TOEIC S&W公式ガイドのレビュー!採点基準を理解しよう

今回は,国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)から出版されている「TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト公式ガイド」についてレビューしていきたいと思います。

S&Wテストの全体像が把握できる公式初のガイドブックですので,公開テストを受験される方は是非とも手に入れておきましょう!

なお,公式からはもう1冊,「公式TOEIC Speaking &Writingワークブック(旧:テストの解説と練習問題)」という書籍が出ていますが,そちらはとにかく実践的な形式で問題をたくさん解きたい場合に向いています。

一方,今回レビューする本書を使うことで,採点基準についてより詳しく理解するとともに,実際に試験を受けた人の解答例を自ら分析し,そこで得た知見を自らの学習戦略に役立てていくといった使い分けが可能です。

ワークブックについては以下でレビューしているので,興味がある方は併せてご覧ください↓

テストの解説と練習問題の表紙
S&Wの模試5回分!テストの解説と練習問題の特長

今回は「TOEIC Speaking & Writing公式テストの解説と練習問題」についてレビューさせていただきます。 こちらはETSが作成した予想問題を全部で5回も解けてしまうところが魅力 ...

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TOEIC S&W公式ガイドの概要

S&W公式ガイドの表紙

スピーキングとライティングは,リスニングとリーディングに比べるとずっと能動的な能力にあたり,英語を職場や日常生活で利用している方の実力を測るためにと,TOEIC S&Wテストは開発されました。

そのため,本番のテストにおいては,ビジネスシーンで実際に話すであろう英語やコミュニケーションスキルが評価されることになります。

TOEICテストの種類について語った記事で触れましたが,S&WはiBT(internet-based test)というシステムを採用し,PCとヘッドセットを使って解答するのが特徴です↓

さて,「TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト公式ガイド」が初めて出版されたのは2006年11月だったわけですが,その内容を一部改訂し,2010年の11月に新装版が刊行されました

ところで,両者間で掲載されているサンプル問題や練習テストの内容に変更はなかったので,どちらも変わらず使うことが可能でした。

なお,現在にいたるまでにそこからまた数回の改訂が行われ,公式HPを見ると改訂版が予定されているようですが,スピーキングの描写問題の変更(制限時間と問題数が変わった)と,解決策を提案する問題が無くなった以外,問題自体に大きな変更はありませんので,今回紹介している2010年版でも,現行問題の対策が十分に可能です。

実際,私も2022年8月のテストの対策で本書を使いました。

さてここからは公式ガイドの特徴について述べていきますが,スタジオで録音した音源というよりも,実際の受験者による妙に生々しい解答例が全3枚のCDにたっぷりと収録されていることが挙げられます。

全体のページ数も300ページ以上と多めで,公式という付加価値が加わった関係からか,定価は3080円と市販の参考書よりもやや高めです。

また,見やすさや取りくみやすさを重視した結果か本自体は大きく重たいので,腰を落ち着けて勉強する環境が必要となることに注意しましょう。

後で内容について詳しく述べますが,TOEICの製作元であるETSスタッフが本書の問題を制作しているため,難易度は実際のテストに近く,まず最初に解答例を通して採点方式について理解し,その後,2回分の練習テストで本番形式に慣れるという使い方ができます。

本書の対象者となるレベルですが,TOEIC L&Rで500点以上取れる方であれば誰でもおすすめです。

構成としては,試験の特徴についての簡単な説明があった後,大きく分けて3つの章からなります↓

S&W公式ガイドのもくじ

第1章ではスピーキングテストの問題を内容別に詳しく学び,続く第2章でライティングの問題を題材とし,同じように理解を深めていきましょう!

そして最後の第3章において,いよいよスピーキングとライティング両者の練習テストを解いていくことで完成となります。

 

 

第1章スピーキングテストサンプル問題の詳細

第1章スピーキングテストのサンプル問題の目次

第1章で扱うのはTOEICのスピーキング問題です。

全11問からなりますが,問題のタイプとしては大きく6つに分けられます(現行版は5つです)。

そしてその1つ1つに対し,以下の順番で説明が加えられていくといった流れです↓

  • 問題の概要
  • アドバイス
  • 問題形式
  • 採点ポイント
  • 問題例(AとBの2問)
  • 採点スケール別の解答例と講評

ここでは6つの問題タイプのうち写真描写問題を例に,上の流れを詳しくみていきましょう!

まず問題の概要ですが,設問数や解答時間に加え,課題内容・解答のポイント,そして高スコアを取る秘訣が箇条書きにされています(画像左)↓

写真描写問題の概要とアドバイス

右ページにはアドバイスが載っていて,本番における注意点と家で対策するときの勉強法についての記述を確認することができました。

ページをめくって,今度は問題形式と採点のポイントについてみてみましょう↓

スピーキングテストの問題形式と採点ポイント

スピーキングの章では,付属のCDをかけて実際の音声を確認することができますが,本番でPC画面に表示される文面や対訳が載っているところが親切です。

もっとも,公式HPでサンプル問題を解いたことがある方ならわかるように,上の問題はお馴染みの問題の使いまわしで,この問題に関しては解答例などは提示されません。

右ページにある採点ポイントでは,どういう基準に則って採点が行われるのか再確認することができます。

意外と見過ごしがちな内容ですが,本書においてはこの基準に注目することが大切になってくるわけで,そのころが本書の大きな魅力となっているわけです。

もちろん,上に書かれている基準だけではやや抽象的過ぎて,十分だとは言えません(公式HPにも載っていますし)。

そこで,この後3ページにわたって続く問題例とスケール別の解答例の出番となるわけです。

全部で8人の受験者の解答と点数をスケール別に聞き比べながら,「こういう話し方ができると満点がもらえるのか」と参考にできたり,あるいは「こんなしゃべり方でも2点はもらえるんだ」といった安心を得たりできます

