TOEICの勉強法ですが,どれくらいの期間が残っているかによって,できる内容は変わってきます。
それこそ,2週間には2週間用の,1ヶ月には1ヶ月用の勉強法が存在するわけで,当サイトにおいても期間別にまとめた記事をこれまでいくつか書いてきましたが,今回紹介するのは,本番まで「3ヶ月」残っているときの勉強法です。
そもそも,TOEICで高スコアを取るためには,
- それ相応の実力を備えること
- その実力をテスト本番で遺憾なく発揮できること
の2つが必要ですが,対策できる期間が長くなるほど,前者の方により多くの時間がかけられるようになります。
逆に,後者の対策にはそこまで時間を要しないため,1~2ヶ月もあれば十分でしょう。
となると,最低でも1ヶ月は実力アップに励むことになりますが,3ヶ月という期間はなかなかに長いものです。
普段の勉強の質にも気を付けるようにしなければ,少しの気のゆるみが積もり積もって,結果に大きなマイナスを生む可能性も十分にあり得ます。
そうならないよう,しっかりと計画を立て,勉強に向かう姿勢については日ごろから気にかけながら勉強していきましょう!
目次
3ヶ月かけてTOEIC対策するときのポイント
3ヶ月という時間を使って,TOEIC対策を行う際のポイントとしては,
- 単語学習
- 全パート対策
- 英文法学習
- 模試演習
の4つを,ほぼすべてが完璧になるまで行うということです。
詳しくは次章以降で1つずつ述べていきますが,単語学習では1冊の単語帳を5周以上はできるでしょうし,パート別対策においては広範囲をカバーしながらも浅い内容になりがちな「総合対策本」を離れて,特定のパートに特化した問題集を使った演習ができます。
模試に関しても,ほぼ最後の1ヶ月間はその実践と復習に専念することとなり,4回分くらいは最低でも消化できるでしょう。
2ヶ月勉強法のときと比べると,時間的に余裕が出てくるため,復習や演習できる回数が増える他,TOEICによく出る英文法を学ぶことまでできるため,総合的な英語力を伸ばすことも可能です。
文法力が伸びることで,純粋にパート5のスコアが上がるのはもちろん,英文を深く読めるようになることで,リーディングパート全般のスコアアップと,さらにはリスニングパートでも文法的なまとまりごとに意味を捉えられるようになり,理解力が高まります。
もちろん,5~6ヶ月以上TOEIC対策ができるというのであれば,テストで求められるレベル以上の英文を読んだり聴いたりすることや,中学や高校で学ぶ英文法を1から総復習することもできるでしょう。
ですが,そうなると今度は無駄に終わる勉強も増えてくることとなり,多少効率が落ちてきます。
ある意味,最もコスパの良いTOEIC対策期間が,今回の「3ヶ月」だと言っても過言ではないでしょう。
しかし,なまじ時間に余裕があるために,やるべき時期にサボってしまったり,気を抜いた勉強法を採用してしまったりすれば,かけた時間の割に成果が出なかったと嘆くことになるでしょうし,何より,やる気面での好調を維持し続けることは常時頭を悩ませる問題になり得ます。
次章から,勉強におけるポイントについて1つ1つみていきますが,平均して毎日2時間の勉強時間を確保できることを前提としていることにご注意ください。
もしも毎日1時間しか学習時間が取れないような場合は,今回の内容を「6ヶ月勉強法」のように読み替えて実行することをおすすめします。
3ヶ月計画における単語学習の注意点
3ヶ月も単語を勉強できるとは言えど,単語帳はTOEICによく出るものをまとめたものを使うようにしましょう。
大学受験に使った単語帳や,高校までの教科書内容を復習するだけでは不十分です。
TOEICの試験で狙われる語句が収録されていたり,文中に出てきやすい意味が強調されていたりする単語帳を使うようにしてください。
現在の英語力によって,覚えるべき単語数は異なりますが,自分の目指すスコアと同じ数を1つ目標にしてみましょう。
600点が目標なら600個の単語を,800点なら800個の単語を暗記するといった感じです。
ただし,それをただ1回やっただけでは身に付くはずもありませんし,時間をかけてなんとか1つの意味を言えただけでは,時間との勝負であるTOEICに太刀打ちできません。
