TOEICで単語の意味は少しわかるのに,文全体の意味がつかめない場合,原因は英文法の基礎にあることが少なくありません。
特に400点前後の初心者は,いきなりPart5の問題を大量に解くよりも,中学英文法とTOEICで頻出する高校英文法を整理した方が,その後の伸びが安定します。
そこで今回は,「TOEIC英文法の勉強法」について,必要な文法レベル,教材の選び方,例文暗記のやり方を順番にまとめます。
なお,現在のスコアごとに優先すべき学習内容を確認したい方は,TOEICの目標スコア別勉強法も参考にしてみてください。
TOEIC初心者に必要な英文法レベル

TOEICで英文法が直接問われるのは主にPart5とPart6ですが,文法力はPart7の読解やリスニングの理解にも関係します。
例えば,時制,品詞,接続詞,関係詞,分詞構文などが曖昧なままだと,英文の骨組みをつかむのに時間がかかり,リーディング全体の処理速度が落ちてしまいます。
そのため,英文法はPart5だけのために学ぶものではなく,TOEIC全体の理解速度を上げるための土台だと捉えておきましょう↓
初心者が優先したい文法項目
- 品詞:名詞・動詞・形容詞・副詞の違い
- 文型:主語・動詞・目的語・補語の関係
- 時制:現在・過去・未来・完了形
- 助動詞:can,must,should,will など
- 受動態:be動詞+過去分詞
- その他:不定詞・動名詞・分詞・接続詞・関係詞
なお,TOEICに必要な英文法を学び始める前に注意しておきたいことがあります。
それはどこまで英文法を学ぶ必要があるかということで,目安がわからなければ始める必要があるかどうかわかりませんし,終わるタイミングも定まりません。
文法だけ勉強していても英語力は伸びない。
という意見も部分的には正しく,かといって,まったく文法を勉強せず,闇雲にTOEICの問題を解いていてもスコアアップは難しいでしょう。
確かに,知っている単語を適当に並べていくだけでも,ある程度は相手に言いたいことが伝わるものです。
(誤)Tom watch movie yesterday.
と話した場合で考えてみますが,英語ができるネイティブであればこれを聞いて,
(正)Tom watched the movie yesterday.
などと自然な形に脳内変換し,正しく理解してくれるはずです。
これは,日本人が「トム・見る・映画・昨日」という日本語を聞かされて,どのように解釈するか考えてみればわかりやすいでしょう。
とはいえ,文法を無視した英語でなんとかなるのは簡単な日常会話までであって,TOEICではそれよりもずっと高度な英語力が求められます。
なので,「基礎レベル」の文法力を身につけておかなければなりません。
日本語と文構造が似ている言語(例えば韓国語)を学ぶのであれば,日本語の感覚をある程度生かせる場面もありますが,英語は語順の感覚が大きく異なります。
先に示した英語で,語順を変えたり主語を省略したりして,「movie watch Tom」や「watch movie tonight」などと言ってしまうと途端に伝わらなくなります。
だからこそ,英文法はある程度のレベルまで習得しておく必要があるわけです。
ちなみに,何を「基礎レベル」と言うかですが
- 中学英文法+高校内容の一部
というのが当サイトの見解です。
さて,私は仕事で中学生に英語を教えることがありますが,2ヶ月間でも集中的に教えれば,ゼロから始めたとしても中3までの知識を身に付けることができています。
なので,中学内容に関してはさほど長い時間がかかるわけではありません。
しかし,高校英文法は中学のものと比べて量が膨大なので,TOEICで頻出の文法事項に絞って勉強することをおすすめします。
それに加えて,解説を読んでも理解できないものは後回しにし,文法書の後半にまとめられる「語法やイディオム」といった丸暗記項目についても,学習中に出てきたものだけを覚えるようにすればOKです。
ここまでが「基礎レベル」となりますが,それ以上詳しく学んでももちろん構いません。
ですが,タイムパフォーマンスは悪化する,つまりは費やした時間がそこまでスコアアップに繋がらなくなってくるので,文法以外の勉強をする方がスコアは伸びるはずです。
次章からは,英文法の具体的な学習法として,問題集の選び方と例文暗記という学び方について紹介します。
TOEIC英文法の教材・問題集の選び方

