今回の記事は,「今週末にTOEIC本番。今さら何をやっても無駄だよね…」と半ば諦めつつも,「今から1週間勉強したら少しはスコアアップできるかもしれない」と,希望の光をまだ失っていない方向けに書いた直前対策です。
なお,当記事でまとめた知識ですが,皮肉にも,これまで対策らしいことをしていない人ほど,TOEICスコアをよりアップさせてくれる可能性があります。
なので,たとえ今が試験まで3日前であろうとテスト本番の前日であろうと,「まだやれることはある!」と,今すぐにできることから始めてみましょう!
目次
まずはTOEICの下調べをしよう
当記事では,具体的なTOEIC対策にももちろん触れていきますが,まずはその前に,気楽に始められる対策から始めてみたいと思います。
それはずばり,下調べをすることによって自分の気の持ちようを変えるということです。
完璧主義の方に多いのですが,直前期になっても何も対策していないような状態に陥ってしまうと,「全部やる時間なんて取れるわけもないのだから,今回は受験そのものを諦めてしまおう」などと投げ出してしまうことがあります。
しかし,実際のところ,頭に入れておくだけでスコアが大きく変わってくる知識というものはあるわけです。
もちろん,それを1つ残らず頭に入れることはできないでしょう。
ですが,1つでもきちんと理解すれば,今の自分よりも確実にできるようになるわけで,変な話,受けるだけで十分に立派ではないですか。
そこで味わった悔しさをバネに,そこから頑張れる自分に変わることができるかもしれません。
今日の自分よりも明日の自分が少しでもまともになっていれば良いのだと,考えを改めるようにしてください。
なお,TOEICの勉強というのはマラソンを走ることに似ていて,スタートの号令があった直後にいきなり全速力で走ってしまうようでは,すぐに息切れしてしまうものです。
試しに今から2時間フルサイズの模試を全力で解いてもらっても構いませんが,ここまで対策をすることなく過ごしてきた人が突然,それほどの頑張りを発揮できるとは到底思えません。
1時間以内に挫折して,YouTubeやSNSをチェックして現実逃避をしている未来が私には見えます。
とはいえ,TOEICに向けて何らかのアクションを取ることは必要です。
そこで,1つ簡単にできることとして,公開テスト当日における心配ごとを減らしてみてはいかがでしょうか。
具体的には,TOEICテスト当日の様子!持ち物とスケジュールについてを読んで下調べをすることを提案しますが,試験当日の様子が頭でイメージできるようになるはずです。
特に,存在自体を忘れがちな証明写真を用意することであったり,もし万一,当日寝坊してしまい開始時間に間に合いそうにない場面に出くわしても,ひょっとしたら受験できる可能性があることを知っておくだけでも,当日の気の持ちようは変わってきます。
TOEICはただでさえ大変なテストで,結果が精神状態に影響されてしまうことも多いと言われているわけですから,勉強以外のことで心を乱されてしまうようでは良いスコアは到底期待できません。
下調べをしなかったがために,会場に向かう途中で忘れ物があることに気づき,「ほんと人生って色々面倒くさいな。もうやめてしまおう!」などとふてくされて,試験を受けることすら放棄してしまったかもしれないのです。
その場合,スコアすら出ないわけですから,頑張って会場に到達できただけでも大きなスコアアップにつながったのだと前向きに捉えるようにしましょう。
実際,会場に行ってみるとわかりますが,意外と空席の数が目立つわけです。
まったく勉強をしていなくても,試験さえ受ければ,2時間集中してTOEICの勉強を頑張ったことになるわけですし,次に受けるTOEICのやる気にも関わってきます。
大げさに聞こえるかもしれませんが,これは,自分の人生をまだ諦めていないことの証明に他なりません。
私も1度,試験を放棄してしまったことがあるのでわかるのですが,その日寝るときになってひどく後悔しました。
しかも,影響はその日だけにとどまりませんでしたので,とにかく試験だけは受けるようにしてください。
TOEICの試験形式について理解しよう
次にしてほしいのが,TOEICの試験形式について理解を深めることです。
例えば,TOEICはリスニング45分とリーディング75分で,それぞれ495点満点の合わせて990点満点のテストだということや,1問約5点のように雑に計算することはできても,実際4問くらい間違えても満点が取れてしまうことを知っておくだけで,落ち着いた気持ちで臨めるようになります。
後者に関してはTOEICでは何問ミスまでOK?目安はが参考になりますが,「多少間違えてもスコアは変わらないんだから,できる問題だけ時間内に正解できるように頑張ろう!」といった正しい考え方ができるようになるはずです。
答えを悩んでしまった時点で,もうその問題は正解できないことがほとんどなので,「迷ったら最初の方を正解とする」などのマイルールを前もって決めておきましょう。
完璧主義はここでも良い結果を生みそうにはありません。
さて,TOEICの試験形式について理解するには,模試(フルサイズで2時間かかるもの)を解くのがベストな勉強法です。
ただし,1週間では1回分やるので精一杯なので,2回分の模試が入っている公式問題集を購入するのはややもったいないかもしれません。
1回分の模試が付いた総合対策本でも構わないです。
ちなみに,TOEICでは問題への書き込みが禁止されているので,マークシートだけ別に用意して,最新の公式問題集を新品で買い,試験後に中古で売ってしまえばそこまで損はしません。
なお,フリマアプリを利用する際の注意点としては,新形式に対応する前の問題集(2016年8月以前に出版されたもの)は現行のTOEICとは似て非なるものですので,中古で安く売られているからと手を出してはならないということです。
さて,模試を手に入れたら頑張って解くようにしますが,TOEICの試験形式についての理解も深めるようにしてください。
パートごとに,「このパートはこういった出題で,私のマイルールはこのように決めた」などと説明できるようになるまで復習しましょう。
試験の前日に,もう一度同じ模試を2時間かけて解いてみて,本番での解く速度について体感したら完璧です。
ここまでで,1週間勉強法について言いたいことはほぼすべて言い切りました。
次章以降はリスニング対策とリーディング対策について,直前期の勉強法についてそれぞれ補足的な説明を付け加えていこうと思います。
マイルールを決める上での,ヒントにでも使ってもらえたら幸いです。
1週間でできるTOEICのリスニング対策
ここでは,1週間でできるリスニング対策からみていきましょう!