人間は忘れる生き物ですから何回も復習しては思い出し,難しい単語であってもすぐに意味が浮かぶ状態にならなければいけないわけです。
そのためにも,3ヶ月の内,単語学習には2ヶ月を費やすこととし,1冊の単語帳を最低でも5周は繰り返すようにしましょう。
なお,数ある単語帳の中から何を選ぶかについては,それこそ書店のTOEICコーナーに並んでいるものであれば何でも構いません。
完全に好みで選びましょう。
ちなみに,最近の私は音とリズムで学ぶキクタンにハマっています。
勉強法としては,単語帳をパッと開いてすぐに意味が言える状態を目指すわけですから,簡単な単語であっても油断できません。
そもそも,TOEICのリスニングパートでは文字は見えず,音だけを頼りに単語の意味が浮かばなければ対応できないので,例えば,pave(舗装道路)やcurb(縁石),そしてcalendarやbatteryの発音(どちらも第一音節にアクセントがある)についても,しっかりと確認しておいてください。
単語学習の方法については,購入した単語帳ごとにそれ用のやり方があるでしょうが,1日15分かけて100語くらい学べてしまうようなハイペースのものがおすすめです(もちろん,そのペースになるよう,自分なりに使い方を工夫するでも構いません)。
3ヶ月の単語学習での注意点
- 最初の2ヶ月間毎日行う
- 学習時間は1日15分で100語以上進める
- 数にして600~1000語くらいを5周以上
3ヶ月計画におけるパート別対策の注意点
次にTOEICのパート別対策について,この3ヶ月で何ができるか考えてみます。
「パート別対策」と聞いて,みなさんが真っ先に思い浮かべるものは何でしょうか。
それこそ,やや厚めの1冊からなる「総合対策本」的なものが浮かんだ方も多いかもしれません。
1冊にパート1~7までの攻略法がすべて載っている本のことです。
しかし,そういった書物からは,1ヶ月以内に読み終わってしまう程度の広く浅い知識しか得られません。
広いのは結構ですが,2ヶ月以上勉強できる人にとっては,量的にやや物足りないのです。
そのため,パート別に深く狭く学べる「パート別問題集」を複数冊使うのがおすすめで,ある程度のパートごとに分冊になっているものを用意するようにしましょう。
極端な話,TOEICのパートごとに7冊の問題集を用意することになっても,別におかしな話ではありません(とはいえ,パート1だけとかパート6だけを扱う参考書を見たことはありません)。
実際,1冊1冊はそこまでの厚みにならないでしょうし,いくつかのパートはまとまって1冊の形で売られている方が多いと思います。
ですが,それらをすべて積み重ねれば,先に言及した総合対策本の厚みを遥かに凌駕することになるのは明らかで,例えば2ヶ月勉強法のときの量と比べてみると,ここでの勉強量は1.3~1.4倍になるでしょう。
勉強する上での工夫としては,例えばその日の前半にリスニングパートの対策をしたら,後半はリーディングパートの問題集に取りかかるなど,聴くと読むのバランスを考えながら勉強するようにしてください。
3ヶ月のパート別対策での注意点
- 最初の2ヶ月間,毎日行う
- パート別問題集を複数冊用意する
- 聴くと読むのバランスを考えて学ぶ
3ヶ月計画における英文法勉強の注意点
TOEIC対策に3ヶ月間を充てられることの強みとして,英文法の勉強ができることが挙げられます。
さすがに,中学校や高校で使った文法書を1から学び直すだけの時間までは残されていませんが,TOEICによく出る英文法を網羅的に学習することは十分に可能です。
それに,大学受験の英文読解で目にするような分詞構文や省略構文はTOEICに出てこないので,わざわざ学び直す必要はありません。
目標スコアが高いからといって,偏差値60を超えるような大学の過去問を解き直す必要はないのです。
とはいえ,スタート地点での文法力は人によって様々でしょう。
それこそ,学生時代に真剣に英文法を学んできた人であれば,文法書の1つを読み込むことも可能なはずです(先ほどは必要ないと言いましたが,そのレベルの人ともなれば採用する余地があります)。
もし,英文法が苦手であるのであれば伸びしろは大いにあるわけで,あくまで完璧を求めず,やった分だけスコアがアップすると前向きに捉えながら,学んでいきましょう!
