TOEICのS&Wテストというのは,全ての問題にしっかり答えられた気になっていても,実際は思ったほどの高得点に至らず,逆に,手ごたえがなくて答えられなかった問題があったときにさほど悪い結果になっていないなどと,スコアが出てくるまではなんともスッキリしないテストです↓
とはいえ,後述しているように,これまでにL&Rテストを受けたことがある場合,そのスコアを利用して,目安となるS&Wのスコアを簡単に調べることができてしまいます。
実際の結果がその予測と同じであれば,英語4技能がバランス良く身に付いていることがわかりますし,悪かったのであれば,その技能に注力して対策することが必要です。
今回の記事では,「S&Wのスコアを確認して平均点と比較する」時の様子をまとめましょう!
もくじ
TOEIC S&Wの結果を確認する方法
L&Rの結果発表のときと同様,TOEIC S&Wのスコアはインターネットで確認できる「速報&デジタル公式認定証」と自宅に届く「紙の公式認定証」の両方で確認することができます。
前者の方が2週間ほど早く発表され,今はほぼ同時にデジタル公式認定証も発行されるので,紙の認定証が自宅に届くのを首を長くして待つ必要はありません。
両者について述べていきますが,まずはインターネットで結果を確認する方法からみていきます。
申込サイトで速報とデジタル公式認定証を確認する

まずはTOEICの公式HPに行き,メールアドレスとパスワードを使って「TOEIC申込サイト」にログインしましょう。
試験から17日が経過していれば,すぐにテスト結果が表示されてくるので,心の準備を済ませてからアクセスすることが重要です↓

なお,最新のデータが反映されたタイミングで,以下のようなお知らせメールが届くため,その到着を確認してからログインすることで,「まだかな?」と何度もアクセスする無駄を省くことができます↓

このメールにTOEIC申込サイトのURLが記載されているので,そちらを利用するでも構いません。
なお,平均スコアやこれまでの受験回数なども申込サイトで確認できますが,デジタル公式認定証の発行(表示)は,上の結果速報が出た翌日(18日後)になります。
紙の公式認定証が届く
インターネット上で結果が発表されてから遅れること約2週間,自宅のポストに紙の公式認定証が届きました↓

封筒の中には,公式認定証の見方について書かれた紙が同封されていて,そこにあるQRコードをチェックすると,受けたテストの平均スコアを知ることができる他,スコアレンジ別評価の一覧表も確認できました。
参考までに,2025年10月12日実施分の結果をみると,受験者数はスピーキングテストが762人,ライティングテストが529人でした。
受験者の平均点は,
- Speaking=130.1点
- Writing=140.9点
となっていて,どちらもここ数年であまり変化していません。
一番多い受験者層も,スピーキングが130~150点(44.2%)のライティングが140~160点(50.3%)と同じレンジ内です。
IIBC AWARDの受賞を目指すのであればスピーキングで160点以上が必要なので,今回は全体の16.1%に入る必要がある一方,ライティングは170点以上ということで16.4%になりましたが,時期によっては両者とも2割以上になることもあるので,10%台の回は比較的に難しかったと解釈できます↓
さて,届いた認定証ですが,各種試験の実力証明として使う場合などにコピーの提出を要求されることがあるので,しっかり保管しておきましょう。
ちなみに,試験日から2年以内であれば,紛失しても550円を支払うと再発行をしてもらえます。
今はデジタル認定証を使えるのであまりないケースだと思いますが,紙の公式認定証を2ヶ所以上に提出する必要が生じた場合にも,再発行を申請してください。
発送は迅速で,支払い完了後,4営業日以内に行われます。
TOEIC S&Wの結果を分析する方法

ここでは,TOEIC S&Wテストの結果を分析してみましょう!
上は申込サイトのテスト結果のページ(「結果一覧」のメニューからアクセス可)ですが,「評価」ボタンをクリックすると詳細がわかります。
ご自身の結果をもとに,同じようにやってみてください。
スコアレンジ別評価を使う
まずはSpeakingの結果からですが,
- Score Range Descriptors(スコアレンジ別評価)
- Pronunciation(発音)
- Intonation and Stress(イントネーションとアクセント)
の3つの観点から分析することができます。
最も重要視されるのは1つ目に挙げたスコアレンジ別評価で,2つ目と3つ目はMEDIUM以上であればとりあえずのところ問題ありません。
一方のWritingは,スコアレンジ別評価のみで実力が評価されますが,これらの詳細は公式サイトにもまとめられています。
スピーキングのスコアレンジは全部で8段階あり,以下のような内容が書かれているはずです↓

