今回は,TOEIC L&Rテストで990点を狙うための考え方と訓練が凝縮された「BEYOND990超上級問題+プロの極意」のレビューをお届けします。
本書は過去のベストセラーをベースに新装版として刊行されたものですが,現在の出題形式(新形式)をすべてカバーする問題集ではありません。
しかし,あえて極限まで負荷を高めた厳しい状況下で正解を絞り出す独自のトレーニングが満載されており,形式変更後も役立つ基礎体力を鍛えることができます。
TOEICで毎回のように満点を連発する上級者は,試験形式がどのように変わろうとも平然と990点をもぎ取ってきます。
本書の言葉を借りれば,「TOEICで1,200点を取れるだけの実力を身につけてしまえば,990点に届きやすくなる」わけです。
本番よりも高負荷に設定された,本書独自の「高地トレーニング」を実践し,公開テストで余裕を持ちやすくなるほどの圧倒的な実力を構築しましょう。
BEYOND990超上級問題+プロの極意の特徴と基本情報

目標スコアが600点や700点台であれば,基本的な解法や時間配分を覚えるだけで一気にスコアを伸ばすことが可能です。
しかし,990点を狙う段階では,細部まで正確に処理する力が必要です。
私自身は900点を超える際に使いました↓
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基本情報
- 書名:TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意 新装版
- ページ数:256ページ
- 著者:ヒロ前田,TEX加藤,ロス・タロック
- 出版社:アルク
- 発売日:2015年10月28日
- 対象レベル:TOEIC 800点以上
- 定価:2,420円(税込)
- 音声対応:CD-ROM1枚 + booco対応
手軽さや即効性を謳う一般的な教材とは異なり,本書はTOEIC対策で知られる3名の満点ホルダーが,990点を狙うための本質的な戦略とマインドを徹底的に授けてくれます。
収録されているのはトップ層が本番で不意に失点しやすい難問ばかりであり,最初から最後まで非常に骨のある問題が連続して出てきます。
ここで培った英語力は極めて強固なため,今後の試験トレンドがどのように変化しようとも通用する財産になるはずです。
実際の満点連発者たちが,形式変更直後のテストでも変わらず満点を取り続けられるのは,こうした本質的な地力を備えているからです。
最高峰の視点に立つことで,本番の試験問題の構造がクリアに見渡せるようになります。
目次構成は以下の通り,パートごとにコア知識を確認した上で「練習問題」「トレーニング」「実践問題」という3ステップを突き進む設計です↓

この中で最も重要なステップが,本番の試験形式をあえて崩して難易度を極限まで引き上げた「トレーニング」のメニューです。
著者陣が「TOEICで1,200点を獲得できる難易度」と自負する通りの高負荷が設定されており,これをクリアしていくことで,通常の公開テストに余裕を持って臨める実力が育ちます。
強豪校の運動部が全国制覇を目標に見据えて日々の練習強度を上げるように,あるいは大学受験でMARCH合格のためにわざと早慶・旧帝大レベルの難問を用いることがあるように,高い基準で脳を鍛え上げる効果が期待できます。
さらに巻末には,実戦の総仕上げとして活用できる「4分の1サイズ(51問・28分)」のミニ模試が付属。
解答解説の質も非常に高く,プロの思考プロセスを余すところなく吸収できます。
BEYOND990の各パート内容を徹底レビュー
実際に各パートを解き進めることで体感した,具体的なトレーニング内容と高負荷のメカニズムを解説します。
Part1:6つの選択肢から「すべて選ぶ」多肢選択演習

本書のリスニング音源は,多くの受験生が苦手意識を持ちやすいイギリスやオーストラリアのナレーターによる発音が意図的に多く収録されています。
これが他書にはない強烈な特徴です。
満点ホルダーでも失点のリスクがある「抽象的な表現を用いた選択肢」など,本番の公開テストでわずか2〜3問しか出合わないような超高難度のシチュエーションだけを狙い撃ちで対策できます。
解答解説にはすべての選択肢に対して不正解の根拠が論理的に明記されています↓

そして注目の「トレーニング」メニューでは,本番の4択形式を完全に無視し,6つの選択肢の中から正解となる記述を「すべて選ぶ」という過酷な形式が採用されています↓

場合によってはすべての記述が正解になり得るため,消去法は一切通用しません。
音声の最初から最後まで完璧に構造を把握しきらなければ完答できない仕組みです。
この圧倒的な負荷を乗り越えたあとに本番形式の「実践問題」に取り組むと,驚くほど見通しが良く感じられ,実力のステップアップを肌で実感できます↓

Part2:WH疑問文に頼らない「4択・複数正解」の特訓

全問正解が絶対防衛ラインとなるPart2では,WhoやWhereといった疑問詞から始まらない「平叙文」や「間接的な応答」の難問だけがセレクトされています。
ここでのトレーニングメニューは,通常の3択から4択へと選択肢が拡張され,なおかつ「正しい応答が複数含まれている可能性がある」という超高負荷スタイルです↓

さらに,収録音源には単なる1往復のやり取りだけでなく,その後の「通しの自然な会話」までが収録されています。
会話のストーリー全体の文脈を追いかける癖がつくため,本番の捻った変化球問題にも対応しやすくなるはずです。
Part2の出題傾向は現行の試験でも変わらないため,そのまま高難度の実戦対策として直結します。
Part3&Part4:ポーズ4秒&1パッセージ4設問の極限状態