コツとしては,ずっと文法だけを学んでしまうことのないように,1日の学習時間の内,まずは単語やパート別対策をやった上で,残った時間を文法に充てるようにすることで,ずっと効率的に学ぶことができます。
3ヶ月の英文法学習での注意点
- 毎日の勉強の残り時間に行う
- できればTOEIC用の文法書を使う
3ヶ月計画における模試演習の注意点
模試を解くことは,たとえ試験まで残り1週間しかなくても必要なくらいに大切なことです。
TOEICは休みなく2時間ぶっ通しの試験であり,模試を解くときも同様に,休みなしで行うようにします。
勉強習慣がない人ほど苦痛だと感じるものなので,最初の1ヶ月目に模試を解くと,実に辛いと感じるはずです。
しかも,TOEICのコツも満足に掴めていない時期ですから,スコアは散々なものとなり,肉体的にも精神的にも疲弊してしまうかもしれません。
しかし,それが2ヶ月目,3ヶ月目ともなると,だんだんと耐えられるようになってきて,前の結果と比べれば,日々の勉強の成果が出てきていることを客観的に把握できるでしょう。
それこそ,期間中の自己採点で目標スコアを超えてしまったような場合には,天にも登るほどの嬉しさがこみ上げてくるものです。
模試を使うタイミングですが,まずはTOEIC勉強を始めたばかりのときに1回目を解き,2ヶ月目のどこかでまた1度解くようにします。
3ヶ月目には単語学習やパート別対策に時間を取られない分,模試は2回以上解くようにして,復習に全力を尽くすようにしましょう。
1~2ヶ月目に学んだことが助けとなって,これまで以上に解説内容を理解できるようになっているはずです。
試験の直前には1ヶ月目や2ヶ月目に使った模試を再度解き直すことで,本番での時間の進み方を体感しておきます。
ポイント
- 1~2ヶ月目は1回ずつ,3ヶ月目には2回行う
- 本番前日には最初使ったものを復習する
- 2時間ぶっ通しで行い,解説までしっかり読む
まとめ
以上がTOEICを3ヶ月かけて勉強するときの方法と注意点です。
1日に120分ほど勉強できると仮定したときのスケジュールをまとめると,以下の通りとなります↓
120分の学習時間の内訳
1ヶ月目:単語学習(20分)+パート別対策(80分)+英文法(20分)+どこかのタイミングで模試を1回
2ヶ月目:単語学習(20分)+パート別対策(80分)+英文法(20分)+どこかのタイミングで模試を1回
3ヶ月目:模試の復習(100分)+英文法(20分)+2週間に1度は模試を解く
直前:模試の解き直し(120分)
毎日,スキマ時間を見つけてはちょこちょこ勉強時間を積み重ねていきますが,模試を解く日に限っては,連続した2時間を費やすことをお忘れなく。
また,3ヶ月目は模試の復習を念入りに行いますが,時間に余裕ができたら,これまでの単語を一気に復習したり,気になるところのパート別対策をやり直してみるなど,これまでの復習に時間を充てるようにします。
最後に,ここまでに挙げていない注意点として「やる気管理の重要性」について触れておくと,3ヶ月という期間は思った以上に色々なことが学べてしまう反面,つい怠けてしまいがちです。
まだ時間があると思うと,つい気の緩みが出てしまうもので,勉強習慣が身に付いていない最初の1ヶ月は,特に気をつけて臨むようにしてください。
3日坊主で終わらないためにも,誰か同じような境遇の仲間を見つけたり,問題集を1冊終えた時にはお祝いするなどして,やる気を高い位置でキープするようにしましょう。
それこそ最近,コーチングスタイルの指導が流行ってきているのは,こうした精神面でのケアが難しいからです。
変な話,私もTOEICのAレベルを超えるためにパーソナルコーチを付けて対策しました。
なお,自分が学ぶべき教材を選ぶための時間については,今回の記事では特に考慮に入れていません。
何の参考書を選んだらよいのか全くわからないような方は,ほぼ全てをアプリ任せで学ぶ方法が参考になるかと思います↓
-
試験まで残り何日?スタディサプリを使ったTOEIC勉強法
今回は「スタディサプリを使った勉強法」と題して,TOEIC本番までの残り日数ごとに,具体的な手順を紹介してみたいと思います。 期間別の勉強法については,すでに他の記事で一般的なものをいくつか紹介してい ...
続きを見る
最後までお読みいただきありがとうございました。