English Upgraderをレビュー!TOEIC公式無料コンテンツの使い方と注意点

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執筆・運営者:さんくす
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さんくす
TOEIC L&R 425点から915点,S&W 340点に到達。IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022受賞。100以上の教材を実際に使い,独学でも続けやすいTOEIC対策を整理しています。詳しいプロフィール

日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が提供する公式の学習コンテンツ「English Upgrader」の実力をレビューします。

ストアで「TOEIC アプリ」と検索すると無数の暗記ツールや非公式の教材がヒットするため,どのツールを信頼して学習すべきか迷ってしまう学習者は多いです。

その点,本コンテンツは試験の主催者が作成した正真正銘の公式教材であり,しかも無料で利用できるため,日々のリスニング対策にぜひ取り入れたいツールの1つです。

ただし,重要な注意点として,English Upgraderの単体アプリは2022年11月末でサービスを終了しており,現在は統合版である「TOEIC公式コンテンツ by IIBC」アプリ内の学習コンテンツとして利用する形になっています↓

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利用する器(アプリ)は統合されましたが,旧English Upgrader由来のエピソード学習という基本的な仕組みは現在の公式アプリ内にも引き継がれています。

そのため,かつてのEnglish Upgraderの使い勝手や評判をまとめた当記事の内容は,現在の「TOEIC公式コンテンツ」アプリ内のエピソード機能を使いこなす上でもそのまま役立てていただけます。

English Upgraderの基本概要と特徴

English UpgraderのかつてのDLページ

※かつてのアプリ表示。現在は公式アプリに統合されています。

基本情報

名称:English Upgrader

提供元:国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)

内容:ビジネスや日常生活の様々なシーンを想定した英語スキットを収録。確認時点では80本以上のエピソードが利用できます。英文スクリプトと日本語訳の確認が可能。内容理解クイズや重要語彙・フレーズの学習も無料で利用できます。

音声はクリアで,スキットに使われているビジネス語彙も実用的です。

公式コンテンツらしく,無料教材としてはかなり質の高い内容になっています。

「Upgrader(向上させるもの)」というタイトルの通り,実務に直結する生きた英語力を引き上げる目的で設計されています。

ただし,このコンテンツが作られた背景には注意が必要です。

もともとはIIBCが配信して大人気を博した英語学習用ポッドキャスト(ラジオ番組)の音源をベースにしてアプリ向けに再構築したもので,公式ページでも,English UpgraderはTOEIC Programの出題内容とは関係ない学習コンテンツとして案内されています。

そのため,TOEICのPart1〜Part7に沿った模試やパート別演習ではなく,ビジネス英語・日常英語のリスニング素材として位置づける必要があります。

収録されているダイアログを聴き込むことでリスニングの基礎体力が向上し,間接的にTOEICのスコアアップに繋がることが期待できますが,試験のPart3やPart4の設問パターンそのものを練習できるわけではありません。

単体アプリ時代は長期間更新が止まっていた時期もありましたが,現在は「TOEIC公式コンテンツ by IIBC」アプリ内で継続利用できる形になり,テスト情報や今日のフレーズなどの公式コンテンツとあわせて使えるようになっています。

次章では,本コンテンツに寄せられている利用者のリアルな評判を分析します。

 

 

English Upgraderの口コミ・評判を分析

2021年のEnglish Upgraderのレビュー

※単体アプリが存在した2021年の評価です。

利用者が実感しているメリット(良い口コミ)と,不満に感じているデメリット(悪い口コミ)を整理しました。

良い口コミ・メリット

  • すべての音声解説やクイズ機能が完全無料で広告なし(※公式アプリ移行後)で使える
  • TOEIC主催団体が監修している音声のため,音質がクリアで信頼性が抜群に高い
  • ダイアログの日本語訳だけでなく,重要フレーズの解説が細かく丁寧

