自分のこれまでの英語学習を振り返ってみると,高校生くらいまでは無理矢理やらされている感が強かったですが,それ以降は自分が好きなように取り組めるように変わってきました。
もちろん,TOEICやビジネス英語を学ばざるを得ない局面もありましたが,それはなるべく平日の間に行うに留め,休日は全く違った学習法を採用することで良い気分転換ができ,翌週からのやる気チャージに繋げられています。
そもそも,仕事と勉強は似た者同士のようなところがあり,1週間ずっと頑張り続けてしまうと身体は疲弊し,両者ともにパフォーマンスが低下してしまうでしょう。
というわけで,表題の「英語漬けの1日」は合宿ばりの特訓のことではありません。
むしろ,英語を学ぶ本来の楽しさに気づかせてくれるものです。
以下では,私が実際に休日に行っているものを例に,詳しくみていきたいと思います。
もくじ
英語漬けのスケジュールについて
英語漬けの1日を送ろうと思うと,それ専用の施設だったり,語学学校が開講する1日完結型のプログラムだったりが浮かんできますが,今回紹介するものは全て自宅に居ながら行えるものです。
日によって順番は変わりますが,具体的には以下のスケジュールを消化していくことになります↓
- スポーツ観戦する
- ドラマを視聴する
- 読書する
- おしゃべりする
- ラジオを聴く
- 日記を書く
日本語を介さずにすべてを英語で行うという違いはありますが,このスケジュール内容は,普段の休日の過ごし方とそれほど大きくは変わらないでしょう。
つまり,楽しい休日を過ごす感覚で英語漬けの1日を送ることが重要です。
なお,丸1日使って合宿ばりのハードなトレーニングを行うことで大きな満足感を得られる方もいるでしょうが,当記事では,勉強している感を極力出さずに,あくまで楽しむことを最優先にスケジュールを組みたいと思います。
それでは次章から,過ごし方のヒントを個別にみていくことにしましょう!
スポーツ観戦は英語中継を利用する
私はMLBのテレビ番組を視聴することが好きです。
今は,大谷翔平選手の所属するドジャースの試合を観ることが多いのですが,音声にHomeとAwayの2つがある場合,どちらを選ぶかで実況者のテンションが全く異なるので,是非とも応援するチームびいきの実況を利用するようにしましょう!
How many starting pitchers in the 2nd inning are dirty from almost head to toe?(2回の時点で,頭のてっぺんからつま先まで汚れている先発投手が何人いるだろうか)
大谷選手が盗塁を決めたあとのマウンドで,実況者が上のような表現をしていましたが,なんとも言い得て妙なコメントだなと感心したものです。
他にも,
What he is doing is not pitching or batting. It's BASEBALL(彼がやっていることはピッチャーでもバッターでもなく,ベースボールだ)
というコメントは,日本人の実況者からは飛び出してこない粋な物言いでしょう。
こうした英語には平日の「真面目な」勉強からは得にくいものです。
国内ではAbemaTVやAmazon Primeなどでライブ中継が観られると思いますが,英語に触れたい方は是非とも,海外の放送を利用するようにしてください。

チャット機能が利用できるものだと,例えば「have issues with~(~との間にいろいろと問題がある)」などの表現が学べたりします。
これは,すぐに難癖をつけて相手を挑発するバッターによく使われる表現です。
なお,ライブ中継が終わった後もアーカイブ動画が残るものであれば,中継時間に間に合わなくても,あえてニュース速報を確認しないで視聴することで,結果を知らずに楽しむことができます。
海外スポーツの動画を使った英語勉強法については,以下の記事を参照してください↓
英語字幕で海外ドラマを楽しむ
動画サイトを利用して海外ドラマを見ることも多い私ですが,語学に役立てるためのヒントは,登場人物が英語で喋るオリジナル版を視聴し,字幕は英語に設定するということです。
海外で生活していることを考えれば,通常,日本語を目にすることはありません。
そこで,休日はその環境にできるだけ近づけることを意識すれば,大抵の場合,上手くいきます。
とはいえ,まったく聴き取れなかったときの保険として,英語字幕を用意しておくわけです(必要とあらば日本語字幕もすぐに表示可能です)。
Please, Mr. Ambassador, let's not get off on the wrong foot here tonight(お願いです,大使。今夜は出だしを間違えないでください)
この日は,サバイバーというオリジナルドラマを観ましたが,「get off on the wrong foot(出だしで失敗する)」という熟語が早速出てきました。
文法や発想を学ぶ題材として,生の英語は中々勉強になるはずです。
ところで,英語を聴く速度と読む速度の間には正の相関があり,聴けるスピード以上で読むことはできませんし,逆も同じだと言われています。
以前の記事で,自分と年齢や性別が近い登場人物の喋る英語の方がベターと書きましたが,あまり難しく考えてしまうと楽しむことができなくなるので,基本的には好きな作品を選ぶで構いません↓
その他の工夫として,スポーツ観戦をするときもそうですが,海外の飲食物を用意しておくことで,より気分を盛り上げることができます。
昼食代わりにホットドックを食べることが一例です。
なお,シリーズ物の場合だと,続けてずっと観てしまいたくなるものですが,その気持ちを抑えて,あえて中途半端なところで止めておくことで来週が来るのが待ち遠しくなります。
これを繰り返すことで習慣化しやすいように感じる今日この頃です。
洋書の読み聞かせを聴こう
食事・運動・掃除といった作業を行う際は,オーディオブックを聴くことにしています。
朗読用のCDは昔から売られていますが,今やサブスク形式で安く契約して多聴することができる時代です。
ワイヤレスヘッドホンも併用すれば,家のどこにいてもリスニング環境が整います。
私は以前,英語ネイティブの翻訳家に自分の翻訳を半年近く添削してもらった経験があるのですが,特に気をつけるべきは,読み上げた時の音の響きであり,名作と呼ばれる洋書(例えばErnest Hemingwayの作品)であれば,例外なく耳障りの良い英文になっているものです。
