NHKラジオの過去の英語講座が安価で学び放題になるアプリ「ポケット語学」ですが,今回は講座ごとに「TOEIC対策に役立つ効果的な使い方」を紹介してみたいと思います。
せっかくアプリを使って学ぶわけですから,その強みが生かせるように,毎日15分(1レッスン)の勉強だけにとどまらず,できるだけ多くの英語に触れることを優先していきたいものです。
とはいえ,ただ闇雲に進めるだけでは,頑張った割に記憶に定着しません。
そこで,速習を重視しつつも暗記効率を考慮した勉強法を実践することが重要です。
以下では,ポケット語学に含まれる「ラジオ英会話・入門ビジネス英語・実践ビジネス英語」の使い方を中心に見ていきましょう。
以下の勉強法の実行にあたっては,1日で合計して1時間程度のスキマ時間が確保できればOKです。また,以下で挙げている具体的なレッスン数については,今後の追加などで変更される可能性があります。
ポケット語学の基本の進め方
まずは,今回取り上げる3講座に共通する基本の進め方を確認しておきましょう。
公式が勧める使い方とは異なるもので,より実践的な内容になっています↓
基本の進め方
- まずは通しで聴く(「STEP1 会話文で学習する」を使う)
- テストを受けて弱点を確認する(「STEP3 テストを受ける」を使う)
- 解説を読んで内容を理解する(「STEP2 解説を読む」を使う)
- 文ごとに音声を聴き,音読する(STEP1を再度使う)
- 最後にもう一度テストを受ける(STEP3を再度使う)
まず1の「通しで聴く」についてですが,「STEP1 会話文で学習する」の底部にある全体再生ボタンを押したら,英語や日本語のスクリプト(テキスト)を見ないようにするのがコツです。
こうすることで,純粋に現在のリスニング力を試すことができます。
次にSTEP3のテストを解いてみましょう!
このときのポイントは以下の2点です↓
- できなくても気にしない
- 解答を提出する前に再度答えを見直す
解説はあえてまだ読まないようにしてください。
テストは「今の自分がわからないこと」を発見するために利用するので,最初はできなくて当然です。
また,特に最初はスマホでの誤入力が多くなってしまうものなので,解答を提出する前に一通りスペルチェックを行うことをおすすめします。
出来を確認したら,次に「STEP2 解説を読む」をタップしてください。
単語の発音に弱点がある方は,ここで音声解説を聴いても構いませんが,ポケット語学に掲載されたテキスト解説は基本的に,番組内の講師の説明をもれなく書き起こしたものとなっています。
それゆえ,音声で聴こうと文字だけで読もうと,得られる知識に変わりはありません。
速習を優先するのであれば,基本的には文字で読むほうが手早く済みます。
内容を理解したら再度「STEP1」に戻って会話文を聴きますが,今度は一文一文の意味を確認しながら丁寧に行います。
このとき,重要だと思った英文(意味がわからない単語や文法を含んでいる文,速すぎて聞き取りづらかった文や面白い表現など)があれば,お気に入り(ハートマークのアイコン)に登録しておきましょう↓

単語は独立して覚えるよりも,文中に登場する形で文脈ごと覚える方が記憶に残りやすいです。
会話を最初から最後まで通しで一度聴いただけで完璧に理解できるときは稀で,通常はこの後,自分で最初から音読し,意味が瞬時に頭に浮かぶかどうかまでをチェックします。
意味と音をある程度まで理解できたように感じたら,再度テストを解いてみましょう。
その結果,銀メダル以上の評価が得られるようであれば,そのレッスンはしっかり理解できたとみなして次に進んでOKです。
ポケット語学のラジオ英会話の使い方
ラジオ英会話は,英文法をネイティブ視点で理解し直したい方に向いており,TOEIC L&RのPart5(短文穴埋め問題)対策や,英文を前から素早く読む際のスピードアップに直結します。
基本的な進め方は前章で示した通りですが,本講座にのみ「学習のコツ」という項目が存在し,文法の細かい解説があることに気づくはずです(一部発音についても)↓

進め方ですが,初日は各WEEKのレッスン1〜4(まとめテスト以外)を行って学習は終わりとなります。