Part3とPart4において高い実力を発揮するため,本書では純粋な聴取力に加えて「速読力・集中力・記憶力」の3つを限界まで追い込むメニューを課します。
別冊解説では,正解のトリガーが流れる位置の予測手順や,上級者がマークミスを起こしやすい高度な設問パターンへの防衛策が詳細に語られています。
事前にこの視点を知っておくだけで,本番におけるメンタルの安定度が大きく変わるはずです↓

特筆すべきはトレーニングにおける制約の厳しさです。
通常8秒ある設問間のポーズ(無音時間)が,わずか「4秒」に半減されています↓

次の問題への先読み時間が実質的にほぼ剥奪される過酷な環境ですが,この圧倒的なスピード感に慣れておくことで,本番の8秒の間隔が信じられないほどスローモーションに感じられるようになります。
さらに,1つの会話パッセージに対して「4つの設問」に答えさせる特殊メニューも登場し,記憶の保持能力と集中力が限界まで引き上げられます。
アルクの公式アプリ「booco」から無料で再生できる音声には,ナレーターが実際に超高速でナチュラルに喋り下ろした「本物の高速音声」が収録されており,耳の処理速度をアップさせることが可能です(booco Plusにも対応しています)。
Part5&Part6:旧形式の構造から文法の本質をえぐる

リーディングセクションでの満点奪取に向けて,Part5は一瞬のミスも許されない重要エリアです。
著者のヒロ前田先生が「受験生の背景知識によって誤答の傾向は異なるため,特に死角になりやすい超難問をタイプ別に厳選した」と語る通り,精緻なトラップが仕掛けられた問題が並びます。
解説ページに問題文が視覚的に再掲されているため,復習の効率も抜群です↓

トレーニングでは,あえて2006年以前の旧形式である「誤り指摘問題(間違っている下線部を選ぶ形式)」などが採用されており,正確な英文法・語法の知識を完全にアウトプットできるレベルまで深めていなければ太刀打ちできません↓

Part6では,高度な文脈理解が必要な文書が用意されており,「1文書を2分以内」という極めてタイトな時間制限の中で処理するスピード力を鍛えます↓

また,音声を用いた「スリーステップ・リスニング」というユニークなトレーニング法が提示されています。
返り読みを完全に排し,英語の語順のまま一発で内容を精読・精聴していくための強力なメソッドが血肉になります↓

Part7:ビープ音に追われる極限の情報処理訓練

最後のPart7では,膨大なビジネス文書を正確に読み解く情報処理能力と,論理的な推測力を高めます。
問題ごとに厳密な目標制限時間が設定されており,時間への意識が徹底的に叩き込まれます↓

さらにトレーニングモードでは,タイマー音声を再生しながら長文を読ませるという独自のメニューが課されます。
読み終わるべき時間や解答の締め切り時間が「ピピッ」という容赦ないビープ音でスピーカーから流れるため,本番以上のプレッシャーの中で正確に根拠を拾い上げる強固な処理能力が鍛え上げられます↓

購入前に知っておきたい注意点と補い方
BEYOND990はかなり価値の高い上級者向け教材ですが,出版が古いため,現代の公開テストに挑む上で受験者が必ず把握しておくべき注意点が2つあります。
- リスニングの最新形式への未対応:Part3・Part4に登場する「3人による会話問題」や「図表(グラフィック)を見ながら解く設問」が収録されていません。
- リーディングのボリューム不足:Part6の大問数が古い仕様(全12問)のままであり,Part7における最大の難所である「トリプルパッセージ(3つの長文連動)」や「テキストメッセージ(チャット形式)問題」が含まれていません。
つまり,本書だけで1,200点レベルの脳内負荷をかけることは可能ですが,現代のTOEICのトレンドである「複雑な複数文書の処理スピード」や「新形式特有の設問形式」の慣れまではカバーできないという弱点があるわけです。
この時代のギャップを完全に埋め,現在の公開テストで990点に近づくための賢い戦略が,オンライン教材の「スタディサプリENGLISH」との併用です↓
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スタディサプリには,TOEIC L&R TEST 20回分相当の演習問題や関先生の講義動画が用意されています。
BEYOND990で鍛えた聞き取り・読み取りの精度をベースにしつつ,新形式のリスニング問題や複数文書問題に慣れるための実戦演習を追加しやすい点がメリットです。
本書を「負荷を上げる教材」,スタディサプリや公式問題集を「現行形式に慣れる教材」として使い分けると,旧形式本の弱点を補いやすくなります。
まとめ
以上,BEYOND990のレビューでした。
TOEICの公式問題集はスコアが800点〜900点を超えてくると大半が正解になってしまい,演習に対する知識の回収効率が著しく低下します。
だからこそ,トップ層の盲点となる超難問を多数収録した本書には,今なお色褪せない独自の価値が存在します。
出版されてから時間は経過していますが,本書で養成できる負荷耐久力はきわめて普遍的であり,メルカリや駿河屋といった中古市場でリーズナブルに入手しやすい点も大きなメリットです↓
また,現行の最新形式に完全準拠した超上級問題集としては,以下の「990点攻略」が最有力候補となりますので,自分の求めるトレーニングスタイルに合わせて選定してみてください↓
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