今回は,関正生先生の数あるTOEIC対策本の中から「世界一わかりやすいTOEICテストの英単語」を取り上げ,詳細にレビューしていきたいと思います。

スタディサプリでは「神講師」として人気を博す関先生ですが,豊富な知識とわかりやすい解説は,本書においても健在です。
それではまず,本書の基本的なデータからみていくことにしましょう!
もくじ
世界一わかりやすいTOEICテストの英単語とは
基本情報
名称:世界一わかりやすいTOEIC®テストの英単語
著者:関正生(英文監修はカール・ロズボルド)
出版社:KADOKAWA
価格:1650円
ページ数:351ページ
目標スコア:600~800点
音声:ダウンロード可能
分厚さを感じる本書ですが,19cm×14cmというサイズ感は大きいと感じるほどではありません。
音声は専用のURLからMP3形式でダウンロード可能で,アプリなどを別にインストール必要はありませんが,スマホの場合はabceedを使って無料で聴くのが便利でしょう。
なお,関正生先生の「世界一わかりやすいシリーズ」は,TOEIC用に限っても他に何冊も出ていますが,本書はパート別対策ではなく単語帳です↓
英文を監修しているのはアメリカ出身のロズボルド氏で,日本在住歴が長く,もちろんTOEICスコアは990点満点で,日本企業を相手にビジネス英語を教えているその道のプロの方となります。
実力者によるネイティブチェックが入っているので,登場する英文は高品質です。
収録単語数は「804語」と普通ですが,1つの語句当たりの解説量が多いです。
後述しますが,各単語に1つの「キラーフレーズ」が載っており,頻出表現であるだけに公開テストでの的中率が高く,解説は関先生が教室で語るような独自内容のものばかりで,読んでいて楽しく参考になります。
ここで本書の3大特徴をまとめておきましょう↓
- 覚えやすく工夫されている
- 同じ表現が本番で出題されやすい
- 本質を理解できてスコアが上がる
構成ですが,本編に入る前に使い方の説明などがあった後,「Unit」と呼ばれるまとまりごとに,様々な単語を学んでいきます。
Unitは数にして全部で16です↓
最初の2つはTOEICにおける重要語句や頻出語をテーマに扱ったものですが,他のUnitよりも解説は詳しくなっている他,Unit9では品詞によって意味の変わる単語が,最後のUnitではinadvertentlyやhecticといった難単語がまとめられています。
このように,Unitごとに扱う単語の質が違うので,ある程度の目的意識を持って読み進めていくことができるところも,本書ならではの工夫と言えるでしょう。
次の章で,実際に本書を用いながら,使い方についてみていきたいと思います。
世界一わかりやすい英単語の使い方
本書の使い方ですが,まずは気楽にやり続けることを心がけましょう!
例えば,読み始めるときは好きなUnitから始めて構いませんし,英語を先に見て日本語が出てくる状態を目指すだけでも最初は十分です。
無理をして1ページ目から律儀に決まったページ数を読み進めてみたり,日本語から英語を出せる状態になるまで先に進まないなどの高い目標を設定したりすると,挫折しやすくなるので気をつけてください。
もちろん,たまにはノートに書いて覚えるか,ダウンロードした音声データを使って発音してみると理解が深まりますし良い気分転換にもなります。
ちなみに本書では,関先生が「結果を残せる数字」と言い切る,
- 1ヶ月に6回繰り返す
ことが具体的な目標とされているのですが,この回数の復習をやり遂げるために「気楽さ」が1つのキーワードになっていると言っても過言ではありません。
単語帳を開くのが辛いと感じるようでは長続きしないでしょう。
さらには,一度にまとまった時間を学習に充てるのは大変ということで,本書ではスキマ時間を使ってちょこちょこ勉強する習慣を付けることが推奨されています。
例えば,10分のスキマ時間を5回利用して50分を捻出することがそれです。
続けて,本書の具体的な内容へと移っていきますが,以下が基本のレイアウトになります↓
取っつきやすそうな印象を受けるレイアウトで,見開きで4語を学びます。

なお,単語ではないtake overのようなものも見受けられますが,単語帳といえども,このように熟語やイディオムも収録しています(当記事ではこういったものも全て含めて「単語」と呼んでいます)。
ただ,どれも「1単語1和訳の原則」でまとめられているので,覚える作業自体は大変ではありません。
1つの単語に訳語がたくさん与えられている方が抜けがなく安心ですが,いかんせん覚える速度(リズム)に支障が出ますしやる気も失われやすいということで,一度に欲張らずにサッと覚えて先に進むことが重要です。
類書によくある派生語の紹介も,本書ではTOEICに出るものだけを厳選して載せています。

単語の意味を確認したら,次に「キラーフレーズ」の項目に進みますが,ここには関先生の貴重なコメントが掲載されているので,読み飛ばすことのないようにしてください。
ちなみに,解説内容によってはイラストや写真が挿入されていることがあり,ビジュアル的に理解できるとより忘れにくくなります↓
キラーフレーズは文だったり連語(文の一部)だったりと,必要に応じてその形を変えますが,なるべく使いやすい長さになるように調節したとのことです。
それ以外に,6回チェックできるチェックリストや,1つ前の見開きで学んだ単語の意味を復習できるチェックボックス(REVIEWというところ)がありました↓
巻末にある「付録」は約30ページにわたっていて,いわゆる予備校の授業で行われるような類語表現であったり(画像左),似た形の前置詞(画像右)や論理展開を示す語句などを,まとめの形で学ぶことが可能でした↓
こうした教え方は大学受験予備校でよく見られるものです。
まとめ
以上が,関正生先生による世界一わかりやすいTOEICテストの英単語のレビューとなります。
全ての単語に詳しい解説が付けられており,その内容は予備校の授業に出席しないと聞けない内容だったので大変役立つはずです。
「神講師」と称されるだけあって,堅苦しさを感じさせない自然な語り口で,TOEIC学習者の気づきレベルを上げてくれるだけでなく,気楽に学ぶこともできる内容に仕上がっていたように思います。
写真やイラストといったビジュアルが添えられていると映像として記憶に残りやすく,ページ下には学習日の記録欄だったり前ページの復習コーナーだったりが設けられていて,忘れにくい工夫もしっかり施されていたのが印象的でした。
本書が推奨する復習回数に達するよう,学習した日付を毎回記入して,「1ヶ月に6回」というノルマをこなしましょう!
TOEICの頻出語の意味が瞬時に出てくる状態になると,リスニングセクションとリーディングセクションの両方で大いに役立ちます。
本書を使って英単語に強くなりましょう↓
最後までお読みいただき感謝します。