スタディサプリENGLISHのビジネス英語コースは,会議・交渉・プレゼンなどの場面で使う英語を,ストーリー形式で学べる教材です。
ただし,便利な一方で,専門分野の深掘りやEメール学習には弱い部分もあります。
そこで今回は,実際に使って感じたメリットとデメリットを整理し,どんな人に向いているのかを紹介します。
スタサプのビジネス英語コースで学ぶメリット

まずはメリットからみていきましょう。
スタディサプリのビジネス英語コースの世界では,「エッジフロントライン社」という架空の企業を舞台に,とあるデバイスの開発に携わるダイスケを中心にストーリーが展開していきます↓
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スタディサプリのビジネス英語コースの登場人物とあらすじ
今回は,スタディサプリENGLISHから「ビジネス英語コースの登場人物とあらすじ」についてみていきましょう! 脚本は「交渉人2(米倉涼子主演・2009年)」や「特捜9(井ノ原快彦主演・2018年~)」 ...
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モブも含めると総勢20人を超える登場人物の中には,癖の強い取引相手や上司,人情味あふれるボブ,CPU界では右に出るものがいないリタ,超一流企業のCEOであるレベッカなどがいます。
彼らとの先が読めないやり取りの中に数多くのビジネス用語が登場してくるわけです。
会議・交渉・プレゼンで使う表現を学べる
加えて,下に示した会話のように同僚や他社との話し合いを通して,相手をどのように説得するかという論理的な交渉術を自然と学べてしまうところが1つ目のメリットと言えるでしょう↓

1レッスンに1つは
あ,このセリフ,実際に使ってみたいな!
と思える実践的な表現に出会えるはずです。
語彙と基礎講座で土台を固めやすい
本コースのレッスンに出てくる単語に目を向けてみると,メインレッスンに用意された「単語・イディオムチェック」というトレーニング以外に,「ビジネス英単語・熟語」という独立したコンテンツを使ってしっかり学ぶことができます↓

「単語を覚える秘訣は文の中で覚えること」であるとよく言われますが,解説部分に選ばれてくる例文(または連語)は実際のストーリーで使われていることが多く,メインレッスンとの相乗効果で記憶に残りやすくなります。
なお,ビジネス英語コースはTOEIC400点レベルから使うことができますが,語彙力の土台部分にあたる中学・高校で習う英単語を「基礎英単語」というコンテンツを使って学び直すことも可能です↓

これら2つのオンライン単語帳の語数を合わせると3500語ほどになるわけですが,これらはすべてスマホ上で学べるため,発音や例文を確認することも容易です。
実際に使ってみるとすぐに分かりますが,簡単だと思っていた単語も使い分けについてまでは理解できていなかったりするので,多くの語句を学べるだけでなく,細かな意味の使い分けまで理解できるようになるところもスタディサプリのビジネス英語コースを使うメリットと言えるでしょう。
後者の例として「キーフレーズチェック」というトレーニングを紹介します。以下の例では,ネイティブのマシュー先生が,日本語だと同じ「会う」という意味になるmeetとseeの違いについて解説してくれています↓

これまでに相手と会った回数や,明確な目的があるかないかで使い分けることができることを学ぶことができました。
基本的な単語になればなるほど現場での使用回数は多くなるので,上記内容を知らなかった方はスタディサプリで学ぶ意味が大いにあります。
似た例で言うと,外国人の取引相手と話しているときにshouldが連呼されることがありますが,shouldを「~すべき」,類似表現のhad betterを「~した方がよい」と覚えているだけでは本質を理解しにくいです。
これらの日本語訳だけで判断するとshouldが失礼な表現で,had betterの方が柔らかい英語に見えてしまうかもしれません。
ですが,これは誤解しやすいポイントです。
私は中学校でshould=had betterと教わりましたが,それは大きな誤解だったことをマシュー先生に学びました↓

こういった内容は,独学するだけでは気づきにくい内容です。
日本語の訳し方の違いまで踏み込んだ解説は,さすが日本人相手に長年英会話を教えてきた先生だなと感心させられました。
なお,このトレーニングのテキストは印刷できるので,キーフレーズチェックの内容だけ全てダウンロードして保存することもできます。
学びを書き留めるようにすれば暗記もしやすいです。
中学~高校初級レベルの英文法が怪しい方は,全範囲を効率的に学べる「基礎英文法」というコンテンツを使うようにしてください↓