TOEICの前半部にあたる200問がリスニングパートからの出題となっており,延々と英語を聴いては問題に答える45分間となるわけですが,配点は全体の半分である495点もあり,高スコアを取るような方は誰もが揃ってリスニングパートで大勝しているものです。
さて,TOEICでは各パートの最初に出題内容が英語で説明されます。
しかし,その内容は毎回同じですから,当日必死に耳を傾けては無駄に疲弊することは必要ありません。
ゆえに,各パートの出題内容を前もって理解しておくことが重要です。
ところで,今手元に模試の類が何1つない方がいらっしゃいましたら,リスニングパートの解き方!満点を取る方法を併せて読みながら,以降の内容についてきていただけたらと思います。
パート1ですが,1枚の写真を見て,場面を適切に描写している選択肢を選ぶ問題です。
ここははっきり言って,今から対策してもしなくても出来はほぼ変わりません。
1問試しに解いておけばOKです。
TOEICを最初から律儀に勉強しだすとこのパート1で時間を取られた挙句,「なんだか思っていたより簡単だぞ」という感想すら持ってしまうものですが,それは大いなる誤解ですので注意してください。
次にパート2に移りましょう。
何も情報が印刷されていない問題用紙が特徴的なパートで,唯一の3択問題となりますが,「リスニングで最も熱を入れて対策するならパート2一択」と言われることも多いほど,対策の有無で差がつくパートです。
こういったタイプの問題では,出だしの音を聴きとることが肝要ですが,意外な返答が正解になる場合があります。
練習を積むことで答えのパターンが少しずつ見えてくるようになるのですが,例えば「何時にミーティング室にいけばよいか」という問いに対し,「知らないわ」が答えだったりするわけです。
パート3は男女の会話,パート4は1人が延々としゃべるスキットを聴いて,3問まとめて答えていく問題形式ですが,両パートとも質問内容がすでに印刷されています。
そのため,会話が読まれる前に質問を先読みして,実際に質問が読みあげられる頃にはすでに解答を終え,次のスキットの質問を先読みしている状態が理想です。
TOEICを初めて受ける人であれば,ほぼ全員がゆっくりと問題を読んでしまうことになるのですが,それは間違っていると,是非覚えて帰ってもらえたらと思います。
本番まで2週間あれば,この先読み技術を身に付ける時間も残されているのですが,1週間しかないので,眉唾的な完成度で仕上げるつもりで挑戦してみてください。
以上が,リスニングパートについて,直前の1週間で理解しておいてほしい事柄になります。
TOEIC初心者の方であれば,パート1で対策の時間を取られてしまい,パート3以降の先読みの技術すら知らなかったことでしょう。
パート3と4とで計70問近くありますから,スコアにして350点相当の運命が,この1週間の努力で大きく変わる可能性があると分かれば俄然やる気が出てきませんか。
なお,先の説明のところで言い忘れましたが,1つの英文につき3つある問題の順番は,会話に出てくる順番とほぼ同じだと考えてよいです。
また,もし聞き逃したところがあったとしても,潔く諦めて適当にマークを付けて先に進むようにし,先読みのリズムだけは崩さないことを心がけてください。
どんなに時間をかけても,パッとわからない問題は正解できないことがほとんどです。
そのせいで,できる問題まで間違えてしまっては元も子もありません。
そのような状況に遭遇してしまった際には,先述したマイルール(たとえば,迷ったら必ず2を選ぶなど)を厳守するようにしてください。
1週間でできるTOEICのリーディング対策
75分で200問を解くことになるTOEICのリーディングパートは全部で3つのパート(5~7)から成りますが,ここではその対策について,直前にできることをお話ししていきたいと思います。
まず最初に断っておきますと,リスニングなんて比べものにならないほどリーディングの対策は面倒臭く,より難しいです。
私の経験上,最後までなんとか答えをマークできればリーディングのスコア250点以上が期待できますが,総合スコアが600点に達しない実力の方であれば,時間内に解き切ることはないでしょう。
リスニングパートより点数は取れず,50点くらい低く出てくることがむしろ普通です(リスニングパートが300点なら,リーディングパートは250点くらいになります)。
ですが,リーディング対策を全く行わないわけにもいかないので,形式を簡単にでも理解しておきましょう!
