今回は「TOEICのスコアアップに役立つ英文法の勉強法」についてまとめてみようと思います。
教材を選ぶ際に役立つ考え方や,一般的にどのような勉強法が知られているのかなど,具体例とともに紹介していくことにしましょう。
TOEICの問題を解いてみて,
単語の意味は少しはわかるけれど,文としての意味はわからないよ!
という状態の方(主にTOEIC400点くらいの方)は,文法を中心に勉強することがスコアアップに効果的だと言われています。
是非,参考にしてください!
もくじ
TOEIC攻略に必要な文法レベルとは
TOEICに必要な英文法を学び始める前に注意しておきたいことがあります。
それはどこまで英文法を学ぶ必要があるかということで,目安がわからなければ始める必要があるかどうかわかりませんし,終わるタイミングも定まりません。
文法だけ勉強していても英語力は伸びない
という意見も部分的には正しく,かといって,まったく文法を勉強せず,闇雲にTOEICの問題を解いていてもできるようにはならないでしょう。
確かに,知っている単語を適当に並べていくだけでも,ある程度は相手に言いたいことが伝わるものです。
(誤)Tom watch movie yesterday.
と話した場合で考えてみますが,英語ができるネイティブであればこれを聞いて,
(正)Tom watched the movie yesterday.
などと自然な形に脳内変換しては,正しく理解してくれるように思います。
これは,日本人が「トム・見る・映画・昨日」という日本語を聞かされて,どのように解釈するか考えてみればわかりやすいでしょう。
とはいえ,文法を無視した英語でなんとかなるのは簡単な日常会話までであって,TOEICではそれよりもずっと高度な英語力が求められます。
なので,「基礎レベル」の文法力を身につけておかなければなりません。
日本語と文構造が似ている言語(例えばハングル)を学ぶのであれば,日本語の感覚で文を作れるため,そこまで文法を学ばずともある程度の会話はできるようになりますが,残念ながら,英語は日本語とは似ていない言語の筆頭です。
先に示した英語で,語順を変えたり主語を省略したりして,「movie watch Tom」や「watch movie tonight」などと言ってしまうと途端に伝わらなくなります。
だからこそ,英文法はある程度のレベルまで習得しないといけないわけです。

ちなみに,何を「基礎レベル」と言うかですが
- 中学英文法と高校内容の一部
というのが当サイトの見解です。
さて,私は仕事で中学生に英語を教えることがありますが,2ヶ月間でも集中的に教えれば,ゼロから始めたとしても中3までの知識を身に付けることができています。
なので,中学内容に関してはさほど長い時間がかかるわけではありません。

しかし,高校英文法は中学のものと比べて量が膨大なので,TOEICで頻出の文法事項に絞って勉強することをおすすめします。
それに加えて,解説を読んでも理解できないものは後回しにし,文法書の後半にまとめられる「語法やイディオム」といった丸暗記項目についても,学習中に出てきたものだけを覚えるようにすればOKです。
ここまでが「基礎レベル」となりますが,それ以上詳しく学んでももちろん構いません。
ですが,タイムパフォーマンスは悪化する,つまりは費やした時間がそこまでスコアアップに繋がらなくなってくるので,文法以外の勉強をする方がスコアは伸びるはずです。
次章からは,英文法の具体的な学習法として,問題集の選び方と例文暗記という学び方について紹介します。
TOEIC攻略に向けた英文法の問題集の選び方
英文法はそれ用の問題集を買って学びましょう!
