当サイトでは残り時間に焦点を置いたTOEIC勉強法のうち,1週間を切ったものから3ヶ月以上かけられるものまでを紹介しています。
そして今回の対象となるのは「2週間勉強法」になるわけですが,公開テストまで数ヶ月残っている場合と比べると,断念せざるを得ない部分があることは確かです。
例えば,全パートの対策を悠長に行っている時間はありません。
とはいえ,1週間を切ってしまった場合と比べればまだ時間は残っているわけで,ある程度まとまった対策ができることも確かです。
残り2週間,ただひたすらに模試を解いて過ごすだけでもなんとなくTOEICのテスト感覚は掴めると思いますが,ここは先人たちが残した教えを最大限利用させてもらうことにしましょう!
これはつまり,定評ある参考書で必ず語られているような,即効性のあるTOEIC勉強法のみを実行していくということです。
様々な事情で2週間前までTOEIC対策ができていない方は,是非お読みください!
もくじ
TOEICを2週間で勉強する際の基本方針
TOEICのパートごとの問題数がどれくらいで,どのような形式の問題が出題され,さらには時間配分をどうするかということを決めるだけにとどまらず,以下のような方針でもって挑むのが「2週間勉強法」です↓
- パートを絞って対策する
- 解く技術を身に付ける
- 模試を解いて実践する
それぞれについて,以下で詳しくみていきましょう!
パートを絞って対策する
TOEIC対策ですが,2週間という制限時間付きで考えると,スコアを上げやすいパートと上げにくいパートが混在しています。
残された時間が少ないわけですから,対策しやすいところから取り組むのは大変理に適った方法論で,具体的には以下の順番で行うのがポイントです↓
2週間で伸ばしやすいパート
Part2→Part5→Part6→Part3→Part4→Part7→Part1

これは,上のボックス内で前に出てきているパートほど後のパートに応用できるテクニックを多く含み,逆に後ろの方になればなるほど時間をかけた分の見返りが少ないことを意味しています。
例えば,リスニングセクションは全部で100問ありますが,Part1が占める問題数はそのうちわずか6問です。
基本的には簡単とされるパートですが,たまに上級者でも落としてしまう問題が出ることもあり,そういった問題は今から頑張ってみたところで正解できないでしょう。
その点,続くPart2は25問もあり,その出題形式に関しては先人たちの手によって事細かに分析されてきています。
TOEICで満点を取る人は,このパートでほぼ失点しません。
残ったPart3と4ですが,これらに含まれる問題はどれも難しく,普段からどれだけ努力しているかが問われます。
TOEICでは全問が同じ配点なので,どのパートの対策に時間をかけるべきかは明白なのです。
一方,リーディングセクションにおいては,Part5の文法問題で頻出のものを網羅的にしかしスピーディーに学習することが重要になりますが,それと同時に,難問とされる文法問題に関しては捨て問とし,時間を少しでも後のパートに回す工夫も必要になります。
その甲斐あって,一般的に「時間をかければスコアが上がる」とされるPart6以降のスコアアップに間接的に貢献してくれるわけです。
Part6にも文法問題は出てくるため,その際,Part5で学んだ方法論を当てはめることができるところも効率的と言えるでしょう。
まとめると,試験まで2週間しかなくても,Part2(余裕があればリスニング全般)とPart5を重点的に対策することで,スコアアップの幅をより大きくすることができます。
解く技術を身に付ける
2つ目の方針ですが,TOEIC攻略のためにわざわざ難しい文法書や英文解釈の本を読まなくても,解く技術を身に付けるだけでスコアアップができるとわかれば,そこまで抵抗なく学んでいけるでしょう。
しかも,それら技術は「知識として身に付けたら,あとは本番で実践するのみ」という大変潔い性質を備えています。
もちろん,2週間の訓練で十分身に付けることができる技術です。
このうち最も有名なのが,リスニングのときに鉛筆をマークシートの選択肢に置きながら聴くというものでしょう。
これは主にPart1と2で使うことになりますが,鉛筆をまずは選択肢Aの上に置いておき,それよりも確からしい答えが聞こえてきたら,その選択肢に鉛筆を移すというものです。
最初2つのパートは消去法が有効で,間違いなのか判定できない曖昧な選択肢に出会った時においても,この技術を使って解いてさえいれば,聞き終えてから
あれ,これ以外にどの選択肢と迷っていたんだっけ?
