今回ですが,英字新聞を使ってTOEIC900点を超える方法についてまとめていきましょう!
TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションの2つに分かれますが,今回紹介する勉強法は後者のスコアアップに有効です。
対象となるのは700点を超えたレベルの方で,1分間に200語くらいの速さで英文が読める実力がある人となりますが,そこからさらに上を目指すのであれば,話すように英文が書ける力が重要になってきます。
そのときに利用したい教材というのが,表題にある英字新聞というわけです。
まずは英字新聞についての理解を深めるところから始めて,具体的にどのような使い方をしていけばよいかについて,続けてみていくことにします。
もくじ
英字新聞の特徴
英字新聞はその名の通り,英語で書かれた新聞のことですが,日本で有名なものは「The Japan Times」でしょう。
ところで,その読者には英語ネイティブも当然ながら含まれるわけですが,それこそ小学校高学年の子どもであっても読めるように,(彼らからすれば)易しい英語で書かれています。
また,英語圏には多様な背景を持つ人々が暮らしているので,内容は中立の立場で書かれているのも特徴です。
そして,記事の見出し部分は一定のルールに基づいて書かれています。
例えば動詞ですが,現在形で書かれていても過去形として捉えなければならない他,過去形のように見える見出しは受動態として(wife arrestedは,wife was arrestedのこと),to不定詞は未来形として解釈しなければなりません(be going toだと考えます)。
他にも,be動詞や冠詞・代名詞は省略され,andはカンマやセミコロンで,saidやaccording toはコロンで代用されることも覚えておきましょう。
そしてもう1つ覚えておきたいルールは,各記事においてその内容を要約する段落はnut graphと呼ばれ,通常2~5段落あたりに存在するということです(短い記事の場合は冒頭部のリードが該当します)。
これらのルールを押さえておくだけでも,英字新聞はずっと読みやすくなるでしょう。
なお,先ほど「英字新聞は平易な英語で書かれている」と述べましたが,それでもネイティブの知っている単語は3万語で,日本人の場合,大卒者でも6千語程度とされています。
これを1万語近くにするのが日本人の理想と言われたりもしますので,時には辞書を使ってじっくりと読み込むようにしてください。
とはいえ,英字新聞の基本的な使い方において,辞書は登場してきません。
何度も登場してくる単語や,自分の生活に必要な単語(仕事で使う単語)のみを覚えれば十分だからです。
これは,取り組みやすさを考慮した結果でもあるわけですが,新聞の見出しを読んで興味を持った記事に絞って学習する方がはるかに続けやすいように思います。
最初のうちは特に無理をしないように注意しましょう。
ちなみに,TOEIC学習者が使う場合には,特別に編集された「The Japan Times Alpha」の方が使いやすく,次章以降においてもそれを例として用いています。
詳しい内容について知りたい方はThe Japan Times AlphaがTOEIC対策に向く理由をチェックしてみてください。
英字新聞を使ったTOEIC学習法
英字新聞と日本語の新聞の2つを用意する
ライティング力を強化するために,英字新聞の他に,同日に発行されたの日本語の新聞の2つを用意しましょう。
これは,同じ記事について2ヶ国語で書かれたものを見比べることで,記事内容が深く入ってくるようになり(イメージが浮かびやすく),ライティングの学習効率を高めることを目論んでいます。

まずは英字新聞の記事の中から,自分の興味を引くタイトルを選びましょう↓
後述するように,この後,同じ英文記事の日本語版を読むことになるわけで,The Japan Times Alphaの場合は,英語の記事の最後に「和訳を見る」というボタンが用意されているので,そこを押せばOKです。
必ずしも直訳である必要はないので,他の英字新聞を使う場合,日本語のタイトルで検索して,近い内容のものを探してみても良いでしょう↓
ここでは新型コロナウイルスにまつわるニュースを選びましたが,選ぶ基準としては難しそうなもの(英文の難易度が付けられている本誌では星3のもの)にするか,ビジネス関連の話題にするのがおすすめです。
注意ポイント
TOEICのスコア目標が800点の場合には,最初に日本語訳を読んでから英字新聞を速読することで,イメージだけで(日本語に訳さずに)意味を理解する感覚を身につける練習をします。
記事を速読して未知の表現を探す
2つの新聞を用意したら,次に英字新聞の記事を速読しましょう。
1分間に250語以上のスピードで読むのが目安となりますが,これは先に選んだ文章の最初の4行(Global casesからReuters tallyまで)を8秒くらいで読む速さに相当します。
読むスピードを測りたければ,選んだ記事をコピーペーストしてWordなどに貼り付け,文字数をカウントし,その数に0.24をかけた数字を秒数に設定して読むようにしてください。
これが毎分250語読めるスピードに相当し,例えば全部で100語の文章だった場合,100×0.24=24秒を目標に読むということです。
文章を読み終えたら,初めて出会った表現を含む文を2~3個選んでください。
もし足りなければ,別の記事を使って同じことを繰り返しますが,ひとまず以下の文章を選んだとしましょう↓
The number of global infections continues to rise at a rate of around 1%-2% a day since the beginning of June, even as many countries are taking steps to ease lockdown measures.
