今回ですが,「ソースネクスト社のTOEIC対策」についてみていきたいと思います。
同社の語学系ラインナップはすべて「ロゼッタストーン」と呼ばれるメソッドを使用しており,すでにビジネス英語について学べるものの記事を書いていますが,TOEIC対策するにあたっては独自のメソッドが採用されていることにも注目すべきです。
例えば,TOEICの攻略法を日本語の解説付きで学ぶことができたり,アルク社が出版している模試や単語帳をアプリ形式で利用することができたりします。
これらは同社の他教材には見られないユニークなものです。
当記事では,概要についてまとめた後,現物を用いて,ソースネクスト社のTOEIC対策を実際に体験していくことにしましょう!
もくじ
ソースネクスト社のTOEIC対策について
ソースネクスト社のTOEIC対策は,
- ロゼッタストーン テスト攻略
- TOEIC対策シリーズ
の2種類に分けられます。
ロゼッタストーンテスト攻略
前者は「ロゼッタストーン」を冠する製品になっていることから,伝統的なメソッドで学ぶことになるものの,以前にレビューした中・上級編や初・中級編などとまったく同じように学ぶことにはなりません↓
それこそ,出題形式はTOEIC本番に似せたものになっていますし,実際,ロゼッタストーン・メソッドが登場するのは,語彙トレーニング編に限られます。
攻略ポイントや練習問題はアルク社が監修したものになっていて,むしろこちらで学ぶ機会の方が多くなるでしょう。
目標スコア別に,500点・650点・800点突破の3コースが利用でき,攻略ポイントの数と収録問題数に差があるものの,料金は同一です。
だからといって,背伸びをして,実力的には捨て問にすべき問題を中心に対策するようでは時間の無駄になってしまうので,現在の実力(保有スコア)から最大100点上のコースを選択するようにしてください。
なお,アルクの教材に魅力を感じる場合は以下の選択肢もあります↓
さて,ソースネクスト社のものは攻略ポイントの数が,500点のものから順に28・37・39項目となっており,収録問題数はそれぞれ2700・3000・3200問です。
1日30分の学習を週に5回行えば,どれも2ヶ月半くらいかかる計算になります。
以下に示したのはレベルごとの攻略ポイントの一部になりますが,ほぼ被りがなく,そのスコアを目標とする学習者に最も役立つ内容が選ばれてきていることに気が付くでしょう↓
左側に位置する攻略ポイントの方が,右側のものよりもTOEICに頻出で応用が利きやすいことは確かです。
TOEIC対策シリーズ
一方,TOEIC対策シリーズで利用できるソフトとしては「キクタン(500・600・800・990の4つ)」と「至高の模試600問」がありますが,至高の模試は上で紹介したテスト攻略シリーズに含まれているものと同一であることにご注意ください。
さらに言えば,キクタンも至高の模試も,内容的には書店で売られている書籍と同じものなのですが,ソースネクスト社が販売しているものは,アプリ化されていることで,音声の再生や自動採点,さらには復習機能が強化されているなど,使いやすさの点で工夫がみられるのが特徴です。
PCからだけでなく,スマホからも利用することができます。
その場合,「ロゼッタストーン・ライブラリー」のアプリをダウンロードしてください。
ちなみに,今回の私は
- ロゼッタストーンテスト攻略800
- キクタン800
を購入しました。
標準価格は前者が5600円,後者は3400円となっていますが,不定期に割引キャンペーンが行われているので,以下のページをチェックしてみてください↓
公式サイト
テスト攻略800のレビュー
まずはテスト攻略シリーズのレビューをしますが,人により勉強時間はそれぞれであるものの,攻略ポイント1つにつき30分かかると見積もっておきましょう。
800点目標のものは39項目あり,1日に1項目を学んでいく感じですが,すべてを一通り学ぶのに20時間程度がかかりました。
基本的な学習の流れは以下の通りです↓
- ウォーミングアップ
- 攻略ポイント学習
- 攻略ポイントエクササイズ
- 本番演習
- 語彙トレーニング
それでは「学習を開始」のボタンを押して始めましょう!