単体アプリ時代の平均評価は星3.9前後となっており,無料のツールとしては実用的な合格点に達しています。

公式の優秀な英語ナレーターやネイティブスピーカーがナレーションを担当しているため,発音の正確さは一級品です。ビジネスシーンに特化した表現が凝縮されており,真面目に取り組みさえすればリスニングセクションの基礎体力を引き上げることに繋がりやすいです。

さんくす
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15年ほど前の英語学習シーンにおいて,公式ポッドキャストの無料配信はクオリティの高い英語をタダで学べる数少ない貴重なインフラとして重宝されていました。

 

悪い口コミ・デメリット

  • 本番のTOEICの出題形式(パート別対策)に対応していない
  • 特定の国籍(アメリカ英語など)のアクセントに偏っているエピソードがある
  • 単体アプリ時代は起動エラーやダウンロードエラーなどのシステムバグが多かった

低評価のレビューを見ると,無料ツールならではの仕様や昔の古いアプリ構造への不満が中心でした。

かつての単体アプリでは,起動するたびに毎回TOEIC公式サイトのお知らせ画面が強制ポップアップで表示される古典的な宣伝動線があり,これがユーザーの利便性を損ねていました(※現在の統合版アプリではこの仕様は改善されています)。

また,本番のL&Rテストではアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなどの発音が使われますが,本コンテンツはTOEIC本番の音声バランスを再現するための教材ではありません。

そのため,多国籍アクセント対策としては公式問題集などを別途使う必要があります。

「アプリが途中で落ちる」「音声が再生できない」といった不具合報告は古いOS環境の端末で発生しやすいため,無料の補助ツールとして割り切り,多少の操作性の荒さは許容して運用するスタンスが必要になります。

 

管理人が実際に使ってみた率直な感想

私自身も全てのエピソードを一通り検証してみましたが,ビジネス英語のリスニング用素材としては非常に完成度が高く,目立ったストレスはありませんでした。

ただし,単体アプリ時代の数年間のストアレビュー数の伸び(1,559件→1,615件と微増)を観測する限り,爆発的な人気アプリというわけではありません。

この背景には,TOEICを受験する学習者のマインドとして,「試験対策に時間を使うのであれば,多少の費用を支払ってでも本番の出題形式(Part1〜7)に完全準拠した直球の教材で最短ルートを歩みたい」という明確なニーズがあるためと考えられます。

「試験用の実戦演習」を求める人にとっては,わざわざ形式の異なるEnglish Upgraderをメイン教材に選ぶ理由が薄いというのが正直なところです。

とはいえ,全エピソードの総学習時間は10時間以上の適度なボリュームを誇り,ネイティブの標準的な話速よりもやや早めのスピードで吹き込まれているため,「高速な英語を聴き取る耳慣らし用の負荷ツール」として徹底的にシャドーイング等で使い込めば,リスニングセクションの底上げに寄与するポテンシャルを秘めています。

 

 

主要学習コンテンツの詳細レビュー

以下で使用している画面は当時のものです。現在のものと見た目や機能に多少の違いがあることに留意してください。

搭載されている主な学習モードは「Episodes(エピソード)」と「Phrases(フレーズ)」の2系統で構成されています。

それぞれの機能の特徴は以下の通りです。

①エピソード(メインコンテンツ)

