今回はTOEICのリーディングに役立つ勉強法について考えていきたいと思います。
受験勉強で難しい英文を読めるようになった学生が,「TOEICで点数が取れない」と嘆いているのを多く見かけるのですが,それは一体どうしてでしょうか。
以前紹介したように,TOEICの単語や試験形式自体に慣れていないこともあるでしょう。
ですが,今回のキーワードとなるのは「速読」です。
もちろん精読あっての速読スキルですので,以下で説明する勉強法を参考に,高スコアを達成してもらえたらと思います。
TOEICのリーディングの難しさについて
TOEICのリーディングの難しさは,やはりその膨大な読む量にあるでしょう。
社会人が山積みとなった書類に一つ一つ目を通し,内容を大まかに理解していく。
そんな業務ばりのスピードと理解力が,TOEICにおいても問われています。
TOEICではリスニング(L)とリーディング(R)の配点が同じであるにもかかわらず,ほとんどの方はリーディングのスコアの方が低いでしょう。
スコア900点を達成するパターンというのも,「L480:R420」といったぐあいに偏りがあり,決して「L450:R450」とならないのがポイントです。
社会人に立ちはだかる1つの壁である「600点」というスコアも,「L350:R250」や極端な場合だと「L400:R200」に近い得点パターンになることもあるでしょう。
いずれにせよ,それほどリーディングのスコアを上げるのは難しいのです。
もちろん,リスニングを大きく伸ばして目標スコアを達成する戦略もありで,別の記事にてその方法をまとめましたが,それでもやはり限界はあります。
というわけで,リーディングの勉強も並行してやっていかないといけません。
ですが,リーディングを勉強することでリスニングのスコアが上がったと聞くこともあるわけで,これには十分な理由もあるわけです。
こういったことを励みにして,是非頑張っていきましょう!
リーディングスコアを上げるスキルとは
さてここで,TOEICのリーディングスコアを上げるための3つのスキルについて紹介しましょう。
それはずばり,
- 正確に読める「精読スキル」
- 語順通りに読める「区切り読みスキル」
- 素早く読める「速読スキル」
です。
一応2つ目のスキルも英文を読むスピードに関係しますが,誰もが欲するのはやはり3の「速読スキル」でしょう。
ですがこのスキル,残念なことに他の2つよりも上級であるため,簡単には手に入らないのです。
そもそも英文を正確に読むことができなければ,意味のまとまりごとに区切ることもできませんし,もちろん速く読むことはできませんよね。
1つずつステップアップしていくことが大切です。
上の場合だと,数字が若いスキルの方が率先度が高くなります。
ここは焦る気持ちを抑えて,「精読スキル」の方から高めていきましょう!
とはいえ,ずっとテスト日まで精読の練習だけしていてもスコアは伸びません。
「ある程度」できるようになった段階で,次のスキル獲得へと移る必要があります。
この見極めについては,以下で説明する方法を試してみてください。
目標スコアと精読スキル
まずは,自分がリーディングセクションで何点取りたいのかという「目標スコア」を明確にしましょう。
無論,高いスコアが取れるに越したことはありませんが,勉強できる時間は有限です。
今から仮に200時間勉強できたとしても,リーディングは40点アップするくらいが限度です。
目標スコアとリーディングスコアの関係としては,
- 800点目標ならR360点
- 700点目標ならR320点
- 600点目標ならR280点
- 500点目標ならR240点
が現実的な数字でしょう。
少なくとも,リーディングのスコアが目標点の半分以上になることは通常ありえません。
それに加えて,現時点での精読力を測るため,模試を時間を測らずにやってみてください。
このとき辞書を引くのはナシですからね。
あくまで時間に制限がなければ,つまり「速く読む必要がなければ,自分はどれだけ点数が取れるのか」を知る目的で行います。
もしここでのスコアが目標点に足りていなければ,そもそもの実力が足らないので精読スキルから身に付けなければなりません。
その方法ですが,中学高校の英語からやり直す必要があります。
とはいえ,現在ではスタディサプリのようなオンライン教育が利用できますので,社会人の方でも速習することが可能です。
公式HP
英文読解と文法の授業で全体的な力をつけてから,再び模試をやってみてください。
ちなみに500点くらいまではこの方法だけで取れます。
先の模試で,結果が目標点を超えていた場合は,あとは速く読めるようになるだけです!
