TOEICの表彰制度!IIBC AWARD OF EXCELLENCEを目指そう

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今回は,TOEICの表彰制度である「IIBC AWARD OF EXCELLENCE」について学んでいきましょう!

TOEICで目標とすべきスコアについては,これまでリスニングとリーディング(L&R)が中心となって議論されてきたように思いますが,今ではスピーキングやライティング(S&W)も含めた英語4技能で考えられることが増えてきています。

その背景には,昨今の入試改革やグローバル化でアウトプット型能力の評価が高まっていることがあり,このIIBC AWARDを手にすることは,後述しているようにL&Rで900点以上取る成果に匹敵し,勉強のモチベーションを維持するための十分な目標になり得るものです。

当記事では,表彰に必要となる条件について詳しく解説するだけでなく,基準を突破するための戦略や受賞者インタビューにアンケート結果の分析,さらには記念品として贈呈される物など,様々な角度から紹介していきたいと思います。

TOEICの表彰制度とは

IIBC AWARDについてのお知らせ

TOEICにおける表彰制度ですが,「IIBC」の名前を冠していることからもわかるように,日本国内に存在する国際ビジネスコミュニケーション協会が実施しているもので,2017年に初めて開始されました。

対象となるテストはTOEICのListening TestとReading Test以外に,Speaking TestとWriting Testまでをも含んでおり,それら4技能のスコアすべてが一定基準を超えていた場合にのみ表彰される制度となっています。

補足
補足
L&Rテストしか受けない人もまだまだ多いと思うので,特に意識しない限り,自然と表彰されることはないでしょう。ただし,エントリーするなどの余計な手続きは不要です。

表彰条件について詳しくみていくことにしますが,簡単に言うと,TOEIC受験者の中でL&Rで上位5%,S&Wで上位10%に入ることの両方が必要となります。

とはいえ,テストの受験会で多少その割合は変わるわけなので,実際は以下に示す「絶対的な基準」によって決まることに注意してください↓

  1. L&R Testを受けて,リスニングが375点かつリーディングが425点以上となる
  2. S&W Testsを受けて,スピーキングが160点かつライティングが170点以上となる
  3. S&W Testsのライティングは170点以上だったがスピーキングが150点以下だった場合に,Speaking Testを再度受けて160点以上を取る

これらのいずれかを同一年内(1~12月に実施される)の試験で達成するようにしますが,IPテストは選考の対象外です。

ところで,上に示した3の要件は2022年から新しく加わったもので,実際,私もこの新しい基準の恩恵にあやかって,まず最初にL&Rを受けて基準点を超えていたので続けてS&Wを受け,スピーキングのみギリギリ届かなかったので,Speaking Testだけを後日受験することにしました。

なお,L&R TestやS&W Testsと比べて,Speaking Testは準備時間も含めても30分くらいで終わってしまう短いものです。

正直,

会場まで長い時間をかけてわざわざ試験を受けに行く意味はあるのだろうか?

と自問したこともありました。

ですが,英語のスピーキングテストとしては比較的長めに分類される試験ですし,機械相手ではあるものの,英語でしゃべる行為には独特の魅力があると今では考えを改めています。

確かに,スピーキングテストは人の手が入る(採点する)必要があるために安くは受けられませんが,テストを単独で受けられるようになっていることはリーズナブルであるとも捉えられますし,思い立ったら比較的すぐに試験を受けに行けるという開催頻度の高さも忘れてはいけません。

受験後の帰り道において,

頑張って受けに行って良かったな!

と毎回のように思うことでしょう。

補足
補足
当然,手ごたえがなかった時は「今,冷静になって考えてみればこうも言えたな。もっと頑張らなければ。」などと悔しい気持ちでいっぱいになるのですが,それもまた再突撃の気概が生じて悪いものではありません。

ここで話を元に戻しますが,先に示した基準のうち,1つ目については同一回のL&Rテストで達成することが必要で,別々のテスト結果を合わせることはできないことについて,ここで詳しく述べておきましょう。

例えば,「1回目のテストでL375点のR400点,別の回の2回目でL370点のR425点」を取っても表彰されないわけです(赤字は非到達項目になります)。

逆に,S&Wに関しては同一回のテストで達成できなくても問題ありません

複数回受けて,異なるテスト結果を組み合わせることが可能です。

この前,当サイトに問い合わせがあった質問に,

1度目のS&WテストでS160 W150,2回目でS150 W170だった場合はどうなりますか?

