ビジネス英語を学ぶときに大切なのは,「英語を話せるようになりたい」と大きく考えすぎないことです。
実際の仕事では,英文メールを書く,会議で意見を述べる,資料を読む,専門用語を理解するなど,必要な英語力が場面によって異なります。
私はTOEIC S&Wで340点を取得していますが,スピーキングとライティングを学ぶほど,ビジネス英語は「何となく英会話をする」だけでは足りないと感じるようになりました。
この記事では,社会人がビジネス英語を学ぶときに,専門語彙,英文メール,会議・商談での英会話をどのように鍛えていけばよいかを整理します。
ビジネス英語を学ぶ目的とは

具体的な勉強法についてみていく前に,ビジネス英語を学ぶ目的について考えてみましょう。
観光目的や受験勉強で使うのであれば話は別ですが,ビジネス目的で学ぶ場合には以下の3つが考えられます↓
- 仕事に必要な専門知識を英語で理解する
- 海外の取引先と英文メールでやりとりする
- 会議・商談・雑談で必要な内容を英語で伝える
仕事に必要な専門知識というのは,高校までのいわゆる受験英語で学ぶものと異なり,それ専用の勉強をしなければなりません。
一般向けの単語帳にそれら単語が掲載されることは少ないですし,一般的でない専門表現は流行りの生成AIであっても誤訳しやすいところです。
2つ目ですが,昨今のインターネットの発展に伴い,ますます多くのコミュニケーションが英語を介するようになり,書くことに対する需要が増えてきました。
今回はEメールの書き方を取り上げていますが,英語でHPを作成するときや解説書を書く際にも役立ちます。
3つ目は「会議・商談・雑談で必要な内容を英語で伝える力」です。
ビジネス英語というと英会話を思い浮かべる方も多いですが,実際には相手の話を聞き取り,自分の意見や確認事項をその場で返す力が求められます。
実際に取引先と会う機会がある場合,相手と何を話すか,どこまで英語で説明できるかは重要です。
次章から,これら1つ1つについて,どのように勉強していくのが良いかまとめていくことにしますが,最後の英会話については長くなってしまうので,章を2つに分けています。
どれから学び始めても構いませんが,それぞれで獲得できる能力が異なるので,自分の仕事で使う場面に合わせて,優先順位を付けて学ぶのがおすすめです。
TOEIC S&Wはビジネス英語の目標作りに使いやすい
ビジネス英語というと英会話だけを思い浮かべがちですが,実際の仕事では「話す力」と「書く力」の両方が必要になります。
その意味で,TOEIC Speaking & Writing Testsは,ビジネス英語の学習目標を整理する上で使いやすい試験です↓
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スピーキングでは音読,写真描写,応答問題,提示された情報に基づく応答,意見を述べる問題などが出題されます。
ライティングでは写真描写,Eメール作成,意見文の作成が問われます。
つまり,単語を覚えるだけでなく,限られた時間で英語を組み立て,相手に伝わる形で話したり書いたりする力が必要になるわけです。
ビジネスの専門知識を英語で身に付ける方法
ビジネス英語で専門知識を身に付ける方法として,専門分野の教科書や自分の関わる業界の雑誌,またはニュースを英語で読むことが挙げられます。
とはいえ,大学受験のときのような複雑な構造を持つ文章を読みこなすことよりも,内容を正確に素早く理解したり,語彙数を増やしたりすることの方が重要です。
なので,文章の要約を行い,良い表現や文に出会った際に下線を引く練習をしてください。
要約の練習については書く練習も兼ねられるので,次章でまとめることにして,ここでは後者に限ってみていきますが,わからない単語に出会ってしまった際はすぐに調べてしまって大丈夫です。
調べた単語については辞書の方に線を引いておくのがポイントで,もしも同じ単語を2回間違ってしまった場合(線を引こうとしたらすでに線が引いてあった場合)には,特別なノートに記録し直しましょう。
最近はQuizletのようにオンラインの単語帳も無料で利用できます↓
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このとき,どこまでを書き写すかという点で意見が分かれていて,和訳は書かずに英単語だけを書くという手もありますし,時間はかかりますが英文ごと書き写してもOKです。
専門的な用語を扱う単語帳は数が少ないでしょうが,今学んでいる教材に索引があればそれを利用しましょう。
単語だけであれば,通勤中であっても簡単に復習できるはずです。
日本語で翻訳版が手に入る場合,英語で書かれたオリジナル版と日本語版の2冊を用意して読み比べることもおすすめです。
英語でEメールを書く能力を高める方法
Eメールを英語で書くわけですから,こちらは4技能で言うところの「ライティング」を高めることができます。
英語を話すよりも書く方がマシだと思うビジネスパーソンは少なくありませんが,一説によるとライティングはスピーキングより難しいと言われており,意志疎通ができればよい後者に対し,書いたものはいつまでも残ってしまうので,視覚的に問題があると,その人の能力まで疑われてしまいがちです。
しかも,それは英語だけに留まらず,人としての評価にも関わってくることがあるので,重く受け止めておくに越したことはありません。
そんなEメールの学び方ですが,前章で読んだ教科書なり英字新聞なりの内容を自分なりに要約してレポートめいたものを書くことが有効で,読んだ内容の大意を掴む練習にもなって一石二鳥です。

