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公式TOEIC S&Wガイドブックのレビュー!採点基準を学ぼう

今回は,国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)から出版されている「公式TOEIC Speaking & Writingガイドブック(旧TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト公式ガイド)」についてレビューしてみようと思います。

S&Wテストの全体像が把握できる公式初のガイドブックですので,公開テストを受験される方は是非とも手に入れておきましょう!

なお,公式からはもう1冊,「公式TOEIC Speaking &Writingワークブック(旧テストの解説と練習問題)」という書籍が出ていますが,そちらはとにかく実践的な形式で問題をたくさん解きたい場合に向いています。

一方,今回レビューしている本書では,採点基準をより詳しく理解することができるため,実際に試験を受けた人の解答例を自らの視点で分析し,そこで得た知見をオリジナルの学習戦略作成に役立てていくといった使い分けも可能です。

ワークブックについては以下でレビューしているので,興味がある方は併せてご覧ください(ちなみに,どちらか1冊を選ぶというのであれば,私はこちらをおすすめします)↓

TOEIC S&W ワークブックの表紙
公式TOEIC Speaking & Writingワークブックのレビュー

今回は公式から出ている「TOEIC Speaking & Writingワークブック(旧:公式テストの解説と練習問題)」についてレビューしていきます。 こちらはETSが作成した予想問題を全部で ...

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公式TOEIC S&Wガイドブックの概要

公式TOEIC Speaking & Writingガイドブックの表紙

スピーキングとライティング能力は,リスニングやリーディング能力と相関がみられることは確かであるものの,それらと異なる能動的な行為であることから,習得するために別で努力することは必要で,TOEIC S&Wテストは,英語を職場や日常生活で利用している方の実力を測るために開発されました。

そのため,本番のテストにおいては,声を出したり記述式の問題を解くなどして,ビジネスシーンで実際に話すであろう英語やコミュニケーションスキルを示す必要があります。

TOEICテストの種類については,それ用に語った記事で触れましたが,S&WはiBT(internet-based test)というシステムを採用しており,PCとヘッドセットを使って解答するのが大きな特徴です↓

ところで,公式TOEIC Speaking & Writingガイドブックが初めて出版されたのは2006年の11月のことですが,その内容を一部改訂し,2010年の11月,そして2022年の12月に新装版が刊行されました

とはいうものの,これらの間で掲載されているサンプル問題や練習テストの内容にほとんど変更はないことは,公式サイトの方でもアナウンスされており,現行のテストにおいても旧式のものは使用可能です。

値段は安いですし,CDを利用できる(改訂版は音声ダウンロードする)点も,人によっては使いやすいと感じるのではないかと思います。

実際,私も2022年11月のテストの対策に2010年版のものを利用しました。

ただし,スピーキング範囲において,描写問題の変更(制限時間と問題数が変わった)と,解決策を提案する問題が無くなったなどの違いはあるので,不安な方は最新版を買っておくのが無難なのは間違いありませんし,収録問題にわずかな違いもあります。

さて,ここからは本ガイドブックの特徴について述べていきますが,スタジオで録音した音源というよりも,実際の受験者による妙に生々しい解答例がたっぷりと収録されていることが真っ先に挙げられます。

全体のページ数も約300ページと多めで,A4変型判というサイズ感は自宅学習向きで,定価は3080円です。

次章から内容については詳しく述べていきますが,TOEICの製作元であるETSが本書の問題を制作しているため,難易度は実際のテストと変わらりません。

使い方としては,まず最初に解答例を通して採点方式について理解し,その後,2回分の練習テストで本番形式に慣れるといった流れになります。

また,本書を使うことが想定される対象者のレベルですが,TOEIC L&Rで500点以上取れる方であれば誰でもおすすめです。

構成としては,試験の特徴についての簡単な説明があった後,大きく分けて3つの章からなります(以下は2010年版で,ページ数などが現行のものとやや異なります)↓

公式TOEIC S&Wガイドブックのもくじ

第1章ではスピーキングテストの問題を内容別に詳しく学び,続く第2章でライティングの問題を題材とし,同じように理解を深めていきましょう!

