当記事では「ロゼッタストーンでビジネス英語を学んだときの様子」を紹介しています。
以下の記事で紹介しているように,ロゼッタストーンシリーズでは,ドラマに出てくる英語やTOEIC対策に焦点を当てたものもありますが,今回はビジネス編のVol.1~Vol.3を取り上げ,習得できるシチュエーションやトレーニング内容,そして出てくる英文の難易度を中心にみていくことにします↓
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注意ポイント
ソースネクスト社で販売されていた「ロゼッタストーン」シリーズおよび「TOEIC対策シリーズ」は,2026年2月12日に販売終了,2027年2月12日にサポート・サービス提供終了と案内されています。
ビジネスVol.1~Vol.3も対象で,同日以降は購入済みのソフトも起動できなくなるので,これからビジネス英語学習を始める方は,最新の傾向に対応している以下のアプリ・サービスが代わりとしておすすめです↓
当記事は,既に販売終了したロゼッタストーン(ビジネス編)がどのような教材だったのかを,実体験ベースで記録したレビュー記事です。販売当時のトレーニング内容や難易度は参考になる一方,現在は新規購入できないため,代替サービスもあわせて紹介します。
ロゼッタストーン(ビジネス編)はどんな教材だったか
ロゼッタストーンを用いてビジネス英語を学ぼうと思ったら,中上級編(ビジネス編)を使うのが基本でした。
こちらは,ソースネクスト版ロゼッタストーンの中上級者向けラインで,日本限定のラインナップとされていました。
姉妹編として,初中級編が知られており,こちらは日本以外の国でも販売されていて,ビジネス編の前段階として導入することも可能でした。
もっとも,出てくる英語のレベルは初中級編が1~5であるのに対し,ビジネス編も1~6であるため,後者で基礎を学べないわけではありません。
内容については後述しますが,このビジネス編では,複雑なニュアンスを含む表現やプレゼン,電話応対などを練習対象として扱っていました。
本教材の構成ですが,全3巻は計18ユニットからなり,各ユニットごとにテーマが1つ決まっている他,先に進んでいくほど難しくなっていくので,徐々にレベルアップしていくことが可能でした。
ユニットごとのテーマは以下の通りです↓
- 身近な事項を説明(同僚や仕事,開発商品など)
- 相手に確認する(近況や相手の予定について)
- 共同で作業する(備品の修理,出張目的など)
- 交渉する
- 報告と分析
- 現状と展望を示す(海外勤務や市場変化など)
- 基礎的な発信(話を止める・考えを説明する)
- 状況説明と提案
- 社内コミュニケーション(会議や電話の取り次ぎ)
- ソーシャルスキル(交渉を切り上げる・接待する)
- 意思を伝える(同意する・断る・褒めるなど)
- プレゼンに挑戦
- 基礎コミュニケーション(飲みに誘うなど)
- プレゼンを仕切る(本題を説明する・まとめる)
- 会議を行う
- 電話対応
- 交渉を進める
- 接待を行う
どれもビジネスで十分に起こり得るシチュエーションで,挨拶や礼儀といった末端部が省かれているため,学びたい内容に集中することが可能でした(挨拶などは初中級編で扱います)。
構成について補足すると,3つのユニットを進めるごとに英文レベルが1つ上がり,各ユニットに含まれるレッスン数は5つです↓

1日1レッスンを学習し,1週間に1ユニットを終えるのが学習進度の目安でした。
なお,ビジネス編はダウンロード版のデジタルコンテンツで,教材は送付されてきません。
購入した後,登録したメールアドレスに送られてくるシリアル番号を入力するだけで,即座に使い始めることが可能でした。
それでは,トレーニング内容からみていきましょう!
ロゼッタストーン(ビジネス編)のトレーニング内容
ロゼッタストーンの1つのレッスンに含まれるトレーニング内容ですが,全部で8つ(コアレッスン・発音・語彙・文法・ライティング・リスニング・会話・復習)でした↓

