TOEIC L&Rテスト(以降は「TOEIC」と表記)は,英語力を数値で客観的に確認しやすい試験として,就職・転職・昇進・大学の単位認定など幅広い場面で利用されています。
ただし,いざ目標スコアを決めようとすると,「日本人の平均はどれくらいなのか」「履歴書に書くなら何点以上がよいのか」「730点や800点にはどれくらいの価値があるのか」が気になる方も多いはずです。
そこで当記事では,TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026などの公式データを参考にしながら,日本国内におけるTOEIC L&Rの平均スコアと,目的別に目標にしたいスコアの目安を整理します。
IPテストや世界レポートの日本データまで含めて見ると,日本のTOEIC学習者の平均感覚は,ざっくり500点台にあると捉えるとわかりやすいです。
一方,自発的に申し込む公開テストでは平均が600点台前半まで上がるため,目的に応じて基準を分けて考えることが大切です。
そのうえで,就職活動や昇進で英語力をアピールしたい場合は,まず600点以上,できれば730点以上を目標にするのがおすすめです。
日本国内のTOEIC L&R平均スコア

※目安図。公開テスト平均・IPテスト平均はIIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025・2026」をもとに作成。
TOEICの平均スコアを見るときは,まず「公開テスト」と「IPテスト」を分けて考える必要があります。
公開テストは個人で申し込み,公式認定証が発行される一般向けのテストです。
一方,IPテストは企業・団体・学校などが実施する団体向けのテストであり,自分の意志で受けるわけではない層も含まれるため,受験へのモチベーションや受験者層が公開テストとは異なります。
TOEIC Program DATA&ANALYSIS 2026によると,2025年度のTOEIC L&R公開テストの平均スコアは616点でした。
- Listening:337点
- Reading:279点
- Total:616点
また,近年の公開テスト平均は,以下のように600点台前半で比較的安定して推移しています(2022年度のデータはTOEIC Program DATA&ANALYSIS 2025による)。
- 2022年度:608点
- 2023年度:612点
- 2024年度:615点
- 2025年度:616点
ただし,公開テストは自発的に申し込んで受験する人が多いため,英語学習への意識が高い層が集まりやすく,平均点が高く出やすい傾向にあります。
事実,同じ2025年度であっても,企業や学校などで広く実施される「IPテスト」の平均スコアは492点でした。
この差を踏まえると,TOEICの平均点を語る際は「履歴書などで基準になりやすい公開テストの平均(600点台前半)」と,「企業・学校で広く実施されるIPテストの平均(500点前後)」を分けて考えるのが現実的です。
そうすることで,自分の実力を過大・過小評価せずに済むでしょう。
「英検」に換算するとどのレベル?
TOEICは990点満点のテストですが,この「616点」という公開テストの平均スコアが高いか低いかを判断するために,日本で馴染み深い「英検」と比較してみましょう。
高校卒業レベルとされる「英検2級」は,TOEICで見るとおよそ550~780点前後のレンジと比較されることがあります(参考)。
公開テストの平均スコアは,このレンジの中に入っていることになります。
公開テストの平均スコアが600点台前半で推移している背景には,スマホアプリや公式問題集などの教材が充実したことに加え,目的意識を持って受験する学習者が多いことも影響していると考えられます。
ここで,まだTOEICを受験したことがない方は,ご自身の英語力を測る簡単なテストを試してみてください。
以下のリストにある単語の意味がどれくらいわかるでしょうか↓
これら200語のうち半数以上の意味がわかるようであれば,TOEIC500点前後を目指すための基礎語彙にはある程度触れられていると考えられます。
学生と社会人の平均スコアの違い
公開テストの平均スコアは約616点ですが,受験者の属性(学生か社会人か)によっても平均点に明確な差が見られます。
2025年度のデータを見ると,以下のようになっています。
学生と社会人の平均スコア
- 学生:592点
- 社会人:649点
公開テストでは,社会人の平均スコアが649点,学生の平均スコアが592点となっており,社会人受験者の方が高い平均点を示しています。
大学受験のときが英語力のピークだった…
とならないよう,社会人になっても実用的な英語力を身につけるための継続学習を強くおすすめします。
なお,日本人の平均点を超えた先の上位目標としては,「英検準1級(TOEIC785点以上相当)」の英語力を見据えるのがおすすめです。
次章で詳しく紹介しますが,企業の人事が評価の土俵に乗せるスコアは「600点以上」であることが多く,700点台に到達できれば英語力をより前向きな材料として示しやすくなります。
高い最終目標(785点以上)を掲げつつ,着実に600点,700点とステップアップしていきましょう。
これからはS&W(話す・書く)も重要
また,昨今は英語4技能が重視されているため,今後は話す・書く力を測る「TOEIC S&W」にも注目すべきです↓
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TOEIC L&Rのスコアが高くても話せない…
といった否定的な意見もありますが,L&Rのスコアが高いほど,語彙・文法・リスニングの土台はしっかりしています。
そこにS&Wの対策(話す・書く練習)を加え結果を残すことができれば,そうしたマイナス評価に対しても,かなり説得力を持って反論できます。
目標にしたいTOEICスコア