赤字部分が初めて出会った表現となります。
理解した英文を音読筆写する
次に,同じ記事を日本語で読んでみましょう!
英語ではわかりづらい表現でも,日本語であれば簡単に意味を理解することができます。
先の英文で赤字にした「rise at a rate of X% a day」という表現は「1日にX%の割合で増える」意味だとわかるでしょうし,「take steps to ease lockdown measures」は「都市封鎖の措置の段階的な緩和を進める」といった訳になっていました。
さて,通常であれば,こうして英文を読んで意味を確認した時点で勉強を終わりにしてしまうでしょう。
ですが,それは大変にもったいないことです。
むしろここからが本番だと言っても過言ではありません。
日本語で読むことで完全に内容を理解した英文を,声に出しながら素早く5回以上ライティングすること(音読筆写すること)で,未知の英語表現が初めて自分のものになるわけです↓
これは私がやったときの例になりますが,1回目に写したときは,まだ英文をどこで切るのかすらままならず,途中で英文を何度か見返すことになりましたが,3回目を過ぎたあたりからだいぶ内容を覚えてきて,5回目には一度も本文を見ずにすらすらと書けるまでになりました。
まさにライティング力がアップした瞬間なのですが,この作業を同じ調子で数ヶ月続けていけば,確実にリーディングスコアは上がっていきます。
1つの文を声に出しながら5回書き写すだけでも10分近くかかってしまう上,手もかなり疲れますが,それだけの価値がある勉強法だと思ってください。
まさに「No pain, no gain」です。
要約する
余裕があれば,要約の練習もしましょう。
これは文章の内容理解をより深めるためのものです。
900点を目指すのであれば,本文と違う表現で要約してみたいものですが,慣れないうちは記事から英文をそのまま抜き出してくるだけでも構いません。
なお,一面の記事は内容的に難しいことが多いので,三面以降に来る記事の方が取り組みやすいことも覚えておきましょう。
まとめ
以上,TOEICで900点を超えるために,英字新聞を使ってリーディングスコアを伸ばすための方法について紹介してきました。
手順についてまとめてみると,
- 英字新聞と日本語新聞の2つを用意する
- 英字新聞を速読し,未知の表現を含む文を選ぶ
- 日本語の新聞で内容を理解し,音読筆写する
- 余裕があれば要約にも挑戦する
という4つのステップを踏むことになります。
この中では,特に1の作業が大変で,The Japan Times Alphaやニュースで学ぶ現代英語というラジオ番組に出会うまでは私自身,ライティングのトレーニングをTOEIC対策に取り入れることは敬遠していました。
逆に,1さえクリアしてしまえば2以降の作業は比較的簡単です。
1回の学習時間が30分に及ぶこともありますが,音読筆写や要約までやり遂げた暁には,その場で成長が実感でき,そこまでの努力が報われたと感じることと思います。
TOEICで900点を超えたい方(リーディングで425点以上を取りたい方)でスコアが伸び悩んでいる方は,是非とも英字新聞を普段の学習に取り入れてみてください!
最後までお読みいただき,ありがとうざいました。