TOEICの公開テストにまつわるイベントの中で最も楽しい瞬間は,スコア結果を確認する瞬間に訪れるものです。
長い期間かけて公開テストに向けて頑張ってきた方はもちろん,さほど勉強をしてこなかった人であっても,TOEICを受けに行って1~2時間もの時間を費やす努力はしたわけで,受験後に「しばらくの間は,もうテストなんて受けたくない」と思った方も少なくないでしょう。
なので,せめて当日の頑張りくらいは報われて欲しいと思うのが当然の反応で,予想以上の結果が出て驚くこともしばしばです。
そこで今回は,自分のTOEICスコアがどれくらいの日数でわかるのか,またその際,どのような感じで結果が通知されてくるかについてまとめていくことにしましょう!
さらにL&Rに関しては,あまり知られていないであろう,項目別正答率(アビリティーズメジャード)を分析する方法も紹介しようと思います。
もくじ
TOEICスコアの確認には2つの方法がある
TOEICの結果ですが,以下2つの方法で確認できます↓
- TOEIC申込サイトでの簡易表示
- 発行された公式認定証
厳密に言うと,後者に関してはデジタルのものと紙のものの2種類があるのですが,得られる情報については大差ありません。
試験の17日後にまずはインターネットに簡易版が表示され,その1~2日後(試験から18~19日後)にデジタル公式認定証を確認できるようになり,それから約10日後に紙の公式認定証が自宅に発送されることになります。

簡易版は単にスコアのみですが,公式認定証からは詳細を知ることができます。
結果が確認できるサイトは,TOEICの申し込み時に利用したところです↓
次章では,上の1つ目に挙げた「簡易版」をみていくことにしましょう!
TOEIC申込サイトで簡易表示されたスコアを確認する方法
TOEICの公開テストを受けてから17日が経過すると,IIBC試験運営センターから1通のメールが届きます。
件名は「【テスト結果表示】第○回TOEIC Listening & Reading(またはSpeaking & WritingやSpeaking)公開テスト○年○月○日」というものです↓
テスト結果の表示時期が近づくと,結果が気になって何度もサイトにアクセスしてしまうものですが,焦らなくても上のような通知がちゃんと来ますので,本メールの到着を待ちましょう。
まずはTOEICの申し込みをしたサイトにログインしますが,URLはメールに記載されています。
すると,以下のようなページが表示され,最新のテスト結果を確認可能です↓
このとき注意したいこととして,いきなり結果が表示されてくるので,人によっては心の準備が不十分なまま結果を知ってしまうことになります。
なので,覚悟を決めてログインボタンを押しましょう。
私は,数年前に受けたときよりもだいぶスコアが下がってしまい大変ショックだったことをよく覚えていますが,そのときの悔しさをバネに「もう一度頑張ろう」と思ったものです。
もちろん,思った以上にスコアが高くて驚く方もいるでしょう。
とはいえ,社会人になって英語の勉強から遠ざかっている方であれば,学生のときよりもスコアが落ちていて凹むことの方が多いです。
塾や添削の指導をして英語に多少触れていた私であってもTOEICのスコアは下がったわけですから,社会人の方で結果が良かった方というのは,ビジネス英語を日常的に使っているか専用の勉強を行ってきた方がほとんどでしょう。
逆に言えば,それだけ特殊な環境に身を置かない限り,TOEICスコアは落ちていくのが当たり前で,前回受けたときから長い年数が経ち,間に試験形式が変わろうものならなおさらです。

結果をみて再起しようと思った方で,次もL&Rを受けるという方は,後述する項目別正答率を利用して自分の弱点を知るところから始めてください。
公式認定証でTOEICの結果を確認する方法
上述したインターネット開示から2日経つと(S&Wは1日後),「デジタル公式認定証を表示」するというボタンが押せるようになります。
先の簡易版と比べて,受験票に貼り付けた写真(モノクロ)や大体の順位,そしてABILITIES MEASURED(項目別正答率),そしてデジタル証明書(発行日・発行者・発行者の公開鍵・ブロックチェーンに記録した際の取引ID)やQRコードが追加されているのが特徴です。

さらにそこから約10日経つと,上に画像で示した紙の公式認定証が送付されてきます。
デジタル版とアナログ版とで得られる情報に大差はなく,どちらも資格証明に使うことができる,価値の高いものです。
