今回は,TOEIC対策の定番模試である「TOEIC L&Rテスト至高の模試600問」をレビューします。
公式問題集以外の模試を選ぶ際は,問題の質だけでなく,解説の読みやすさ,復習のしやすさ,弱点分析のしやすさまで見ておくことが大切です。
アルクから出版されている本書は,模試3回分を収録しながら価格が抑えられており,さらにアビメ分析シートを使って弱点を可視化できる点が魅力です。
当記事では,実際に使って感じた特徴と,3回分の模試をスコアアップにつなげる使い方をまとめます。
至高の模試600問とは

- 名称:TOEIC L&Rテスト至高の模試600問
- 著者:ヒロ前田,ロス・タロック,テッド寺倉
- 出版社:アルク
- 出版:2017年7月
- 収録:模試3回分(計600問)
- 音声:CD-ROM収録のMP3音声+ダウンロード特典
- アプリ対応:boocoのマークシート自動採点機能に対応
本書は,2016年に刊行された「TOEICテスト非公式問題集 至高の400問」に模試1回分を追加した増補改訂版です。
模試3回分を収録しているため,本番前の実力確認だけでなく,数ヶ月かけて弱点を補強していく学習にも使いやすい構成になっています。
特に便利なのが,換算点表とアビメ分析シートです。
単に正解数を数えるだけでなく,「どの項目が弱いのか」まで確認できるため,復習の優先順位を決めやすくなります。
なお,現在はboocoのマークシート自動採点機能にも対応しています↓
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紙のマークシートで本番同様に解いた後,アプリ側で採点や振り返りを行うと,復習の手間をかなり減らせます。
至高の模試600問の使い方
ここからは,本書の価値を最大限に引き出す具体的な使い方を解説します。
1.「勘ボックス」付きマークシートを準備する

本書には通常のマークシートだけでなく,上の画像にあるような「勘ボックス」が用意された特殊なシートが付属しています。
解いている最中に「自信がないけれどこれっぽい」と勘で選んだ問題のボックスにチェックを入れておきます。
これにより,偶然正解しただけで本当は理解できていない問題をあぶり出すことができ,効率的な復習につながります。
2.本番同様に2時間で200問を解ききる

模試に挑戦する際は,必ず時間を測定して一気に解いてください。
アルクの模試シリーズを活用するなら,以下の「3回チャレンジ法」を取り入れるのがベストです↓
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3回チャレンジ法を使わなくても、模試3回分のボリュームがあり,公式問題集よりも手頃な価格で1.5倍の演習ができるため,コストパフォーマンスの面でも優れています↓
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音声のダウンロード方法やアプリでの再生手順については,問題セットの表紙に記載されている案内を確認してください↓

3.解答一覧で素早く答え合わせをする
丸付けは,見開きで一目で把握できる「弱点分析に使える解答一覧」を利用するとスムーズです↓

正誤を一覧でパッと確認できるためストレスがなく,公式問題集にはない学習者目線の親切な設計です。
4.「必勝Tips」を交えた丁寧な解説で復習する
スコアアップの鍵は,間違えた問題や勘で解いた問題をどれだけ吸収できるかにあります。
丸付けを終えたら,すぐに解説を読み込んでください↓

記憶が鮮明なうちに復習する方が,解答へのアプローチを深く理解できます。
「なぜその選択肢が正解になるのか」を他人に説明できるレベルまで落とし込むのが理想です。
時間が限られている場合は,先ほどの「勘ボックス」にチェックを入れた問題を最優先で確認しましょう。
解説の随所に散りばめられたコラム「必勝Tips」には,本番の試験でそのまま使える実践的なテクニックが凝縮されています。
至高の模試600問の特徴
実際に使用して実感した,本書ならではの際立った特徴をまとめます。
1.パート別の実践的な攻略アプローチが満載
本書は単なる問題の羅列ではなく,巻頭にTOEICテストの概要やパート別の出題傾向が細かく分析されています。
たとえばPart5の解説では,「リーディングはPart6や7から解き始めても良い」「1問に20秒以上かけず,後半に時間を残す」といった,タイムマネジメントに直結する戦略が示されています↓

公式問題集の解説よりも踏み込んだ解説になっているため,短期間で形式に慣れたい受験者にとって非常に心強い味方となります。
新形式移行時の変更点も分かりやすく整理されているため,久しぶりに受験を再開する方の情報アップデートにも最適です↓