2日目以降は,前日に残しておいた「まとめテスト」を最初にやって復習してから,新たなレッスン(次のWEEKの1〜4)を初日同様に進めていきましょう。
まとめテストでは,前日に行ったレッスンすべての復習ができ,解き終えた後,間違えた問題については詳しい解説までさかのぼることができて便利です↓

間違えた問題以外にも,どうしてその答えになるのか自信をもって説明できないものがあれば,進んで解説を読むようにしてください。
一応,2日目にやることを確認しておくと,
- WEEK1のまとめテスト
- WEEK2のレッスン1〜4(まとめテスト以外すべて)
となります。
このように進めていくと,1日に費やす勉強時間は毎回1時間程度になるかと思いますが,1年分のレッスンはWEEK48まであるので,50日弱で全てをやり終えることが可能です。
この他,1日のノルマをやり終えて時間が余ったときは,先ほど紹介したお気に入り(フレーズ帳)を開いて,フレーズをちょこちょこ見直すようにします(詳しい復習方法は後述)。
ポケット語学の入門ビジネス英語の使い方
入門ビジネス英語は,仕事で使いやすい表現や,対人コミュニケーションの考え方を学びたい方に向いています。
TOEICのPart3やPart4で頻出するビジネスシーンの背景知識を補強するのにもぴったりです。
語彙がビジネス用のものを中心に選出されているだけでなく,実務で頻繁に出くわすであろうシーンごとに,どういう点に気をつけて話すようにすればよいのかといった方針まで学べるため,応用が利きやすい講座です。
例えば,ビジネスで自己紹介する場面は意外と多いように思われますが,日本語だとよく「宜しくお願いします」などと言いますよね。
ですが,英語では一体それをどのように表現すればよいのでしょうか。
その答えについて知りたい方は,ぜひ入門ビジネス英語を受講してみてください。
短めのレッスンなので,短期間でビジネス英語の基本を押さえやすいのも利点です。
他社の教材やオンライン英会話を使う場合も,本講座を一通り学んでから始めてみることで,よりスムーズに進めることができます。
ところで,本講座は1レッスン学習するのにかかる時間がラジオ英会話よりも少し増え,10~15分となることが多くなります。
さらに,利用者はビジネスパーソンの方が多いでしょうから,平日と休日で時間の使い方が大きく異なることを考慮して,やや特殊なカリキュラムを組むのがおすすめです。
具体的には「3日間で『4つのレッスン+まとめテスト』を1セットとして進める」ことを目標とし,その内訳は,
- 1日目:レッスンを2つ進める
- 2日目:レッスンを2つ進める
- 3日目:まとめテストを行う
とします。
1時間をフルに使えばもう少し詰め込んだスケジュールにすることもできますが,ここではあえて無理はしません。
余裕が生まれる分,会話文の理解により多くの時間を費やすようにして,何度も聴き込んだり音読したりするようにしましょう。
加えて,一度に2レッスンを連続してやるのではなく,通勤中や昼休みなど,別にスキマ時間を設けてはフレッシュな気持ちで取り組み直す方が,良い結果に繋がるように感じています。
理想としてはラジオ英会話の時と同様,「まとめテストをやってから新たなレッスンを4つ進める」ことを1日のノルマとしたいところですが,それを完璧にこなすためには,当初予定していた勉強時間の枠を超え,毎日1時間30分程度の勉強時間が必要になるでしょう。
同時に,内容が盛りだくさんなだけに,理解が追いつかない危険性も高くなります。
たとえ1日2レッスンの学習ペースであっても,1ヶ月も続けられれば1年分に相当する内容を学び終えることが可能です。
ところで,もう1つ別にやってもらいたいこととして,レッスンの解説を読んでいて「これは役立つ」と感じたものがあれば,その画面をスマホのスクリーンショットで保存するようにしてください。
例えば,以下の画像はレッスン1の内容を撮ったものですが,自己紹介では簡潔さを心がけながらも多くの情報を盛り込むように工夫することや,嬉しさや意欲,そして期待を添えるテクニックなど,大変ためになる内容です↓

