日本に現存する英字新聞として,最古の歴史と最多の発行部数を誇る「The Japan Times」はとりわけ有名で,これまでに駅の売店や書店で売られているのを見かけた方もきっといらっしゃることでしょう。
こちらの発行元は同名のジャパンタイムズ社で,新聞が毎日ポストに届くポピュラーな購読スタイル以外に,日曜のみ発刊される「The Japan Times On Sunday」を購読することや,毎日80本までの記事をウェブ上で読めるLiteプランに契約することもできます。
ですが,今回紹介するのはその姉妹サービスにあたる「The Japan Times Alpha」と呼ばれるものの方です。
両者は同じ会社が発刊しているものですが,Alphaは英語学習者を対象とした英文週刊誌であるところが特徴で,記事の構成や目的に明確な違いがあることがわかります。
学生から大人まで広い読者層を誇るところもAlphaの特徴ではありますが,以下で内容について触れた後,一体なぜTOEIC対策に役立つのかについてもまとめてみることにしましょう!
目次
The Japan Times Alphaについて
Tha Japan Times Alphaは,2018年の7月までThe Japan Times STと呼ばれており,私も数年前に定期購読していました。
最新の話題・エッセイ・洋画・英語学習に役立つコラムやクイズなど,当時から掲載される内容は多岐にわたっていて,飽きずに1週間かけて読む量としては十分でした。
今回記事を書くことにしたのも,実はちょうど掃除をしていて昔の新聞がいくつか出てきたからなのですが,私は「Science & Health(いわゆる科学ニュース)」のコーナーが特に好きで毎週楽しみにしていたものです。
今眺めても,「あー,こんな話あったなぁ。」と思い出せるあたり,かなり熱心に読んでいたことがわかります↓↓
そのSTがAlphaに変更となり,方針が英語学習用にブラッシュアップされ,現在は大きく分けて9つのコンテンツがありますが,中を見るとSTで馴染みのあったコーナーも多く残っていて,人気となる記事はいつの時代でも変わらないようです↓↓
Alphaのコンテンツ
- News(7ページ)
- For Beginners(2ページ)
- Life & Culture(6ページ)
- Views & Visions(2ページ)
- In the Workplace(2ページ)
- Lesson & Exercise(2ページ)
- Tourism(1ページ)
- Hang Loose(1ページ)
- Interview(1ページ)
Science & Healthも「News」のコンテンツ内にしっかり残っていたので安心しました。
それでは各コンテンツについて説明を加えていきましょう!
なお,以下において🎧のマークはリスニング音源が存在することを,そして★の数は難易度を表しています。
News
1面のトップニュースから始まり,全コンテンツで最大のページ数を占めるのは「News」というコンテンツです(2ページ目には目次が入ります)。
2020年2月版を読むと,
- News on Spotify: playlists for your favorite pet, and a podcast for your dog(お留守番するワンちゃんに音楽を。スポティファイがペット用配信サービスを開始)
- Water found at potentially habitable planet(地球型惑星の大気に水確認)
といった面白そうなタイトルが並んでいました。
大体はコーナー名から内容を想像できるもので,例えばEasy Readingでは身近な話題(動物園がオープン,トイレが盗まれたなど)を,そしてOMG(「Oh, my god」の略)ではその名の通り,びっくりするようなニュース(鹿を避けて衝突事故,なんちゃって女子高生など)を扱います。
ウェブ上でリスニングできる記事が比較的多めなのも「NEWS」の魅力でしょう。
For Beginners
次の「For Beginners」というコンテンツですが,★の数をみてもわかるように,こちらは初心者向けのコンテンツです。
隔週ごとに内容は変わりますが,「News」にはなかった学習コンテンツ,例えば「日常シーンを英語で表現する問題や読解問題」などが掲載されます。
ただし,初心者向けとはいえ,
私は眠りが浅い方だ。= I'm a pretty (l ) sleeper.