数分で学べて,文法知識を効率的に網羅できるレッスンが全部で30個用意されています。
名詞や副詞などの解説から始まり,最終的には仮定法や文型まで,動画で素早く学んでいきましょう。
同じ基礎講座に属する「基礎リスニング」を使えば,ネイティブ並みの音声変化について知ることもできます↓
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スタディサプリの基礎リスニングで音声変化について学ぼう
スタディサプリENGLISHでは,どの有料コースに申し込んだかに関係なく「基礎講座」という学習コンテンツが利用できます。 これは中学レベルの内容を一から学べる複数の講座から成るのですが,その中にある「 ...
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これらの動画を担当する講師陣はマシュー先生とは別の方々となりますが,多くのスタッフが協働して様々な知識やスキルを伝授してくれるところに手厚さを感じ取れました。
AI英会話で話す練習までできる
ここまでで英会話のインプット準備は完了となるため,いよいよ肝心のスピーキング練習へと入っていきましょう!
ビジネス英語コースでは,「話す」練習がアプリ単体でしっかりできるところがメリットです。
例えば「AI英会話」というトレーニングでは,とある状況が予め設定され,相手に尋ねられた質問に対して英語で即座に返答するという練習ができます↓

内容もビジネスシーンに合ったものなので,将来的に現場で使う可能性は高いでしょう。
しかも,生成AIが搭載されていることで,自由に会話のラリーを行うことが可能です。
例えば,「どこから来たの?」という質問に対して,日本と答える以外に,「東の方から」「寒い地域から」「宇宙から」などと色々変えて答えることも考えられます。
それらの答えに対して,相手(AI)がさらに話を広げてくれることになるので,意表を突く質問をされたときの英語の反射神経を磨くこともできます。
先の画像の一番下のところに「録音開始」のボタンを確認できますが,この時の自分の答えはしっかりと録音され,文字起こしにも使われるため,あとで聴き直して反省することが容易です。
できるだけ毎日欠かさず行うようにすれば,日常的に英語を話さざるをえない状況を強制的に作ることができます。
とはいえ,日常英会話でなく,ビジネス英語を学ぶコースだけに,まずはレッスンに登場した定型表現だけでも自由に使えるようにしておくと,多くの場面に対応できるでしょう。
AI英会話では,自分の発言で相手の答えが様々に変化したり,型にはまらない返答が飛んできたときの対処法を学べることに加え,レッスンの最後に良かったところや改善点についてのフィードバックも毎回得られます。
英会話セットプランで実践につなげやすい
アプリでの自習だけでは物足りない場合や,人間相手の会話経験値を得たければ「英会話セットプラン」に申し込むのがおすすめです。
こちらはベーシックプランの内容に加えて,フィリピン人を始めとする生身の外国人を相手にオンラインレッスンを受講することができます。
内容はビジネス英語コースで学んだ表現が身に付くように設計されているので,メインレッスンでの学びの成果を試すのにぴったりです。
スタディサプリとオンライン英会話の連携が取れている点は,非常に良い工夫であると感じています↓

なぜなら,相手の講師に自身の学習状況を一から説明する必要がないからです。講師側がこちらがどのレベルのレッスンまで学んでいるかをある程度把握した状態でスタートできる点は,一般的なオンライン英会話にはない明らかなメリットと言えます。
そこまでの英語力があるものと仮定して,スムーズに話を進めていけます。
スタサプのビジネス英語コースで学ぶデメリット

一般的に,ビジネス英語の教材を選ぶ際は,以下の3点に注目するのが良いと考えられています↓
- 専門的な知識を増やせるか
- Eメールが書けるようになるか
- 外国人と自由に話せるようになるか
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もちろん,書くためには読めるようにならないといけませんし,話すためには聞けないといけませんから,結局,英語4技能すべての能力をバランス良く高めていく必要があるわけです。
しかし,1日のうち自由に使える時間が限られている社会人が,あれもこれもと手を伸ばして勉強することは簡単ではありません。
ビジネス英語を習得するためには,平日・休日を問わず細々とでも毎日続けることの方が大切です。
スタディサプリはその「毎日の継続」には非常に向いていますが,すべてを1つのアプリで網羅できるわけではありません。
ここでは,実際に使って感じた弱点・デメリットを整理します。
専門分野に特化した学習には向かない
教材選びの1つ目に挙げた「専門知識が増やせること」については,スタディサプリが万人向けの汎用的な教材であることが仇となって,経済学や電子工学といった特定の学問や業界に絞って学ぶことはできません。
加えて,触れられる英文の絶対量もそれほど多くないと言えます。
著名な脚本家の手によってストーリー性を持たせた内容に仕上げられているため,会話のテキスト量はそれなりにあるのですが,専門的な洋書を読んだり学術的なスピーチを何個も聴いたりするのと比べてしまうと,得られる語彙の専門性は限られます。
特定の製品マニュアルを読み解くようなマニアックな語彙や,国際的な論文を読みこなしてようやく身につくような高度な専門知識が,このアプリ単体で得られるわけではありません。
Eメールの書き方は別教材で補いたい
また,スタディサプリにはEメールの書き方指導もありませんでした。
ビジネスメール独自の形式についてや,文面や構成をどのようにするかといったライティング技術に対する言及はほとんどないわけです。
書店に行けばビジネスにおけるEメールをテーマにした参考書が多数売られており,書き方に対する解説はそちらで学ぶ必要があります↓