とはいえ,いきなり「1分間に200語のペースで読めるようになりましょう!」とか「頭の中に絵を描くように!」といったレベルを求めるのでは,あまりにハードルが高くなりすぎるというもの。
ここでは1つクッション的なものをはさみ,より読んだ英文を忘れにくく,そして多少速く読めるようになるスキルを身に付けていくのが王道です。
区切り読みスキル
本章で紹介する「区切り読みスキル」が身に付くことで,文章の理解度と読む速度が上がることになります。
前段階にあたる精読スキルが備わっているので,意味がわかる単語同士が正しくつながって,文構造に基づいてしっかりと意味が取れる状態です。
しかしそのスキル単独では,文を行ったり来たりして訳すために時間はかかりがちですし,文を読み終えたときに「一体何の話だったっけ?」と内容を忘れてしまうことも。
そうならないためにも,英文を意味の区切りごとにスラッシュを入れ,頭から訳していく「スラッシュ・リーディング」というテクニックを用いた勉強法を採用するのがおすすめです。
実際のTOEICでは書き込みができません。
ですが,練習段階においてはスラッシュをどんどん引いて練習して構いません。
さらに説明を加えますが,とある英文を区切りごとの意味に分けて,例えば「私/会う予定/取引先/オフィスの三階/15時」というふうになったとしますが,これをそのままの順番で意味を理解するのが第一のポイントです。
精読の段階では,これを「私は取引先の方と15時にオフィスの3階で会う予定です」と訳すでしょうが,あえてその手順を挟まないことで高速化,そしてさらには重要情報の「3階・15時・会う」だけを強く認識できるので,結果として記憶に残りやすくなります。
詳しいやり方については以下の記事で紹介しているので,そちらを参考にしてください↓↓
速読スキル
これまでの2つのスキルを身に付けたことで,リーディングのスコア的には300点ちょっとまで取れるようになったと思います。
そして,それよいもさらに点数を上げたい場合に必要となるのが「速読スキル」です。
区切って読むことでかなり速く読めるようになっても,まだ長文では話の展開についていけないところがきっとあることでしょう。
さらなる高速化を図るには,英語を読む際の日本語すら介してはいけません。
頭に場面を浮かべ,イメージで残す。
日本語にはしません。
先ほどの例で言うと,「ビルの3階でお昼に会っているイメージ」を浮かべるにとどめます。
具体的な目標として,1分間に200語以上読めるスピードが求められますが,そういったスピードを計測できる参考書もあるので,場合によっては活用してみると良いでしょう。
とはいえ,これはあくまで結果的にどうなったかを測るための本なので,その点につきましてはご注意ください。
速読スキルを身に付けるための勉強法としては,英字新聞と日本語の新聞2つを用意し,先に日本語で読んでイメージを浮かべられるようになってから英字新聞を読むという「合わせ読み」が有効です。
とはいえ,実際にいちいち調べて買うのも面倒でしょう。
当サイトでは「日本語訳が利用できる英語学習者向けの英字新聞」をすすめています↓↓
また,950点以上を狙う場合については,私自身が現在取り組み中の身であるため,一般的に言われていることしかアドバイスできませんが,「英字新聞で初めて出会った表現を含む文をいくつか選び,その日本語訳を読む」方法が考えられます。
日本語で内容を理解してから,選んだ英文を音読しながら5回ほど書き出すトレーニングが有効です。
まとめ
以上,TOEICに役立つリーディングスキルと勉強法についての紹介でした。
今回のまとめをしますが,TOEICのリーディングスコアを上げるためには,まず自分の現時点での実力と目標までの距離を知り,その上で精読スキルの習得から始め,区切り読みスキル,速読スキルへと段階的に身に付けていくことになります。
TOEICのリーディングセクションのうち特にPart7は時間との戦いです。
最初のうちは時間内に終えることも難しいと思われます。
今回紹介したオンライン教育を始め,英字新聞や参考書などを活用しながら,焦らずじっくりと頑張ってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。