今回の記事では,TOEIC(R)L&R TESTの勉強法のうち,短期間での対策に役立つ内容のみをまとめました。
本記事で語る「2週間学習法」というのは,公開テストまで1ヶ月以上残っている場合に取る方法とは大きく異なるのですが,それは想像するに容易でしょう。
例えば,高校英文法の復習を悠長にやっている場合ではありません。
とはいえ,直前期よりはまだまとまった時間が残っているわけで,ある程度の対策ができるのも事実です↓↓
ただひたすらに模試を解くだけでもなんとなく試験感覚は掴めますが,ここは先人たちが残した教えを最大限活用させていただきましょう!
具体的には,定評ある参考書で語られている即効性のあるTOEIC勉強法のみを紹介します。
色々な事情で,TOEIC対策を2週間前までしてこられなかった方にお読みいただけたら幸いです。
2週間勉強法の基本方針
各パートごとの問題数がどれくらいで,どのような形式の問題が出題されるのか,さらに時間配分はどうするかはもちろん,以下のような方針でもって行うのが,おすすめの2週間勉強法です。
- 対策するパートを絞る
- 解くテクニックを身に付ける
以下で詳しくみていきましょう。
対策するパートを絞る
TOEICのL&Rですが,2週間でスコアを上げやすいパートと上げにくいパートが混在しています。
「残された時間が少ないので,対策しやすいところから取り組む」という方法論は大変理に適っているのではないでしょうか。
そしてその順番は,
Part2→Part5→Part6→Part3→Part4→Part7→Part1
です。
このボックス内で前に出てきているパートほど,後半のパートにも応用できるテクニックが多く身に付き,逆に後ろの方になればなるほど,時間をかけた分の見返りが少ない傾向にあります。
例えば,リスニングセクションは100問ありますが,Part1が占める問題数はそのうちわずか6問です。逆にPart2は25問あり,その出題に関しては綿密な分析がなされています。
TOEICでは全問同じ配点なわけですから,どちらの対策に時間をかけるべきかは明らかでしょう。
一方,リーディングパートにおいては,Part5の文法問題では頻出のもののみをさっと学習するにとどめ,残りは捨てて,時間を少しでも残り2つのパートに回すことで,一般的に「時間をかければスコアが上がる」と言われているPart6以降で良い結果が期待できます。
ちなみに,Part6にも文法問題は出ますので,その際もPart5で学んだ方法論を当てはめることができるのは嬉しいですよね。
時間がない方は,Part2と5を重点的にやるだけでも,大きなスコアアップを果たすことができますよ!
英語以外の技術を学ぶ
難しい文法書や英文解釈の本を読む気が起こらなくても,解き方を工夫するだけでスコアアップにつながる方法であれば,そこまで抵抗なく学ぼうと思えるはずです。
しかもそれらの方法は,「ただ知識として身に付け,後は実践するのみ」という簡単仕様。
このうち最も有名なのが,リスニングのときに鉛筆をマークシートの選択肢に置きながら聴く方法
でしょうか。
これは主にPart1と2で使うことになりますが,鉛筆をまずは選択肢のAに置いておき,それよりも確からしい答えが流れたら,その選択肢に鉛筆を移していくというものです。
消去法が有効なパートですし,間違いなのかどうか判定できない曖昧な選択肢に出会うような時にもこの方法を採用しておけば,最後まで聞き終えて「あれ,どれだっけ」とならずに済みます(なお,TOEICでは問題用紙への書き込みが禁止されています)。
そして個人的に最もおすすめしたいのはこれから紹介する方法で,主にPart3と4で使うものです。
ご存知かもしれませんが,これらのパートを解く際には,質問の先読みが必須となります。
そのため,少しでも早く前の問題の正解を見つけ出しては,次の問題の質問を先読みする時間をつくりださなければなりません。
そんなとき「マーク欄をしっかり塗りつぶすのではなく,鉛筆で軽く線を引く程度に留め,少しでも多くの先読み時間を生み出す」ように工夫することで,正答率を高めることができるわけです。
最初は高を括って,「こんなことでスコアが変わるなら,苦労しないんだよ」と疑いを抱いていた私ですが,実際にやってみると先読みが捗ること捗ること。
結局,900点近くを取得するに至るまで手放さなかったテクニックの1つになりました。
ちなみにリスニングセクションは,終了の放送が流れ終わるまでリーディングセクションへと進むことができませんので,そういった合間の時間を利用して色塗りに専念すれば,時間のロスも最小限で済みます。
リーディング前に気持ちを切り替える前の儀式的に使えて,意外と丁度良いのです。
パート別の対策ポイント
これまでは駆け足で説明してきましたが,2週間前にすべき対策について,各パートごとにここでもう少し詳しくまとめていきましょう!