「レッスンを今すぐ開始」というところをクリックし,後は提示されたものをこなしていきますが,私はとりあえず復習のトレーニングまでやり終えてから,出来が悪かった部分(特にコアレッスン)をやり直すように工夫していました。
以下で一つひとつみていきましょう!
コアレッスン
ロゼッタストーン独自のメソッドは,母語をなるべく介さないことです。
ゆえに,問題を解いている最中は,なるべく英語とイメージだけで考えるようにしました。
早速,コアレッスンでそれを実感することになりますが,そのレッスンで扱う基本的な英文が登場し,問題数は15問と最大でした。
初回だと,単語の意味や正解がどれだかわからないかもしれません。
その場合,画面下にある「>」を押してスキップしますが,画面最下部にある「辞書」や「サポート表示」といったヒントを使ってみるのもおすすめでした。
辞書のマークをクリックすると,これまでに出てきた単語が自動で抽出され,このように意味を確認できます↓

一方,サポート表示を使うと,日本語の全訳表示に切り替えたり答えを表示させたりすることが可能でした。
余談ですが,一番右にあるのはスコアボードで,ここからは自分がどの問題を間違えたかが一目でわかるため,復習の際に重宝していました↓

発音

このトレーニングでは音声が流れるので,それを真似して発音しました。
発音はAIによって判定され,ある程度の基準を超えると正解になり,上の画像にあるマイク周りのゲージが正答率を示していて,100点満点だと全部が緑色に,不合格の場合は橙色で表記されました。
なお,難しくて先に進めないようであれば,右上のメニュー(3つの点の部分)のところから難易度を下げてみることが可能でした↓

易しくするほど,不正解と判定される基準が緩くなっていきます。
一方で,最大の難易度で挑戦したときに,LやRの違いのような微妙なもの(例:lawとraw)や複数形のsや冠詞の有無が判定されないことがありました。
1語1語を正しく発音せず,脱落などの音声変化を交えながら流暢に発音してみても正解になったので,ある程度の余裕を持たせているようでした。
語彙

語彙のトレーニングでは,聞いた音声を頼りに,それを最もよく表しているイラストを選んだり,逆にイラストにふさわしい英文や単語を選んだりしました。
中には判断が付きづらいものもありますが,「よりふさわしいもの」を探すように心がけました。
よくみると,何かしらのヒントが与えられていることが多く,あまりに紛らわしいものには単語の意味が日本語で書かれていることもありました。
なお,単語をイメージで覚えるという学習法は,通常の単語帳を使っていては味わえない,まさにロゼッタストーンならではのものでした。
海外で生活してみると,音とイメージを結びつける必要性に迫られるので,大変実践的な練習であると言えるでしょう。
文法

文法トレーニングは,空欄に適する語を選ぶ形式でした。
その他,音声を基にイラストを選ぶような問題も見られましたが,こういった「その他に属するような問題」は合いの手的な位置づけなのかもしれません。
飽きがこない工夫と言いますか,複数の視点で学ぶことによって理解も深まるというものです。
レベル1の難易度では簡単と感じるでしょうが,レベルが高くなると段々難しくなっていきました。
ライティング

ライティングは,英語の音声を聞いて,それをタイピングするトレーニングでした。
今では,CBT(コンピュータを操作して回答する方式)を採用するテストも増えていますし,紙に鉛筆で書く場合とタイピングする場合とで,覚えやすさにほとんど違いを感じません。
固有名詞を書き取るのが難しかったですが,文末のピリオドやクエスチョンマークなどの付け忘れに気を付けながら頑張りました。
リスニング

まったくアルファベットを介さず,音だけで正解のイラストを選ぶのがリスニングトレーニングでした。
とはいえ,出題内容はこれまでに学んだものなので,必要に応じてスピーカーのマークを押して何度も聴き直して,正解を選ぶようにしました。
会話

会話トレーニングは,英文の流れに合った会話を完成させる形式でした。
これまでに学んだものからの出題が基本となり,自分で新しいものを創る必要がなく,流れた英文を繰り返せばよいのでそこまで難しくありませんでした。
とはいえ,たまに空欄だけ表示されて返答を言わないといけない問題があり,1回目は正解できなくても,何度か繰り返していると正解できるようになりました。
復習
復習のところでは,コアレッスンを除いたこれまでの6つのトレーニングから1つずつ出題されました。
その日の内容を簡単に確認できるので,全問正解を目指して取り組みました。
さて,このようなレッスンを平日に1つ(約30分くらいかかります)のペースでやっていくと,3巻全部が18週間で終わる計算となるので,4ヶ月ちょっとのボリュームでした。
値段を考えると,それだけの期間学べるのであれば値ごろ感がありますし,かなりの数の反復練習を行うことになるため,学んだものが記憶に残りやすく感じられたものです。
ロゼッタストーン(ビジネス編)の難易度