のような問題も複数あり,使っている単語自体は簡単でも正解するのが難しい問題は,中上級者も勉強になります(上の解答はlight)。
また,読解問題は3分間でできるよう,語句のまとまりごとにスラッシュが引いてあるのが特徴で,スラッシュリーディングを行うにはうってつけでしょう(方法については後述)。
問題としては穴埋めの他に説明問題があり,解答・解説も紙面上で行われます。
Life & Culture
続いて「Life & Culture」ですが,こちらは楽しむ系のコンテンツになります。
シネマ倶楽部では,近く上演される予定があるか上演済みの映画について,セリフを一部紹介したりインタビューが掲載される他,洋画を学ぶ上で必要となる基本データも確認できるので,興味を持った作品を映画館で観ることも容易です。
Center Spread(中央の見開きページ)においては,各国のブランドやファッションショーについてなど,難易度の高い英文がカラー印刷で読めます。
紙上世界旅行のコーナーでまだ見ぬ土地に思いを馳せては,Luann氏による3コマ漫画を楽しみましょう↓↓
Views & Visions
「Views&Visions」は,やや長めの英文を読むコンテンツです。
Essayは毎回書く人も内容も様々ですが,語数が500語弱と程よく,リスニング音声も利用できるので重宝していました↓↓
他にも心理テストや,ちょっとした良い話を英語で読めます。
こういったものについては読んだ記憶がないので,Alphaになって新しく加わったコーナーのようです。
In the Workplace
「In the Workplace」はその名の通り,ビジネスシーンによくあるやり取りを英語で学ぶコンテンツです。
前半ではe-mailだったりビジネスパーソンの会話などを扱い,後半ではTOEICのリーディングパートの解き方やビジネス用語について学ぶ実践的な講座となっています(詳細は後述)。
Lesson & Exercise
「Lesson & Exercise」では英語力をより深めるためのコンテンツがいっぱいです。
前半は英単語を中心としたコーナーが多く,先週号の復習もできますし,後半では100語程度からなる課題文に寄せられた読者の解答を用いた解説が行われます。
こちらも詳細については,次章でTOEICに役立つ理由について述べる際に詳しく紹介しましょう!
TourismとHang LooseとInterview
残り3つのコンテンツは一気に紹介してしまいますが,「Tourism」は通訳案内士のトレーニングやおもてなしとして使えそうな,日本文化やオリンピックのスポーツを英語で紹介するコンテンツです↓↓
2つ目の「Hang Loose」は和訳だと「気楽な;リラックスできるコンテンツ」といった感じで,例えばBulletin Board(掲示板)という記事では,留学やコンテストや講演会情報などが掲載されるので,意欲的な中高生に特に役立つことでしょう。
月の最終週にはここに星占いが載るのですが,意外とよく当たっていました(笑)
最後の「Interview」では,誰か1人をゲストに招いて話を伺います。
Alphaからはインタビュー内容がすべて英語で書かれるようになったので,より英字新聞らしさが高まりましたね↓↓
さて,ここまでの内容についてもっと詳しく知りたい方は,以下の公式ページから紙面の見本が確認できるので見てみてください(「The Japan Times Alpha プライバシーポリシー」という箇所をクリック後,メニューなどからアクセス可能です)↓↓
公式サイト
AlphaがTOEIC対策に向く理由
さて,The Japan Times AlphaがなぜTOEIC対策に役立つのかについては以下の4つの理由があります↓↓
- TOEICの目標スコア別に使いやすい
- リスニングパート対策になる
- リーディングパート対策になる
- S&Wのスコアアップにも役立つ
こちらも1つ1つみていくことにしましょう。
目標スコア別に使いやすい
まずは「目次」にある難易度を確認してください↓↓
TOEICスコアを基準に難易度が分けられている時点で,TOEIC受験を意識した編集がなされていることがわかります。
私が2013年にSTを定期購読していた頃,上のような難易度表記はありませんでしたが,簡単な文から難しい文まで,特に意識せずに全部読めてはいたので,Intermediate(中級)のスコアに属する人は問題なく全記事を読めるでしょう。
なお,Easy(初級)レベルの人であれば,
- ★が0~1個の場合は全部読む
- ★2個以上なら,興味があるものに挑戦する
といった使い方がおすすめです。
しばらくして,英語の実力が付いてきたように感じたら,それまで保留しておいた難易度高めの英文をまとめて読むことにしてみてはいかがでしょう。
なお,★1(550点以下)の単語は以下のようなもので,文法の解説もあるのに対し,
★3(800点以上)の記事ともなると,以下のような難解な単語が並ぶわけで,TOEIC対策の基本となる単語学習を生きた英文を使って学べるわけですから,その学習効果は高いはずです↓↓
リスニング対策に使える
AlphaにはWebサイトもあり,定期購読者はスマホやPCで最新の英文記事を読んだり,学習コンテンツ(リスニングや読解講座)を利用することができます。
このとき,紙面の2面に掲載されている「Passコード」と呼ばれるものを使ってログインしてください。
現在だと8種類のコンテンツが存在し,上で紹介した「News」の和訳や音声教材などはこちらのページから確認でき,TOEIC対策としてはパート4の対策に近いことができるでしょう↓↓
毎週6本の記事の音声が追加されますが,1つの記事を10回以上聴くのをノルマとし,頑張って続けましょう!
