今回ですが,TOEICのリーディングパート(セクション)の解き方を1つのパートごとにまとめてみました。
当サイトでは,すでに様々な教材をレビューしてきましたが,そこで語られる内容には共通点がかなりの数,見受けられるように感じています。
そして,どの本にも書かれている解き方のヒントというのは,それだけ多くの方に役立つ知識になり得るという考えに基づき,今回紹介することにしたわけですが,私自身,まったく同じ解き方を別の先生から教えられました。
特定の1冊でしか語られていない内容であればオリジナルの可能性がありますが,普遍的な解き方というのは常識として昔から語り継がれてきたものであることが多く,みなさんの中にも普段から当たり前のように行っている方がいたり,逆に実践するのが困難で,できずに諦めた方もいらっしゃることでしょう。
そのため,すべての方法を取り入れてほしいというよりも,当記事を読んで,各自に合った解き方のヒントが1つでも見つかることを期待しています。
それではまず,リーディングパートの全容についてみていくことから始めましょう!
目次
TOEICのリーディングパートについて
TOEICのリーディングパートについてまずは簡単にまとめますが,構成としては「パート5・パート6・パート7」の3つからなります。
制限時間は75分で,解くことになる問題数は全部で100問です。
長い時間が設けられていますが時間に余裕がないのが特徴で,スコア的にはリスニングパートと同じ495点満点ですが,よりスコアが稼ぎにくい傾向にあります。
リスニングパートのスコアよりも低くなるのが正常だと言われるほどです。
リーディングパートに含まれる各パートの問題数ですが,
- パート5は30問
- パート6は16問
- パート7は54問(SP29問,MP25問)
となっています(上記のSPは単一パッセージのものを,そしてMPは複数の文書を読むことを表しています)。
ちなみに2022年4月の公開テストにおいて,リーディングパートの平均スコアは「282.4点」となっていました(参考ページ)。
総合スコアにして600点狙いの方は,このスコアを一つの目安として頑張ってみてください(ちなみにリスニングパートは330点を目指しましょう)!
次に各パートの解答時間の目安についてですが,
- パート5は7.5~10分
- パート6も7.5~10分
- パート7は54~60分
というのが,よく言われる定番の時間配分です。
前半2つのパートはできるだけ早く解き,パート7を解答するための時間をより多く残せるようになるとぐっとスコアが上がるわけですが,かといって,早くやりすぎたあまり正確度が下がってしまってはトータルのスコアが悪くなることもありますので,模試で上手くいったときの時間配分をメモしておきましょう。
各パートが終わった時,大体の時間をメモしておけばOKです。
また,TOEICの時間配分や解く順番をどう考えるべきかで触れたように,パート5から順番に解く道理もなければ,同じパート7の中であっても,最後の問題から解いていっても構いません。
リスニングパートと比べて,リーディングパートに取り組む際の自由度はずっと高いので,自分の得意・不得意に合わせた戦略で挑みましょう!
