今回は,NHKの「ラジオビジネス英語」で何が学べるのかをまとめます。
本講座は,ビジネスの現場で役立つ英会話,英文メール,そしてインタビューを通じた教養とリスニング力を磨けるのが特徴です。
講師は柴田真一氏で,レベルはCEFRでB2~C1相当です。
放送は週5回,1回15分なので,負担が大きすぎず,忙しい社会人でも続けやすいでしょう。
以下では,講座の概要を確認した上で,学べる内容を3つに分けて紹介していきます。
ラジオビジネス英語とは

NHKのラジオ講座において,2021年3月はひとつの大きな節目となりました。
杉田敏氏による長寿番組であった「実践ビジネス英語」が終了してしまったからです。
同番組は20年以上の歴史があり,大変ハイレベルかつ洗練された内容で,私自身も学生時代からよく聴いていた講座でした。
なお,この大幅な番組改編の背景には,学習指導要領と連動した「NHK英語グランドデザイン」という取り組みがありました。
その後継として,今回紹介する「ラジオビジネス英語」が登場し,2021年3月29日に放送が開始されました。
本講座の担当は,2015年から「入門ビジネス英語」を担当していた柴田真一氏(パートナーはJenny Silver氏から,2026年度はHannah Grace氏など)です。
柴田氏は銀行員として20年にわたりヨーロッパで勤務した経験があり,実務に根ざしたビジネス英語を学べるのが強みです。
ただし,通年で新作が放送されていた前講座と比べると,新作が半年分(いわゆる「半年コース」)となってしまった点は少し残念かもしれません。
大学生であれば,就職前となる4年生の後期に学んでおくだけで十分かもしれませんが,年間を通して新しい内容を学び続けたい方は,別に工夫する必要があります。
それこそ,先述した杉田敏氏による「現代ビジネス英語(現在は季刊ムックとして年4回発売)」を学ぶのも良いですし,スタディサプリのビジネス英語コースで学んでみるのもおすすめです↓
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本講座は,月~水・木・金で役割が分かれており,ビジネス英会話,英文メール,インタビューを通じて学べる構成になっています。
次章から1つずつ,詳しくみていきましょう!
誌面デザインや細かな構成は年度によって変わるため,この記事では内容理解の参考として過去の誌面例を掲載しています。最新の仕様は当年版テキストでご確認ください。
ビジネス英会話を習得できる
月曜日から水曜日までは「ビジネス英会話」について学ぶ回です。
1年で3つのビジネスシーン(大テーマ)を扱い,すぐに使える実用的なフレーズを学ぶことができます。
月ごとに小テーマも設定され,2021年度のものは以下の通りでした↓
ビジネス英語のテーマ例
- 4月:海外拠点との会議をアレンジする
- 5月:マーケティング担当者を採用する
- 6月:アメリカで土地購入の商談をする
- 7月:人事異動の打診を受ける
- 8月:プレゼンテーションの準備をする
- 9月:ジャカルタでプレゼンテーションをする
実際の進め方ですが,まずはタイトルを読んで,レッスンの目的を理解しましょう↓

タイトルの他,Listening Pointにも目を通しておきます。
答え合わせはスキットを聞いた直後に行われます。
ビジネス表現やシャドーイング(Let's Try the Dialogue)に挑戦した後,Words and Phrasesで語彙力を増やしましょう。
pie chart,elaborate,mortgageといった基本レベルの単語から,demeanor,trajectory,be plagued with~のような難度の高い表現まで出てくるため,中上級者を中心に幅広い学びが得られるはずです。
パートナーの方の発音に倣って発音してみましょう。
後で単語帳に入力して復習したい方は,ここでチェックを入れておくと便利です。
Business Phrase of the Dayは私のお気に入りのコーナーですが,実生活で応用が利きやすい表現を詳しく学べます↓

上の回では,worth -ingというフレーズを題材に,「~する価値のある」という意味のworthy ofやvalueといった単語を使った例文が登場してきました。
Alternative Expressionsでは,上で学んだ内容に関連した別表現を学ぶことができます。
最後に,Upgrade your Communication Skillsのコーナーで,コミュニケーションを取るのに必要なスキルを身に付ける練習を行ったら終了です。
自分の意見を通すために,相手の意見を受け止めながら主張を展開する。
今回学んだ「アサーティブな主張をする」という方針は,日本語で会話するときにも役立てられるもののように感じました。
英文メールの書き方を学べる
木曜日は,世界を相手にするビジネスで必須となる「英文メールの書き方」について学ぶことができます。
日本語をそのまま訳しても上手くいかない場面が多いので,英語ならではの表現を身に付けていきましょう。
例えば,以下は毎号掲載されている「表記について」という但し書きですが,これだけでも多くの方の役に立つ内容です↓

実際の学び方ですが,メールでのやり取りを題材としているので,自分からだけでなく相手からの返信もあります。
内容は,月~水に学んだものと多少リンクしているのが特徴です。
まずは,Point to Checkに書かれた重要ポイントを理解してください↓