というものがありましたが,安心してください,この場合は受賞の対象となります。 

以上を踏まえて,先の受賞基準をよりわかりやすくまとめ直してみたので確認してください↓

IIBC AWARDの受賞基準

  • 同一年内の公開テストでL375点,R425点,S160点,W170点を取得する
  • ただし,LとRのみ,同一回のテストで達成することが必要

さて,IIBC AWARD OF EXCELLENCEを受賞すると,表彰状の他に記念品,さらに希望者は「オープンバッジ」と呼ばれるデジタル証明を手に入れることができます。

詳しくは後述しているので,3つ後の章をお読みください。

受賞に関するお知らせや発送業務についてですが,年内最後の12月実施分の結果が出るのが1月ですので,その翌月,つまりは2月の上旬~中旬にかけて一斉に行われることになります。

補足
補足
早い時期に受賞基準に到達してしまうと,それだけ長い期間待つ羽目になるわけですが,受賞者側で何かできることはありません。

 

 

IIBC AWARD OF EXCELLENCEを取るための戦略

IIBC AWARD受賞プランとスピーキングの参考書

なお,先の基準にあったリスニングとリーディングのスコアを単純に足してみると800点となるため,

案外,簡単に達成できるのでは?

と思われた方も少なくないでしょう。

しかし,リーディングのスコアがリスニングのそれを上回って出てくることは一般的ではありません。

大半の方は,L&Rのスコアが合計で900点くらいにならないと目標を達成できないでしょう。

その証拠に,第405回(2025年10月19日午後)に実施されたL&Rの平均スコアを調べてみたところ,リスニングが339.8点でリーディングが282.8点と,50点以上の差がついていました。

スコア分布をみても,リスニングで370点以上取れている人は38.6%いるものの,リーディングで420点以上取れている人は全体の7.9%しかいませんでした(残念ながら,基準となる375点と425点ピッタリの数字は見つかりませんでしたが,達成できた人の割合がこれより少ないことは確かです)。

補足
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参考データとして,2021年と2022年のL&Rテストでリスニング375点かつリーディング425点を達成できた受賞者は,平均で5%と発表されていました。

一方のS&Wに関しては,2025年10月12日実施分を例に,これまた平均スコアなどを調べてみたところ,スピーキングが130.1点のライティングが140.9点であり,スピーキングで160点を超えていた人は15.4%,ライティングで170点以上は15.1%でした。

2021年と2022年において,S&Wで完璧に基準に達した人の割合は10%という話も耳にしたので,スピーキングで基準点を超えていてもライティングの方が下回っていたり,そもそもライティングテストを受けない人も一定数いたりするのでしょう。

受賞者数はどんどん増えていくものかと思いきや,ある程度のところで頭打ちになっているように見えます↓

過去の受賞者数まとめ

2021年:503名

2022年:600名

2023年:538名

2024年:575名

なお,これらの分析結果からわかったことは,表彰されるためには「リーディングの壁」と「スピーキングの壁」の2つに注意すべきということです。

ところで,TOEICの結果を利用できる語学系最難関の国家資格として「全国通訳案内士」が知られています↓

こちらは,L&R900点・Speaking160点・Writing170点のいずれかを達成することで1次試験の英語が免除されるというものなので,L&Rで900点を取らないとIIBC AWARDの基準点は達成しにくいと考えておくのが無難でしょう。

歴史的に見ると,TOEICのL&RのスコアとS&Wのスコアの間には正の相関があるとされており,S&W Testsが開発される前においては,L&R Testだけで4技能の能力が測定できるとされていました。

2019年の英語活用実態調査結果を見直してみても,スピーキングで160点を取るためにはL&Rで880~945点(平均910点)が,そしてライティング170点には890~955点(平均920点)が必要でした。

測定誤差が50点くらいあると考えても,L&Rで890点くらいの実力が求められます↓

一般的には「L&Rで100点アップ,S&Wで20点アップ」すると実力が1ランク上がったとみなせますが,S&Wに関しては,1つの大問で似た問題を過去に解いた覚えがあったとき(自信をもって答えられたとき)にようやく20点アップできるというのが実感です。

