない日本のことについて質問してもらい,自分はそれを英語で返すようにすればよいわけです(相手が英語を苦手とする場合,英語で話した後で日本語にして話せばOKです)。

予備校に通うかどうかですが,以下を目安に判断してください↓

  • 問題1&2:学んだ単語数が300~600語に満たない場合
  • 問題3:扱うシーンが50~200に満たない場合

 

 

まとめ

着物を着た夫婦

以上,TOEICのスコアを通訳案内士試験の免除申請に使うことについてのまとめと,避けることができない2次試験の対策について考えてきました。

口述試験のことを考えると,早い段階からアウトプットに慣れておく必要があるので,TOEICを新たに受ける場合はスピーキングテストがおすすめです。

また,電子申請は修正に不備があると困るので,できるだけ早めに仕上げておきましょう。

口述試験に関しては,全部で3タイプの問題に対応する必要がありますが,結局のところ知識量がものを言います。

自分が頭に浮かべた内容を英語にできるよう,まずは日本に関する単語を英語で説明できるようにして,それから実際のロールプレイ練習に移りましょう。

市販教材だけで対応できますが,いまいち充実度が劣る(必要となる数百語が学べない)ような場合には,専門の予備校を利用することを考えてみてください。

場所にもよりますが,スタッフの方々が1次試験の会場でパンフレットを配っているはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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