スタディサプリのTOEIC対策コースの口コミに挙げられていたものに,関正生先生のわかりやすい講義がありました。
そして,今回紹介する「パーフェクト講義」には,そんな関先生の講義動画が多く含まれており,予備校さながらの授業を通して,TOEICのパート別対策が行える学習コンテンツです。
中身を少し覗くてみると,「パーフェクト」と銘打っているだけに,学習法の解説から豊富な数のレッスンまで充実しています。
これはかなり期待できそうですが,具体的にはどのようなふうに学んでいくことになるのでしょうか。
本記事では,まず最初にパーフェクト講義の概要を説明し,続けてパートごとのトレーニング内容について詳しくレビューしていくことにします。
目次
パーフェクト講義の概要について
パーフェクト講義は,いわばTOEICの攻略本のようなものです。
本番で出題される問題を全部で53個のパターンに分け,それらの解き方について学びながら高得点を目指すことになります。
しかし,その53という数字は一体どこから来たのでしょうか。
TOEICのパートは全部で7つしかありませんよね。
実はこれ,関先生がこれまでにTOEICを受け続けてきた中で見出した,問題パターンの独自分析結果となります。
発見した本人がそれについて1つ1つ解説していくわけですから,これは彼にしかできないことですよね。
しかも,それをスタディサプリENGLISHというアプリの中で行った点が,実に上手くハマったように思います。
というのも,関正生先生のTOEIC対策本とアプリでみたように,すでにTOEIC関連の書籍を複数出しており,パーフェクト講義で紹介されているパターンの多くは,既に発表されている内容と同じものだったりするからです。
このパーフェクト講義もテキストを購入できますが,市販の世界一わかりやすいシリーズのものと比べると,2冊揃える必要はないという結論でした。
しかし,書籍(活字)にスタディサプリENGLISH(アプリ)が加わるとどうなるか考えてみてください。
TOEIC攻略に必要とされるパターンを,目だけでなく手や耳までフルに使ってより効率的に学ぶことができるようになります。
動画だけに限らず,ディクテーションやシャドーイングなどを取り入れたトレーニングもなんだか新鮮で,初学者の目にはかなり魅力的に映るのではないでしょうか。
各人の学び方には得意不得意があり,最近だと「読んで学ぶ・見て学ぶ・聞いて学ぶ」という3タイプがあると言われていますが,そのいずれであっても,ハイブリッド型の教材を使っていればどこかにピンとくるものがあるはずです。
なお,「TOEICで良い結果を残したい」と思った場合に,英語の実力を高める努力ももちろん必要ですが,スコアを簡単に上げるためのテクニックも確かに存在します。
しかも,それを理解しておくだけでTOEICのスコアが数十点も変わってくるわけですから,知っておかないわけにはいかないでしょう。
次章から詳細なレビューをしていきますが,どのパートの対策を行おうとも真っ先に観ることになるのは「概要と学習法」の動画です。
これは全パートに1つずつ用意されており,どんな問題が出題されるのか解説する動画と,どういったことに気をつけて勉強していけばよいかについての動画がペアで用意されています↓
出題形式について大まかに理解してから,出題パターンについて個別に学んでいくという流れですね。
パート1のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→ディクテーション→シャドーイング
- 問題演習→(講義)→ディクテーション→シャドーイング
まずはパーフェクト講義のパート1の学習内容からみていきましょう!