問題数がそれほど多くないS&W Testsだけに,問題との相性がスコアに大きく影響するように思います。

ゆえに,何度も受け直す戦略は有効です。

とはいえ,短期間で20点アップするというのは,初回に質問に対する答えが浮かばずにほとんどしゃべることができなかったか,初受験でよくわからぬままに終了となってしまった場合に限られるでしょう。

ましてや1ヶ月後に30点以上もスコアが上がるようなことは,根本的な実力が上昇しない限りはほぼ起こらないはずです。

次章で,受賞者ならではの勉強法についてみていきましょう!

 

 

IIBC AWARDの受賞者に学ぶ勉強法

IIBC AWARD受賞者へのアンケート結果の例

TOEICの公式サイトでは,IIBC AWARD OF EXCELLENCEの受賞者にインタビューした結果を確認できますが,さすがインタビューを受けるような方は自分なりの勉強法を持っていますし,英語に対するモチベーションが物凄く高いか,維持するための工夫が経験則的に身に付いているように感じました。

ここでは,主にIIBC AWARDの受賞のために有効と思われる勉強法について,受賞者に実施したアンケート結果も合わせて,まとめてみたいと思います。

1位:新聞や記事を含む書籍を読む

Japan Timesに代表される英字新聞や雑誌,それに洋書を多読される方も見受けられましたが,特にTOEICの公式問題集の利用者が多いようです。

中でも,

リスニングセクションを中心に勉強しました!

と語る受賞者は多く,確かにリスニング能力は短期間で伸びやすいですし,セリフを覚えることでスピーキングの練習にもなるため,書かれている内容を隅から隅まで暗記する方法は有効と言えるでしょう。

1冊やるのに半年かける人も中にはいたので,公式問題集が出るたびに購入してみてもよいかもしれません。

補足
補足
聞き取り強化の一案として,「加圧式」などと呼ばれる勉強法が知られていますが,音声の再生スピードを1.25倍などと速くして聴くことを習慣化しておくことで,本番のリスニングがゆっくり聞こえるようになります。

公式問題集に掲載されている英語というのは洋画や生の英語と異なり,正確かつ上品なものであるため,

ビジネスシーンで使う英語の手本としてふさわしい。

という意見もありました。

実際,仕事と英語が結びついている人が受賞しているケースが多そうです。

 

2位:英語の映画やドラマを見る

「好きこそものの上手なれ」ということで,NetflixやDisney+といったサブスクの他,TED Talksを使って興味がある分野のプレゼンを観ている方もいました。

海外ドラマや洋画でTOEIC対策する記事でも述べたのですが,コツは日本語と英語の字幕2つを利用することで,視聴回数を重ねるごとにどちらか一方を隠しながら視聴するといった使い方ができそうです。

ただ黙って観るのではなく,ロールプレイもそうですが,声に出す練習は大切だと感じます。

 

3位:ラジオやポッドキャストを聞く

これにはNHKのラジオは含まれないので,VOAとかCNN,またはAFNのようなものを指しているのでしょう↓

ポッドキャストでは,

アメリカ国営のものを選んで聞いています!

という方がいましたが,これは別に現代に限らず,15年くらい前にも行われていた王道的な方法です。

もっとも,今ではスマホを使って高音質の英語を簡単に聴けてしまうわけですから,学習者にとって良い時代が訪れています。

 

4位:オンライン英会話を行う

順位的には下の方ですが,インタビューでは結構な数の受賞者がオンライン英会話を行っていたので驚きました。

1回のレッスンは時間にして25分くらいでしょうから,まさにTOEICのスピーキングと同じくらいの長さです。

平日に表現のストックや質問,または添削課題を用意しておき,週末にオンライン英会話で実践するという流れは大変効率の良い方法だと思います。

 

5位:YouTubeやNHKラジオなどを視聴する

ここでようやくNHKのラジオが出てきますが,同時期に2つの番組を聞く方がいた他,利用期間が長い方は小学生の頃から親しんできているとの話でした。

ラジオを聞いた後にオンライン英会話を行い,毎日計1時間の学習時間を確保しているような受賞者も見られました。

とはいえ,各自が伸ばしたい能力は人それぞれで,興味を持つジャンルも異なるはずなので,学習の継続に繋がりやすい方法を採用するのが一番でしょう。

補足
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私の場合ですと,TOEIC900点くらい取れるようになってからS&Wの勉強を始めてみたり,英作文の採点バイトを行ってみたりした経験が総合的な語学力アップに役立ったように感じています。