などと混乱せずに済みます。
TOEICでは問題用紙への書き込みが禁止されているからこそ,この技術が効果を発揮するのでしょう。

個人的におすすめしたいのは「先読み」という技術で,これは主にPart3と4で使うものです。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが,これらのパートを解く際は,質問の先読みが必須級とされています。
そのため,少しでも早く問題の正解を見つけ出しては,次の問題の質問を先読みする時間を作り出さなければならないわけです。
この一連の流れに慣れるためには,予め訓練しておかなければなりません。
そのように時間に余裕がない局面においては,マーク欄をしっかりと塗りつぶす時間も惜しいため,とりあえずは鉛筆で軽く線を引く程度に留めておき,少しでも多くの先読み時間を生み出すマーク技術が重要で,この工夫により先読みする時間を増やし,正答率を高めることができます。
最初は高を括って,
こんな小手先の技術でTOEICのスコアが変わるのなら,誰も苦労しないんだよ!
と懐疑的だった私ですが,実際にやってみると先読みの作業が捗ること捗ること。
結局,900点を取得するに至るまで手放さなかったテクニックの1つとなりました。
ちなみにですが,リスニングセクションは,終了の放送が流れ終わるまではリーディングセクションに進むことができないので,その合間の時間を利用して色塗りに専念するようにすれば,時間のロスは最小限に抑えられ,リーディング前の気持ち切り替えにもなって意外と都合が良いものです。
ただし,これら技術は実際に模試を解いてマークする練習を積み重ねておかなければ,おいそれと他人に勧められる方法ではないことに,くれぐれもご注意ください。
模試を解いて実践する
これまでに挙げた理由から,上で見知った技術を模試を通して実践しておく必要があります。
頭ではわかっていても,実際やるとなると難しいものです。
勉強のスケジュールとしては,前半1週間で対策と技術を身に付けたら,後半1週間を模試を使った実践期間に充てます。
ルーティン作業になるよう,愚直に体に叩き込むだけなので,模試は1回分あればOKです。
ただし,マークシートに鉛筆で色を塗る作業が必要なので,テキスト冊子になっている模試(電子書籍ではない)を用意し,ちゃんと時間を測って行うようにしましょう。
同じ問題セットを使って構わないので何回か解き直し,必要に応じて本番のイメージトレーニングも行いながら,前章で紹介した「解く技術」を自然と実践できるようになってください。
TOEICのパート別対策を行う際のポイント
ここまでやや駆け足で説明してきましたが,2週間前にすべき対策について,パートごとにここでもう少し詳しくまとめていきましょう!
Part1
音声を聞く前に写真をチェックします。
この時,以下に挙げたような「目立つもの」に注目するのがポイントです↓
- 大きく映った人物の状態や動作
- 人がいない場合は物の状態
人物の動作では,受け身の進行形を表す「be動詞+being」が頻繁に出てきます。
その他,「crate(木箱)」や「awning(日焼け)」などのTOEIC特有の単語に注意を払いましょう。
gala(祭り)みたいな単語なんて,本当に本番に出てくるのかよ
とつべこべ言いながら学んでいても,本当に本番に出てきて驚かされることになるわけです。
2週間の勉強期間では「単語帳を1冊やる」ような網羅的な学習はできません。
そのため,新しく知った単語だけは書き出すようにしてそれらだけは完璧にしておくといったわずかな努力が明暗を分けます。
Part2
出だしの聞き取りが特に大切で,1つのミスを引きずってしまい,次の問題以降に影響を及ぼすことがないように気を付けたいパートです。
Part2のみ選択肢が3問しかないだけに,ひっかけの選択肢が多く用意されています。
そのため,以下に示すような「ひっかけのパターン」を先に学んでしまい,迷ったら,ひっかけではなさそうな選択肢の方をマークするといった,出題者の意図を逆手に取る手法も有効です↓
- 質問文にある聞き取りやすい語(キーワード)を含む選択肢は避ける
- WH系の疑問文では基本,YesやNoの答えは誤り
- YesやNoで答えられる文で,YesやNoで始まらないものが答えの場合もある
- 平叙文が答えになるとき,他2つの選択肢は明らかに不自然な内容となる
こうした作戦は自分なりにで構わないので,問題を解くときは「どのようなタイプに分類される問題」で「どういった選択肢が正解だったのか」を分析しておくと良いでしょう。
先述したように,勉強効率の面からPart2の演習量が増えることが予想されるので,本腰を入れて取り組むことになります。
Part3
先読みが必須なパートです。
Directionsや質問文が読まれている間に,次の問題の質問文を先読みしておきます。
選択肢まで先読みするのは時間的に難しいので必須とはしませんが,時間が余ったらできるだけ目を通してほしいものですし,全部は読めなくてもせめて動詞くらいは見ておくなどの工夫ができるでしょう。
なお,「次の行動」が問われている場合,英文の後半にヒントがあることが多いです。
Part4
Part3と基本的には同じ方針で解いていきますが,設問の順番とヒントの順番が一致することを覚えておきましょう。