そして最後の第3章において,いよいよスピーキングとライティング両者の練習テストを解いていくことで完成となります。

 

 

第1章スピーキングテストサンプル問題の詳細

第1章スピーキングテストのサンプル問題の目次

第1章で扱うのはTOEICのスピーキング問題です。

全11問からなりますが,問題のタイプとしては大きく5つに分けられます(以前は,解決策を提案する問題があって計6つでした)。

そしてその1つ1つに対し,以下の順番で説明が加えられていくといった流れです↓

  • 問題の概要
  • アドバイス
  • 問題形式
  • 採点ポイント
  • 問題例(AとBの2問)
  • 採点スケール別の解答例と講評

ここでは5つの問題タイプのうち,写真描写問題を例に,上の流れを詳しくみていきましょう!

まず問題の概要ですが,設問数や解答時間に加え,課題内容・解答のポイント,そして高スコアを取る秘訣が箇条書きにされています(画像左)↓

写真描写問題の概要とアドバイス

右ページにはアドバイスが載っていて,本番における注意点と家で対策するときの勉強法についての記述を確認することができました。

ページをめくって,今度は問題形式と採点のポイントについてみてみましょう↓

スピーキングテストの問題形式と採点ポイント

スピーキングの章では,付属のCDをかけて実際の音声を確認することができますが,本番でPC画面に表示される文面や対訳が載っているところが親切です。

もっとも,公式HPでサンプル問題を解いたことがある方ならわかるように,上の問題はお馴染みの問題の使いまわしで,この問題に関しては解答例などは提示されません。

右ページにある採点ポイントでは,どういう基準に則って採点が行われるのか再確認することができます。

意外と見過ごしがちな内容ですが,本書においてはこの基準に注目することが大切になってくるわけで,そのころが本書の大きな魅力となっているわけです。

もちろん,上に書かれている基準だけではやや抽象的過ぎて,十分だとは言えません(公式HPにも載っていますし)。

そこで,この後3ページにわたって続く問題例とスケール別の解答例がようやく出番となるわけです。

全部で8人の受験者の解答と点数をスケール別に聞き比べながら,「こういう話し方ができると満点がもらえるのか」と参考にできたり,あるいは「こんなしゃべり方でも2点はもらえるんだ」といった安心を得たりできます

ちなみに,これらの音源は実際の受験者によるもので,本番を受けてみると,自分の解答例を書籍作成などに利用してもよいかと同意を問われることに気が付くでしょう。

聴いた感想ですが,音質が粗い分だけリアルに感じられるはずです(現在の日本のテストセンターの録音環境は,本書のものよりも圧倒的に良いです)し,途中で制限時間が来て,ブチっと終わってしまっている人も多数いました(笑)

確かにネイティブ発音ではないですし,完璧な答案なのかすらわからないのですが,実際の受験者の人となりも垣間見え,英語学習の意欲が高まることは間違いないです↓

スピーキングテストの解答・講評例

日本人の解答と外国人の解答との間に,明らかな違いをも感じ取ることができます。

なお,解答・講評例の合間には「まとめ」といった形で心得のようなものが要約されていました。

これはスケール別についていて,得点の低い解答からも何かしらの学びを得ることができます。

1個人の単なる感想ではなく,公式が書いたという点が重要で,以下のように明確な目標を提示してもらえると,対策が立てやすくなるのではないでしょうか↓

スピーキングテストでの心得

 

 

第2章ライティングテストサンプル問題の詳細

第2章ライティングテストのサンプル問題の目次

第2章ではライティングテストの問題を題材に学びます。

アドバイスと問題形式の順番が入れ替わってはいるものの,学ぶ手順は基本的に1章のものとほぼ共通です。

ライティングテストの問題タイプは全部で3つ(設問数は8問)と,スピーキング問題よりも少なくなりますが,その分,問題例の紹介が多くなっていてバランスが取れています。

ここでも最初の写真描写問題を例に紹介していきましょう!