ビジネス交渉やプレゼン,日常のトラブル対応といった実践的な会話スキットが並ぶメインの学習メニューです↓

エピソードの中身

各シチュエーションのダイアログは1〜2分程度ですが,自然な会話に近いテンポで展開するエピソードが多いため,最初は耳がついていかずに驚くかもしれません。

各エピソードを選択後,音声をローカルにダウンロードして使用します。

このモードでは学習目的に合わせて「リスニングモード」と「クイズモード」の2つを切り替えて運用できる仕様が秀逸です↓

English Upgraderの2つのモードについて

基本となる「リスニングモード」を選択すると,1エピソードあたり約8〜10分前後の音声コンテンツ(一部の長編は20分近くのものもあり)が再生されます。

番組の構成は以下の通り非常にテンポよく進行します↓

  • 0:00〜:ナビゲーターによる始まりの挨拶とビジネスシチュエーション(場面設定)の解説
  • 0:27〜:ネイティブスピーカーによる英語スキット(ダイアログ)の朗読
  • 1:15〜:スキット内に登場した重要フレーズや語彙の日本語による詳細解説
  • 6:02〜:重要表現の復習(ネイティブ音声に続く発話促し)
  • 6:54〜:スキット全体の日本語訳の朗読とニュアンスの確認
  • 7:57〜:終わりの挨拶と学習のワンポイントアドバイス

構成自体はNHKのラジオ英語講座のようなスタイルをイメージすると分かりやすいです。

無駄な間がなく,各コーナーが流れるように切り替わるため飽きずに聴き進めることができます。

音声プレイヤーには各コーナーへのスキップボタン(進む・戻る)が配置されているため,挨拶を飛ばして英語スキットやフレーズ解説だけをピンポイントでループ再生することも簡単です。

さんくす
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現在の統合版アプリへの移植に伴い,再生速度を0.5倍速〜2.0倍速の間で自在に変更できる倍速変換機能も追加され,利便性が向上しています。

音声再生中は,画面上のタブをタップすることで「英語スクリプト」「日本語訳」「フレーズ一覧」をリアルタイムで切り替えて表示させることができます。英文表示の画面は以下の通りです↓

English Upgraderの英文

文字情報と音声を同時に追いかけることができるため,オーバーラッピングやシャドーイングの教材として非常に優秀な挙動を見せます。

日本語訳画面に切り替えると,正確な実務翻訳が表示されます↓

English Upgraderのスキットの和訳

上級者であれば,この日本語訳の画面だけを見ながら,元の英語のセリフを即座に口頭で再現する「日→英インプットトレーニング」の素材として使い倒すことも可能です。

フレーズ一覧画面では,ビジネスでそのまま使える洗練されたイディオムが整理されています↓

English Upgraderのフレーズ一覧

もう一つの「クイズモード」を選ぶと,余計な日本語ナレーションは一切流れず,純粋な英語スキットのみが再生された後,内容の理解度を測定する3択問題に挑戦できます。

流れた英会話の内容に関する理解度チェッククイズ(3問)のほか,登場した重要表現のニュアンスを問う語彙クイズ(11問前後)が出題されるため,能動的なアウトプット学習が可能です↓

English Upgraderの理解度チェッククイズ

すべての設問を解き終えると自動で採点が行われ,正解数が表示されます↓

English Upgraderの結果表示

さんくす
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かつての単体アプリでは結果画面の下部に他社広告が出力されていましたが,現在の統合版アプリ内では広告表示は完全に排除されており,より学習に集中できる環境になっています。

 

②フレーズ(デジタル単語帳)

各エピソードで登場したビジネス向けの重要表現だけを一覧で総復習できる,単語帳のような機能です↓

English Upgraderのフレーズ例

覚えられていない未習得の表現に★マーク(お気に入り)を付けて選別したり,アルファベット順やエピソード順に並び替えて簡易的な確認テストとして利用できます↓

フレーズの並び替えの種類

各語彙には出典元となるエピソード番号が明記されているため,意味を忘れてしまった表現を見つけた際は,すぐに該当する音声ダイアログに戻って文脈を聴き直すことができます。

一度学んだ内容を効率よくストックして学び直せる暗記インフラとして,無料とは思えない高い完成度を誇ります。

 

 