ウォーミングアップ
ウォーミングアップでは,練習問題を数問解いて現在の実力をチェックすることができます↓
TOEICのPart1の内容に似ていますが,本来4問あるはずのところが2問になっていることにお気づきでしょうか。
このようにやや難易度を下げることで,取り組みやすく工夫されていることがわかります。
解説も付けられていて,「A/あ」というマークをクリックすることで,英文と和文の表示切り替えが可能です。
なお,ここで完璧に正解できる必要はなく,こうした問題の解き方を以降のトレーニングを通して学んでいきます。
攻略ポイント学習
続いて,攻略ポイントを学んでいきましょう!
日本語の解説があり,目標スコアに沿った内容になっていることに注目してください↓
800点超えを目指す場合にどのくらいの正解率が必要になるかに加え,TOEIC上級者が聴き取るべき進行形の話も出てくるなど,学習者のレベルに沿ったものになっています。
攻略ポイントエクササイズ
攻略ポイントを理解したら,練習問題を解いて実践してみましょう↓
reachやfaceといった基本動詞が特殊な意味で使われていたり,動作主が書かれずに受動態の進行形を取る形があったりと,こちらも800点以上の学習者にピッタリの内容となっていました。
本番演習
最初にウォーミングアップとして問いたものが,今度は本番同様の出題形式になって再登場してきます。
Part1のものだと問題数が2問から4問になるわけですが,攻略ポイントで学んだことを思い出しながら全問正解を目指しましょう。
ここでは,制限時間を特に意識しながら解くようにしてください。
というのも,これが本番における時間配分の目安となるからです。
ところで,リスニングセクションでは問題なかったものの,長文が出てくるPart7を解く際,スマホの画面が狭いために多少のやりづらさを感じました。
以下はパソコンで表示される画面ですが,スマホで表示されるのは赤で示した部分に限られます↓
とはいえ,TOEIC本番でも問題文は数ページに及びますし,見直しの際には冊子を行き来することが多くなるはずです。
書き込みもできないので,どこにどの情報が書かれていたかを,ある程度記憶しておく必要があることを考えると,長文問題はそもそも学びづらいものなのかもしれません。
むしろ,スマホを使うことで外でも学習できるようになるので,そちらのメリットの方が大きいと言えるでしょう。
すべてを解き終えると,これまでの出来について確認できるため,自分の成長を実感できるはずです。
なお,間違えてしまった問題があるときや解説や和訳を確認したいときは,問題番号をクリックすることで,ウォーミングアップのときと似たページが表示されてきます。
ここでのポイントは,先ほどの攻略ポイントを意識して,解き方のプロセスを自分の口で言うようにすることです。
どうしてその答えに至ったのか,論理的に根拠を述べられる状態を目指しましょう。
語彙トレーニング
語彙トレーニングでは,その日の学習に登場した語彙がまとめて登場してきます。
正解の選択肢以外からの出題もあり,このときはロゼッタストーンメソッドで学ぶことになり,日本語を極力介さずに進んでいくのが特徴です↓
単語や熟語を最もよく表したイラストを選択する以外に,スペルを入力したり,音声を正しく発音したりなど,同じ語彙が様々な形式で出題されることで,より理解を深められます。
crate(木箱)やmezzanine(中2階)など,他教材ではあまり目にしない単語も見られました。
なお,パソコンで学ぶ際にマイクが接続されていないとフリーズしてしまったので,あらかじめマイクを用意しておくか,このトレーニングだけはスマホで学習するなどと工夫してください。
その他の注意点は以下の通りです↓
- 発音は子音を強めにする
- スペル入力では大文字と小文字に注意
- どうしてもわからないときはskipを使う

苦手克服
本ソフトには,以上でみてきた基本的な学習以外に「苦手克服」というメニューがあり,こちらは
- 本番演習編
- 語彙トレーニング編
の2つから成りますが,どちらも既習範囲を復習するものです。
学習が進んでくると,間違えたものがデータとして蓄積し,苦手部分が明確になってきて,例えば,語彙力に関しては以下のようなグラフが作成され,現在の実力がどうであるかが一目でわかります↓
