今回はZ会の「ビジネス英語Word Choice」という参考書をレビューしていきましょう!
仕事で必ずと言ってもいいほど使うであろう単語を取り上げ,それらの使い分けを学べてしまう1冊だということで,その活躍の場はスピーキングやライティングにとどまらず,英文をより深く理解できるようになったり,純粋に単語力を増やしたい方にもぴったりです。
例文とイラストで学ぶシンプルな内容だけに使用者を選ばないので,多くのビジネスパーソンに使っていただけるかと思います。
ここでは本書の特徴に加え,学び方や使い方についてまとめてみましょう!
ビジネス英語Word Choiceの特徴
透き通った水色が表紙のビジネス英語Word Choiceですが,帯にあるキャッチコピーに興味を惹かれたというのが,本書を購入した動機の1つです。
「初対面の人に会う時に,seeを使うかmeetを使うか」という話については,つい最近答えを聞く機会が偶然あったのでわかりましたが,「customerとclientの違いは?」と聞かれれば,何となくの日本語でしか違いを理解していません。
はたまた「don't agreeとdisagreeが大違い!」などと言われれば,途端に焦って買ってしまいました。
サブタイトルに「類語・類似表現700」とあるように,例文とイラスト付きで700語が紹介され,それらの単語の使い分けを学ぶことができるのが本書の特徴です。
対象レベルとしてはTOEIC470点(英検準2級)以上となっており,ある程度語彙力が身に付いてきたビジネスパーソンが,いよいよ英語を業務に使うにあたって気になる悩みをコンパクトにまとめた一冊に仕上がっていると言えるでしょう。
なお,Z会の「ビジネス英語シリーズ」は参照型の参考書としても使えるように配慮してあるのが特徴で,本書もその例に漏れず,「こんな時には,あれ,どんな単語を使うんだったっけ」と思って検索することで,簡単に目的の単語が見つかるように工夫されています。
とはいえ,もしそれが電話やWeb会議中であれば,調べるからと相手を待たせるわけにもいかないでしょう。
さらに言えば,「客」を英語で言う時に「customer以外にclientもあって,確かその使い分けが重要だったはずだ」などとそもそも考え付かなければ,気に留めることもなくただcutomerなどと言ってしまうわけですから,参照用として本書を使うつもりであっても1度は全体を通して読んでおきたいものです。
ある日本語訳に対して英語が1つしか浮かばないような状態の方には,特に本書が役立つでしょう。
意外なことに,通常のTOEIC(L&R)が得意な人ほど,試験によく出る日本語でしか単語を覚えていなかったりします。
とはいえ,簡単そうに見える単語(例えばveryやfree)であっても実は使い分けが重要だったりしますので,本書でより適切な表現を身に付けてはビジネスシーンに生かしていきましょう!
ちなみに本書の作成には,Z会のビジネス英語講座を担当するPatrick Horckmans先生が携わっています。
多くのビジネスパーソンの答案をみてきた先生だからこそ,日本人が陥りやすい誤解についてはよくご存じでしょう。
類語や類似表現の学び方
こちらが本書の目次になりますが,ア行からワ行まで,日本語主体で並んでいます。
たとえば最初の語は「あいまいな」という形容詞で,その次は「会う」という動詞であり,品詞主体では並んでいません。
それでは帯のキャッチフレーズにもなっていた「会う」のページを使って,この本の使い方を学んでいきましょう!
日本語で書かれた1つの見出し語に対して,見開きで解説が並んでいますが,まずは左ページからみてください↓↓
左上のところに単語が5つ並んでいますが,これらはすべて「会う」の類語です。
単語だけでなく,meet withやcome across,さらにはrun intoなどの熟語もありますね(1つの見出し語に大体3~6つがまとまっています)。
その横の日本語を読むだけでも大まかに意味の違いがわかりますが,次に左下の「FOCUS」を見てみましょう。
より詳しい意味や使い方,そしてニュアンスが補完されます。
イラストも意欲的に掲載とのことなので,目でも学んで印象付けておきましょう。
今回の例だと,meetは初対面や約束して会う場合に用いるのに対し,seeは面識のある相手や,ただ見かけた場合に使うことがわかりました。
確かにNice to see youとは言いませんものね。
しかし,ビジネスの会議や面談は事前準備をしっかりして臨むことになるのでmeet withを使うと良さそうですね。
勉強になりました。
しかしまだまだこれで半分です。
次に右上の「EXAMPLES」を読んでみると。見てみましょう!
学んだ語句を例文にしたものですが,なるほど,意味ごとにうまく使い分けられています。
"You look familiar! Have we met before?"の中では,「初めて会うことがあったか?」という意味で使われていますし,meet withは"Wouldn't it be~?"(~ではないでしょうか)という丁寧な表現とともに使われているのも納得です。
全体的に英文の内容がビジネス用途になっているところも工夫されています。
そしてページの最後には「TIPS」があり,間違いやすい連語や和製英語,そしてグローバルなコミュニケーションにおいて気を付けたいことが掲載されているようです。
ここではビジネス的な側面から見た正しい挨拶表現について,理解を深めることができました。
類語や類似表現を検索する方法
さて,前の章の最初で使った目次ですが,検索するときは基本的に使いません。
もちろん,目次を使ってもある程度的を絞って調べられそうですが,ピンポイントで目的の単語にたどり着くためには日本語索引の方を使います↓↓
この索引は10ページほどあり,1ページあたり50語くらいが載っていますから,全部で400語以上はあるでしょう。
アイウエオ順に,知りたい日本語に対応する類語表現が載っているページがすぐに見つけられます。
先に学んだ「会う」に関しても,「12ページ参照」との指示がありました。
また,「以前の」と「前の」のように,同じページを指す日本語もあります。
辞書ほど分厚いわけではないので,ぱらぱらめくって気になったものを調べる学び方も良さそうです。
この他,英語索引もありました↓↓
こちらは完全に単語の勉強用ですね。
まとめ
以上,Z会から「ビジネス英語Word Choice」の特徴と学び方,そして参照するときの使い方についてみてきました。
わかりやすいレイアウトとためになる内容で,知らなかったことをたくさん学ぶことができるのが印象的な本書でした。
メインとなる見出し語と例文以外にも,先に紹介したTIPSやたまに出てくるColumnは,日本のビジネスパーソンの多くが誤解している点を中心に解説してくれるので,読むだけで力が付きます。
付録で「間違いやすい前置詞」も付いていて,似た前置詞の意味にも強くなることができました↓↓
英語のちょっとした表現に注意したいと思う方であれば,本書の内容を楽しく読んでいけるように思いますし,メインを外れた発展事項は,やる気ある学習者の向上心を大いに掻き立ててくれることでしょう。
似た英単語を使い分けながら,正しいニュアンスやその場にふさわしい英語を身に付けたい方に強くおすすめしたい一冊です↓↓
最後までお読みいただきありがとうございました。