ちなみに,これらの音源は受験者によるもので,音質が粗い分だけリアルに感じられるはずです(現在の日本のテストセンターの録音環境は,本書のものよりも圧倒的に良いです)し,途中で制限時間が来て,ブチっと終わってしまっている人も多数いました(笑)

確かにネイティブ発音ではないですし,完璧な答案なのかすらわからないのですが,実際の受験者の人となりも垣間見え,英語学習の意欲が高まることは間違いないです↓

スピーキングテストの解答・講評例

解答・講評例の合間には「まとめ」といった形で心得のようなものが要約されていました。

これはスケール別についていて,得点の低い解答からも学びを得ることができます。

以下のように明確な目標を提示してもらえると,対策も立てやすくなるのではないでしょうか↓

スピーキングテストでの心得

 

 

第2章ライティングテストサンプル問題の詳細

第2章ライティングテストのサンプル問題の目次

第2章ではライティングテストの問題を題材に学びます。

アドバイスと問題形式の順番が入れ替わってはいるものの,学ぶ手順は基本的に1章のものとほぼ同じです。

ライティングテストの問題タイプは全部で3つ(設問数は8問)と,スピーキング問題よりも少なくなりますが,その分,問題例の紹介が多くなっていてバランスを取っています。

ここでも最初の写真描写問題を例に紹介していきましょう!

問題の概要と形式についてはこのような感じです↓

ライティングテストの概要と問題形式

「非常に長い文や複雑な文を書いても加点されない・スペルミスなどは評価に影響しない」といった但し書きはとても役立つ情報ですね。

市販の参考書を読んでいた方からすると,誤解に結構気づかされることと思います(市販の参考書は難しく書きすぎです)。

本書が最初の1冊という方は,この本を通して実際の問題形式について知っておかなかったら,本番では一体どうなってしまっていたのでしょうか。

きっと実力が発揮されることなく終わっていたでしょうから,想像すると怖すぎます。

アドバイスは具体的で実践的なもので,どうすればよい評価になるのかであったり,どういった対策をすれば本番にうまくつながるのかについて理解できました。

もちろん,採点ポイントもまとめられています↓

ライティングテストのアドバイスと採点ポイント

問題例はこちらはA(1問目)となっていますが,これがFまであるので,本番より1問多い全6問です。

また,Aだけでも実際の解答例が採点スケール3が8人分,スケール2が3人分,スケール1の例が2つありますので,良い答案と悪い答案の両方から多くの秘訣を得ることができます

ライティングテストの解答・講評例

こちらは英文で書かれているので,スピーキングのものより確認しやすかったです。

なお,第2章においては,特にCDを使って音声確認するところは見当たりません。

本番まで時間があまりないような方は,満点または自分が狙うスケールの解答例と,講評例にあるポイントだけ読んで先に進んでしまうのもありです。

 

 

第3章練習テストの詳細

練習テストの目次

第3章はCDを用いながら,実際のS&Wの模試を行うことになります。

CDの収録時間を見てもらうと,準備時間(無音の時間帯)も収録されていますので,こちらでそういった時間を計測する必要はありません↓

CDの各トラックの収録時間

ただし,音読問題などでは,自分の解答を録音する作業が別途必要なので,スマホなどを使って録音してください。

また,旧版を使う方は本番と時間配分などが異なるので,各自調整して行いましょう。

ノンストップで練習テストが流れるので集中して問題を解くことができますし,その後の解答例の音源であったり,解答解説ページで和訳チェックのページを使って,しっかりと解説を読むこともできます↓

練習テストの答え

ETSが選んだ模範解答例ということで,できるだけ多くを吸収してさらに上を目指しましょう!

とはいえ,完璧な答案ではないことと,カラー写真が存在しない問題がある点はマイナス評価です。

 

 

まとめ

以上,TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト公式ガイドのレビューでした。

形式が異なったり,解答の正確度に不安があるなどのデメリットはあるものの,本書を通してさまざまな勉強法について知ることで,TOEICに限らず,英語をうまく話したり書けるようになるための正しい方法について知ることができます

スピーキング1つとってみても,アナウンサーの話す英語を意識的に多く聴くようになったり,英字新聞から短い英文を選び出して何度も音読するだとか,自分の英語を録音し,ネイティブが話す英語とどこが異なるのかチェックするといった習慣が付きました。

是非ともS&Wテストの準備段階において本書を使って学習し,本番に挑んでみてください!

なお,本書で学ぶ前後に,公式のワークブックで学んでおくと相乗効果でより理解が深まるのでおすすめです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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