TOEIC公式によるスマホアプリは過去にいくつか確認できましたが,今では「TOEIC公式コンテンツ」と「TOEIC公式教材」に集約されています。
ところで,TOEIC対策ができるアプリは他社製のものを含めると大変多くが存在している状況なので,わざわざスマホに入れるだけの価値があるかどうかはいちいち精査しなければなりません。
その点,今回紹介するアプリは,TOEICの運営元であるIIBCが提供している点で,得られる情報は信頼が置けるものになっているところが強みです。
当記事ではこれら公式のアプリを使って一体何ができるのか,そしてどういった使い方ができるのか考察してみたいと思います。
もくじ
TOEIC公式コンテンツでできること
正式名称は「TOEIC公式コンテンツby IIBC」と言いますが,情報収集と英語学習に適したアプリです↓
提供元がタイトルにしっかり入っていますが,IIBCという団体についてはすでに事業や活動内容に関する記事を書いており,基本的にはそこでの新着情報が本アプリのお知らせ欄から通知されるものと考えておきましょう↓

次章ではTOEIC公式コンテンツに存在する5つのメニューを個別に確認していきますが,簡単にまとめると,TOEICの情報提供や出版物紹介が利用でき,お知らせ欄にてグローバル人材育成プログラムなどの更新情報を確認できます。
それ以外にスキマ時間を使った学習も可能で,ちょっとした英語表現を覚えられたりリスニング素材としての利用ができたりしますが,TOEICに特化したものというよりも語学力全般を高めることを主な目的としているのが特徴です。
TOEIC公式コンテンツのメニュー内容
TOEIC公式コンテンツby IIBCには5つのメニューがあります。
それらは画面下にある「タブバー」と呼ばれる部分から確認できます(上記画像の赤い四角で示したところです)が,詳細は以下の通りです↓
- ホーム
- エピソード
- フレーズ
- テスト日程
- 公式教材
本アプリの使い方はホーム画面の左上に見える三本線(設定・その他)をクリックした先でも確認することができますが,当記事ではそれよりも詳しくみていくことにしましょう!
ホーム
ホーム画面は上の画像で示したものとなり,「今日のフレーズ」ページに直接アクセスできる他,TOEIC公式サイトの更新情報を中心とした最新記事が読めたり,実施中のキャンペーンやおすすめ教材のリンクだったりを確認できます。
普段TOEICの公式ページをあまり訪れない人は,試験当日までの間,公式コンテンツをメインの情報源として利用するのが良いでしょう。
ちなみに,ホーム画面に表示されるのは比較的最近の記事のみです。
過去の更新情報についてはホーム画面右上にあるベルのアイコンを押すことで確認できますが,気になる記事があったらクリップマークをタップしておくと,後でそれらのみをまとめて確認することができるようになります。
やり方ですが,お知らせ画面の右上にあるクリップマークを押すだけです↓
自分にとって価値のある情報というのは何回でも読みたくなるものなので,学びがあった記事には積極的にクリップを付け,定期的に見直すようにしましょう!
エピソード
「エピソード」には全部で83個のスキットが収録されていました。
各回10分前後の内容で,しっかり作りこまれた番組です。
番組全体を音声で学習できる「リスニングモード(画像左)」の他,「クイズモード(画像右)」では番組内で出題された問題や重要語句をマルバツ形式で解くことができます↓
細かいエピソード内容については,English Upgraderのレビュー記事で詳しく解説しているので,そちらを参照してください。
公式コンテンツに引き継がれたことでフレーズ通知のような機能はなくなってしまいましたが,コンテンツは概ねすべてが引き継がれていますし,新規でも追加され続けています。
リスニングモードはバックグラウンド再生にも対応しているので,スマホで音声を聞きながらYahoo!ニュースを読むなどの作業を並行して行うことも可能です。
フレーズ
ホーム画面で「今日のフレーズ」として表示されていたものはこちらの一部だったわけですが,TOEICテストに出てきそうな表現を日常場面に即した例文でもって学ぶことができ,こちらは毎朝7時頃に更新される本アプリ独自のコンテンツです。

