今回は,オンラインでTOEICの模擬試験が一定料金で受験し放題になる「e-test」という希少なサービスについてレビューします。
TOEIC本番のフルサイズ模試(120分で200問)に比べると問題数は少なく,試験時間も短いミニサイズの模試ではありますが,まとまった時間が取りづらい社会人や学生には逆にそれが有難く,予想される換算スコアも実際の結果にかなり近いものが出てくると噂になっているサービスです。
現に多くの企業や教育機関に導入されているにもかかわらず,一般的にはあまり知られていないということが不思議でなりません。
後述する通り,e-testは様々な使い方ができる可能性を秘めているので,これからTOEICを受験しようと考えている方であれば,対策教材の1つとして是非検討していただけたら幸いです。
e-testとは
e-testとは,会話教室の運営や語学研修,さらには翻訳・通訳などのサービスを手掛ける,有限会社グローバル・コミュニケーションズ社が提供するオンラインのTOEIC模試のことです↓↓
公式サイト
ウェブ上で利用できる模試というのは極めて珍しく,あまり一般にも知られていません。
私も最近知って驚きましたが,今この瞬間にでも申し込むことが可能で,24時間いつでもどこでも利用できるところは大きな魅力でしょう。
より詳しく言うと,わずか30分という短時間で受験でき,自分の解答はすぐさま自動で採点され,予想スコアとコメントが表示されてくる仕組みです。
スマホでも利用できる上,自分で制限時間を測る必要もありません。
時間が来ると自動で画面が切り替わってしまうので,一瞬たりとも気が抜けないです。
本番よりも時間が短くなる分,解くべき問題数も4分の1のミニサイズとなり,具体的には
- リスニングが30問(Part1~3)
- リーディングが20問(Part4~5)
の全50問から構成されています。
TOEIC本番ではどちらも200問ずつ解答することになりますし,パートも1~7までと異なることには注意してください。
ちなみにこれらの問題は3,000問あるデータベースからランダムで選び出されてくるので,単純に考えても60回は異なる問題セットを作ることが可能です。
何十回もやれば同じ問題を目にすることもあるでしょうが,基本的には試験直前~1ヶ月前に一気に解きまくる使い方をする場合がほとんどでしょうから,問題数はマイナス評価にはならないでしょう。
さらに模試とは別に,オンラインの単語帳まで利用できます。
なお,気になる料金ですが,1ヶ月2,000円で使い放題になります(支払い方法で「クレジットカード」を選択することで最安価格での利用が可能です)が,このサービスで言うところの「1ヶ月」の定義とは「翌月の入会した日付の前日まで」を意味します。
例えば,2020年の1月20日にe-testに申し込んだと仮定しましょう。
その場合,2020年の2月19日までが1ヶ月目としてみなされるということです。
ゆえに,たとえ月末に申し込んだ場合であっても利用期間が短くなって損をすることはありません。
いつでも思い立ったら申し込んでみてください(23時59分とかだと勿体ないですが)。
さて,この料金が高いかどうかについて議論する前に,そもそものサービス自体がしっかりしていなければ話になりませんよね。
そこで,本サービスの問題の質と予想スコア換算の精度について,次章で確認してみましょう!
e-testの問題の質について
それではここから実際の問題を用い,e-testの問題の質や使い勝手についてレビューしていくことにします。
e-testにはLevel1~3までの3つの難易度がありますが,
- Level1は600点まで
- Level2は730点まで
- Level3は990点まで
を予想スコアとして算出することが可能です。
なお,最初はLevel1のものしか使えませんが,ここで9割以上を取ることで上位のLevelが解放されます。
目標スコアが600点以下の方であれば,ひたすらLevel1の問題に取り組むだけでよいのですが,既にスコアが730点以上ある方は,最低でも1時間かけてレベル3まで解放しなければならないのはやや面倒くさいですが,そこは諦めましょう。
Level1と2の問題で満点近く取れるかどうかを試されていると思って受験してみてください。
なお,先ほど全部で3,000問がデータベースに存在すると言いましたが,このように3つに分かれているわけですから,各レベルごとに問題のストック数は1,000問となり,そこからランダムで50問が出題されることとなります。
実際の公開テストは7つのパートから成るにもかかわらず,e-testでは5つしかない件についてですが,e-testではPart5にある問題がTOEICのパート3と5の2つの点数に関係するようになっているなど,採点方法にはe-test独自のルールがあるようです。
以下では便宜上,e-testの説明は「Part5」のようにアルファベットで書き,TOEICのものは「パート5」とカタカナ書きで区別します。
以下で実際のe-testの出題例をみていきましょう↓↓
Part1
Part1ですがTOEIC本番のパート1と同様の出題形式です。
英文が読まれるので,表示されている写真を最もよく描写しているものを選びましょう。
見にくくて申し訳ないですが,右上には残り時間が表示されています(Part1は20秒以内に解答します)。
制限時間内に答えを4つの選択肢の中から選びましょう。
Part2
Part2も本番と同じ形式になっており,流れた会話に対する自然な返答を3択で選びます。
なお,ナレーターの音声は手作り感がある身近な雰囲気のものです。
もっとも音質の違いが得点の違いになって表れることはありません。
Part3
Part3は短い英文を聴き,それに対する質問に答えるものですが,こちらも本番のパート3と同じ形式です。
多くの参考書で言われている,公開テスト中に多くの方がやるであろう「先読みのトレーニング」は形式上できませんが,逆にテクニックに頼らず実力がそのまま反映されるのでこれはこれでありでしょう。
ただし,一度はフルサイズの模試で練習しておきたいものです。
Part4