Part1
音声を聞く前に写真をチェックします。
この時,以下に挙げたような,「目立つもの」に注目するのがポイントです↓↓
- 大きく映った人物の状態や動作
- 人がいない場合は物の状態
人物の動作では,受け身の進行形を表す「be動詞+being」がかなり頻繁に出ます。
その他TOEIC頻出の「crate(木箱)やawning(日焼け)」など,やった単語が本番で一つでも出たらラッキー的な考えでゆったり構えましょう。
2週間では「単語帳を1冊やる」などの網羅的な学習まではできません。
そのため,やった単語だけは完璧にしておく意識が大切です。
Part2
出だしの聞き取りが特に大事で,1問のミスを引きずって次の問題以降に影響することのないように気を付けたいパートです。
本パートのみ選択肢が3問しかないだけに,ひっかけの選択肢が多く用意されています。
そのため以下に示すような「ひっかけのパターン」を先に学んでしまい,迷ったら,ひっかけではなさそうな選択肢の方をマークするといった,出題者の意図を逆利用する作戦も効果的です↓↓
- 質問文中の聞き取りやすい語(キーワード)を含む選択肢は避ける
- WH系では基本Yes,Noの答えは誤り
- Yes/No疑問文で,Yes/Noで始まらないものが答えの場合がある
- 平叙文が答えになるとき,他の2つの選択肢がとても不自然
自分なりにでよいので,問題を解くときは「どのようなタイプに分類される問題」で,「どういった選択肢が正解だったのか」を分析しておくようにしましょう。
Part3
先読みが必須なパートです。
Directionや質問文が読まれている間に,次の問題の質問文を先読みしておきます。
選択肢まで先読みするのは時間的に難しいので最初はおすすめしませんが,時間が余ったら目を通してほしいですし,全部は読めなくても,せめて動詞だけ見ておくなどの工夫ができるでしょう。
なお,「次の行動」が問題になっている場合は,英文音声の後半にヒントがあることが多いです。
Part4
Part3と基本的には同じ方針で解きますが,設問の順番とヒントの順が一致することを知っておきましょう。
文中の表現を別の言葉で言い換えたものが正解の可能性が高いので,迷ったときはそっちに賭けるのが吉です。
グラフ問題は選択肢を先に見るようにして,そこに出てくる語句と別の軸に書かれている語句に注目してリスニングするように心がければ,気持ちの面での余裕が生まれるでしょう。
Part5
選択肢から読み始め,以下の3つにパターン分けします。
- 読まずに解ける問題
- 判断が必要な問題
- 読んで解く語彙問題
問題が1のパターンであれば品詞や格に注目すれば5秒程度で解けるので,それで節約できた時間を2や3のパターンの問題に割り振るのがポイントです。
2の「判断」とは,動詞の形や接続詞・前置詞の区別などを意味します。
Part5の対策をしようと思って,中学や高校の英文法からやり直そうと考える方もいらっしゃるかもしれませんが,このパートの文法問題は,解法パターンを先に身に付けてしまうのが効率的。
定番の問題が何度も出題されている事実をお忘れなく!
頑張って細かい文法まで覚えても出題されなければ,限られた時間の使い方としては失敗です。
Part6
半分はPart5と同じ文法問題で,同様の方法論で解くことができます。
一方で,本パート独自の文脈問題があり,前後の文の流れを把握しないと解けません。
特に文を丸まる1つ選んで入れる問題は,最後まで文章を読まないと答えが導けないものもあり,正答率は低いくせに時間だけかかってしまうという厄介な性質を備えています。
目標スコアによっては捨て問とするのが上手くいく場合もあるほどです。
Part7
知らなければできない文法問題と違い,時間をかければ正答率が上がるのがPart7です。
そのため本パートの攻略法では,Part5や6をどれだけ短く解いてこられたかが実は重要になってきます。
問題自体については,解きやすい問題は正確に,そして時間がかかる問題には時間をかけないのがコツで,問題によってはPart6のときのように捨て問を作ってもよいでしょう。
以下のような問題は解きやすいものとされています↓↓
- 文脈で解くもの
- 意図を聞くもの
- 同義語を選ぶ問題
- 1つの場所を参照すれば解ける問題
逆にNOT問題(○○ではないものはどれか)や,文の位置を選択する問題が時間がかかる問題に分類されますが,人によってはさほど難しいと感じない方もいるので,自分が苦手とする問題のタイプをあらかじめ把握しておくことも大切だと思います。
ちなみに復習を頑張るならこのPart7一択です!
純粋に英語力が高められますし,文章を前から読めるようになるとPart4などのリスニングを解く際にも役立ちます。
まとめ
以上,TOEIC L&Rを2週間前から対策するときに採用したい勉強法についてまとめてきました。
TOEICの勉強は,「自分の英語力を試したい」などといったポジティブな動機であればいくらでも頑張れるものですが,昇進のためであるとか受験のために仕方なくといった理由ですとやる気も大きく下がってしまうというもの。
3ヶ月もあれば,スタディサプリのパーソナルコーチプランを利用し大幅な得点アップも望めるでしょうが,わずか2週間だと,あれよあれよと悩んでいる間に時間だけがどんどん経ってしまいます。
すぐに使い出せる以下の2つが,2週間前の対策としてはおすすめです↓↓
おすすめ
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残り1週間を切ってしまえば,「いくらなんでも流石にやらなきゃ」と誰しもが重い腰を上げるものですし,3日前ともなればかなり本気で勉強しようとするわけで,そのときの勉強の密度というのは特別なものです。
経験的に,試験前の2週間というのは,なんとなくダラっと勉強する1ヶ月以上に相当する進歩を遂げられる時期かもしれません。
ほとんど対策せずに試験1週間前を迎えてしまうと,「試験を受けることすら諦めてしまおうか」とも割と本気で悩んだりもしますが,お金をどぶに捨てるのはやはりもったいないですし,絶対に後悔します。
結局,ほとんどの方は当日試験を受けて2時間は本気で取り組むことになるわけですから,1日でも早く対策をして,しっかり試験を受けるべきです。
なお,今回紹介した方法は,以下の書籍に詳しく書かれていますし,豊富な練習問題と共に学習できます。
レビュー形式の記事にしてありますので,是非参考にしてくださいね↓↓