目標スコア別の効果的な活用戦略

English Upgraderの特性を生かし,効率よくリスニング力を高めるためのレベル別の具体的なアプローチを提案します。

すでにTOEIC 800点以上の実力を持つ上級者の場合,いきなり最初から各エピソードの「クイズモード」に挑戦する手法がおすすめです。

実際に聴いてみると体感できますが,スキットのスピードが標準の公式問題集よりも早く展開する上に,一部のエピソードでは雑踏の音や電話のノイズなどの環境音が再現されているため,聴き取りの難易度が意図的に高く設定されています。

漫然と聴き流しているだけでは内容理解クイズの引っかけに捕まってしまうため,本番以上の集中力を保つ「高負荷の耳のトレーニング」として非常に実用的です。

間違えた問題や聴き取れなかったフレーズはスクリプトで原因(音声変化か語彙不足か)を特定し,★マークに登録して週末にまとめて復習するルーティンを構築するのが効果的です。

全エピソードのボリューム感から逆算すると,1日15分(1エピソード分)のスキマ時間を充てるだけで,約3ヶ月で全てのコンテンツを消化できます。

一方で,現在の保有スコアが500点〜600点付近の中初級者の場合,スピードの速さに圧倒されてダイアログの本質を見失う可能性が高いため,まずは「リスニングモード」を使い,日本語の解説ナレーションをしっかり聴きながら1つずつの表現を丁寧にインプットしていく勉強法が推奨されます。

最初は聴き取れなくても,文字情報(英語・日本語)が完全に揃っている公式教材であるため,テキストを精読した後に何度も音声を重ねて聴き込むことで,ネイティブ特有の音の繋がり(リンキング)を自然と識別できるようになります。

聴き取れる音のバリエーションが増えることは,そのままリスニングセクションのスコアアップにつながります。

 

 

まとめ:公式無料ツールの賢い立ち位置と総合対策へのアプローチ

English Upgraderは,TOEICの主催団体が提供している無料の英語学習コンテンツであり,ビジネスや日常の場面で使われる英語表現を,音声・英文スクリプト・日本語訳・フレーズ解説とあわせて学べる点が魅力です。

一方で,公式ページでも案内されている通り,English UpgraderはTOEIC Programの出題内容そのものに対応した教材ではありません。

Part1の写真描写問題,Part3の会話問題,Part5の文法問題など,本番形式に沿った演習を積むためのコンテンツではない点には注意が必要です。

そのため,TOEICのスコアアップを目的にする場合は,スタディサプリENGLISH TOEIC対策コースのようなパート別講義・演習・ディクテーション・シャドーイングをまとめて行える教材をメインに据え,English Upgraderは移動中や散歩中の追加リスニング素材として使うのがおすすめです↓

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公式無料コンテンツとしての信頼性を活かしつつ,本番形式の演習教材と組み合わせることで,リスニングの基礎体力と試験対応力の両方を無理なく伸ばしていきましょう。

具体的なリスニングの勉強ステップや効率的なシャドーイングの手順については,以下の詳細記事でも解説しているので併せて参考にしてください↓

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スタディサプリENGLISH

私自身が独学の限界に直面した際,900点の壁を越える大きな支えになったアプリです。単語帳,実戦問題集,パート別攻略法までそろっており,TOEIC対策を1つのアプリで進められます。1人で続けるのが不安な方は,生成AIをコーチ役にする運用法もあわせて試してみてください。

Asteria for Business

S&Wの対策ができる教材は少ないですが,ビジネス英語を学ぶことで間接的にスコアアップが狙えます。Z会のAsteriaは十八番の添削課題に加え,オンライン英会話も利用できます。一方,L&R対策用にAdaptieが用意され,AI演習で弱点をピンポイントで潰していけます。質問サポートも利用可能です。

  • この記事を書いた人
東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす

さんくす

東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす。英語に苦手意識があったところから,TOEIC L&R 425点を経て915点,S&W 340点に到達し,IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022を受賞しました。20年以上の英語学習経験と,100以上の教材を実際に検証してきた一次情報をもとに,TOEIC対策を発信しています。

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