ビジネスにおける「電話のマナー」についても同様です。
もし実践的な電話の受け方について学びたいと思うなら,スタサプ以外の教材を使って補う必要があります。
英会話セットプランは費用が上がる
前章でメリットとしてお伝えしたオンライン英会話(英会話セットプラン)を利用するためには,ベーシックプラン(月額3,278円)の倍以上となる月額7,128円を支払わなければならないのは,コスト面でのデメリットと呼べるかもしれません。
語学は短期間で集中的に学ぶよりも,毎日少しずつを継続していくことが重要なので,毎月の運用コストが高くなると,その分継続のハードルも上がってしまいます。
どこまで学べば十分か判断しにくい
最後はオンライン学習全般に言えることですが,ビジネス英語の勉強には終わりがありません。
学校の教科書のように「ここからここまでやったら終了ですよ」という明確なゴールがないので,結局のところ,自身の成長を感じられる限り,一つひとつ使える表現を増やしていく以外にないわけです。
一応スタディサプリのビジネス英語コースには全4レベルの教材(ゴール)が設定されていますが,必ずしも全部やり切る必要はないように思います。
しかし,忙しい社会人が明確なゴールも見えずに延々と続けるのはモチベーションの維持が難しく,学ぶことがなくなったと感じるか「ここまででもう十分」と感じる卒業のタイミングを自分で見極めなければならない点は,ある種のデメリットと言えます。
統計的にみると,多くの人が学習の手ごたえを得るには約3ヶ月程度の継続が必要と言われています。
そのため,ひとまず3ヶ月続けてみてからその後の継続を判断するのがおすすめです。
また,TOEICのS&Wテストを受験すればビジネス英語に必要なスキルを測ってもらえる(例えば,先述したEメールを作成する問題なども出題されます)ので,指標として役立ちます。
スタディサプリのビジネス英語コースは,知識が不足している初心者の初めの一歩や,日々の学習のペースメーカーとして非常に優れています。
しかし,これを毎日の学習の根幹に据えつつも,より専門的な知識やライティング技術に関しては別教材で補う必要があるというのが,一通り学んでみての結論です。
【結論】どんな人に向いている?弱点を補うおすすめ教材

ここまでのメリット・デメリットを踏まえると,スタディサプリENGLISHのビジネス英語コースは以下のような人に向いています。
- 会議・交渉・プレゼンなど,一般的なビジネスシーンで使う表現を幅広く学びたい人
- 通勤などのスキマ時間を活用して,リスニングとスピーキングの基礎を固めたい人
- いきなり対人のオンライン英会話に挑戦するのはハードルが高いと感じる人
本コースは「毎日続ける土台教材」としては非常に優秀ですが,専門知識の深掘りやEメール作成まで1本で完結する教材ではありません。
とはいえ,世の中に完璧な教材というものはなく,世間から高い評価を集めている教材であっても自分に合うかどうかは使ってみないことにはわかりませんし,スタディサプリだけで学ばなければならない道理もありません。
そのため,自分の目的に合わせて補助教材をうまく組み合わせるのが最も現実的で効率的なアプローチです。
本コースのデメリットを補うための具体的なサービスとして,専門用語の習得に関しては,例えば経済学の教科書として「Macroeconomics」といった洋書が利用できます。
生物学であれば「Molecular Biology of the Cell」などの専門書を1冊じっくり読めば完璧でしょう。
全部読むのに1年以上かかるような専門書を選べば,それだけ得られる知識は膨大になります。
また,Eメールの書き方については市販の優れた参考書が多数出版されており,当サイトでも実践的な教材をレビューしています↓
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さらに,グローバルな時事問題に強くなるために,海外のネットラジオ(NPRなど)を通勤中にずっと聞き流すことも素晴らしいリスニング補強になるでしょう↓
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ただし,こうした追加の教材を導入する際は,あれもこれもと手を広げすぎず,しっかり「終わり」が設定できるものを選ぶことが挫折しないポイントです。
まとめ
スタディサプリENGLISHのビジネス英語コースは,限られた時間の中で,会議・交渉・プレゼンなどで使う表現を学びながら,リスニングとスピーキングを中心に総合的な能力を伸ばしやすい教材です。
一方で,専門分野に特化した学習やEメールの書き方までは十分にカバーされないため,必要に応じて別教材を組み合わせるのが現実的です。
毎日続けるための中心教材を探している方には向いていますが,特定業界の専門英語やライティングを深く学びたい方は補助教材も併用しましょう。
もちろん,週末や休日にAI英会話やオンライン英会話を活用してアウトプットを行うこともお忘れなく。
実際の人間相手にいきなり話す自信がない方は,まずは本コースのアプリ学習(ベーシックプラン)で実力を高めてから,本格的なオンライン英会話なり英会話スクールにステップアップすることも十分に考えられます。
最新のキャンペーン情報を確認したら,早速毎日の学習に取り入れてみてください↓
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最後までお読みいただきありがとうございました。