加えて,リスニングした内容についての理解度を確認する質問と,単語テストが1つ1つに付いてくるわけですから,これだけ全部聞き取れるようになるだけでも相当のスコアアップが期待できるはずです↓↓
この他,英文記事の読み上げ音声のみのものも毎週15本ほど上がってきますし,過去のアーカイブ記事である「イングリッシュ・ドクター西澤ロイのListening Lecture」では以下のテーマで講座めいたものまで受講することができました↓↓
リーディング対策も可能
Alphaをリーディングパート対策として使う場合,もっとも利用頻度が高いのは19面の「Reading Section徹底演習」でしょう。
ここではパート5~7にそっくりの問題を解くことになりますが,語学学校の講師が毎回説明してくれるので,解説も正確です↓↓
写真はパート5についてのものですが,パート6や7の回ももちろんあります。
また,速読力を向上させるために,先に紹介した「For Beginners」の3-minute Readingを用いたスラッシュリーディングが有効です↓↓
理解を試す問題も付いているのも良いですね!
スラッシュリーディングというテクニックについて知らなかった方は以下の記事をどうぞ↓↓
さらに,Club Alphaにある英文読解のレクチャーを受ければ,体系的な読解方法も習得可能です↓↓
S&W対策もできる
Alphaを使いながらスピーキングやライティング能力を伸ばすことももちろん可能で,先ほどリスニング対策で紹介したリスニング&インプットにはスピーキング用の問題がある他,SpeakingテストのUnit2の写真描写問題対策に使える「Describe This!」も利用できます↓↓
これほどあるバックナンバーから,日常の英語表現をクイズ形式で学べるわけですから,ノーヒントで言えるようになれば,本番のテストも恐れるに足りません↓↓
また,やや難しい使い方にはなりますが,「Interview」記事の内容から使えそうな表現をピックアップすればUnit3-6の対策になるでしょう↓↓
その他,日本の文化を外国人に説明する「留学生Lillianの教えて日本のコト!」などは,聞かれたことに何とか答える良いトレーニングになると思います↓↓
次にライティング対策ですが,これは21面の「英文ライティング講座」がピッタリです↓↓
ライティングを得意にするには,
- 表現方法を学ぶ
- 文法力を高める
- 自分が使える表現を増やす
- 発想の転換方法を学ぶ
などがありますが,それは色々な答案を見比べることを通して習得することができます。
毎週しっかり上記講座を読み込みながら使える表現を増やしていくことで,確実にライティング力は増えていくはずです。
ライティング力を伸ばすために英字新聞を利用した勉強法については以下の記事も参考にしてください↓↓
まとめ
以上,The Japan Times Alphaの内容についての紹介と,各種TOEICテストの対策方法について考えてきました。
英語学習教材としてみると,4技能をバランスよく伸ばせる最高レベルのものですし,本誌を定期購読することで実力をアップさせ,あとは当サイトでも紹介している「スタディサプリ」などを使って実践力を身に付ければTOEIC対策は完璧です。
3ヶ月3,750円(送料込)から定期購読できますので,英語力を大幅にアップさせたい方は本誌の導入をぜひ検討していただけたらと思います。
生きた英語で飽きのこないコンテンツは,試験対策に疲れた方の救いになるかもしれません↓↓
最後までお読みいただき,ありがとうございました。