1通目のメールを読み終えたら,次に進みましょう。
返信メール(画像右)が掲載されていますが,こちらは教養あるネイティブスピーカーが書き上げた英文メールだけに,大変英語らしい内容です↓

Your Turnのコーナーでは,実際に日本語を英語に変える練習ができます。
準備時間は30秒程度ですが,実際に書いてみてください。
最後にStep3として,今回のやり取りを復習し,関連表現を練習するなどしたら終了です。
例えば,テキストオリジナルのコンテンツである「覚えておきたいフレーズ」や,ビジネスでよく目にするカタカナ語(ターンオーバー,ラフ,スケール,アプリシエイトなど)の使い方などを学ぶことができます。
インタビューで教養とリスニング力を鍛えられる
金曜日は,著名人による「インタビュー」を聞きますが,1人に対して複数回に分けて掲載されます。
これまでの内容と比べると高度になっているように感じますが,まずはToday's Listening Pointを確認しましょう。
聴くポイントを絞り込むことで,無目的でダラダラと聞いた場合と比べて,集中できるようになります↓

この時点では,まだ答えが完璧にわからなくても構いません。
インタビューを1度聞き終えたら,Words and Phrasesを確認しますが,このときパートナーの方の解説が入ることがあり,大変ためになります。
その後,再度インタビューを聞きます。
ここで質問に対する答えを用意しておく必要があり,Answer to Listening Pointのコーナーで実際に英語で答えなければなりません。
答え合わせをした後は,Enhance Your Vocabularyで表現の幅を広げたり,インタビューの中からピックアップされた印象的なセリフを学んだりできます。
いわば総仕上げとして,月~木に学んだ内容を高いレベルで行うのが金曜日のインタビューです。
補足教材や連載も充実している
ビジネス英語講座の巻末には,「連載」と称して有用なコンテンツが他にも用意されています。
名前や担当は年度によって変わることがありますが,狙いは,
- リスニング素材
- ライティング課題
- その他(教養やTOEICなど)
となっています。
リスニング素材
年度によって名前は様々ですが,長めの英文と朗読音声の他,複数の問題を有するクイズを解けるコーナーも設けられています↓

2026年度は,
- Heartfelt Reflections and Expressions
です。
音声があるものにはQRコードが付いていて,スマホで読み取ることでリスニングができ,クイズがあるものには解説と全訳があります。
なお,音声のダウンロードは約1年後まで有効となっていました。
英作文課題

「The Writer's Workshop」では,日本語の課題文を訳して応募することができ,表彰制度もある大掛かりなものです。
腕に自信のある方が全国から多く参戦してくることから大変高レベルな争いとなり,結果が出るまで3ヶ月近くかかってしまうことは難点ですが,取り組んだからこそ得られる学びもたくさんあるので,ぜひ挑戦してみてください。
また,提出をしない場合であっても,3ヶ月前の課題に対する最優秀答案が掲載されているので,そちらとその解説を通して,英作文に対する多くの学びが可能です。
以下は,解説の一部ですが,レベルの高さが感じ取れるように思います↓

実際は,このレベルの解説が5ページ程度にわたって続くことになるので,圧巻の情報量です。
その他
2026年度からは,人気作家の望月麻衣氏が世界中の美術品や建築の魅力を語るエッセイ『空想美術館』がスタートしており,ビジネスパーソンに役立つ教養を身につけられる注目のコーナーとなっています。
一方,2021年度~2025年度はTOEICのスコアアップのために,単語や文法,読解について学べるドリルが付いていました↓

こちらのコーナーを担当してきたのは,早川幸治氏や株式会社メディアビーコンで,彼らが制作したTOEIC対策本にお世話になった方も少なくないでしょう。
まとめ
2026年度からの放送情報
NHK FM:月~金 23時20分~23時35分
※2026年3月末のNHKラジオ第2放送の終了に伴い,2026年度からはFM放送へ完全移行しています。
ラジオビジネス英語は,英会話,英文メール,そしてインタビューを通じた教養とリスニング力をまとめて鍛えられる講座です。
ちなみに,私はリアルタイムで聴く場合は,ニュースで学ぶ「現代英語」も連続で受講するようにしています(2026年度から同番組もFMへ移行し,23時35分から連続して放送されるようになりました)↓
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今では当たり前になっていますが,このサービスが登場したことによって,テープで録音するしかなかった時代よりもはるかに使い勝手が向上しました。
自分の目的に合わせて,テキスト,アプリ,音声教材を使い分けながら取り組んでみてください。
とはいえ,本番組は実質的に半年コースなだけに,空いた期間はそれまでのラジオ講座を復習してみたり,新しいラジオ番組やスタディサプリで学んでみたりしてください。
その他,ポケット語学を使うと,過去のNHKラジオ講座をアーカイブ形式で一気に通しで聞くこともできます。
今は昔と比べて様々な選択肢が用意されているので,色々試しているうちに,自分に合う勉強法が見つかるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。