今回は,TOEICの高スコアを狙う方がPart1&2対策として使える「TOEICテスト最強攻略PART1&2」という参考書についてレビューしてみたいと思います。
教材の難度が高いというのが本書の魅力で,出版されたのは2015年と,新形式に変わる前のものですが,高スコアを目指す学習者に向けた「学習のストラテジー」と呼ばれるトレーニング方法に興味があったので購入してみた次第です。
読んでみると,いつの時代でも通じる方法論でありましたし,リスニングの対策本でPart1と2に絞った参考書も数が少ないので中々に貴重な存在のように感じました。
本書で一体どのような学び方をしていくことになるのか,これから学んでいきましょう!
目次
最強攻略PART1&2とは
最強攻略「PART1&2」という名前の通り,本書で扱う問題は確かにこの2つのパートのみです。
しかし本書が目指すのは,TOEICで良い点が取れることももちろんそうですが,実際はもっと高いところにあり,本書の学習を通して実用性のある役立つ英語力を身に付けることを最終目標に掲げています。
そしてパート1と2で読まれる英文を完璧に聞き取れるだけのリスニング力を身に付けるために,本書では「澤トレ」と呼ばれるトレーニングを用いて「スピーキング力」の方を強化していくのが特徴です。
なお,著者は渋谷にある澤田塾の塾長であり,彼のブログで本書を「澤トレ」と呼ぶことにしたとの記述がありました。
以下の記事で触れましたが,実際スピーキング力とリスニング力は関係していて,話せなければ聞き取れないことになります↓↓
具体的には以下のようなトレーニングを行っていきますが,ここで学んだ手順を今後別の教材で学ぶ際にも応用できてしまうところは魅力でしょう↓↓
- Listen&Repeat
- Quick Response
- Read&Look up
実際はどのような英文を使って,どういった方法で学ぶことになるかについてですが,とりあえず目次をみてください↓↓
構成としては,前半部分が「ストラテジー編」であり,後半が「問題演習編」となっています。
後者は模擬試験のことであり,各パートに4回分の問題セットが収録され,もちろん詳しい解説付きです↓↓
ですが,わざわざ古い本を買い求めた私のお目当ては,前者にあたる「学習のストラテジー」だったわけです。
TOEICの形式時代は2016年から新形式なので,ここに書いてある解法自体には学ぶものがありません。
ですが,本書に収録された問題はなかなかに練られた良問であり,純粋にリスニング力の底上げを図ることに向いています。
このときの前提にあるのは,そもそもリスニング力がある人であれば,どんなに試験の形式が変わろうとも間違えないということです。
試しにTOEICのリスニング問題を,和訳だけみながら解いてみると結果はどうなるでしょうか。
特につまずくこともなく,全問正解できてしまうはずです。
とすれば,TOEICでスコアが上がらない一番の原因は,自分のリスニング力そのものに問題があることとなり,それは最新のパート別攻略法を知ったからといってどうこうなる問題ではないでしょう。
次章からは,根本のリスニング力を強化するために「学習のストラテジー」で採用されているトレーニング内容をレビューしていくことにします。
最強攻略PART1&2における学び方
最強攻略PART1&2では,基本的に以下の3つのトレーニングを行います↓↓
- 英語の音声を最後まで聞き,聞こえた通りに繰り返す(Listen&Repeat)
- 和文に続けて英語を音読し,見上げて,空で言う(Read&Look up)
- 和訳の音声を聞いた瞬間に,その英語を言う(日→英Quick Response)
最初のものについては,別名「リピーティング」と呼ばれることもあり,TOEICのテクニックでも紹介しました↓↓
Quick Responseは1人で行う場合,日本語訳が吹き込まれた音声がないとできませんので,本書のようにそれ用の音源が必要となります。
誰かパートナーがいれば,日本語を読んでもらって英語で返すということができるのですが,そうでない場合,このように独学できる教材は貴重です。