前章の内容は,最も簡単なレベル1のレッスンから取ってきたものでした。
なので本章では,ロゼッタストーンの中上級編で扱う英文を,各レベルごとに3文ずつ抜粋することにします。
これらを比較することで,レベルごとの難易度の差を実感してみてください。
レベル1
- The company has lots of information.
- You seem to want to change the subject.
- Yes. But let's not check all the shelves today.
レベル1は中学1年生がやるような文法事項から始まるものの,すぐに一般動詞や助動詞,さらには命令文が出現してくるので,なかなかに進度は早かったです。
なお,上の3つ目の文では「not~all(すべてが~ではない)」という,やや難しめの「部分否定」が使われています。
レベル2
- We agreed to renegotiate the contract the other day.
- I will explain my ongoing project to my boss today.
- This is an age when we have to be more sensitive to change in the market.
レベル2となると,文法的には不定詞や動名詞そして過去分詞に,関係代名詞やThere構文などが登場してくる他,英文自体も長くなってきました。
また,よくみると,どこかしらに難しい単語(上の例だとrenegotiateやongoingなど)が含まれており,日本の参考書にはあまり載っていないような英文が新鮮に感じられたものです。
レベル3
- Excuse me, but did you say the deadline was June 8?
- We have to put the product on sale without delay.
- Let's wait for another five minutes until everyone's here.
レベル3の文では現在完了形,前置詞などの文法事項が加わりますが,これまでに出てきた文法を用いた英文も登場してきました。
ここまでで大体2ヶ月くらい経っていましたが,適度に復習をしつつ,新しい内容も増やしていけるところが効率的でした。
レベル4
- Dick can always think of something diplomatic to say.
- Please give me your honest opinion.
- We must apologize for the slight delay in replying.
レベル4はさらに語彙レベルが高くなり,例えば,上のdiplomaticは「如才ない;気の利いた」という意味です。
2文目のhonestや3文目のslightなど,ちょっとした単語が加わることによって,より英文が生き生きとしてくることがわかります。
会話文は,より流れを意識させるものに変わり,良いタイミングで会話に参加することができるようになってきました。
レベル5
- It's been a long day, hasn't it, Tom? Let's unwind.
- Inexperienced investors have a tendency to sell when they should buy.
- We're short on staff and overworked.
レベル5ですが,文章構造を理解していないと解けないような文法問題が増えてきたほか,語彙もだいぶ難しくなっています。
全ての文を完全にものにするのは難しいですが,学ぶほどに自分のビジネス英語が洗練されてきたように感じられたものです。
レベル6
- Tighter regulations and guidelines followed the bribery scandal.
- I wonder if there will be some way to compromise on this issue.
- It's impacting my company negatively, but it's a bonanza for Japanese firms.
4ヶ月目ほど学ぶと,レベル6相当の英文や語彙に触れられる構成でした。
文法内容はこれまでに学んだものでも,語彙や文構造などがより高度になっていて,「これほどの内容をスラッと話せたら良いなあ」と向上心が刺激されたものです。
中学英語だけで英会話の7割くらいをカバーできると聞くこともありますが,レベル6の英文をみると,高校レベル以上の文法やビジネスで使える語彙力の重要性を実感できました。
まとめ
ここまで,ロゼッタストーンビジネス編の教材構成やトレーニング内容を中心に,最後は学ぶ英文の難易度の違いについてもみてきました。
ロゼッタストーンのトレーニングには発音やタイピング作業を必要とする問題がみられたものの,面白いスキットやBGM,それに講義動画は存在しませんでした。
問題量は多めで,どちらかといえば反復練習を重ねていく設計でした。
スマホを使って学べるので決して詰まらない内容ではありませんが,1日1レッスンをこなすのが徐々に辛くなってくる人が出てきてもおかしくありません。
とはいえ,レベル6の英文をみるとわかるように,最終的な着地点はかなり高いところになりますし,達成感もありました。
ただし,かつては数千円の買い切り型として非常に魅力的だったロゼッタストーンは,残念ながら現在販売終了となり,2027年には起動もできなくなってしまいます。
今後は,最新の傾向に合わせてアップデートされる「Z会のAsteria for Business」や「スタディサプリENGLISH ビジネス英語コース」などを,ビジネス英語学習の有力候補として検討するとよいでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。