Part7速読演習をレビュー!画期的なトレーニングと音声素材がグッド

今回ですが,TOEICの公式による「Part7速読演習」をレビューしていきましょう!

特定のパートに絞った問題集を公式が出すのは珍しく,内容としても,苦手な人が多いパートのわけですから本書で学ぶ価値は高そうです。

果たして本書は,リーディングセクションを最後まで解き切ることができない人の救いとなるのでしょうか。

Part7速読演習とは

Part7速読演習の表紙

TOEICの公式であるETSが作成している問題集は複数あり,テスト形式を学ぶための「公式問題集」が最も有名ですが,他にも,目標スコア別の「500+」や「800+」,リスニングやリーディングに特化した「プラクティス」,さらには語彙力特化の「ボキャブラリーブック」などが知られています↓

そして,今回新しく登場となったのはリーディングセクションのPart7に特化した内容で,本番で実際に出題された問題を題材として,Part7の問題を最後まで解き終えるために必要な速読スキルを身に付けることが可能です。

以下で本書の基本情報について確認しておきましょう↓

名称:公式TOEIC Listening & Reading Part7速読演習

ISBN:978-4-906033-69-0

制作:ETS

発売日:2022年12月6日

音源:ダウンロード(参考:abceedの使い方

Part7速読演習のもくじ

本書は主に3つのチャプターから成っていますが,まず最初に「速読のための基礎トレーニング」があり,返り読みをすることなく,英語の語順のまま日本語に訳すことなく理解するための方法について学びます。

これがリスニングだと,音が発せられると同時に失われていくので,語順通りに理解せざるを得ないのですが,リーディングの場合は文字が残るので,知らない単語があったり,文法的に複雑な文に出会ったりすると,どうしても返り読みしてしまって速度ダウンしてしまうことが起こりがちです。

そうならないための速読スキルですが,eメールや広告といった本番における形式別に練習をどんどん積むことが肝要で,その際に役立つのがChapter2の「文書タイプ別 速読演習」となります。

ここでは同時に,文書ごとの特徴や解答のポイントについても学んでいきましょう!

そして最後のチャプターでは,いよいよPart7の予想問題を解いていくことになりますが,こちらはテスト本番と同じ問題数(全54問)です。

予想問題にたどり着くまでにすでに62問を解いているので,本書1冊でテスト2回分以上の問題(ただしPart7に限る)を解くことができますが,本書に収録されている問題の語数の合計は3万語を超えるということで,多読も同時に行っていることになります。

その他,ダウンロードできる音声にも工夫が施されていますし,別冊になっている付録にはPart7攻略に役立つフレーズが200個ほど厳選されてきているので,実に充実した内容だと言えるでしょう。

音声について,abceedをすでにインストールしている方は,検索窓から「速読演習」と打てばすぐに見つけられます(続けて,無料音声をクリックしてください)。

より詳しい内容について,次章からチャプターごとにみていくことにします。

 

 

速読演習の特徴①速読に必要なスキルが身に付く

チャプター1速読のための基礎トレーニング

本書のChapter1は「速読のための基礎トレーニング」というタイトルですが,具体的に身に付くとされるのは以下の能力です↓

  • 1分あたりに150語を読める
  • Part7を54分ほどで解ける

とはいえ,これらは独立した別々の能力ではなく,1分あたり150語ほどのスピード(WPM=150)で全ての文書を読むことができれば,結果的にPart7は54分で解き切れてしまうことを意味します。

詳しくはChapter1の冒頭部分(Part7の形式を含めて解説されている)または速読のポイント(p。14~15)に書かれている内容をじっくりと読んでみてください。

このチャプターは自分の読む速度を知るところから始まります。

目標となる数字はそれよりも高くなると思いますが,高い壁の方が登った時に高い充実感を得られるというものです。

本書を一通りやり終えてから戻ってきたときのレベルアップを楽しみにしておきましょう!

これから,速度アップのために行っていくのは,以下のトレーニングです↓

  1. スラッシュ読みとイメージ化
  2. 虫食い読み
  3. 日本語先読み

なお,実際はこれ以外に音読のトレーニングも行うことになりますが,それは上の3つのトレーニングと同時並行して行われます。

1のスラッシュ読み(スラッシュリーディング)ですが,ある程度の意味のまとまり(チャンク)ごとにイメージする練習を積み重ねましょう!

日本語による合いの手が入っているところや,イメージすべき内容がかわいらしいイラストで示されているところが,なんだか公式のイメージっぽくなくて新鮮です↓

スラッシュ読みとイメージ化の例

これまで,英語を英語のまま理解することや,次にどんな話題が来るのか予想しながら読む経験のなかった方にとっては,目から鱗が落ちる内容でしょう。

文章の理解度を問う問題を解いた後,音読練習の他,理想となる読解スピードで読み上げた音声を聞くまでがトレーニングです。

続いて,虫食い読みのトレーニングに移りましょう!