苦手克服を行うタイミングですが,毎日やる必要はなく,私は1日のノルマをやり終えてまだ時間が余っているときにのみ,攻略トレーニング編を見直すことにしています。
一方の本番演習編に関しては,各パートの全項目をやり終えないと利用できないため,次のパートの学習に移る前のタイミングで利用するか,一番最後に総復習として利用するのが現実的です。
ここでの出題方式は,以前の本番演習のところで間違えた問題からの出題にするのか,はたまた完全にランダムな出題にするのかを選択できます。
すでに一度解いたことがある問題とはいえ,出題範囲が広くなると途端に難しくなったように感じられるでしょう。
キクタン800のレビュー
1日に16単語学ぶと10週間で終えられるキクタンですが,書籍版とオンライン版とで収録単語数に変わりはありません。
しかし,音源の再生や重ばる書籍を持ち運びすることがないオンライン版は,ゲーム感覚で学べる他,進捗状況や苦手データが計測されるところが特徴的です。
メニューの数は全部で5つあります↓
- テスト
- マイページ
- 苦手克服
- プレーヤー
- 単語リスト
例によって,個別にみていきましょう!
テスト
上の5つのうち,メインとして使うのは「テスト」で,チャンツテスト・フレーズテスト・センテンステストの3種類から成り,特にチャンツテストが楽しいです。
流れるリズムにノリながら,テンポ良く正解を選んでいきます↓
簡単じゃないかと油断していましたが,全くの誤解でした。
3秒以内に正解を選ばなければならないため,即座に反応できないと時間切れになりやすく,全問正解するのは大変難しかったです。
なお,4語ごとにそれまでの単語を振り返る時間が設けられ,2回目の発音がアメリカ英語からイギリス英語に変わるなどと,書籍版で人気の音源はそのままになっています。
書籍版のレビューは以下を参照してください↓
残り2つのテストは,チャンツほどではないものの,制限時間があるおかげで緊張感をもって取り組めると同時に,自信がない答えは「勘」の部分を押すことで独自フォルダー内に分類され,あとで復習しやすくなります。
これもオンライン版にしか見られない機能です↓
結果的に,同じ16語を3回繰り返すことになり,ほどよい達成感がありました。
マイページ
マイページでは進捗状況を確認し,好みの日付のトレーニングを選択することが可能です。
全10チャプターは70日分の進捗状況から,クリアしたDay数,苦手な単語数,勘で解いた単語数を確認でき,上の画面右にある「i」を押すと正解数が,「>」を押すと実際のトレーニング画面に移動します。
苦手克服
これまでに学んできた単語のうち,間違えたもの(苦手単語)と勘で解いた単語は,単語・フレーズ・センテンスのそれぞれに自動で分類され,それを解き直すことができるのが「苦手克服」です。
上はそのうち,フレーズテストで間違えたものを解き直したときのものですが,このような具合で効率良く弱点を無くしていきましょう!
プレーヤー
キクタンプレイヤーには,全部で1120個ある単語のチャンツとセンテンスの音声が収録されています。
内容は書籍版に付属しているCD-ROMと同じもので,チャンツは先のテストで流れた音声と同じものが収録されているものの,センテンスはアメリカ→カナダ→イギリス→オーストラリア出身の話者が代わる代わる読み上げていくところが特徴です。
同じ文を4回読むのではなく,1文ごとに別の話者に交代するのですが,この工夫により,訛りのある英語に慣れることができます。
右の3本メニューからは,再生する音源を指定できたり,リピートさせるかどうかを変更することも可能です。
特にチャンツは,スマホの画面を見ることなく単語チェックを行う際に利用することができるため,重用するように思われます。
単語リスト
最後は単語リストの紹介です。
キクタンの書籍版には,1つの単語に複数の意味が書かれていることが普通ですが,そうした詳細にまでまとめているぺージが,この単語リストとなります。
書籍版と異なり,発音記号が書かれていませんが,その分,右のスピーカーマークを押すことで実際の発音が確認できるので,デメリットとまでは言えません。
オンライン版の至高の模試のレビュー
最後に,ソースネクスト社版の至高の模試についてみていきましょう!