英文法を効率よく固めるには,レベルに合った教材や問題集を1冊ずつ仕上げていく方法がおすすめです。
そのときのポイントですが,簡単なものを完璧にしてから,少し難易度の高い問題集へとステップアップしていくのがコツです。
まず最初に,中学までの内容をまとめた問題集を1冊選び,それが全問正解できるようになるまで繰り返します。
特にTOEICの初心者ほど,最初は欲張らず薄い問題集から始めることが肝心で,「1冊完璧に仕上げられた!」という達成感を味わうことがモチベーション維持につながります。
そうしたら次に,もう少し分量のある中学英文法の問題集に進み,これも完璧になるまで何度も解き直しましょう。
最初にやった問題集で学んだ内容も,ちょっと形を変えて(使っている単語などが違う形で)出てくるので良い復習になるはずですし,新しい文法知識も増えていきます。
ちなみに,書店で見かける「TOEIC対策」と名が付く文法問題集は,どうしても高校の内容を含めずにはいられないので,中学英語を学ぶ段階では手を出さない方が無難です。
とはいえ,いつまでも中学英文法の範囲にとどまっているようでは,Part5の文法問題には太刀打ちできないでしょう。
そこで最後に,TOEICテスト用に作られた問題集を1冊選んで挑戦してみましょう。
理論的な解説を読むことに抵抗がない方であれば,解説書として『一億人の英文法』を使う方法もあります。TOEIC形式の問題に慣れたい場合は,『世界一わかりやすい文法』や,10日間で終わる薄めの問題集,スタディサプリの文法講座を使って,全範囲をサッと確認するのもおすすめです。
本章のポイントをまとめると,TOEICの英文法を攻略するには上から順番に学んでいくようにしましょう↓
- 中学レベルの基礎問題集
- 中学レベルの標準問題集
- TOEIC内容を扱う問題集(高校レベル)
この順番を守ることで,「問題は解いたけれど,解説の文法用語がわからない」という状態を避けやすくなります。
例文暗記で文法を使える知識に変える

英文法を学ぶ際,基本例文を暗記することは,自然な表現を身に付けるのに役立ちます。
単語と文法を身に付ければどんな文でも作ることができることは確かですが,不自然な英語を作ってしまうこともあるわけです。
特に日本人の英語学習においては,決まり文句やコロケーション(連語・語と語の繋がり)を丸暗記するのが有効な学習法だとされています。
実はこの「例文暗記」,TOEICにおいても非常に効果的です。例文の型ごと頭に入れておけば,Part5の空所補充で「この形ならここにはこの品詞が入る」と瞬時に判断できたり,リスニングで英語の語順のまま意味を理解できたりと,スコアアップに直結するメリットがあります。
なので,英文法を学ぶ際には,ただ問題を解くだけでなく簡単な例文暗記も併用するのがおすすめです。
一番無駄がないのは中学の教科書を使うことで,基本例文がもれなく収録されているように思いますが,手元にない方は,中学の教科書ワーク(準拠問題集)を使うと,巻末部分などにまとまっているはずです↓

中学内容の例文暗記が終わったら,続いて高校レベルの基本例文を覚えるようにしますが,両者ともに以下の勉強法を採用することで,リーディングやリスニング力を高めることができます↓
- 声に出しながら5回ほど書き写す
- 日本語訳を見てからすぐに英語に直す
ちなみに,例文暗記の恩恵を最大限得たいのであれば,暗記した例文を頼りに自由に文を作ってみるアウトプットも効果的です。
自らの言葉で英文を作りだす行為を通して,真の意味で英文法を理解できるようになります。
それに,英語を身に付ける本来の目的はコミュニケーションにあるので,正しい英語の学び方をしていることに他なりません。
その日に学んだ教材に出てきた文章を読んだ感想など,日記形式で書くと続きやすいです。
まとめ:400点前後なら文法の基礎固めを優先しよう
以上,TOEICに役立つ英文法の学び方について,問題集と例文暗記の2つを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
今回の記事の要点をまとめると,
- TOEICでは中学英語と高校英文法の頻出分野の勉強が必要
- 問題集は完璧に仕上げたものを1冊1冊増やしていく
- 例文暗記をする際は声に出して書き,日本語を英語に直す練習も有効
- 英語を使って自由に書く練習も忘れない
となります。
もっとも,一度にこれらを全部やろうと思うと大変なので,普段の勉強メニューに1つでも新しいものを取り入れられたらOKと考え,「これは続きそうだ」と感じた勉強法があれば,その後のTOEIC学習においても継続してみてください。
英文法の勉強法を見直すと,TOEICのスコアを大きくアップさせることができます。
目標スコア別のTOEIC勉強法の記事で述べたように,400点を取れた後は500点に向けてリスニング対策を行いましょう!
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。