TOEICの楽しい学習方法として「洋画または海外ニュースを使った勉強法」がありますが,今回紹介する「EEvideo」というサービスを使えば,そのどちらも1つのサイトで学ぶことができてしまいます。
確かにHuluやESPNなどと比べれば,デザインや内容の面で劣る部分もありますが,教育目的としてみた場合,その学習効果はかなりのものが期待できるでしょう。
もちろん利用者の好みによっては,かなり楽しめる内容の動画もありますので,まずはラインナップの方を公式サイトの方で確認していただけたらと思います↓↓
公式サイト
本記事では,EEvideoの利用方法とおすすめの動画を中心にみていくことにしましょう。
EEvideoとは
EEvideoの「EE」はEnjoy Englishの略ですから,まさに楽しい英語学習を目的として作られた動画サイトであると言えるでしょう。
サービスを提供するのは「エドテック」という会社で,教育やデジタル関連を扱う,2017年に創立した比較的新しい会社です。
動画はフリーで使えるもの(既存のもの)を扱っていますが,それに字幕や訳表示,さらには再生速度の変更機能などを加えて,学習教材としての価値を高めています。
同時に文構造を表示して,頭から訳し出すことができるため,上級者のリスニングテクニック(スラッシュリスニング)を練習できてしまうところが大きな特徴です。
以下は,実際にある動画の全訳の例ですが,
スラッシュでまとまりごとに区切られる以外にも,大きなかたまり(上の場合,関係代名詞がかかったthat節内の主語の部分)はブラケット(角括弧)で括られることで,文構造が明確になっています。
また,動画に難易度が設定されているので,選んで視聴すれば高校初級レベル(英検3級,TOEIC300点レベル)から利用できますし,英語の音に慣れさせる目的で,アニメや世界のきれいな風景などの動画を子どもに見せるといった使い方もできるでしょう。
ここらへんは利用者の工夫次第でどうとでもできそうです。
実際,教育機関が生徒のリスニング力アップにEEvideoを導入することも十分に考えられます。
著作権の問題をクリアした動画ですから,テスト問題も作りやすいでしょう。
PCで使う以外に,スマホやタブレットでも利用できます。
それでは早速使ってみましょう!
EEvideoの基本的な使い方
EEvideoのページを開くと,すぐに1000本以上ある動画が出てきますので,見たい動画をクリックします。
ここでは子ども向けのアニメから「The Happy Prince(幸福な王子)」を選んでみました。
初期状態はこのようにすべてのルビ訳と全訳が並んで表示され,訳がわからない状態ですので,アレンジしていきましょう。
分かりにくいですが,画面を下に下げることができ,字幕という文字の右に見える三本線をクリックすると以下のようなメニューが開きます↓↓
ここに出ているもののうち,「ルビ訳」と「訳」の違いをまずは理解してください。
ルビ訳(captions)は以下の画像の①で示したようなもので,ところどころに出てくる語句の意味を表示したものです↓↓
その下の②が「訳(subtitles)」であり,スラッシュの区切りごとの訳が直訳調で表示されています。
慣れてくると表示の変更を④~⑥をいじって変更できたりもしますが,とりあえずは先の三本線のメニューの使い方から覚えましょう。
例えば以下のセッティングは,再生速度を0.8倍,ルビ訳は非表示,訳のみを表示した状態になります↓↓
このような補助が入った状態で学ぶと,英語を英語のまま理解しやすく,慣れてきたらさらにスピードを速めて最終的に1.0倍まで近づけていけばよいわけです。
動画の難易度について
EEvideoの動画の難易度は全部で5段階あり,以下のように星の数(レベル)が設定されています↓↓
星の数と動画の難易度
- TOEIC300点(英検3級)
- TOEIC450点(英検準2級)
- TOEIC600点(英検2級)
- TOEIC800点(英検準1級)
- TOEIC800点以上
とはいえ,この難易度はルビ訳(補助)のレベルを表しており,英文のレベル(例えば文章の複雑さや英語が読まれるスピードなど)を表したものではないことには注意が必要です。
つまり,TOEICが800点ある人が星1個の動画を観たとしても,満足に聞き取れないことも普通にあるわけです。
よって,あくまで星の数は学習者の単語レベルに応じて参考にとどめ,費やした時間に比例してリスニング力も上がっていくわけですから,楽しいと思える動画を選ぶことが圧倒的に重要です。
その上で,以下のような工夫を施して,難易度をより低くしてみましょう↓↓
- 再生速度:速度は0.5倍まで下げられます
- 訳表示:ルビ訳や全訳が利用可能です
- 一時停止や巻き戻し:わからない場所で止めたり戻したりします
学習効果的には,自分のレベルよりもちょっと上のリスニング教材を選ぶことが有効ですが,詳しくは洋画を用いた勉強法の記事で語っているので参考にしてください↓↓
目的別のおすすめ動画
TOEIC対策
TOEIC対策に使う動画のおすすめですが,やはりビジネスシーンの動画を選ぶべきでしょう。
数は多くありませんが,「ビジネス」というジャンルの動画がありますし,時事問題を含む「社会」であったり,「インテリア・住宅」のジャンルの動画では,ビジネスマンが職人にインタビューする会話シーンがありますし,建物の描写もPart1対策に役立ちます。
今後色々な国の方と話すことを考え,「トラベル」の動画で各国の文化について学ぶのも,グローバル化が進むこれからの時代に役立つでしょう。
なお,星3がTOEIC600点レベル相当でしたが,この点数は日本人の平均点を何とか超えたあたりのレベルです。
このスコアを1つ目安にして,星2~4つの間で選んでみるのがよいかと思います。
子ども向け
子どもがEEvideoを利用する場合は,アニメのコンテンツ,または星の数が1つか2つのものがおすすめです。
アニメの中には星5のものもありますが,見た目や展開から,内容は子どもに受け入れやすくなります。
また,星1か2を選ぶ理由として,難易度が低いものを選ぶようにすることで,子どもにとっては難解な語句が出てきにくなります。
EEvideoの料金
EEvideoの料金ですが,無料で利用できる動画は15本程度しかありません。
もちろん最初はそれらの動画を使って学んでみるだけでもよく,基本的な操作を確認できる他,星1~5までの動画の違いを確認できます(全レベルの動画が最低1本ずつあります)。
とはいえ,本腰を入れて英語学習を行おうと思うのであれば,有料会員になって数百の動画で学ぶべきでしょう。
実際の料金ですが,30日間の利用で1000円(税込み)となります。
なお,Amazonアカウントを使って支払ったり解約することができ,プライム会員になったことのある方であればお判りでしょうが,課金期間が残っている状態で解約しても,期限いっぱい利用することが可能です。
学校や塾などの教育関連の方であれば,生徒の人数分の無料コードを申請できます↓↓
授業に導入する際は,有料サービスを30日間無料で試してみて,生徒の様子(取り組みや習熟度)を材料に判断しましょう。
まとめ
以上,エドテック社のEEvideoの動画について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
そこまで煩雑ではない使い勝手と,スラッシュリスニングしやすい環境下での動画学習は,ついつい軽視しがちなリスニング対策を支えてくれるものです。
洋画や海外スポーツニュースのサイトは面白い反面,学び方によってはやや英語学習としての効果が薄れてしまう危険性も孕んでいます。
EEvideoで1つの動画を完全に理解する経験を積み重ねていけば,英語を聞く時間は増え,英語の語順のまま理解できる思考回路が徐々に作られてくるはずです。
是非,TOEICを始め,普段の英語学習に役立てみてください!
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