ところで,紙の認定証は通常郵便でポストに投函されるため,雨が降っていてポスト周りが濡れている場合は速やかに回収するようにしましょう。
私は封筒が若干水びたしになっていた経験があります。
中から公式認定証の他,どのように結果を読み解けばよいかについて説明したScore Descriptors(レベル別評価)が出てきました↓

なお,TOEICでは受験時期によって受験者層が多少変わり,当サイトでも以下のような記事を書きました↓
また,TOEICの形式が変わったばかりの回は,物珍しさや仕事目的で早速受けに来る猛者が集団で現れることになるので,その時期は避けるのが賢明です。
TOEIC L&Rの項目別正答率の構成と傾向
L&Rの公式認定証に載っている項目別正答率は,専門家の間で通称「アビメ」と略されます。
これは,リスニングとリーディングのセクションごとの英語力をまとめてくれていて,自分の弱点を簡単に把握できるものです。
例えば,上に示したのは第229回の私のアビメですが,左側にリスニングの評価が,右側にリーディング評価がまとめられています。
これを便宜上,「L1~L5」と「R1~R5」とそれぞれ呼ぶことにすると,アビメは以下のような構成です↓
L評価 | R評価 | |
1 | Part1~2(意味理解) | Part7(内容理解) |
2 | Part3~4(概要理解) | Part7(情報特定) |
3 | Part1~2(要点理解) | Part6~7(関連付け) |
4 | Part3~4(情報特定) | Part5~7(語彙力) |
5 | Part2~4(意図理解) | Part5~6(文法力) |
その他,一般的な傾向についてもすでに知られていることがいくつかあるため,ここでチェックしてみましょう!
L3が一番高くなる
まずはリスニングの話から始めますが,通常,L3のスコアが一番高くなります。
先に示した私の例でも,最も高い数字になっていました。
逆に,もしもそうなっていないのであれば,TOEICの形式に慣れていないまま本番に臨んでしまったと判断することができます。
その場合,きちんと対策して受け直せば,すぐに高いスコアが得られるでしょう。
L1とL5は比例する
続いてL1とL5の2つを一気にみていきますが,意味の理解と意図の理解では,問題にしたときの難易度が大きく異なってきます。
当然ながら,後者を問うL5は前者のL1よりも高度な内容であるため,L5がL1を超えることはなく,多くの方はL5の割合が一番低くなっているはずです。
スコアの伸び方としては,L1ができるようになるにつれてL5も上がってくるので,TOEIC初心者であればまずは意味理解(文章の目的など,直接的な内容を問う問題)から始め,上級者はL5(間接的な答え方になっている問題)を中心に学ぶようにしましょう。
L2とL4はPart3と4の出来を表す
TOEIC L&RのPart3と4では比較的長い会話を聞くことになりますが,1つの英文に対して3つの質問があります。
そのうち,1問目はL2に,残りがL4に分類されることがほとんどで,要するに,1問目では会話の概要を問うものが多く,2~3問目ではより具体的な内容について聞かれることがほとんどだということです。
どんな話なのかなんとなくでもわからなければ,深く聞き取ることはできないでしょう。
さらに言えば,2~3問目にはL5に分類されるような難問も含まれるのですが,まずはL2とL4の出来を分析し,自分がどの段階で躓いてしまったかを把握してください。
それだけでも,どこに注意して聴くべきかが変わってきます。
R5は文法力の高さを示す
ここからはリーディングセクションの話に移りますが,文法力がしっかりしている人ほどTOEICでは高得点が取れるもので,R5はまさにその文法力を示しており,このスコアが75を超えていれば上出来です。
とはいえ,R5で良いスコアを取れていても,本番ではPart5に時間をかけすぎてしまい,Part6~7に十分な時間を残せないこともあるため,時間配分にはくれぐれも注意してください↓
文法問題は知識がなければ正解できませんが,読解問題に関しては時間をかければ解けてしまうものが多いです。
R1~3はバランスが大切
R1~3ではR2が一番高くなるのですが,これはリスニングのL3で語ったことと似た理由からです。
まずは必要な情報をすぐに見つけ出せる状態を目指し,その後,R1やR3といった深い理解が必要な問題に正解できるよう,読解力を高めていきましょう!