これは,先述の通り,ロゼッタストーンテスト攻略内に収録されていますが,単独で購入することもできます。
ただし,問題内容は以下の書籍版と変わらないことに注意してください↓
とはいえ,分厚い参考書や音源再生装置を用意する必要なしに,全てがオンライン上で完結してしまう点は大きな違いであると言えるでしょう。
学習内容は上記記事に譲りますが,3回分の模試に加えて3つのコラムがあり,
- TOEICテストの概要
- 3回チャレンジ法
- 必勝TIP
について学ぶことができました。
中身について少し言うと,パートごとの特徴やテクニックに加え,模試を効果的に使う勉強法,さらにTipsではマニアックな知識に出会うことができるはずです↓
オンライン版では,最初にテストデータをダウンロードすることで動作が安定するようになりました。
試験の経過時間は画面上部で自動カウントされ,問題番号をクリックすることで問題の先読みをすることも可能です↓
リーディングセクションの全ての問題を解き終わった後,前のパートに戻りたいときは,上記画像の下部に示した矢印をクリックすることで簡単に行き来できますし,Part7の長文をスマホで解く場合にも,問題を簡単に呼び出しては消せるので,解きづらさは感じませんでした。
マークシートに塗る作業は体験できませんが,その分,自動で採点されたり,タップする動作があったりするので,全体的にかかる時間としては,書籍版とオンライン版とで大差はありません。
解き終わると予想スコアが表示され,パート別の得点率や評価を確認することができました↓
解説は書籍版と同じものを利用できますが,色が付いている分,より見やすいように思います↓
2時間もかかる模試は解くにあたって大きな覚悟が必要になるので,できるだけ簡単に始められる状態を作ることで,精神的なハードルを下げることが可能です。
まとめ
最近はサブスクリプション型の教材が増えましたが,ソースネクスト社のTOEIC対策の魅力は買い切り型となっています。
スマホゲームでもそうですが,終わりが見えないものは,結局いくらかかるのかがわからないところが不安で,かといって,万を超える教材をいきなり買うのに抵抗がある人は少なくないでしょう。
そんなとき,数千円で購入できてしまうソースネクスト社のTOEIC対策ソフトは,真っ先に検討すべきものの1つとなります。
サブスクリプションのものと違って,アップデートによる修正が期待できないところは弱点になりますが,最初にしっかりとしたものを作ってしまえば問題ありません。

今回の記事でみてきたように,本ソフトはアルク社の監修が入っていますし,オンライン販売に長けたソースネクスト社のノウハウだったりロゼッタストーンの学習メソッドだったりも,その完成度の高さに寄与しています。
購入後,万一動かないときには30日間返金してもらえますし,そもそも,PCとスマホの両方で上手くいかない可能性は低いでしょう。
なお,ソースネクスト社で一度何かを購入すると,「追加購入サービスの案内」が来て,安く買えてしまうことがあります。
「メインに加えてキクタンのオンライン版も欲しいけれど,値段がもう少し安かったらなあ」などと思い悩んでいる方は,まず最初にテスト攻略の方を購入し,その後,特別価格の案内が来たらキクタンの購入を検討するなどとしてみてください。
もちろん,初めてソースネクストを利用する方もキャンペーンでお得な利用ができることがあるので,まずは以下のサイトを訪れて確認してみることをおすすめします↓
公式サイト
最後までお読みいただきありがとうございました。