TOEICのスコアアップに必要な勉強時間!1日1〜2時間&300時間が目安

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東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす

さんくす

東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす。かつて英語に苦手意識を抱えていたところから,TOEIC L&R 915点・S&W 340点(IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022受賞)に到達しました。20年以上の学習経験と,100以上の教材・アプリ・講座を実際に検証してきた一次情報をもとに,国内独学でも続けやすいTOEIC学習ルートを整理して発信しています。詳しいプロフィールは運営者情報をご覧ください。

TOEICで目標スコアを決めたとき,次に気になるのが「どれくらい勉強すれば届くのか」という点です。

例えば,現在500点台の方が600点台を目指す場合と,800点台の方が900点を目指す場合とでは,必要な時間も学習の難易度も変わってきます。

そこで当記事では,過去のTOEIC学習書に掲載されていたデータや,近年の公開テスト平均スコアなどの客観的な指標を参考にしながら,TOEICのスコアアップに必要な勉強時間の目安を整理します。

目安としては,まず「1日1〜2時間,合計300時間」の学習を一つの区切り(目標)に設定するのがおすすめです。

忙しい社会人や学生でも,スキマ時間を組み合わせれば十分に現実的な数字ですので,学習計画を立てる際の参考にしてください。

TOEICスコアを100点アップさせるのにかかる勉強時間

TOEICのスコアアップに必要な勉強時間の目安を示した図解

手元にある古いTOEIC学習書には,TOEICスコアと英語研修時間の関係を示した興味深い資料が掲載されています。

そこでは,ネイティブ講師による英語研修を受けた場合,TOEICスコアを100点上げるために必要な研修時間(座学の時間)の目安が,次のように示されていました↓

100点アップに必要な研修時間の目安

  • 300点→400点:200時間
  • 400点→500点:250時間
  • 500点→600点:300時間
  • 600点→700点:350時間
  • 700点→800点:400時間
  • 800点→900点:500時間

※『TOEIC TEST 英語学習ダイアリー』(丸善,2001年発行・2004年第6刷)掲載の「研修時間とTOEICスコアの関係」をもとに作成。元資料は(株)国際コミュニケーションズ提供。上記の時間はあくまで「研修そのものの時間」であり,予習や復習などの自己学習時間は含まれていません。

しかし,同資料では,「自己学習のみで同じスコアアップを目指す場合,研修時間の1〜3倍程度(まずは2倍程度)を目標にするとよい」とされているため,独学では膨大な時間がかかるようにも感じられます。

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確かに独学では,教材選びから学習順序の組み立て,復習管理まで全て自分で行う必要があるため,プロに教わるよりも効率が落ちやすい点には注意が必要です。

その他の研究データも見てみましょう。

英語教育を専門とする三枝幸夫氏の論文では,自学自習も含めた総学習時間として「100点アップに必要なのは200~325時間」と見積もられており,250点から950点に到達するまでに「計1,750時間」が必要だとされています。

これらの複数のデータを総合すると,平均点前後の学習者がTOEICスコアを100点アップさせるには,200〜350時間ほどを見込んでおくのが現実的です。

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ただし,800点台から900点台を目指すような上級者の場合は,さらに多くの時間が必要になる点には注意してください。

「2,000時間」という言語習得の壁

ところで,言語習得全般について考えてみると,私たちは2歳児の段階ですでに「約2,000時間」を日本語のリスニングに費やしていると言われています(参考)。

あらゆる分野でプロフェッショナルになるには10,000時間が必要という「1万時間の法則」も有名ですが,基礎的な言語理解にもやはり膨大な時間が必要です。

大変興味深いことに,先ほどの「研修時間の目安」の表の数字(200+250+300+350+400+500)をすべて足し合わせると,ちょうど「2,000時間」になります。

つまり,300点から900点まで100点ずつ伸ばしていくと仮定した場合の研修時間と,幼児が母語の基礎を理解するまでの時間が,偶然にも同じ数字になるわけです。

もちろん,大人になってからのTOEIC学習と幼児の母語習得を単純に比較することはできませんが,英語力を根底から大きく伸ばすには,数十時間ではなく数百・数千時間単位の積み重ねが必要になるという事実は押さえておきたいところです。

 

まずは「300時間」を目標にする理由

近年の国内公開テストでは平均スコアが600点台前半で推移していますが,公開テストは英語学習への意識が高い受験者も多く含まれます↓

TOEIC L&Rの平均スコアと目標点の目安を示したアイキャッチ画像
日本人のTOEIC L&R平均スコアと目標点の目安

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そのため,日本人学習者全体の平均的なスタートラインは,おおむね500点台後半〜600点前後だと捉えておくとよいでしょう。

このレベルからスコアを100点(例えば500点→600点,600点→700点)引き上げるには,先のデータからもわかるように約250〜350時間が必要になります。

目標を立てる上では,長期目標だけでなく中・短期の目標も重要です。

したがって,まずは「300時間」を1つのキリの良い目安として学習計画を立てると,現実的にスコアアップを狙いやすくなります。

 

 

300時間の勉強は忙しくても可能

TOEICで300時間の学習を達成するための学習計画図

ここからは,TOEICのスコアをアップさせるために必要な心構えを2つお伝えします。

「忙しさ」をできない理由にしない

まず1つ目に,三井住友海上の社長(当時)の談話を引用しましょう↓

私が上司の立場になって意識して行ったのは,難しい案件はあえて一番忙しい部下に託すことだった。忙しい人間ほど,限られた時間内に多くの案件を処理するスピードが要求され,決断力が研ぎ澄まされているからだ(2015年 柄澤康喜談)。