- 件名:何の用件か一目で分かるようにする
- 冒頭:相手への挨拶や前回のやり取りに触れる
- 本文:結論,理由,依頼内容を順番に書く
- 期限:返信や対応が必要な場合は期日を明記する
- 締め:感謝や今後の連絡について簡潔に書く
経済的な内容のものを読んだのであれば,
GNP grew at an annual rate of 3%.(GNPが年率3%で成長した。)
Monetary easing led to lower yields on government bonds.(金融緩和により国債の利回りが低下した。)
のような文章を書けるようになるでしょう。
Eメールの作成方法を実例を用いながら学べる参考書も各社から何冊も出ています。
どれも2,000円程度で購入できるので,ぜひ1冊手に取ってみてはいかがでしょう。
例えばZ会から英文ビジネスEメール実例・表現1200という本が出ています。
ただし,書いたものの添削指導を受けたいとなると高い料金を支払う必要があり,1回受けるのに参考書1冊分くらいの料金がかかるのが相場です。
ビジネス英会話を学ぶ際の準備

英語を学ぶ上で独学しづらいものが「スピーキング」です。
基本的には話し相手が必要なので,スクールに通うかオンライン英会話を利用しなければなりません。
とはいえ,今では生成AIも壁打ちに使えますし,何より,実践に入る以前に入念な準備が必要であることを忘れないでください。
英会話スクールでよくある失敗例として,「まぁこんなものだろう」と思ってなんとなく入学して通ってみたものの,いつまで経っても上達しないので退塾してしまうことが多いです。
いくつもの学校を比較するわけにもいかないので,実際に通ってみないことにはわからないことではあるものの,準備不足が原因である場合もあります。
例えば,スピーキングでは相手の話す内容をまずは聴き取れなければいけないので,高い「リスニング力」が必要です。
それに,知っている単語数が少なければ,正確に聴き取れたとしても意味がわかりません。
さらには,話された内容を理解するために「リーディング力」も必要になります。
このように,英会話には英語3技能が関わっているわけですから,準備段階として英語の基礎を固めてください。
具体的に言えば,せめて中学英語はマスターしている状態に到達しておく必要があり,できれば英検2級レベルの能力を備えておきたいところです。
とりわけ,英会話においては語彙力が重要で,自分の知っている言葉が少ないと,同じことを繰り返して言うだけになってしまいます。
単語の発音も併せて覚えておく必要があるでしょう。
しかしそこまでやっても,相手が自分と同じ専門性を備えているわけではありませんから,実際のビジネス英語はもう一段上のレベルになります。
読み書きを基本のところからやり直そうと考えただけでも半年から1年がかかりますが,それだけの準備をしておかないと得るものも得られないのが,スピーキング練習の難しいところです。
ビジネス英会話を教わる際の理想の講師像
ここでは,ビジネス英会話を学ぶスクールの選び方について,講師にスポットライト当ててみていきましょう。
一般的に,完璧なサービスを求めるほどに料金は上がっていきますので,どのような講師であるべきかということに対して理想の条件を提示した上で,どこを妥協するかについては各自で考えていただければと思います。
講師が話す英語について
発音や自然な表現を重視するなら,ネイティブ講師は有力な選択肢です。
美しい発音(イギリスの南部英語やアメリカの中西部方言など)や,細かなニュアンスの違いを学ぶには,やはりネイティブに軍配が上がります。
しかし,実際のビジネス現場では,アジア圏など英語を母語としない相手とやり取りする場面も少なくありません。
そのため,講師選びでは国籍だけで判断するよりも,「自分の目的に合った練習ができるか」を重視した方が実用的です。
講師の指導能力について
続いて講師の指導能力についてみていきますが,楽しさを優先するあまり,文法ミスや不自然な表現を笑顔で聞き流してしまう講師はできるだけ避けてください。
集団授業よりも個別指導に魅力を感じ,20年間教育現場で教えてきた立場からすると,学習者のエラーを的確に拾い上げ,必要な修正を促してくれる講師ほど信頼できます。
私は大学時代に留学生の世話をしていて,文法的に間違った英語を話したときにすぐさま注意されてムッとしたこともありますが,それは今思えば恥ずべき態度であって,たとえ自分がお客様であっても間違いは指摘されるべきだと考えを改めました。
日本語に対する理解が深く,日本人のつまずきやすいポイントを把握しつつ,あえてナチュラルスピードで話し,やむをえない場合以外は日本語を使わない講師がベストでしょう。
また,実際のレッスンにおいて,学習者がテキストを読まされているだけでは不十分ですし,たとえフリートークの時間が設けられていたとしても安心はできません。
講師が一方的につまらない話題を喋り続ける状況も結構あるからです。
自分はスピーキングの練習をしに通っていることを忘れないようにしましょう。
まとめ
以上,ビジネス英語の勉強法について,専門知識の獲得とEメールを書く技術,そして難しい英会話力については注意すべき事柄について,学び方と講師の選び方の2つの視点でみてきました。
英語力というのは複数の技能の総合力ですが,その中にリーディングとライティングのような表裏一体の関係があったり,アウトプットの前に十分なインプットの経験を積む必要があったりするわけです。
ビジネス英語もその例に漏れませんので,せっかくのやる気が無駄になってしまわないよう,細心の注意を払って学んでいきましょう。
スクールに通う場合には,実際に月謝を支払って授業を受けて初めて良し悪しがわかるところもありますが,上で述べたことは判断材料の1つになるはずです。
講師側の問題については自分ではどうしようもありませんが,学習者側としては十分な勉強をして準備をし,心構えをしっかりさせておくことでレッスンの効果を最大限に引き出すことができるように思います。
なお,スタディサプリENGLISHのビジネス英語コースはいつでもどこでも独学でき,基礎段階からのやり直しだったり,オプションとしてオンライン英会話も選択可能なので,初めの一歩におすすめです↓
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英会話では,間違えずに話そうとするほど口が止まりやすくなります。
最初から完璧な英文を作ろうとするよりも,短い文でよいので実際に声に出し,あとから表現を直していく姿勢が大切です。
ビジネス英語は,教材を読むだけでは身に付きません。
読む,書く,聞く,話すを仕事で使う場面に近づけながら,少しずつ実戦に寄せていきましょう。