 

 

表彰されると貰える物

IIBC AWARDの表彰状とノート

IIBC AWARD OF EXCELLENCEを受賞すると,まず2月上旬にそれを知らせるメールが届き(アンケートのURL付),その数日後に表彰状(ホルダー付き)と記念品(ノートなど),やや遅れてオープンバッジを貰うことができます。

この中で,オープンバッジについてはアンケート内で意思表示をすることが必要で,3月上旬にオープンバッジオフィスからメールが送られてくるので,9月末日までに登録する必要があることに注意してください↓

オープンバッジ取得希望を問うアンケート項目

私の例をもとに,受賞記念品のスケジュールについて整理しておきます↓

2023年のスケジュール例

2月9日:IIBC AWARD受賞の連絡と記念品の発送

3月2日:オープンバッジについての案内メール

3月9日:オープンバッジ授与のお知らせ

3月10日:オープンバッジ発行完了のお知らせ

これらは当然ながら本人のやる気のアップに繋がるわけですが,IIBC AWARDの受賞者の中には,受賞を目的に勉強してきた方が少なくありません。

繰り返しになりますが,L&Rだけならまだしも,S&Wまで自発的に受けるような人はまだまだ少ないのが現状です。

ところで,表彰で得られる物には目に見えないものもあります。

例えば,苦手なことを克服できたという成功体験は,自己実現の観点でみると,本人に及ぼす影響が大きいです。

実際,先のインタビューでもそのようなことを語っている方がいらっしゃった他,私自身,学生時代にスピーキングに苦手意識を持っていましたが,今回表彰されたおかげで過去の呪縛から解放されたように感じました。

この他,第三者に向けての英語力が証明できることで,英語を使う機会が自然と増えることでしょう。

事実,

TOEICのオープンバッジを履歴書に付けて就職活動したら相手の反応が良かった!

という意見がありましたし,「英語が得意だから君に任せる。」と留学生の世話役を頼まれた方もいました。

突然,会社の上層部が方針を転換し,全社員が英語力のアップを義務付けられるといった理不尽な出来事も,今の時代に珍しいことではありません。

TOEICをペースメーカーとして英語の勉強を続けつつ,仕事に役立つ知識や経験を身に付けることこそ,これからの時代に生きる社会人としてのたしなみと言っても過言ではないでしょう。

記念品を含め,TOEICグッズについて詳しくは以下の記事をご覧ください↓

 

 

まとめ

額装したIIBC AWARDの表彰状

以上,TOEICの表彰制度であるIIBC AWARD OF EXCELLENCEについて,基準や受賞戦略を中心にまとめてきました。

今回紹介した内容については,公式サイトで案内記事を読むことができます。

今回の記事の要点としましては,L&Rだけは同一回のテストで達成することが必要で,戦略的にはリーディングとスピーキングを中心に勉強することをまずは覚えましょう。

勉強方法については,公式問題集を念入りにやるとともに,幅広い教材を使ってリスニング能力を鍛えるようにしてください。

そして,見事IIBC AWARD OF EXCELLENCEを受賞することで,モチベーションをアップさせては自己肯定感を高め,英語を使って活躍するチャンスをいつでも掴める状態にしておきましょう!

TOEICテストは毎月のように受けてもほぼスコアが変わらず,結果が正確に出てくる(専門的には,信頼性と妥当性と実用性をすべて兼ね揃えた)テストですが,特にリーディングやスピーキングが受賞基準まであと一歩のところまで来ている方は,表彰を狙ってもうひと頑張りしてみてください。

L&Rで900点,S&Wで330点を超えるための勉強法についても書いています↓

最後までお読みいただきありがとうございました。

明るく開けた勉強空間のイメージ
スタディTOEIC®の管理人のアイコン

スタディTOEIC®の管理人

TOEICの受験歴は20年以上となり,これまでに100以上の教材を試してきました。ベストスコアはL460 R455 S170 W170で,IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022を受賞しています。

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