昔であれば,こういった情報は小さなノートを持ち歩いて書き留める必要があったのですが,今はスクリーンショットで残すだけで十分です。
学び始めた最初の3日間だけでも,
- 相手に好印象を与える自己紹介
- ポジティブな会話の進め方
- お互いの共通点を見出す
- 仕事のやりがいをポジティブに語る
といった方法が登場してきますが,これらの知識は英語に限らず,日常生活での日本語のコミュニケーションにも応用できるように思います。
こうして撮りためたスクリーンショットですが,土日に時間を見つけてどこか別のノートアプリなどにまとめ直すと良い復習になりますし,記憶にも定着しやすくなります。
むしろ,このスクリーンショットの整理と,まとめテストを使った復習作業をしっかりと行うことが重要です。
平日の通勤時にはレッスンを2つ進めることだけに専念し,まとめテスト(2つ分)は土日にまとめてやることにしても構いません。
その場合,初週のスケジュールは,
- 月曜:WEEK1の前半2つのレッスン
- 火曜:WEEK1の後半2つのレッスン
- 水曜:WEEK2の前半2つのレッスン
- 木曜:WEEK2の後半2つのレッスン
- 金曜:予備日(復習など)
- 土日:まとめテスト2回
のようになるでしょう。
このペースでも1年分が約3ヶ月で終了しますし,平日の負担が減る点ではこちらの方が優れています。
予備日は,溜まったお気に入りフレーズを復習する日と決めてしまっても構いません。
ポケット語学の実践ビジネス英語の使い方
3つ目は実践ビジネス英語の使い方ですが,社会的な話題をきっかけにハイレベルなリスニング能力と語彙力を身につけたい方におすすめです。
TOEIC800点以上のハイスコアを目指す方の強力な武器になります。
1レッスンあたり15分以上かかり,要求される英語のレベルも高いため,無理に数をこなすより,1日1レッスンを丁寧に仕上げる使い方の方が合っています。
余った時間は先週までの音源を聴き直す時間に充てるか,後述する特別なトレーニングを行う方針で進めましょう。
とはいえ,元々のラジオ放送では週に3レッスン進めるスケジュールだったため,1日1つ進めるだけでも,進度的には実際の放送の約2倍強のスピードで学んでいることになります。
私の場合,平日の過ごし方は,
- 行きの電車で前日(または先週分)の復習を済ませる
- 帰りの電車で新たなレッスンを行う
といった感じになり,「仕事前に疲れたくない」という理由から,負荷の低い復習作業からまずは行うように工夫していました。
まとめテストや,理解を深めるための特別なトレーニング(後述)は休日を利用して行います。
実践ビジネス英語の進め方ですが,会話文を通しで聴き,テストに臨んだ後,例外的にSTEP1にまた戻って,1文単位で時間をかけて聴き込むようにしてください。
というのも,使われる語彙や文構造のレベルが高いため,1つの文を10回ぐらい聴き直すこともしばしばあるからです↓

ある程度聞き取れるようになったらSTEP2の解説に移り,以降は同じ流れです。
このようなペースで学習していくと,1年分のコンテンツは約半年(168日)で終えることができ,2年分・3年分まで学ぶ気概がある方は,年額プランで契約しても十分に元が取れるはずです。
ポケット語学における復習方法
ポケット語学では速習が可能になる反面,復習が疎かになってしまいがちです。
そこで本章では,復習のタイミングや方法について,いくつかのテクニックとともにまとめてみたいと思います。
まず,何と言ってもポケット語学では「フレーズ帳機能(お気に入り)」が便利です。
先のラジオ英会話の章でも紹介しましたが,これは会話文を1つずつ聴くレッスンで使うことができ,登録した文中のフレーズを後で確認できる機能となります。
あまりに数が増えてしまうと扱いに困りますが,覚えたものとそうでないものとに区別することもできるので,復習する際はこれらをうまく利用しましょう。
最初に未分類のフレーズをチェックし,どんどん各フォルダに振り分けていきます。
そして翌週にでも,未分類または「覚えてない」フレーズを中心に復習することで,効率良く弱点を克服できます。