TOEICの開発元であるETSの調査「2024 Report on Test Takers Worldwide」によると,受験の主な目的は以下の通りでした。
- 就職活動のため
- 英語学習のため
- 卒業に必要なため
これらは大きく「語学目的」と「仕事目的」に分けられます。
それぞれの観点から目標スコアを考えてみましょう。
英語学習が目的の場合
TOEICは合否を決める試験ではなく,客観的に自分の英語力を測る指標として活用できます。
定期的な健康診断のように受験することで,英語力の向上を実感でき,モチベーションアップに繋がります。
以下の表は,TOEICスコアとコミュニケーション能力の相関を示したものです↓

この表によると,公開テストの平均(600点強)は「Cレベル」に位置し,
- 通常会話は可能だが,複雑な状況になると意思疎通が困難なレベル
とされています。
一方,1つ上の「Bレベル(730点〜855点)」になると,
- 業務上は大きな支障がなく,意思疎通を妨げることもない
と評価されます。
海外ドラマの一部が聞き取りやすくなったり,海外旅行での簡単なやり取りをより楽しめるようになったりするのも,このレベルからです。
英語学習を目的とするなら,まずは平均点を超え,次に「730点」を目標に設定するとよいでしょう。
さらに意欲的な方は,860点(Aレベル),900点,さらには満点(990点)へと高みを目指していくことになります。
その際,「IIBC AWARD OF EXCELLENCE」という表彰制度を目標にするのもおすすめです。
受賞条件は,同一年内にL&Rで800点以上(Listening 375点以上・Reading 425点以上),S&WでSpeaking 160点以上・Writing 170点以上を取得することです。
詳細は以下の記事をご覧ください↓
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仕事でスコアが必要な場合
調査結果からもわかる通り,受験者の多くは就職や昇進などのために「必要に迫られて」受験しています。
例えば大学では,TOEICスコアが単位認定や卒業要件に直結することがあります。
早稲田大学(2025年度の例)でも,2つある卒業要件の1つとして「690点または880点以上が必要」とされていました↓

就職活動においても,TOEICスコアが高いほど有利に働きます。
「英語活用実態調査2019」によると,新入社員に期待される平均スコアは535点でした↓

しかし,グローバル展開を進める企業ではさらに高い基準が設けられており,過去には,資生堂のグローバル部門で730点以上,楽天グループで800点以上が採用基準として話題になったケースもあります。
英語を武器に就活や転職活動をするなら,スコアの目安として以下を意識しておきましょう。
- 600点以上: 履歴書に書いて一定の評価を得られる最低ライン
- 730点以上: グローバル部門や海外関連業務への応募で見栄えがよくなるライン
- 800点以上: 英語を「苦手ではない」レベルから「強みの一つ」としてアピールできるライン
ただし,実務で使う場合はL&Rの知識だけでなく「話す・書く」力も問われるため,必要に応じてS&Wの対策も進めておきましょう。
入社後も英語から逃れることはできません。
昇進や海外出張の基準にTOEICを採用する企業は増えています。
2025年度のデータを見ると,公開テストでは役職が上がるほど平均スコアも高くなる傾向が見られます。
一方,IPテストでは公開テストより全体的に低めの平均になっています↓
| 役職 | 公開テスト | IPテスト |
| 係長 | 633点 | 540点 |
| 課長 | 655点 | 547点 |
| 部長 | 670点 | 570点 |
| 役員 | 679点 | 586点 |
また,実務で英語を使う場面では,L&RだけでなくS&Wで測る「話す・書く力」も評価対象になりやすい点に注意が必要です↓

英語から離れる期間が長くなると,語彙や読解スピード,リスニング感覚は鈍りやすくなります。
先の世界的調査でも,26~30歳の平均スコアが666点であるのに対し,41~45歳では612点に低下していました。
まとめ
ここまで,日本国内のTOEIC平均スコアと,目的別の目標スコアについて解説しました。
要点を以下に整理します。
- 2025年度の公開テスト平均スコアは約616点(IPテストは約492点)
- 語学目的であれば,730点,860点,900点などの高みを目指す
- 仕事目的であれば,まずは公開テストの平均点(600点強)をクリアする
- 就活や転職で英語力をアピールするなら700~800点以上を目標に
- これからの時代はL&RだけでなくS&W(話す・書く力)の対策も重要
TOEICの学習は,少しずつでも長く継続することが重要です。
通勤・通学のスキマ時間を活用して学習を積み重ねることで,英語力は確実に向上し,将来的なキャリアの選択肢や生涯年収にまで良い影響をもたらす可能性があります。
企業によっては,高スコア取得者に報奨金や資格手当を支給するケースもあります。
TOEIC学習を自分への投資と捉え,ぜひ前向きに取り組んでいきましょう。
