以前「金のフレーズ」についてレビューしましたが,今回はより基礎的な単語を扱う「出る単特急 銀のフレーズ」という単語帳をレビューしていきたいと思います。
とはいえ,一言で「基礎」と言っても,扱う単語のレベルが簡単なものであったり,または使い勝手が初心者的にありがたいもの,さらには解説がより丁寧なものなど色々種類があるものです。
ちょうど手元に2冊ともありますので,銀フレと金フレを比較しながらみていくことにしましょう!
銀のフレーズの特徴
- 名称:TOEIC L&R TEST出る単特急 銀のフレーズ
- 著者:TEX加藤
- 価格:890円+税
- ページ:276ページ
- 出版年:2018年2月
- 音声:ダウンロード
スマホの場合,以下のアプリをダウンロードするようにしてください↓↓
本書は現時点でTOEICスコアが300~500の読者を想定しており,目標は600点となります。
もちろん,1冊やり終えたらいきなり900点以上をパッと取れてしまうような単語帳があればよいのですが,小学生に高校の授業をしても理解できないように,段階を踏んでステップアップしていくことこそがTOEIC学習の最短ルートです。
特にこの「銀のフレーズ」には本番によく出る基本単語が収録されているので,単語の意味を理解するだけでなく,単語を見てから意味が頭に浮かぶまでの時間を短くすることで問題を解くスピードが上がり,結果的にパート1から7に至るまでの全体的なスコアアップが期待できます。
TOEICをこれまでに受験したことがない方や中学英語からやり直そうと思っている方は,銀フレから始めるのがおすすめです。
収録語数としては金フレ同様こちらも1,000語程度で,そのデータベースとして,
- 中学校の教科書
- TOEIC公式教材
- 著者が受験したときの独自データ
- 金のフレーズの掲載語
が用いられています。
中学英語は学力の土台となりますし,公式教材で使われている単語はTOEICの開発元が「これが公開テストで出す単語だよ」と教えてくれているようなものです。
加えて,著者のTEX加藤氏が100回の受験を通して書き留めたという独自データは,まさに実際の公開テストの難易度を最もよく反映したものであることに疑いはありません。
ただし,最後の1つについては疑問を持った方も多いと思われます。
実は先に紹介した「金のフレーズ」から,重要度が高いとされる500語近くが,本書においても再収録されているからです。
「これでは,金のフレーズとほとんど変わりないのでは」と正直私も思いました。
しかし,単語自体は同じであるものの挙げられているフレーズが異なっているため,銀と金で2種類のフレーズを通して学ぶことで,重要語の根本的な意味がより掴めるのではないかと期待しています。
ちなみにですが,知識として吸収する際,1つのものを多角的に学ぶことは理解度を高め,より忘れにくくなることはよく知られていることです。
思い出となり得る,できるだけ強烈なエピソードと一緒に単語を覚えることは,単語だと印象的な例文やフレーズとともに覚えることを意味します。
それでは次章で,金フレとの違いについてまとめてみましょう。
銀フレと金フレの比較
さて,銀と金のフレーズを比較してみると,以下の表にまとめたような違いがあります↓↓
銀のフレーズ | 金のフレーズ | |
収録語数 | 重要語を1,000語 | 発展語含む1,000語 |
目標スコア | 600点 | 990点 |
対象者 | 初心者~500点 | 500点以上 |
類似点 | 価格(890円+税)・レイアウト(音声DLや赤シートなど含む) |
仕様については,レイアウトから定価にいたるまでの多くが共通で,違いとなるのはほとんど内容面でした。
実際に使ってみるとわかりますが,より丁寧な解説であったり,基本語の収録が多いと感じるのが銀のフレーズですね。
目次の比較についてはこのようになります↓↓
左が銀,右が金のフレーズのもくじです。
題名の付け方に違いはあるものの,どちらも難易度の低いものから高いものへとステップアップしていく順番になっているところは変わりません。
なお,メインコンテンツの合間にあるSupplementでは,「設問に出る単語・表現(いわゆるパートごとの指示に出てくる語句の意味をまとめたもの)」や「注意すべき日常単語(家電や日用品などの単語とその和訳)」が銀のフレーズにのみ追加されていたり,同名の補足でも内容に違いがみられます。
例えば「前置詞・接続詞・接続副詞」においては,銀のフレーズの方が基本語の収録が多かった印象です↓↓
右側の金のフレーズは,中上級者ならばわかっているであろう部分を省き(during・throughout・withoutなど),より高得点を取るのに特化しているとも言えるでしょう。
とはいえ「部署・職業名」のように,収録語にほとんど違いがないものもありましたので,私のように両方の単語帳を持っているとやや損している印象も受けます。
銀のフレーズの勉強法について
最後に銀のフレーズの使い勝手についてみていきましょう!