以下は1個目の出題パターン(状態と進行の区別)をピックアップしたものですが,1つのパターンを習得するのに,複数のトレーニングを行う必要があります↓
最初の「例題」において,そのパターンの典型的な問題を解きます。
そして最も重要なのはその次の「例題講義」であり,実際に黒板を用いて講義が行われるものの,時間にしてみれば5分ほどです。
とはいえ,長さが物足りないなどと言いたいわけではありません。
予備校のトップ講師にとっての5分というのは,どうやらTOEICに必要な知識を授けるのに十分な時間であるということです。
同じ結果が得られるのであれば,早く終えられる方が良いに決まっています。
人に話を聞くことの良さは効率面で顕著で,独学していてはこれほどのスピード感でもって学ぶことはできません。
その後,「ディクテーション」と「シャドーイング」という2つのトレーニングを用いて,例題の復習をします。
前者では普通,紙と鉛筆に加えて音源の用意が必要ですが,スタディサプリENGLISHにおいては,スマホで音声を再生して,聴き取った内容を文字にして入力するだけです↓
このとき,次に入力する文字の候補が自動で表示されてくるので,学習者の負担はだいぶ少なくなっていて,気楽にできるだろうと思います。
リスニングの勉強は,まず自分の聴き取れない音についてよく知ることから始まりますが,自分が苦手とする音がわかってくるとより聴き取れるようになってくるわけで,ディクテーションでアルファベットを入力することで,自分の理解を誤魔化さずに済むところは特に有効でしょう。
全く聴き取れない箇所というのは,文法的な知識を動員し,細かい音(3単現の-sや冠詞・前置詞など)について考えることにもなるので,ディクテーションは総合的な英語力が高まるトレーニングだとされています。
ちなみにここでやったのと同じ英文は,シャドーイングにおいて再度登場するわけで,同じものを別の角度から学ぶことになるため,より理解が深まるわけです↓
このトレーニングは,スピーキングにも効果があると言われています。
なお,ここまでの一連のトレーニングをやっただけではまだ半分に過ぎません。
ここまでは「例題1」でしたが,この次に控えている「演習1」までやり終えてこそ,ようやく1つのパターンを完全に身に付けたことになるので,頑張りましょう!
「問題演習」では,同じパターンの類題を,動画で教わった通りのやり方で解答します↓
問題数は全部で5問あり,ディクテーションが2つに分かれるくらいに,トレーニング量が多くなるわけです。
動画については,スタディサプリの受講者が間違いやすい問題のみを解説しているとのことで,たまに追加されます。
例えば,上にある画像のトレーニング02にあるように,難しめの問題演習(5問目)が動画内にて解説されているわけです。
これまでレビューしてきた「例題1」と「演習1」ですが,集中してどちらも15分程度で終えることができました。
スタディサプリのTOEIC対策コースでは15分単位で目標学習時間を設定できるのですが,もしかすると,その数値と分量は関係しているのかもしれません。
最後に,パート1で学ぶことができた5つのパターンについてまとめておきましょう↓
パターン1~5
状態と進行の区別・抽象的な語句・位置関係の問題・「積み重ねる」表現・目立つものが正解?
全てに取り組むと,時間にして3時間弱のボリュームとなります。
パート2のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→ディクテーション→シャドーイング
- 問題演習→(講義)→ディクテーション→シャドーイング
パーフェクト講義のパート2の学習においても,基本的な流れはパート1のときと変わりません↓
なお,右下に見えている「復習トレーニング」というのは,間違えた例題や問題演習にチェックを付けておくことで,後でその問題だけをまとめて復習ができる機能になります。
2018年くらいの初期の段階から実装が待ち望まれていた機能ですが,2020年の10月にようやく出そろった感じです↓
このような具合で,復習のチェックを入れたものがピンク色の数で表示されてきますので,できるようになるまでこれらに限って繰り返しましょう。
ちなみにパート1ではあまり触れなかった「講義(動画)」ですが,解答がしっかりしていて,活字は苦手な私としては,黒板を使って説明されると理解度が断然違います↓
パート2で学ぶパターンは全部で7つありました↓
パターン6~12
慣用表現・ひねった応答・「似た音」を使ったひっかけ・Why対策・WH疑問文・否定疑問文・付加疑問文
パターン名だけ聞いて,「ああ,あのことね!」とピンとくるようになれば完璧です。
私の場合,時間にして4時間弱で習得できました。
パート3と4のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→単語・イディオムチェック→ディクテーション→本文チェック→シャドーイング
- 問題演習→(講義)→単語・イディオムチェック→ディクテーション→本文チェック→シャドーイング
リスニングセクションの後半にあたるパート3と4では,長めの文章が読まれることもあって,1つの例題に対して「演習」の数が3つに増えました↓