今の自分の評価以外に1つ上の評価もみておくようにすると,今後の参考になります。
残りの2項目についても一応触れておくと,発音がHIGHの評価は「英文を音読する際,発音はとてもわかりやすい」で,イントネーションとアクセントがMEDIUMだと「ほとんどの場合効果的」という評価になっていました。
一方,ライティングのスコアレンジは9段階あり,該当者が最も多い140~160の評価は次のようになります↓

こうした評価を確認する目的は,反省材料を見つけやすくするためです。
今回紹介した評価表を分析に用いれば,スピーキングの課題は文法ミスに気を付けるとともにボキャブラリーを増やす工夫と,内容を正しく相手に伝える必要があることがわかるでしょう。
そして,ライティングにおいては,意見の裏付けや論理展開により説得力を増す書き方と,語彙力を高める必要があるわけです。
次回に受験するまでにこれらの点に気を付けて具体的な対策を講じ,再びテストを受けて評価してもらうようにしては,その結果を再度分析することになります。
L&Rから予想されるS&Wの予測スコアと比較する
TOEICのL&Rのスコアを持っている方に是非やってほしいことがあり,それは予測されるスコアとS&Wの実際の結果を比較してみることです。
そのときに用いるのが,以下の表になります↓

これは,L&Rのトータルスコアを使って,スピーキングテストとライティングテストのそれぞれでどのくらいのスコアが取れるのかを予測するための表となりますが,例えば,L&Rの合計が885点であれば「両者ともに160点」となるのが目安です。
もし仮に,どちらとも150点しか取れなかったのであれば改善すべきで,英語の学習においては得意を伸ばすよりも弱点を無くす方が結果的にスコアアップに繋がりやすいと考えられているため,ライティング対策とスピーキング対策の両方に時間を割くべきというのが,正しい分析結果になります。
逆に,S&Wの結果が予測よりも高かったら,次にL&Rの勉強をしてみると,総合的な英語力が伸びやすいでしょう。
S&Wの平均スコアと比較する
TOEICの公式サイトにある資料では,TOEIC Program DATA&ANALYSIS 2025が最新となります(2024年4月から2025年3月までの結果です)。
これらの報告書からS&Wに関連する情報を抜き出してみると,
- 企業では内定者や新入社員のレベルチェックや研修の効果測定,海外赴任要件として活用
- 学校では授業や留学の効果測定,成績評価,就職対策に利用
- 公開テストの受験者数は計20307人で,IPテストは39767人
- 公開テストの平均スコアはS131.0点のW142.6点で,IPテストは109.8点と121.5点
- 日本の成績として公表されている数字はS117点のW130点
ということがわかりました。
最初の章で示した最新の結果と比べても,ほぼ遜色ありません。
なお,企業や団体で実施したIPテストにはやる気のない人が含まれやすく,平均スコアは低くなる傾向にありますが,より真実を伝えているように思います↓
平均S&Wスコア
新入社員:S109.3 W115.6
技術部門:S107.4 W126.9
営業部門:S114.4 W130.6
海外部門:S126.1 W135.9
このように並べてみると,大学生が就職に使う場合,Sが130点以上,Wは140点以上を取れるとアピールできるように思われ,これを先の表を使ってL&Rに換算してみるとそれぞれ710点と730点となりました。
なお,日本として公表される数字は公開テストとIPテストの成績を足して2で割ったものに近くなっています(実際は受験者数や年度の違いを考慮に入れる必要があるので,多少のずれがあります)。
先に紹介したIIBC AWARD受賞を目指す場合は,以下の記事内容を参考に勉強してみてください↓
まとめ

以上,TOEIC S&Wのスコア結果の確認と分析の方法についてまとめてきましたが,参考になるところがあれば幸いです。
当記事の要点をまとめると,スコアを確認する場合,インターネットの速報&デジタル公式認定証と紙の公式認定証を利用でき,記載されているスコアを分析することで,今後の勉強指針を見い出すことができます。
その際は,自分の今のスコアレンジ別評価だけを見て終わりにはせず,1つ上の評価部分を読んでみたり,L&Rのスコアから算出される予測スコアや平均スコアと比べたりもしてみてください。
S&Wを受けるまでは「なんとなく話せて書ける」程度の認識だった私ですが,受験した後は「自分の意見を論理立てて話すことが苦手で,発音以外のイントネーションにも意識を持ける必要がある」などと具体的に反省でき,今後学習を継続していく上での明らかなプラスとなりました。
ところで,自分の生活を見返してみると,英語を必然的に喋ったり書いたりする機会はないので,意識的にそういった環境を求める必要があります。
今後グローバル化は今以上に進むでしょうし,そもそも,英語でコミュニケーションすることは,そもそも楽しい経験であるはずで,実際,S&WテストはL&Rよりも学んでいて刺激的です。
スクールの利用も考えられますが,まずは身近な教材を使って頑張るところから始めていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。