今日のフレーズのみ問題を解くことができますが,形式はTOEICテストに即したものではなく三択形式となります。
自動採点してもらえる他,音声や和訳も付いていました(左が問題で,右が解答になります)↓
一覧形式で収録されているフレーズに関しては発音と意味,そして使用例が確認できるのみです。
過去のフレーズは数が多くなるためアルファベット順やエピソード順などで並び替えられる他,気に入ったフレーズは星のマークをチェックしてお気に入りに入れることもでき,私は知らなかった表現を復習するための目印として利用しています。
ここで学べるフレーズを覚えておくことで基礎的な英語力を高めることができるでしょう。
とはいえ,過去すべてのフレーズを確認することはできず,2025年1月時点で常時確認できた数は94個です。

テスト日程
「テスト日程」のページですが,TOEIC L&Rの他,S&WやBridgeのものも確認することができました↓
ただし,年間のテスト日程や受験料,実際の申し込みを行うページなどはアプリ上に表示されないため,多くの方にとってこのメニューは直近の予定を考える際の参考程度にしかならないでしょう。
TOEICの年間受験計画を立てたり,目標スコアを達成できなかったがために計画を立て直す必要性が生じたりした際には,TOEICの公式サイトにある日程表を利用するようにしてください。
受験料などの確認方法も含めて,当サイトではTOEICの日程と料金のまとめという記事を書いています。
公式教材
「公式教材」のメニューを開くと,TOEICの公式から出版されている参考書が表示されてきました↓
30冊もあるので,昔に比べてだいぶ充実してきた印象です。
当サイトでも結構な数の書籍をレビューしているので,興味がある方はチェックしてみてください↓

それぞれに発売日が書かれていますが,基本的には新しく出たものの方が優れています。
例えば,公式問題集においては1巻(2016年10月発売)よりも11巻(2024年7月発売)の方が,難易度的に現状に合った内容です。
設定・その他
こちらはメニューではありませんが,何ができるか簡単にまとめておきます。
「登録情報」からは,自身の登録内容に沿ったお知らせやキャンペーン情報が通知されるようになるものの,「今日のフレーズ」を利用するなどで頻繁に本アプリを開くような方にとってはさほど重要なものではありません。
生年月日や職業,保有スコアやキャンペーン情報の送付を希望するかどうかなどを設定できます。
次に「通知一覧」からは,プッシュ通知された内容をまとめて確認できますが,登録していないと当然ながら何も表示されてきません。
「アプリの特徴」はアプリのダウンロードページに出ていた内容で,「使い方」の欄からはここまでみてきた内容を簡単に確認できます。
その他にもいくつか項目がありますが,これらの中で最も利用価値が高いのは「お問い合わせ」でしょう。
テストのよくある質問(キャンセル・結果の確認・受験票の送付先変更など)についての回答を得ることができました。
TOEIC公式コンテンツをおすすめできる人
ここまで紹介してきたTOEIC公式コンテンツですが,私は「英語力を向上させるTOEIC公式アプリ」というキャッチコピーで知りました。
「もしかするとTOEIC L&Rのパート別対策や単語学習ができるのかな」と期待してインストールしたのですが,実際はスキマ時間でできる簡単な学習コンテンツばかりで,English Upgraderを概ね使い終えた自分からすれば,あまり期待に応えてくれる内容ではありませんでした。
もちろん,これまでにEnglish Upgraderを使ったことのない方であれば,「エピソード」内のコンテンツを使うだけでもかなりの英語力アップが見込めますし,ホームのお知らせから確認できる勉強法は,TOEICに限らず今後の語学全般に有効な知見が得られるでしょう。
ゆえに,本アプリはTOEICの初心者に特に勧められます。
加えて,前章の「今日のフレーズ」のところで述べたように,毎日コツコツと使える表現を増やしていくと,TOEIC本番までの1~2ヶ月間で結構な量の学びが得られるはずです。
繰り返しになりますが,ここで語られる内容は業界トップレベルの実力者によるものであり,TOEICの公式が記事にしているとあって,信頼が置ける内容となります↓
ところで,英語を生業にしている人であればともかく,普通の人がTOEIC勉強をする期間というのはそれほど長くありません。
ならば,TOEIC勉強に打ち込む期間だけでもどっぷりとTOEICの世界に浸ることで,そこからしか得られない経験ができるのではないでしょうか。
そうした意味で,TOEIC公式コンテンツにはそれ相応の価値があり,英語に対する自分の世界観を広げてくれる一助になるものであると確信した次第です。
TOEIC公式教材でできること
続いて「TOEIC公式教材」の話に移っていきますが,こちらは2024年9月に提供が開始されたアプリです。
できることは先のものよりもずっとシンプルで,名前の通り,市販されている公式の教材をスマホ上で学べるようになります。
最初こそ,TOEICの会員IDでもってログインする必要がありますが,今やTOEICは試験を受けるのにもID発行が必須なので,特にやり方がわからないなどはないでしょう。
パスワードを忘れてしまっても,登録したメールアドレスさえわかればすぐに再発行できます。
なので,アプリの説明に戻りますが,メニューは全部で3つです↓
例によって1つずつ,内容と使い方をみていきましょう!
HOME
HOMEはアプリを開いたときの画面になりますが,利用できる教材が表示される宣伝用ページです。
各教材の収録内容と,どのような学習が可能になるかを簡単にチェックできます↓
購入するだけでなく,サンプルを見ることもできた他,必要に応じてリンクも張ってあるため,詳細を別ページで確認することも可能です。
シリーズによっては割引があるものもあり,今後,より多くの商品でセールが行われるかもしれません。
学習記録
続いて学習記録の方で何ができるかと言うと,上で購入した模試を解いた際の正答率(模試モードの結果)が記録され,パート別に表示されてきます。
苦手部分が一目でわかる他,間違った問題だけを選択的に復習できる機能が搭載されているところが有用です。
音源ライブラリー
最も使用頻度が高いのが,この音源ライブラリーだと思います。
これは全部の公式教材をカバーしていて,音源が自由にダウンロードでき,購入していない書籍であっても可能です。
公式教材は全部で30冊程度しかないわけですから,難なく目的の書籍が見つけられるように思います。
お目当てのものが見つかったら,右にあるボタンを押してダウンロード開始してください↓