右上の設定(歯車のマーク)から,文字表示を「英語のみ」「日本語のみ」に変更したり,音声速度やカードのレイアウト(英語と日本語のどちらを先に出すか)を変更したりすることも可能です。
また,入門ビジネス英語の章では「スクリーンショット」の活用について言及しました。
覚えるのに時間がかかりそうな情報のほか,ラジオ英会話でよくわからなかった文法の解説や用語について,生成AIに尋ねて深掘りしてみるのも良い方法です。
アナログで学習する場合は,調べた内容をまとめるノートを別に1冊作ってみてください。
その他,復習に利用できるトレーニングとして,「音読・リピーティング・ロールプレイ・シャドーイング・ディクテーション」が考えられます。
ただし,講座ごとに向き・不向きがあるので,以下の表を練習メニューの参考にしてください(◎=やりやすい,○=できる,△=やりにくいを意味します)↓
| 英会話 | 入門ビジ | 実践ビジ | |
| 音読 | ◎ | ◎ | ◎ |
| リピーティング | ○ | ◎ | △ |
| ロールプレイ | ◎ | ○ | ○ |
| シャドーイング | ◎ | ◎ | ◎ |
| ディクテーション | △ | △ | ◎ |
例えば,ディクテーションをやろうと考えた際,通常であればノートとペンが必要になりますが,実践ビジネス英語講座を素材に使えば,「STEP3 テストを受ける」の一部がディクテーションの問題になっているので,ただスマホの画面をタップ・入力するだけで簡単に行えてしまうわけです。
逆に,実践ビジネス英語では1文がどうしても長くなる傾向にあるため,リピーティング(音声を止めてそっくりそのまま繰り返す練習)は難度が高く不向きとなります。
もちろん,不向きなトレーニングであっても,長い時間をかけて工夫すれば,あらゆる講座でできるようになるでしょう。
しかし,手軽さが魅力の「ポケット語学」なのですから,わざわざ不向きなものに手間をかける必要はないかと思います。
その分,向いているトレーニングに時間を費やしたほうがずっと効率的です。
なお,その他の方法として,トップページにある「スペシャルコース」からもディクテーションなどの問題に挑戦することができます↓

例えば「表現力をみがく」トレーニングでは,英作文の力をアップすることができました。
なお,これまでに挙げたトレーニング方法について詳しく知りたい方は,以下の記事もあわせてお読みください↓
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目的に応じて追加したい2講座
ここまでTOEIC対策に使いやすい3講座を中心に紹介しましたが,目的によっては別の講座も有力候補になります。
例えば,文法理解をもっと土台から固めたい方には「中学生の基礎英語 レベル1・レベル2」がおすすめです。
文構造を無理なく追いやすく,英語の基本を整理し直したい方に向いています。
一方,社会的な話題や教養まで含めて深く学びたい方には「杉田敏の現代ビジネス英語」も有力な候補になります。
英語そのものだけでなく,背景知識や視点の広がりも得やすい講座です。
まとめ
以上,ポケット語学をTOEIC学習に生かす使い方を,3講座を中心に整理しました。
ラジオ英会話は文法理解,入門ビジネス英語は実務で使いやすい表現や考え方,実践ビジネス英語は高負荷のリスニングと内容理解に向いています。
また,文法をさらに土台から見直したい方には中学生の基礎英語,教養や背景知識まで広げたい方には杉田敏の現代ビジネス英語も有力です。
大切なのは,すべての講座を同じように進めることではなく,自分の目的に合った役割で使い分けることです。
どれも過去の放送分が含まれますが,今でも十分に通用する普遍的な内容であり,毎日少しずつ進めるだけでも学習素材としての価値は高いです。
まずは無料体験で,ご自身がどれほどのペースで進められるのかを確認し,1週間やってみてどのくらいの変化があるか実感してみてください。
本アプリの評判や口コミについては,以下の記事をご覧ください↓
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最後までお読みいただき,ありがとうございました。