難所とされるリスニングの意図問題や,Part7のトリプルパッセージなども網羅されているため,事前の心構えができるだけでも実際のスコアに好影響を与えます。
2.独自のアビメ分析シートで弱点を可視化できる
本書の模試は150〜200人のモニターデータから算出された精度の高い換算点表が付いており,本番スコアの目安を把握できます。
私自身,試験1週間前に解いた際のスコアが本番の点数とほぼ一致していました。
そして,本書の最大の強みと言えるのが,独自のAbilities Measured(通称アビメ)による弱点分析機能です↓

アビメとは,実際の公開テスト結果に掲載される「項目別正答率」のことです。
アビメの具体的な読み方や活用方法については,こちらの記事で解説しています↓
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本書に付属のシートに正誤を記入していくと,どの項目の正答率が低いのかが自動的に可視化され,次に強化すべきパートが明確になります。
「詳細の理解(L3)が弱いからPart2を徹底的に補強しよう」といった具体的な学習戦略が立てられるため,スコアが伸び悩んでいる方にこそ試してほしいシステムです。
至高の模試600問で気になる点
一方で,至高の模試600問には気になる点もあります。
全体として評価の高い模試本ではありますが,Amazonなどの低評価レビューを見ると,主に「旧版との重複」「音声・アプリまわりの分かりにくさ」「問題との相性」に不満が集まっていました。
至高の400問を持っている人は重複に注意
まず注意したいのが,旧版にあたる「TOEICテスト非公式問題集 至高の400問」との重複です。
至高の模試600問は,至高の400問に模試1回分を追加した増補改訂版です。
そのため,至高の400問をすでに持っている方が購入すると,TEST1とTEST2の内容が重複します。
この点を知らずに購入した方からは,「新しい模試が3回分入っていると思っていた」という不満も見られました。
これから初めて購入する方にとっては3回分収録の高コスパな1冊ですが,至高の400問を持っている方は,買い直す必要があるかを慎重に判断した方がよいです。
電子版や音声アプリの案内が分かりにくい場合がある
電子版を購入した方の中には,音声ダウンロードやアプリ移行の案内が分かりにくいと感じた方もいます。
特に,旧アプリから新アプリへの移行,アルクIDの扱い,音声データをどこから使うのかといった点で,書籍内の説明と現在の利用環境に差があるように見える場合があります。
紙の本で学習する場合は大きな問題になりにくいですが,電子版を購入する場合やスマホアプリ中心で学習したい場合は,購入前に音声の利用方法やboocoでの対応状況を確認しておくと安心です。
問題や解説に合う・合わないがある
問題の質については高く評価する声が多い一方で,一部のレビューでは「解答根拠が分かりにくい」「解説がこじつけに感じる」「本番より難しく感じる」といった意見も見られました。
特にリスニングでは,公式問題集に慣れている方ほど,音声や設問の難しさに違和感を持つことがあるようです。
TOEIC対策の模試本は,著者や出版社によって問題の作り方に個性が出ます。
そのため,本書が合わなかったからといって,自分の実力が足りないと落ち込む必要はありません。
公式問題集に近い安心感を重視するなら公式問題集を優先し,少し負荷をかけながら弱点を見つけたい方が,本書を追加で使うという位置づけがよいでしょう。
900点以上を狙う人は目的を決めて使いたい
すでに公開テストで900点前後を取得している方からは,「満点を狙う教材としては本番とのズレが気になる」という声もあります。
たとえば,リスニングのアクセントや設問の作り方が公式問題集と違って感じられ,満点狙いの精密な調整には向かないと感じた方もいました。
このレベルの方は,まず公式問題集を使って本番形式への精度を高めるのが基本です。
その上で,あえて難しめの問題に触れたい場合や,公式問題集以外で弱点を洗い出したい場合に,本書を補助的に使うとよいでしょう。
まとめ
以上,至高の模試600問のレビューでした。
本書は,模試3回分を収録したコスパの良い問題集であり,換算点表やアビメ分析シートを使って弱点を確認できる点が大きな魅力です。
一方で,旧版の至高の400問を持っている方は内容の重複に注意が必要です。
また,問題や解説にはややクセがあるため,公式問題集とまったく同じ感覚で使うというより,弱点発見用の負荷高めの模試として活用するのがよいでしょう。
「3回チャレンジ法」で解く時期を分け,間違えた問題と勘で正解した問題を丁寧に復習すれば,模試3回分をかなり濃く使えます。
本番前に実力を測りたい方,公式問題集以外の良質な模試を探している方は,候補に入れてよい1冊です↓