とはいえ,こうして3つに小分けすることによって,1回の学習にかかる時間が15分程度に収まるように工夫されている点は助かります(1つのトレーニングをこなすのに何十分もかかるようでは続きませんので)。
TOEICのパート3では,会話が流れた後で,その内容に関する設問から適切なものを選びますが,実際の公開テストでは「先読み」が有効な戦略となります。
しかし,そこは評判のスタディサプリENGLISHです。
先読みのための時間が別に設けられているところに驚きました↓
スタディサプリのパーフェクト講義が好評な理由は,アプリという性質を生かして,こういう実戦さながらの演習ができるところにあるのでしょう。
その他,2つの見慣れないトレーニングが新しく登場します。
1つは「単語・イディオムチェック」,そしてもう一つは「本文チェック」というトレーニングです↓
最初の「単語・イディオムチェック」についてですが,演習問題で出てきた単語や慣用表現の意味を4択から選びましょう↓
形式自体は,スタディサプリENGLISHでおなじみのものです。
実際,問題中に出てきた重要単語を中心に収録されています。
続けて「本文チェック」ですが,これは音声を流しながら英訳と和訳の両方を同時に確認できるトレーニングです↓
パート3で学ぶパターンは全部で8つあり,所要時間は9時間弱となりました↓
パターン13~20
スケジュール変更・会社同士のやりとり・申し込みと予約と依頼・お店とお客のやりとり・社員同士のやりとり・3人の会話・意図問題・図表問題
ちなみにパート4も上と全く同じ流れで学んでいくことになります。
こちらのパターンは9つなので,さらに9時間ほどかかることになるでしょう↓
パターン21~29
企業の広告・ラジオニュース・ツアーガイド・スピーチ・トーク・会議・電話・意図問題・図表問題
パート3と4で同じパターン名のものもありますが,パートが違えば解き方も異なるので,中身としては別物です。
パート5のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→問題演習
パート5といえば文法問題ですが,リーディングセクションの最初の部分にあたり,これまでのパート1~4とは大きく構成を異にします。
「概要と学習法」の動画はこれまでと同様に存在しますが,「演習」は見られず「例題」のみが14個並んでいるのがわかるでしょうか↓
パート4までにあった「ディクテーション」や「スピーキング」がないのは,音声が関係しないからでしょう。
その代わり,「例題」の中に「問題演習」が入っています↓
従来の演習は例題内にまとめられていると考えてよいでしょう。
本パートで学ぶパターンについてですが,以下の15個を4時間弱かけて学ぶことになりました↓
パターン30~44
名詞・形容詞・副詞・態・時制・主語と動詞の一致・代名詞・接続詞・前置詞・関係詞・比較級・最上級・定型表現・発展・多義語
ところで,実際の公開テストでは,パーフェクト講義で扱った例題や演習と全く同じ問題は出題されないでしょう。
ですが,類問は多く出題されます。
そのため,学習の際には「どうしてその答えになるのか」という,根拠までしっかり理解するよう心がけてください。
TOEICでは文法問題がスコアに与える影響が大きいため,これまで読解中心の学習しかしてこなかった受験者には辛いところですが,これを機に1から頑張っていきましょう!
ちなみにパーフェクト講義が難しすぎるという方には「基礎英文法」という講座もあるので,そちらだと中学英語のレベルから復習できます↓
パート6のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→単語・イディオムチェック→本文チェック→スピード音読
- 問題演習→単語・イディオムチェック→本文チェック→スピード音読
TOEICのパート6においても文法的な出題が見られますが,少し長めの文脈を意識しながら文中の空欄に単語や文を入れていきます。
実際は,パート5の文法要素とパート7の読解要素の両方を併せ持つパートですね。
パーフェクト講義では1つのパターンに対して,「例題」と「講義動画」に加え,パート3と4にあった「単語・イディオムチェック」と「本文チェック」,そして今回初披露となる「スピード音読」というトレーニングメニューが加わります。
これは,表示された英文の意味を理解しながら制限時間内に発話するという,ユニークなトレーニングのことです↓
長文になってくると音読の学習効果が高いということもあって,リーディングセクションでありながらも音を使ったトレーニングも行われます。
ところで,本パートで紹介されるパターンは全部で3つしかありません。
がしかし,特筆すべきは続く演習の量です。
なんと1つの「例題」につき,4つもの「演習」が用意されていました。
パート6の問題は,パート5などと比べるとすごく時間がかかり,1題につき4つも答えを選ばないといけないので大変です↓
が,TOEICスコアを伸ばすためにも避けては通れないのが本パートでもあります。
スタディサプリのパーフェクト講義をやっていると,「TOEICって,本当に疲れる過酷な試験だな」としみじみ思いますが,それでも気合を入れ直して取り組むようにしてください!
