今回は,TOEICの文法問題を得意にしたい人で,とにかく演習量を積みたい方におすすめの参考書である「文法問題でる1000問」をレビューしていきたいと思います。
文法ができるようになると,Part5でより多くの問題に正解できるだけでなく,リスニングやリーディングの理解力も高まり,あらゆる分野のスコアが上がることになるでしょう。
高校時代にNext StageやForestのような分厚い文法問題集をやり遂げた経験のある方は,ぜひ本レビューを参考に,本書の購入を検討してみてください!
でる1000問の特徴
- 書名:TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問
- 著者:TEX加藤
- 出版:株式会社アスク出版
- 対応スコア:500~900点台
- ページ数:511ページ
- 定価:2,300円(税別)
- 音声:ダウンロード可(PC・スマホ)
「でるせん」という愛称で親しまれる本書ですが,2015年に刊行されたものを改訂・増補したものとなり,スマホアプリのabceedにも対応しています↓↓
旧版から受け継がれている本書の特徴は,やはりその圧巻の問題数でしょう。
文法問題だけが全部で1,049問も収録されているわけですから,本自体は大変分厚い仕様になっています↓↓
しかしここで学んだ問題の多くが実際のTOEICテストで出てくるわけですから,何度も繰り返して全部解けるようになった暁には,Part5で高得点が期待できますし,努力に見合うだけの見返りはあると考えてください。
とはいえ,本書で学ぶ上で1つ注意が必要で,中学文法+高1レベルの文法知識が,ある程度頭の中に入っていない方だと本書のレベルは高すぎますので,TOEICの保有スコア500点以上の方が本書の対象であることは忘れないことです。
加えて,先述したような分厚い問題集を解いた経験がないようであれば,途中で挫折してしまう可能性もあります。
そのような心配がある方は,「スタディサプリの英文法講座」や「くもんの中学英文法」などの本で中学範囲を先に学習したり,「10日間シリーズ」のような薄めの問題集を使うようにしてください↓↓
ここで本書の目次をみてみましょう↓↓
第1章から7章までは文法項目別に,まとまった数の問題を解いていき(計659問),その後の「文法模試」において各30問を13セット(計390問)を使って総仕上げをする構成です。
単元別から総合問題という流れは,知識の完成を目的とする際に,教育界ではよく使われる手法になります。
なお,実際の公開テストでもPart5は30問から成りますから,こちらは本番と同じ問題数です。
制限時間も同じに設定し,さらに付属のマークシートを使って解けば,Part5の専用模試へと早変わりします。
その他,本書で学ぶ1,049問をランダムな順序で学び直せる別冊付録も付いているのも特徴的ですが,これらについては,次章からの詳しいレビューの中でみていくことにしましょう!
でる1000問のレビュー
前半部分
まずは単元別に学習していく前半部分(第1章~第7章)ですが,扱う文法項目の解き方についての説明が最初にあります↓↓
ただ解説するのではなく,本番と同じ形式の問題を使って,解き方の説明がなされるため,実践的な内容です。
適宜このようなまとめもあるので,しっかり知識を整理することができるでしょう↓↓
その後「トレーニング」と呼ばれるコーナーで,厳選された問題を解いていきます↓↓
先の基礎知識を思い出しながら解いて,理解を深めていく段階ですね。
左ページは問題,右ページに解説が見開きの形でレイアウトされており,公式問題集と異なり,詳しい解説があります。
よくみてみると,多くの問題で,間違いの選択肢にも解説が入っている(間違えの理由がわかる)上,全訳はもちろん,語注で文中の語句が抜粋されていました↓↓
TOEICでよく狙われる語句ばかりなので,しっかり覚えましょう。
本書の文法問題では純粋な語彙問題(語句の意味を知っていないと解けない問題)は収録されていませんが,注にある語句や後述の別冊を使って学習すれば,その対策も可能です。
基本はここまでで,普通ここまでで終わってしまう参考書もあるでしょう。
しかし「でる1000問」ではここからが本番です!
「実戦問題」を使ってさらに多くの問題を解いていきますが,1章はとりわけ多く,300問もありました(通常は数十問程度です)↓↓
なお,かなり取り組みがいのある問題も含まれており,比較的文法には自信がある私ですが,以下の問題では心を折られました↓↓
問題)Residents were concerned about increased traffic and( )so, considering the size of the housing project approved for their suburb.
選択肢)A:understood,B:understandable,C:understandably,D:understanding
正解はCですが,いかがだったでしょうか。
後半部分(文法模試)
1日50問などと決めて第7章までやり終えたら,最後の仕上げとなるのがこの「文法模試セット」です。
制限時間は10分,問題数は本番さながらの30問でやっていきます↓↓
こちらは問題の後にまとめて解説が来るスタイルで,マークシートも巻末に用意されているのでしっかり練習を積むことが可能です↓↓
別冊
そして忘れてはならないのが別冊の存在です!
名前も付いていて「文法問題1000本ノック!」と呼ばれています↓↓
これは本書で解いてきた1,049問をランダムな順番で解くことができるという画期的な冊子です。
解答は下に小さく出ていて,本書の何ページで学んだかまで載っているので,必要に応じて戻って復習することができます↓↓
別冊の巻末には,解説の語注で学んだ語句リストまで付いていて,単語帳のように使うことも可能です↓↓
もはや「本体は別冊の方なのではないか。」と思えるくらいの使い勝手を誇ります!
まとめ
以上,Part5の文法問題を完璧に対策できる「TOEIC L&Rテスト文法問題でる1000問」のレビューでした。
今回紹介した本書の特徴をまとめると,
- 1,049問もある圧倒的なボリューム
- 語彙や間違えた理由もわかる解説の詳しさ
- 本番と同じ形式で学べるミニ模試を13回分収録
- 別冊で総復習や単語学習が可能
のようになります。
TOEICの文法問題を素早く突破できれば,残ったPart6と7に,より多くの時間を費やすことができるため,それらの正答率も上がるはずです。
もちろん文法的に正しく英文を捉えられれば,リスニングも正確に聞き取ることができるでしょう。
そういった意味ではPart5の攻略が高スコア取得のための鍵になっていることは言うまでもありません。
本書を読みこなすにあたってはTOEIC500点程度のスコアが必要ですが,それさえクリアしてしまえば,努力しただけ点数が取れるようになるでしょう。
人気の理由がわかる文句なしの良書ですので,是非,文法に弱点がある方は使ってみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。