これは,未知の語句に出会っても止まったり返り読みをしたりせずに読み進める経験を積むためのものです↓

虫食い読みの例

先述したように,少しでもわからない内容が出てくるとどうしても気になってしまい,他の語句を頼りにその内容を推測したくなってしまう衝動に駆られがちですが,これは大学受験で英語をしっかり学んだ方ほどそうした傾向が強いように思います。

実際,共通テスト(かつてのセンター試験)では,とある単語に下線が引いてあり,「この語句の意味を推測せよ」といった出題があるわけです。

ですが,TOEICではそういった細かな語句の意味を確認するような出題はなく,話の流れを押さえた上で,文書全体の要点が理解できているかどうかを問う問題が出てきます。

私自身,この読み方を身に付けるのに苦労しました。

木を見て森を見ずといったことのないよう,ここで改めて自分の読み方を確認してみてください(復習用に虫食いのないバージョンの文書も収録されています)。

先の3つ目に挙げた「日本語先読みトレーニング」は珍しい内容です。

先に日本語訳を読んだのちに,それを英文にしたものを読むことで,英文理解のスピードや精度が高まり,まるでネイティブになったかのように速読ができてしまいます↓

日本語先読みのやり方

なお,このテクニックについては英字新聞の記事で紹介しており,まず最初に日本語で記事を読み,大体の内容を頭に入れた上で英字新聞を読むことで,難しい語句の意味が推測しやすくなると述べました↓

かなり上級者向けのテクニックですが,このPart7速読演習が目指すところはまさにそのレベルだということなのでしょう。

 

 

速読演習の特徴②実際の形式で練習を積める

前章で紹介した内容は大変充実しているようで,ページ数に直すとわずか21ページの内容にすぎませんでした。

それに対して,Chapter2が占めるページ数は,なんと190ページにも及びます

広告・案内の文書から始まりeメールやオンラインチャット,さらには複数の文書を扱う問題(マルチプルセンテンスの問題)まで,文書タイプごとに5つのステップを通して解き方を学んでいきましょう!

ここではUnit6のオンラインチャットの問題を例に内容をみていきますが,まずは文書を読み,かかった時間を表に書き込みます(ステップ1)。↓

読む速度を記録する表

このとき,要点や状況把握のための問題を解けるようになっているところも良いですね。

続いて,スキミングではないですが,赤い丸で囲まれた補助付きで全体を読み直しましょう(ステップ2)↓

赤丸を使った要点把握のためのステップ

試験本番でもこのような目線で,文書の種類や内容,そして設問文を読んでどのように考えるべきかを確認します。

ステップ3はスラッシュ読みを使った練習です↓

スラッシュ読みを行うステップの例

そしてステップの4で実際の設問を解いていきますが,どうしてその答えにたどり着いたのかという根拠が,解説と同じであるかどうかまで注意してください↓

正解の根拠を学ぶための解説

ページ下部には語注も付いていて,付属の赤シートで意味を隠すことも可能です。

最後のステップ5では,スラッシュ読みや音声を使って,読解の速度アップに努めましょう↓

abceedでunit6を再生した時の様子

時間も測って,最初に読んだステップ1の時に書き込んだタイムと比べてみますが,多くの方は成長の跡が見られたのではないでしょうか。

 

 

速読演習の特徴③模試の他に厳選フレーズも収録

実践テストと別冊付録の様子

最後に仕上げとして,実践テスト(模擬試験)を解きますが,付属のマークシートの他,タイマーを使います。

あくまで57分で解き切ることを目標としてやってきたわけなので,ステップ2で培った時間間隔を大いに発揮させましょう!

解説や語注もしっかりあります。

ただ,こちらの語注は青字で印刷されているので,赤シートが役に立たないところが惜しむべくところでしょうか。

なお,模試を復習する際も,例の理想の速度で読み上げた音声素材が利用できるので,それに合わせて目を動かすことで,スピード感覚を完成させることができます(なお,本書の音声はすべて米国発音ですが,話者によってスピーカーは変わるなど,基本的なところはしっかりしています)。

一方,別冊付録の方は赤字で印刷されているので,赤シートの使用に支障は出ません↓

別冊付録のレイアウト

こちらは形容詞的なフレーズ,副詞的なフレーズ,be動詞の関係するフレーズ,動詞的なフレーズの4つに大きく分かれますが,例文を読んで細かな使い方まで確認しましょう。

チェックボックスを活用したり,日本語を見て英語を言う練習までできるようにすると万全です。

 

 

まとめ

速読演習の裏ページ

以上,TOEIC公式が解説するPart7速読演習の内容についてレビューしてきましたが,新刊として出すのに十分ふさわしい良書でした。

特にChapter1で学んだイメージ化や細かい内容にとらわれない読み方は,Part7攻略の大きな糸口となることが多く,その恩恵はリーディングに限らず,リスニングセクションのスコアにも良い影響を及ぼしてくれるはずです。

全体を通して,読む量は言わずもがな,リスニング素材としてみた際もかなりの量を聞くことになるので,完璧に1冊やり遂げた暁には,かなりの成長が見込めるのではないでしょうか。

私のお気に入りは,理想のスピードで収録された音声素材で,すきま時間(私の場合は散歩時間)に聞くのにちょうどよく,スピーキングの役にも立つことを期待しながら,今日もマスクの下でぼそぼそと音読していきたいと思います。

いずれにせよ,最初に測ったご自身のリーディング速度が,本書で学ぶうちにどこまで早くなるのか,数ヶ月後の結果を楽しみに,しばらくの間,Part7速読演習で学んでみてください↓

なお,私のリーディングスコアは455点ですが,英文を読む速度はおおむね150語/分を超えていて,そうでなかったものも,2回目に計測するとしっかり超えていました。

とはいえ,制限がある中での速読で意味まで理解するのは結構難しく,初見の文章に最初は戸惑ってしまったことは事実です(問題のレベルは本番通りの結構高めです)

ですが,指定された手順に従ってやっていくと,「最初の戸惑いはなんだったのだろうか」と思うほど簡単に読めるようになります。

諦めずに,1つずつ読める文書を増やしていってください。

今回のレビューがみなさまの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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スタディTOEIC®の管理人

TOEIC歴は20年以上になりますが,これまでに試した教材の数は,当サイトで紹介したものだけでも85個以上あります。海外経験はなく,周りに英語を使う環境もないのですが,いつか英語が話せたらいいなくらいの軽い気持ちでのんびりと学び続けてきました。最新スコアはL460 R455 S170 W170です。

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