Every day is a new day. It is better to be lucky. But I would rather be exact. Then when luck comes you are ready
上の文は「普段からしっかり準備をしておくことで,いざ幸運が舞い降りたときにも逃すことはない」的な意味ですが,これに近い内容であっても,響きまで素晴らしい上のような英文はそう多くありません。
大手のオーディオブックであれば,読み手が厳選されていてスタジオ録音されているので聞きやすく,何より,気持ちのこもった朗読を聞くことが可能です。
目を使わずに済むのでながら作業にピッタリで,途中からでもすぐに再開できるため,スキマ時間に聴いてみるのも良いでしょう。
耳を英語の音に慣らすだけであれば洋楽を聴くのも良い方法ですし,TOEICの試験日に朝から模試の音源を聴きながら会場に向かうというのは,スコアアップのための工夫としてよく知られています。
いずれにせよ,リスニングは少しの時間行うでも効果があるので,有名どころの作品や自分が好きなジャンルを休日の空き時間に聴いてみてください↓
なお,サービスの多くは速度を遅くして聴くこともでき,0.8倍くらいならば音質の変化も気になりません。
また,内容をある程度知っている書籍(例えば星の王子様など)であれば,「今はこのシーンだな」などと補完して聴くこともできます。
久々に読んでみたい洋書はオーディオブックを利用しましょう。
オンライン英会話を利用する
平日に身につけた表現は,休日にオンライン英会話を利用して使ってみるのがおすすめです。
きれいな発音や正しい文法を心がけるのはありですが,個人的には,相手に自分の意志を伝えることを優先し,気楽にやろうと決めています。
なお,最初から最後までフリートークのサービスもありますが,初心者には敷居が高いので,普段自分が使っている教材を実践する場としての利用を基本としながらも,数分間は講師と自由な会話を楽しめるサービスがおすすめです↓
TOEIC用のものでなくてもビジネス英語であれば十分で,または日常英会話のコースであってもことに足るでしょう。
スタディサプリだと平日は教材で勉強し,その内容に限定してオンライン英会話を行うことになるのでハードルが低く,週末に予約を入れることができますし,時間が空いたときにすぐレッスンを始めることもできます。
英語を学ぶ最終目的を,世界中の人と話すことに設定している人も少なくないでしょう。
座学が中心になっても,その気持ちを忘れてしまってはいけません。
英語のラジオを時間があるときに聴こう
都合が良いことに,NHKのラジオ講座が休日にまとまって放送されています。
もっとも,こちらは過去の放送が1週間分は残っているので,リアルタイムではなくストリーミング配信によっていつでも聴くことができ,以下の番組のように,テキストを別に買うことなく,スクリプトまで完全無料で見られてしまうものは重宝するはずです↓
昔は英字新聞が必須でしたが,少数の記事だけをしっかり理解するのであれば,上のような付き合い方で十分なのかもしれません。
例えば,若者のワクチン接種の動画において,Vaccine applicantの方が,
I wish there were more venues that didn't need reservation
と発言しており,この英文だけでも,仮定法過去や比較に省略といった文法事項や,venueやreservationといった単語を学ぶことができました。
話題が旬なものが多いので,それこそ,オンライン英会話の話題に使えたり,次章で紹介する日記に新しく学んだ表現として登場させられたりできます。
日によっては,CNNのような海外ニュースをラジオで聴くこともあり,時間が短いものだと,わずかな集中力で聴き終えられるので楽です↓
朝の時間帯と比べて,夜は連続した自由時間が取りづらいため,集中する時間をなるべく短くするように工夫しています。
日記は英語で書く
休日に体験したことで特に印象深かったものを,日記に残しておきましょう。
長きにわたって書き溜めて,後になって読み直してみると楽しいです。
例えば,朝の野球については,
Today, Shohei pitched as the 18th two-way starter in the game against the Astros. Although he didn't win the game, he didn't disappoint his fans. He hit his 44th home run in 4 games and I hope for him to become the single season home run king.
などと書くことができました。
長文にするのが苦痛であれば,事あるごとにSNSで呟くようにしても良いかもしれません。
このときの英文がたとえ中学で習うような簡単なものだったとしても,しっかりと続けて書くと立派な内容になるはずですし,書こうとするたびに,「この表現は英語で何と言うのだろう」と興味が掻き立てられるはずです。
英語で日記を書く時のコツについては以下の記事をお読みください↓
意外と,日記で書きたい英語表現というのは,学校では教えてくれない内容だったりするものです。
まとめ
以上,MLBのライブ中継から始まり,1日の締めに英語で日記を書いて終わるまで,休日の英語漬けの1日の送り方についてまとめてきました。
ちょっとした工夫で,普段と変わらない一日が楽しく英語を学べる日に変わることがわかっていただけたら幸いです。
普段,TOEICやビジネス英語の勉強をしている人にとって,今回紹介したものは必須ではありません。
ですが,ずっと学生時代の学び方のまま,真面目にただ問題集を解くことだけが語学かといえば,そんなことはありません。
それどころか「好きこそ,ものの上手なれ」の精神で,場合によっては大きなブレイクスルーに繋がるかもしれません。
もちろん,地道な努力があってこその楽しい学びです。
なので,平日は王道となる対策をこなしつつ,休日に英語を楽しむ方法を取り入れることで,より充実した勉強体験ができるというのが,今回の記事で伝えたかったことになります。
何か1つでも,気になるサービスが見つかったら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。