まず特徴的だったのは,勉強法についてのページがあったことです。
これは中上級者を対象とした金のフレーズにはなかったもので,どのようなペースで学んでいけばよいのかわからない初心者の方の目には大変ありがたいものに映るでしょう。
勉強法について簡単にまとめると,
- 週に100語ずつ覚えることを基本とする
- 毎日100語に触れるが,同じ週であれば翌日も同じ100語を扱う
- 最初の5日は左ページを読むことに専念する
- 残りの2日は,赤シートで右の日本語部分を隠してチェック
- 次週も1~4の作業を繰り返し,加えて先週分の音声を通しで聴く
といったものです。
実際のページで上記勉強法を確認してみましょう。
最初の5日ですが,左ページにある日本語とフレーズのみを学んでいきます↓↓
1日分のノルマ100語というのは,上記の見開きだけで10語あるので,これを10回めくったほどの量です。
コツとしては,あまり欲張らず,左ページの内容だけにとにかく目を通し,さっさと終えてしまうことでしょう。
右の単語訳は6日目と7日目に確認しますが,さらにその横に書かれた解説については余裕があったら読むくらいのスタンスでよいと思います。
結果として,このサイクルを約2ヶ月(10週間)繰り返すことができれば,ほとんどの見出し語が覚えられてしまうとのことです。
上に挙げた10語は最も易しい「基礎の400語」に属するものでしたので,残りの難易度の単語についても紹介しておきましょう。
「頻出の300語」の例がこちら↓↓
これがさらに「必須の200語」になると,また難度が高まります↓↓
そして「発展の100語」ともなれば,かなり難しいと感じる方も出てくるのではないでしょうか↓↓
まとめ
以上,TEX加藤氏による「TOEIC L&R TEST出る単特急 銀のフレーズ」についてのレビューを,金のフレーズと比較しながらみてきました。
TOEICのスコアとしては,日本人の平均点について以下の記事にまとめましたが,やはり600点というのは超えたい1つの壁です↓↓
先述した通り,基礎的な語彙力というのは,すぐにスコアとなって目にみえてくる類のものではなく,身に付けると知らず知らずのうちにじわっと全体的に効いてくるものです。
基礎と応用どちらの単語帳を買おうか悩むレベルであれば,まずはこの銀のフレーズから始めることを強くおすすめします。
先ほど紹介した勉強法に従って,学習を習慣化されてしまえば,他の単語帳を用いて学習する際もきっと応用できるはずです。
1つだけ気になるのは,1日100語を学ぶというところで,こればっかりはどんなに手を抜いてやったとしても,勉強習慣が身に付いていない方にとってはかなりつらい経験になるかと思います。
スタディサプリENGLISHの「TEPPAN英単語」のように,スマホのアプリでパッと学ぶ方が合う方もいらっしゃるかと思いますので,お好みでいくつか試してみてください↓↓
銀のフレーズは以下のサイトで購入可能です↓↓
ぜひ,みなさまが目標スコアを突破できることを祈っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。