さて,これらのトレーニングですが,ある1つの勉強素材(語句とか英文)に対して,上の3つのトレーニングをセットで行っていきます。
私も最初はできるかどうか心配でした。
ですがトレーニング負荷の低い簡単なものから始めることになるので,最終的には慣れて高負荷のものまで行えるようになるでしょう。
フレーズ単位で行う
一番負荷が低いものは,上で示すような3~5語のフレーズを対象に行うトレーニングです。
まずは赤シートでこれらを隠し,音声のみを頼りに,聞こえた通りに音読してみましょう(Listen&Repeatのトレーニングとなります)。
日本語の意味についてはこの時点で気にする必要はなく,あくまで音が取れているかを確認する段階です。
2段構えで挑みますが,1周目は自分の発した英語が正しいかどうかまでは確認せず,2周目で初めて1つ1つ赤シートをめくっては確認します。
続けてRead&Look upのトレーニングに移りますが,同じフレーズを今度は和訳付きで見直し,以下の手順で行いましょう↓↓
- 和訳を音読して意味を確認
- 英語フレーズを音読
- 見上げて英語を言う
最後の仕上げとしてQuick Responseを行いますが,和訳を読み上げた音声を聞いた瞬間に,その英語を言うことになります(そのためのCD-Rが本書には付属しています)。
センテンス単位でのトレーニング
低負荷のトレーニングができるようになったら負荷を中に引き上げ,次はいよいよセンテンス単位で行いましょう。
題材としてパート1のものを使う場合,写真の内容を描写したセンテンスを用いますが,手順としては低負荷のときと同じようにやっていきます↓↓
英語が長くなるだけでグンと難易度が上がったように感じますが,なんとか頑張りましょう!
続くRead&Look upやQuick Responseも先のものと同じ要領で行います↓↓
ちなみにパート2を題材に行う際は,Quick Responseのトレーニングは行いません(和訳が長すぎて瞬時に言えないため)。
中負荷では実際に試験で読まれるような文(設問文)を用いますが,手順自体はパート1のときのそれと変わりません↓↓
本書の音源ではポーズの時間も取られているので,その空白時間を利用して音声を繰り返しましょう。
設問文と選択肢を用いたトレーニング
本書で最も難易度の高い学習方は設問文に加え選択肢も用いたトレーニングです。
まずはListen&Repeatから↓↓
パート2に出てくる上記画像のような会話例を題材とし,以下の手順で行います↓↓
- 設問文を聴く
- 続けて選択肢を聴くが,その都度,設問文を脳内で再生する
- ポーズの間に,設問文と正解だと思う応答を音読する
- 設問文と正解の応答を再度聴く
- ポーズが入るので,手順3のときと同じように音読する
- 上記手順を繰り返すが,5の音読後に今度は英文を確認する
これが終わったら,次にRead&Look upに移りましょう。
題材はこのような感じとなり,
手順は以下のようになります↓↓
- 和訳を音読する
- 英文を音読する
- 見上げて,暗唱する
- 上手くできなければ2と3を繰り返す
特にListen&Repeatの難度が高いので,最後に紹介したRead&Look upをやってから,再度Listen&Repeatのトレーニングをやり直してみると,取り組みやすくなるのでおすすめです。
まとめ
前章で実際のトレーニング内容についてまとめてきましたが,最終的には上記のような「訳&スクリプト」を使って,パート2の形式でまとめられた120問すべてを題材にして,高負荷のトレーニングを行うことになります。
まさかPart1と2の参考書で,ここまでの内容の作業を強いられることになろうとは想像だにしていませんでしたが,痛み無くして得るものはありません。
一番辛いのは初回のトレーニングを行うときですので,それさえ何とかやり遂げてしまえば,2回目以降はそこまで困らずに練習できます。
そう信じて頑張りましょう!
今や本書は中古で安く購入できます↓↓
最後までお読みいただきありがとうございました。