パート6で学ぶことになる3つのパターンについては,以下の通りです↓
パターン45~47
「意味」より「形(文法)」・文脈から適切な語彙を選ぶ・「時制」を問う問題
私は5時間近くかかりました。
パート7のレッスン内容
学習の流れ
- 例題→例題講義→単語・イディオムチェック→本文チェック→スピード音読
- 演習問題→(講義)→単語・イディオムチェック→本文チェック→スピード音読
いよいよパーフェクト講義,最大の山となるパート7の学習へと移ります。
このパートでは,大量の長文から聞かれた内容を素早く選び出す速読技術が求められる,TOEIC最大の難所といっても過言ではないでしょう。
制限時間はアプリ側で計算してくれるので楽ですが,人によってはレイアウト的にやや取り組みにくいかもしれません(昔に比べて改善されてはいます)↓
やりづらいと感じる場合はテキストの購入を検討してみてください。
パターンは全部で6つです↓
パターン48~53
ビフォー&アフター問題・一文を入れる問題・メッセージ形式の問題・含み表現・語句の言いかえ問題・クロスリファレンス問題
各パターンごとに「例題」が1つと「演習」が3つ用意されています。
これらすべてを終えるには7時間弱かかります。
最後ですので,頑張ってやり切りましょう!
まとめ
以上,長々と見てきたように,圧倒的なボリュームとその完成度の高さから,パーフェクト講義こそがスタディサプリTOEICコースのメインコンテンツであるのは明らかです。
全レッスンを消化するのにかかった時間を合わせると,40時間程度になりました。
TOEICではパートごとに独特の出題がなされますが,パーフェクト講義で53のパターンを学ぶと,そのほとんどがいずれかのパターンに当てはまることに気づかされます。
また,パートごとの対策として様々なトレーニングメニューがあり,この中には自分一人で学んでいては到底出会うことがなかった学習法も含まれ,今後,別の勉強の際に生かすこともできるはずです。
私が高校生だったときにも,動画で英語を学習するサテライン授業がありましたが,復習のやり方まで半強制的に指導してくれるサービスまではさすがに存在していませんでした。
数十分を超える映像授業だと,どうしても身が入らず,講義の途中で集中力が切れたり予・復習をさぼったりしてしまうこともあるかもしれませんが,スタディサプリENGLISHであれば,一時停止して休憩し,戻ってくればいいだけの話です。
「効率」という観点で,このパーフェクト講義の学習内容を捉え直してみると,
- 問題を解いて予習をする→予備校で授業を受ける→自宅で学習内容を復習する
という一連の動作が,スマホ1台で完結していることがわかります。
パーフェクト講義を使ってTOEIC対策をすることは,時間対効果としてかなりの利点があるのではないでしょうか。
なお,例題と演習をやるときは,日にちを変えるか,時間を空けるようにするとより効果的です。
復習するタイミングとしては「1」がつくタイミング,つまり1時間後,1週間後,1ヶ月後,1年後に復習すると忘れにくいということが言われています。
もちろんこれは,人によって多少の差はありますし,目安として考えておけばいいでしょう。
とはいえ「忘れる前に復習する。それも5回以上」というのは,すべての勉強に通じる正解のように感じます。
そしてもう1つ学んだことは「わかる」と「できる」は違うということです。
例題講義を聴いてわかった気になっても,演習問題をやってみると意外とできません。
この調子では,本番で正解に即座にたどり着くことはできないでしょう。
そのため,例題以上に演習問題が大切だということになります。
他人から聞いた知識はあくまで他人の経験によるものですから,それを自分なりに解釈し,自分のモノにできたときに初めて,それは自分の確かな実力へと変わるのでしょう。
パーフェクト講義以外の学習トレーニングについては,スタディサプリのTOEIC対策コースアプリの基本的な使い方について解説した記事でご確認ください。
最後になりましたが,これから申し込まれる方はスタディサプリENGLISHのキャンペーンコードに目を通しておくことをおすすめします。
最後までお読みいただきありがとうございました。