文中の表現を別の言葉で言い換えたものが正解になる可能性が高いので,迷ったときは言い換えがある選択肢に賭けてみるのが吉です。
グラフ問題は選択肢を先に見るようにして,そこに出てくる語句と別のXY軸に書かれている語句に注目してリスニングするように心がければ,精神面で多少の余裕が生まれることになるでしょう。
Part5
Part5は選択肢から読み始め,以下の3つにパターン分けします↓
- 読まずに解ける問題
- 判断が必要な問題
- 読んで解く語彙問題
問題が1のパターンであれば,品詞や格に注目すると5秒程度で解けるので,そうやって節約できた時間を2や3のパターンの問題に割り振るのがポイントです。
2にある「判断」を具体的に言えば,動詞の形や接続詞・前置詞の区別などが該当します。

このパートの文法問題は,先述したように,解法パターンを先に身に付けてしまうのが効率的でしょう。
TOEICでは,定番の問題が何度も出題されている事実を忘れないようにしてください。
逆に,細かい文法事項まで頑張って覚えたとしても,出題されないのであれば,限られた時間の使い方としては失敗です(単語と比べて文法事項の暗記は大変です)。
Part6
Part6の半分はPart5と同じ文法問題で,同様の方法論で解くことができます。
一方で,本パート独自の文脈問題があり,前後の文の流れ(文脈)を把握しない限りは解けません。
わざわざ長文で出題されるわけですから,それ相応の理由があるのです。
特に,文を丸ごと1つ選んで入れる問題は,最後まで文章を読まないと答えが導けないことが多く,正答率は低いくせに時間だけかかってしまうという厄介な性質を備えています。
目標スコアによっては捨て問とした方が,総合スコア的に高くなる場合もあるほどです。
Part7
知らなければできない文法問題と違い,時間をかければ正答率が上がるのがPart7です。
そのため,本パートを攻略する上で,Part5や6をどれだけ早く解いてこられたかが重要になってきます。
もうこのこと自体が攻略法だと言ってよいくらいです。
問題自体は,解きやすい問題を確実に正解し,それでいて時間がかかる問題には時間をかけないことがコツで,問題によってはPart6のときと同様,捨て問と割り切ってしまって構いません。
ちなみに,以下のような問題は比較的解きやすいものとされています↓
- 文脈で解くもの
- 意図を聞くもの
- 同義語を選ぶ問題
- 1つの場所を参照すれば解ける問題
逆に,NOT問題(正解でないものはどれか)や英文の意図を問う問題が「時間がかかる問題」に分類されますが,人によってはさほど難しいと感じない方もいるので,自分が苦手とする問題のタイプをあらかじめ把握しておくことも大切だと言えるでしょう。
そのためにも,問題演習を行った後はどのような問題なのかを分析することを忘れないようにしてください。
ちなみに,復習を頑張るのでしたらこのPart7がおすすめです!
長文を解くことで純粋に英語力が高められますし,文章を前から読んでいくスピードが上がれば,Part4のような長いリスニングを行う際にも役立ちます。

まとめ
以上,TOEIC対策を2週間で行う際の勉強法について,基本的な方針と具体的な対策をまとめてきました。
今回紹介した内容を,かける日数の目安とともにまとめると以下のようになります↓
TOEICの2週間勉強法
1~4日目:Part2とPart5対策
5~7日目:解く技術を学ぶ
8~13日目:模試と復習
Part2と5が期間内に終わるようなら,点の取りやすいリスニングセクション全体を対策してみてください。
また,解く技術についてはすべてを身に付けようと気負わず,簡単に実践できそうなものから始めるようにしましょう。
問題内容を分析することを求める技術は上級者向けとなるため,残り2週間の勉強期間では身に付けられないものが多いです。
最後になりましたが,解く技術を短期間で学べる書籍としては以下のようなものがあります↓
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参考書を買いに行く余裕がない方には,今すぐにでも開始できる「スタディサプリ」がおすすめで,その具体的な使い方については以下の記事で詳細にまとめています(今後,再受験する際にも繋がる内容です)↓
TOEICの勉強は「自分の英語力を試したい」などのポジティブな動機があればいくらでも頑張れるものですが,昇進のためだとか受験のために仕方なくといった理由でだと,やる気は大きく下がってしまうように思います。
そのような状態であっても,残り期間が3ヶ月以上あれば,また別の勉強法でもって結構なスコアアップが望めるのですが,わずか2週間だと,あれよあれよと悩んでいる間に時間だけがどんどん経ってしまうものです。
さらに時が経過して残り1週間を切ってしまえば,「いくらなんでも流石にやらなきゃ!」と誰しもが重い腰を上げるようになり,3日前ともなればかなり本気で勉強しようとするもので,そのときの集中力には目を見張るものがあります。
それだけの頑張る力が人間には本来備わっているわけですから,試験の2週間前から同じ力を発揮することも不可能ではないはずです。
是非,一刻も早く対策を開始して,曲がりなりにも頑張ったという自信と共に本番に臨んでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。