なお,次章からパートごとに解き方をまとめていきますが,引用した解き方の後にカッコ書きしている番号は,最後に紹介する参考文献の番号と一致しています。
実際にその解き方を体感したければ,それについて記載がある参考書を購入してみてください。
パート5の解き方
パート5の概要
短文の穴埋め問題です。文法的な知識の他,語彙力が問われることもあります。4つの選択肢から適切なものを選び,不完全な文を完成させてください。正解数の目安は600点が目標なら21問,700点なら24問,800点なら26問です。
パート5ですが,平均20秒で1問解くようにすると全30問は10分で終えることができます。
15秒で解けると全部で7分30秒で終わるのですが,最も時間がかかる文脈型の文法問題で考えこんでしまった場合であっても,30秒を限度と考えておきましょう。
まずは選択肢に目を通すようにしますが,もし似たような語が並んでいれば品詞や時制を問う問題と判断でき,文の形を確認するだけで瞬時に解くことができます。
意味の確認はほぼほぼ不要です。
いわゆるTOEIC特有の問題に慣れることで,こういったパターン分けは簡単にできるようになりますので,解説が詳しい教材を使うようにしてください。
パート5攻略のヒントは「狭く深く」学ぶことです。
広く深くだと時間が足りませんし,TOEICに出ない文法を覚えるのは非効率な時間の使い方になります。
これは上の解き方と逆を行く方法ですが,品詞問題だと判定できても全文を読む必要がある問題も稀にあります。
そうなると,選択肢を先にチェックしなくても「普通に問題文を前から読んで解くだけでよい」という考えにたどり着くわけです。
時間は多少かかってしまいますが,その分,正答率は高まるので,特に800点以上のハイスコアを狙う人の場合はこちらの方法をおすすめします。
パート6の解き方
パート6の概要
長文の穴埋め問題です。こちらも4つの選択肢から適切なものを選んで文書を完成させてください。ただし,英文を丸々入れる文脈問題が含まれるので,時間配分を考慮して解くか捨てるかします。目標点と正解数の関係については,600点なら13問,700点なら14問,800点なら15問です。
パート6の中で難問とされる「空欄に文を丸ごと入れる問題」が各文書に1問ずつ含まれています。
目標点にもよりますが,たとえ正解できても時間が長くかかってしまったら,最後まで解き終わらないかもしれません。
そういった問題を1問捨てることで節約できた時間を使い,2問以上多く正解することを目指すためのヒントが上のものとなります。
空所を含む文だけを読んでいても,新形式のTOEICでは通用しません。
文章の形で出題される以上,基本的には文脈に沿った解答が求められているはずです。
文章は最初から順番に読んでいくのが,一見手間がかかるようで時間を節約できる方法だったりします。
高得点を狙う人は,1つの文書を1分30秒のペースで解けるようになりましょう。
パート7の解き方
パート7の概要
さまざまな形式と内容を含んだ長文読解問題です。1~3つの文書を読んで設問に答えますが,4つの選択肢の中から最適なものを1つ選びます。目標点と正解数の目安は600点だと34問,700点は38問,800点で43問です。
時間をかけても解けないのがパート5や6に見られる文法問題です。
一方で,パート7の読解問題に関しては,読む時間が増えるほど正答率も上がっていきます。
パート7のスコアが低かったからといって,実はその原因が「他のパートに時間をかけすぎたから」と考えられる受験者は少ないでしょう。
それをチェックする意味でも,試しにパート7を時間を測らずにやってみてください。
もしそれで正答率が大きく上がるような場合は,完全に時間配分のミスが原因です。
読む速度としては1分間に150~200語を読めるようになるのが1つの目標です。
参考書によっては,自分の読む速度を測れるものもあるので,利用してみてもよいでしょう。
教材によって色々な手順がありますので,実際に模試を色々な解き方をしてみて上手くいった方法を採用するのがおすすめです。
基本的には,
- 文書タイプを確認
- 設問を読む
- 本文を読んで解く
という流れになりますが,1と2の間に「本文のタイトルなどから趣旨や文書間の関係をざっと把握する」作業が入ったり,設問を全部読むのではなく2つ目までにする(忘れやすいから)といった細かな工夫を付け加えることができます。
とはいえ,高スコアを取るためにはどうしても文章全体を読む作業が必要ですし,言いかえや本文全体の要旨を把握する練習を普段から積んでおきたいものです。
この場合も,読むスピードが速いことについては言うまでもありません。
まとめ
以上,TOEICのリーディングパートの解き方のヒントについてパート別にまとめてきました。
TOEICでは,難しい問題であっても簡単な問題であっても同じ1問としてカウントされるので,弱点をなくして1問でも多く解けるようにすることが戦略を考える上での基本方針となります。
もちろんこれはリスニングパートにおいても当てはまる考えなので,リスニングパートの解き方!満点狙いのコツはも併せて読んで,満遍なく対策するようにしてください!
なお,今回の解き方が登場する参考書として,当サイトでレビューしているのは以下の通りです↓
今回の解き方が学べる参考書
最後までお読みいただいた方,ありがとうございました。