このエピソードから,「忙しさ」について考えてみましょう。

ここでお伝えしたいのは,「忙しいからできない」というのは言い訳に過ぎないということです。

学生時代を思い出していただきたいのですが,成績優秀な人の多くは部活動などにも熱心に取り組んでいました。

活動が増えればまとまった自由時間は減ってしまいますが,時間の大切さを理解しているからこそ,ちょっとした空き時間であっても無駄にせず勉強に充てられるのです。

私事になりますが,ある習い事をしていた際に「仕事が忙しいからお休みします」と先生に伝えたところ,決して許可してくれませんでした。

これも上の理屈で考えてみれば,

忙しいのを承知で始めたのだから,忙しさは言い訳にできない。

ということなのでしょう。

その証拠に,「やる気が出ないので休みます」と正直に伝えたときには何も言われませんでした。

ここで一度,ご自身がなぜTOEICの勉強を始めようと思ったのかを振り返ってみてください。

就職,昇進,あるいは自己研鑽など,何かしらの覚悟を決めて始めたはずです。

ならば,忙しさを言い訳にして歩みを止めてはいけません。

 

「締め切り」を設定する重要性

もう一つ伝えたい心構えとして,「締め切りこそが人を成長させる」という事実があります。

「時間ができたときにTOEICの勉強をしよう」というスタンスでは,少しでも忙しくなると真っ先に勉強を後回しにしてしまいます。

たまに少しだけ勉強する程度では大きな成長は訪れず,やがてフェードアウトしてしまうでしょう。

もし仮に細々と続けられたとしても,いつまでもゴールが設定されていなければモチベーションは保てません。

締め切りがあるおかげで,なんとかその日までに仕上げようと頑張れるし,実力以上の作品が作れるんだ。

これは友人の漫画家の言葉ですが,作曲や絵画などの芸術分野においても,締め切りがなければいつまでも作品を修正し続ける羽目になります。

TOEICも趣味で受ける分にはマイペースで構いませんが,仕事やキャリアの一環として取り組むのであれば,短期間で目標を達成するように計画を立てましょう。

TOEICの学習において,1日2時間・週6回勉強すれば,約半年で300時間を達成できます。

1日1時間のペースでも,1年間継続すれば実現可能です。

さんくす
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以上をまとめると,「1日1~2時間は必ず英語学習に費やす」とマイルールを決め(短期目標),「半年から1年以内にTOEICスコアを100点アップさせる」ことを中期目標(締め切り)にして勉強を始めるのが,無理の少ない進め方です。

 

 

1日1〜2時間の勉強は「スキマ時間」から捻出する

TOEIC学習時間をスキマ時間から捻出する方法を示した図解

社会人や学生が,毎日「まとまった1〜2時間」を確保するのは想像以上にハードルが高いものです。

しかし,連続して時間を確保する代わりに,10分や15分といった「スキマ時間」での学習を積み重ねることで,意外と難なく達成できるはずです。

スキマ時間の代表例としては,通勤・通学時間のほかに,何かをしながらの「ながら時間」が挙げられます。

朝食を食べながら単語帳を開いたり,歩きながらイヤホンで英語音声を聴き流したりと,こうした時間を積極的に勉強へ変換していきましょう。

注意点として,スキマ時間の学習は「聞き流し」がメインになりやすいため,初めて取り組む長文や難解な音源は教材として不向きです。

逆に,机に向かって1度完璧に理解した英文であれば,聞き流しているだけでも意味や音が頭に入ってきやすいので,スキマ時間には「既習内容の復習」を行うのがおすすめです。

もっとも,1日の中でスキマ時間の合計が何分になったのかを正確に測るのは難しいものです。

モチベーションを維持するためにも,5分単位で学習時間を記録できるスマホアプリなどを活用しましょう。

アナログ派の方は,手帳に学習記録をつけるのも効果的です。

 

 

まとめ

ここまで,TOEICのスコアアップに必要な勉強時間を紹介し,忙しい中で時間を捻出するための心構えとスキマ時間の有効活用についてみてきました。

今回の記事の要点をまとめると以下の通りです↓

  • 100点アップに必要な勉強時間は「300時間」を一つの目安にする
  • 忙しさを言い訳にせず,必ず締め切り(受験日)を設定する
  • 勉強時間はスキマ時間から捻出し,1日1~2時間を目標にする
  • 半年から1年継続すれば,多くの方がスコアアップを実感できる

繰り返しになりますが,勉強時間は数値として可視化できるため,努力量をごまかしにくい指標になります。

最初から600時間,800時間と考えると気持ちが重くなりますが,それらは長期目標とし,ひとまずは「300時間」や「1日1時間」などを一つの通過点(中・短期の目標)にすると,学習計画を立てやすくなります。

日本人学習者の感覚としては,まずは500点台後半〜600点前後をひとつの基準とし,そこから100点アップして700点台を目指す場合に「300時間前後」を見込んでおくと,現実的な計画を立てやすいでしょう。

目標スコア別の具体的な勉強法については,以下の記事も参考にしてください↓

TOEICの目標スコア別(300点〜900点)勉強法を解説するアイキャッチ画像
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