こちらの参考資料としましては,リーディングパートの解き方!高得点のヒントをお読みください。
パート5は文法問題です。
選択肢をみて,何がポイントになっているのか判別します。
例えば,「fair・fairness・fairly・faired」などと並んでいれば品詞問題といった具合ですね。
パート5で難しいとされるタイプの問題は,文脈を読まないと答えが決まらない問題であり,各種単語の意味を知っていることはもちろん,文全体を読まないといけないので時間がかかってしまい,スコアにして700点以上を狙うのでなければ捨て問にしてしまって構いません。
もっとも,要領の悪い私のような人間の場合,捨てる問題を作っても上手く対処しきれず,無駄に時間がかかってしまうことも予想できます。
そこで,難しいと思った問題に出会ってしまったら,「知っていればできる,知らなければできない」の精神でパッと答えを決めるようにして,パート6~7にできるだけ時間を残すようにするとうまくいくことが多いです。
ただし,パート5は対策した分だけスコアアップが期待できることで有名であるため,仮に本番まで2週間あればしっかり対策すべきだとされていることもお忘れなく。
どんな文法事項が問われることが多いかを理解すれば,パターン化して考えられるようになりますし,文法の1問が読解の1問と同じ点数になるというのは,高校や大学入試を受けた経験がある方ならわかっていただけるように思いますが,通常であればあり得ないことです。
ゆえに,残り1週間しかなかったとしても,予想問題集の解説を読み込んで,どういうところに注目すべきかくらいは学んでおきましょう。
パート6は飛ばして先にパート7の説明に移りますが,こちらは54問という圧倒的な問題量を誇るだけでなく,誰もが認める,TOEICテストで最も難しいパートとなります。
特に,2つ3つの文章を読ませて5題の問題を解かせるマルチプルパッセージの問題は最後の最後で出会うことになるため,疲れ切った状態で解くことになるでしょう。
パート7の攻略法としては,精神的負担が大きいマルチプルパッセージの問題から先に解いて,逆に前に向かって解いていく人もいるほどです。
ともかく,1問に時間がかけられないことを意識しつつ,正確さは多少犠牲にしてでも,ある程度のところで答えを出して次の問題に進むという「割り切る気持ち」が大切で,さもないと必ず時間は足りなくなることは覚えておきましょう。
「止まったら負け」と思うくらいのスピードで解くようにしてください。
なお,問題を先に読んでから本文を読むか,それとも,本文を読んでから問題を読むべきかについては,スコア900点以上の取得者の間でも意見が分かれます。
どちらのやり方でも解いてみて,自分と相性の良かった方を採用しましょう。
さて,飛ばしたパート6ですが,実はパート5と7の良いとこ取りの形式になっています。
問題数はリーディングパートで最も少ない16問なので,取り組みやすいと感じるのではないでしょうか。
とはいえ,英文を丸ごと1つ放り込むような文脈問題もあり,その正答率は大体低い傾向にある(つまり難しい)ため,難問は捨てる戦略を採用している方であれば,そこは適当に丸を付けて先に進むことも十分に考えられます。
まとめ
当記事の最初は「意識改革」につながる下調べの章から始まり,「一体何を言い出すのか」と不安になった方もいたかと思いますが,リスニングやリーディングパートの具体的な解き方については,ある程度納得のいく知識が得られたのではないでしょうか。
今回述べた勉強法を最後にまとめると,以下のようになります↓
TOEICの1週間勉強法
1~2日目:下調べ
3~5日目:模試+復習
6日目:模試(解き直し)
TOEICは体力的にかなり辛い過酷な試験ですが,上の1ヶ月勉強法の3日目に模試を解けば,すぐにそれを思い知ることになるでしょう。
全く対策せずに試験日を迎えてしまった方だと,当日会場前で回れ右して帰路につきたくなる衝動に駆られることも多いようなので,こうして当記事を最後までお読みになってくださった皆さまが,残された時間をどうにか頑張って対策していただけることを願っています。
模試の復習をする時間が満足に取れなかったとしても,当日まで必死になって受験した暁には,頑張った分だけ,結果が開示されるまでのドキドキ感がそのぶん高まるはずです。
反省することもあるかもしれませんが,何もしなかったときの後悔と比べれば今後に繋がるものとなるでしょう。
なお,まったく何の教材も用意できていないような方は,試験まで残り何日?スタディサプリを使ったTOEIC勉強法の1週間のメニューに従って勉強してみてください。
これは,24時間利用できる優秀なアプリなので,本番まで1週間を切っていても,今回述べたような勉強法をすぐさま実践することができます(1週間の無料体験もあります)。
最後までお読みいただきありがとうございました!