問題の概要と形式についてはこのような感じです↓

ライティングテストの概要と問題形式

「非常に長い文や複雑な文を書いても加点されない・スペルミスなどは評価に影響しない」といった但し書きはとても役立つ情報ですね。

市販の参考書を読んでいた方からすると,誤解していたことが結構多いということに気づかされることと思われます(市販の参考書は難しく書きすぎです)。

本書が最初の1冊目という方は,この本を通して実際の問題形式について知っておかなかったら,本番では一体どうなってしまっていたのかと,恐ろしく感じることでしょう。

色々な労力を費やすことになるS&Wテストですが,対策次第では実力が発揮されることなく終わりとなることも十分考えられます。

その点,本書のアドバイスは具体的で実践的なもので,どうすればよい評価になるのかであったり,どういった対策をすれば本番にうまくつながるのかについて理解できました。

もちろん,採点ポイントもしっかりまとめられています↓

ライティングテストのアドバイスと採点ポイント

問題例はこちらはA(1問目)となっていますが,これがFまであるので,本番より1問多い全6問です。

また,Aだけでも実際の解答例が採点スケール3が8人分,スケール2が3人分,スケール1の例が2つあるので,良い答案と悪い答案の両方から多くの秘訣を得ることができました

ライティングテストの解答・講評例

こちらは英文で書かれているので,スピーキングのものより確認しやすかったです。

なお,第2章においては,特に音声で確認するところは見当たりません。

本番まで時間があまりないような方は,満点または自分が狙うスケールの解答例と,講評例にあるポイントだけ読んで先に進んでしまうのもありです。

 

 

第3章練習テストの詳細

練習テストの目次

第3章は音声素材を用いながら,実際のS&Wの模試を行うことになります。

今のダウンロードではなくCD時代の収録時間を以下に示しますが,準備時間(無音の時間帯)も収録されていて,こちらでそういった時間を計測する必要はありません↓

音声素材の収録時間

ただし,音読問題などでは,自分の解答を録音する作業が別途必要なので,スマホなどを使って録音するようにしてください。

また,旧版を使う方は本番と時間配分などが異なるので,各自調整して行いましょう。

ノンストップで練習テストが流れるので集中して問題を解くことができますし,その後の解答例の音源であったり,解答解説ページで和訳チェックのページを使って,しっかりと解説を読むこともできます↓

練習テストの答え

ETSが選んだ模範解答例ということで,できるだけ多くを吸収してさらに上を目指しましょう!

とはいえ,完璧な答案ではないことと,カラー写真が存在しない問題がある点はマイナス評価です。

 

 

まとめ

以上,公式TOEIC Speaking & Writingガイドブックのレビューでした。

解答の完璧性にはやや不安が残るものの,本書を通してさまざまな勉強法について知ることで,TOEICに限らず,英語をうまく話したり書けるようになるための正しい方法について知ることができます

また,完璧でない答えの方が普通であることを知ったり,外国人の方が頑張って答えている解答例を聴いたりすることで,不思議と自信を持って本番に臨めるようになることも本書を使うメリットです。

スピーキングの章を終えたときの感想ですが,アナウンサーの話す英語を意識的に多く聴くようになった他,英字新聞から短い英文を選び出して何度も音読するだとか,自分の英語を録音し,ネイティブが話す英語とどこが異なるのかチェックするといった習慣が付きました。

ライティングは形式について学べたことが大きかったですし,本番でもそれに沿って書くことができて役に立ったと感じています。

是非ともS&Wテストの準備段階において本書を使って学習し,本番に挑んでみてください!

なお,本書で学ぶ前後に,冒頭のところで紹介した公式のワークブックを学んでおくと,相乗効果でより理解が深まるのでおすすめです。

また,最新のテスト形式について,2023年以降に変更がなかったかどうか確認することをお忘れなく。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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