本番とは異なり,e-testの場合,Part4からリーディングセクションが始まります。
これは本番だとパート5にあたる文法問題です。
なお,一度答えた問題を後から戻って答えを修正することはできないので,そこも本番と異なります。
もっとも,実際のTOEICでも見直す時間はほとんどないので,スコアにはほとんど影響しないでしょう。
Part5
Part5は本番のパート7にあたる長文の,さらに詳しくみれば「シングルパッセージ」のみの出題となります。
私は質問を読んでから本文を読む方が早く解き終えられるように感じていますが,各自,本番と同じやり方で解くようにしてください。
スコア換算と結果について
なお,結果はこのように,各パートごとの得点とコメントが表示されてきます↓↓
答えや解説は表示されてきませんが,あくまで現時点での自分の実力を知るのがe-testの目的です。
普段は別の教材を使って得点力を高め,その効果が表れていれば,このe-testのスコアも上がっていることでしょう。
もしもPart3の得点が低いようであれば,それに絞って別の教材で学べばよいのです。
そして,かなりパート3が得意になったように感じるようになってから,再びe-testを受けてみてそれを証明してみてください。
単語&熟語テスト
e-testには模試の他にも「ボキャブラリーテスト」なるものが用意されています。
毎回20問がランダムで出題されてくるので,3択問題に各4秒以内に解答しましょう。
こちらもレベル設定は3段階ありますが,90%以上の正答率を10回達成して初めて上のレベルが開放されることに注意してください。
なお,本テストに関しては最後の答え合わせで正しい解答もわかるようになっています↓↓
赤で×が付いているところが間違えたところで,緑色のハイライトが引いてあるところが正しい答えという意味です。
ここで判明した単語の弱点については,書き留めておくか単語カードにしてしまうのもよいでしょう。
e-testの料金について
一部繰り返しにはなりますが,e-testの利用料金は上記のようになっています(2020年12月現在)。
なお,右にある「コンビニぺーパーレス決済」というのは,パソコンで申し込んだ後,コンビニで支払う方法です。
クレジットカードで支払うのが最も安いので,今後はこの2,000円をe-testの利用料金と見なしますが,もしTOEICの公式問題集を購入した場合は,2回分の模試が収録されて3,000円程度します↓↓
ちなみに模擬試験の中で最も安い部類に入るスタディサプリの実戦問題集を利用しても,1回分が1200円の料金設定です↓↓
解答の有無の違いはありますが,仮に毎週1回解いたとしても月に4回分の模試が必要になりますから,e-testを利用することで,解けば解くほど,お得に自分の予想スコアを知ることができるでしょう。
回数を増やすほど問題に慣れることもできますし,1回あたりの時間もフルサイズの模試と比べて短いですので,その利点を生かして何度も挑戦してみてほしいと思います。
次章ではe-test利用者の口コミを紹介しますが,色々工夫して皆さん使っているようですので,是非参考にしてください。
e-test利用者の口コミを紹介
ここではe-testの利用者の口コミを紹介しますが,なんと1年間かけてe-testの模擬試験を287回も解いたツワモノがいます。
「リスニングの成績にe-testが特に役立った。」ということで,スコア的には600点→850点と大幅にアップしたそうです。
さて,ここでTOEICテストを受ける目的について考えてみると,就職のためにスコア提出が必要な方以外に,純粋に現在の実力を測りたいがために利用している方もいます。
そういった方は1年で数回TOEICを受けることになるでしょうが,1回あたり6,500円近くかかるテストをe-testに代えることで,わざわざ試験会場まで受けに行く必要もなくなり,時間やお金の節約につながったとのことです。
「テストの出題傾向や雰囲気が掴めた。」という口コミもありましたが,何度もe-testの問題を解くことで本番のテストに対する恐怖心もなくなってくるとのこと。
こういったことが可能になるのも,実際のスコアに近い点数が計測できることと,オンラインかつミニサイズの問題であっても,時間制限がある中での受験になるわけですから,伝わる緊張感や臨場感というのは本番と同質のものになるはずです。
私の知り合いにもe-testを使ってみた方がいますが,彼女の予想スコアとして表示されてきたのは450点で,本番の結果は470点でした。
30分で終わるというのが何とも絶妙な線をついていて,最後の問題を解き終わるまで途中退出できないハードルをできるだけ下げてくれています(多くの方にとってみれば,連続した2時間は捻出できなくても30分だけなら取れるのではないでしょうか)。
まとめ
以上,e-testの問題のレビューから始まり,他の参考書と料金を比較したり,利用者の口コミについてまでまとめてきましたが,いかがだったでしょうか。
問題を解いて算出される予想スコアの値と本番の結果が非常に近いという「精度の高さ」と,「回数を重ねるほどに安くなる利用料金」がありました。
さらには「30分という取り組みやすい時間設定」と「制限時間の存在」が,このe-testを大変完成度の高いサービスにしていることがわかっていただけたかと思います。
e-testにおける唯一の弱点は解答解説が存在しないことで,英語の実力自体を底上げするにはそこまで役立たないでしょう。
ですが,実際の本番の雰囲気を体感しそれに慣れることでスコアは確実に上がっていきますし,ボキャブラリーテストまでしっかり取り組めば,リーディングセクションの得点アップに繋がるのは間違いありません。
今後利用機会が増えていくであろうオンライン教材ですが,上手に付き合っていくためには,それぞれの教材の適性を理解し,適材適所といいますか,目的に応じて上手に使い分ける能力が求められます。
そういった意味では,現状の英語力を確認し,TOEIC本番の形式にいち早く慣れたい方にこのe-testはおすすめです。
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