そのときのポイントですが,簡単なものを完璧にしてから,ちょっと難しい問題集へと進んでいくようにしてください。
まず最初に,中学までの内容をまとめた問題集を1冊選び,それが全問正解できるようになるまで繰り返します。
特にTOEICの初心者ほど,最初は欲張らず薄い問題集から始めることが肝心で,「1冊完璧に仕上げられた!」という達成感を味わうようにしてください。
そうしたら次に,もう少し分厚い中学の問題集を買ってやるようにして,これも完璧になるまで何度もやり直しましょう。
最初にやった問題集で学んだ内容も,ちょっと形を変えて(使っている単語などが違う形で)出てくるので良い復習になるはずですし,新しい文法知識も増えていきます。
ちなみに,書店で見かける「TOEIC対策」と名が付く文法問題集は,どうしても高校の内容を含めずにはいられないので,中学英語を学ぶ段階では手を出さない方が無難です。
とはいえ,いつまでも中学英文法の範囲にとどまっているようでは,パート5の文法問題には太刀打ちできないでしょう。
そこで最後に,TOEICテスト用に作られた問題集を1冊選んで解いてください。
理論的な書き方に抵抗がないようであれば,解説が豊富な「一億人の英文法」や「世界一わかりやすい文法」をおすすめしますが,問題集が分厚いとやる気がなくなってしまうという方は,10日間で終わる薄めの問題集や,スタディサプリの文法講座を使って全範囲をサッと学んでしまうのもおすすめです。
本章のポイントをまとめると,TOEICの英文法を攻略するには上から順番に学んでいくようにしましょう↓
- 中学レベルの基礎問題集
- 中学レベルの標準問題集
- TOEIC内容を扱う問題集(高校レベル)
基本例文を暗記しよう
英文法を学ぶ際,基本例文を暗記することは,自然な表現を身に付けるのに役立ちます。
単語と文法を身に付ければどんな文でも作ることができることは確かですが,ネイティブが絶対に言わない文を作ってしまうこともあるわけです。
特に日本人の英語学習においては,決まり文句やコロケーション(連語・語と語の繋がり)を丸暗記するのが有効な学習法だとされています。
なので,英文法を学ぶ際には,ただ問題を解くだけでなく簡単な例文暗記も併せて行うようにしてください。
一番無駄がないのは中学の教科書を使うことで,基本例文がもれなく収録されているように思いますが,手元にない方は,中学の教科書ワーク(準拠問題集)を使うと,巻末部分などにまとまっているはずです↓
中学内容の例文暗記が終わったら,続いて高校レベルの基本例文を覚えるようにしますが,両者ともに以下の勉強法を採用することで,リーディングやリスニング力を高めることができます↓
- 声に出しながら5回ほど書き写す
- 日本語訳を見てからすぐに英語に直す
ちなみに,例文暗記の恩恵を最大限得たいのであれば,暗記した例文を頼りに自由に文を書いてみるようにしてください。
自らの言葉で英文を作りだす行為を通して,真の意味で英文法を理解できるようになります。
それに,英語を身に付ける本来の目的はコミュニケーションにあるので,正しい英語の学び方をしていることに他なりません。
その日に学んだ教材に出てきた文章を読んだ感想など,日記形式で書くと続きやすいです。
自信がなければ生成AIの助けも借りられますので,TOEIC対策と言えど,英語を学ぶ本来の目的を忘れないようにしてください。
まとめ
以上,TOEICに役立つ英文法の学び方について,問題集と例文暗記の2つを紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
今回の記事の要点をまとめると,
- TOEICでは中学英語と高校英文法の頻出分野の勉強が必要
- 問題集は完璧に仕上げたものを1冊1冊増やしていく
- 例文暗記をする際は声に出して書き,日本語を英語に直す練習も有効
- 英語を使って自由に書く練習も忘れない
となります。
もっとも,一度にこれらを全部やろうと思うと大変なので,普段の勉強メニューに1つでも新しいものを取り入れられたらOKと考え,「これは続きそうだ」と感じた勉強法があれば,その後のTOEIC学習においても継続してみてください。
英文法の勉強法を見直すと,TOEICのスコアを大きくアップさせることができます。
目標スコア別のTOEIC勉強法の記事で述べたように,400点を取れた後は500点に向けてリスニング対策を行いましょう!
最後までお付き合いいただき,ありがとうございました。