TOEIC L&Rの項目別正答率をさらに詳しく分析する方法
ところで,アビメをさらに細かく分析し,L&Rのリスニングセクションで何問正解したかを知ることもできることをご存知でしょうか。
具体的には,アビメの数字を以下のような分析表と見比べることで,リスニングで何問間違えたのかを知ることができるわけです(これはあくまで一例で,入手方法は後述しています)↓
前章で示したL1~5に書かれた数字を使うと,先に示したアビメから,私はTOEICのリスニングセクションで100問中81問正解していたことがわかりました。
ただし,この表からはリーディングセクションの出来や,Part1~4の細かい正答数までは残念ながらわかりません。
ですが,リスニングのスコアに関しては,総合得点以外の情報が得られるため,今後の反省材料として使いやすいはずです。
さて,上の表の手に入れ方ですが,まずは以下のサイトにアクセスし,自分が受けた日の結果をまとめた記事を探してください↓
大体は最近受けたテストでしょうから,比較的新しい記事がそれであるはずです。
次に自分のアビメを用意し,左列にあるリスニングセクションの「平均点(黒い▲の右に書かれている数字)」から,どのフォームを使うかを決定します。
私の場合,L1~5がそれぞれ 「62・66・75・61・52」でしたので,フォーム2に該当することがわかりました↓
次に,「自分の結果(%)」のうち上から4つ目までを「項目1・項目2・項目3・項目4」と呼ぶことにして,私の実際の数字を箇条書きにしてみると,以下のようになります↓
- 項目1=67
- 項目2=79
- 項目3=93
- 項目4=82
このとき,上から5つ目の数字(私のアビメだと53)は無視してください。
上の結果を先のサイトで公開されている換算表と見比べることで,誤答数がそれぞれ「5問・5問・1問・8問」だとわかりました。
これらは具体的なパートごとの誤答数を表しているわけではありませんが,Part1と2の結果は項目1と3に,Part3と4の結果は項目2と4に対応しているので,上の誤答数から,Part1と2で6問,Part3と4で13問もミスしてしまったと分析することは可能です。
大まかであっても何問間違えたかを知ることができれば,次の試験に向けての対策が立てやすくなるので,公式認定証が届いたら,ここまでやってみるのが良いと思います。
もちろん,稀有なサイト運営者の方や他のTOEIC受験者の方々の力添えがあってのことですので,自分がL&Rを受けたときには情報提供もしつつ,ありがたく使わせていただきましょう。
TOEIC L&Rは1問5点というわけではありませんが,19問ミスで400点ということで,何ともピッタリな結果となりました↓
とはいえ,また別の時に受けたときには10問ミスで460点だったので,問題が難しいときにはこのようなラッキーもあります。
まとめ
今回の記事内容を最後にまとめますが,TOEIC公開テストの結果を知る方法として,
- 申込サイトでの簡易版を確認する
- 公式認定証で確認する
という2つがありました。
前者は試験後2週間ちょっとの早い段階で結果を知ることができ,後者もデジタルのものはその1~2日後に表示されます。
後者は資格の証明書として使用できる他,L&Rでは項目別正答率を利用することで,自分の英語力を分析したり,リスニングセクションの誤答数まで知ったりできる特徴がありました。
TOEICのスコア確認をするときはどんな人でも緊張するもので,大人になると,そういったドキドキを感じられる出来事は少なくなってきますので,非日常的な体験ができるという意味でも,TOEICテストはとても貴重な機会を我々に提供してくれるもののように思います。
もちろん,テストを受け終わった直後はヘトヘトですし,結果発表まで少し長いと感じることもあるでしょうが,客観的な結果がわかることで,たとえ悪い結果であっても「次こそはもっと頑張って良い点を取りたい」という前向きな気持ちになれるはずです。
なお,L&Rの場合は,今回判明したスコアの100点上を目指して頑張るというのが現実的とされています↓
TOEICで自己実現を成し遂げていきましょう!
最後までお読みいただき,ありがとうございました。