教材
教材のところでは,これまでに購入したデジタル教材が表示されてきます。
なお,すでに紙の公式問題集を購入したからといって,無料でアプリ版が利用できたり安く買えたりすることはありません。
普通に同額を支払うことになります。
しかし,アプリならではの機能が搭載されており,模試モードと学習モードが例に挙げられますが,前者ではタイマーが発動し,本番と同じ制限時間で解くことができるようになる他,後者は問題やパートごとに自由に解き進めることができ,その都度解答を確認することが可能です。
加えて,アプリ内で教材を購入すると,特典として「必須の200語」と呼ばれる単語帳が付いてくるので,単語帳を1冊も持っていない方にとっては朗報でしょう。

まとめ
以上,IIBCが開発したTOEIC公式アプリの使い方を中心にみてきました。
前半で紹介した「公式コンテンツ」の方はTOEICの中上級者にとってあまり必要ない内容ではあったものの,初心者には十分な利用価値があり,「エピソード」を中心に学習することで,短期間であってもどっぷりとTOEICの世界に漬かることができ,英語の基礎学力を高めることができるでしょう。
その他,語学における基本的な態度めいたものも,業界の著名人による勉強法の記事などから学び取ることができるはずです。
後半にみてきた「TOEIC公式教材アプリ」の方はといえば,市販の公式教材をスマホ上で使えるようにするためのもので,外での学習時間が多い方には有用でしょう。
公式教材の音源はすべてのものが無料で利用でき,有料で追加できるものには公式問題集シリーズとサクッとシリーズの2種類がありました。
公式問題集のアプリを模試モードで使った際は,学習記録の復習機能も利用して,効率的に学習を進めてください。
音源ライブラリでは,購入予定がある教材の音源を予め確認してみるといった使い方もできるでしょう。
公式コンテンツのアプリを開いて毎日数分間でも英語を聴き,自身のリスニング力を鍛えておくことは特に重要で,TOEICの最新情報を得る目的だけでも本アプリを入れる価値はあり,スマホの壁紙配布やキャンペーンはやる気のアップにも繋がるはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました。