今回は,初めてTOEIC S&Wの対策をされる方におすすめな「スピーキング/ライティング総合対策」という参考書についてレビューしていきたいと思います。
本書の魅力を一言で伝えようとするのであれば,「編集力」とでも言えるでしょうか。
S&Wに関する多くの情報がうまくまとめられている印象を受けます。
厚さもそこまである本ではないので読みやすく,しかし1冊隅々まで読み込めばかなりの実力アップが期待できるはずです。
それでは早速,詳しい中身についてみていくことにしましょう!
スピーキング/ライティング総合対策の概要
- 名称:TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策
- 著者:浅場眞紀子,トニー・クック
- 出版:旺文社
- 値段:2,310円
- 初版:2016年5月
- ページ:235ページ
- 音声:ダウンロード可能
L&Rに比べるとS&Wは受験者が少なく,対策本の数もあまり多くありません。
ですが,これまでに出ている参考書には良書がとにかく多く,逆に考えれば,新しいものが入りこむ余地がないとも言えてしまいます。
そんな数少ない良書の1つである本書もその例に漏れず,1冊でS&Wの総合的な対策が可能になるというのが特徴です。
やり終えると試験についての理解が深まるのはもちろん,今後の対策をどうすべきかという展望まで開けてくるので,「最初の1冊におすすめ」というキャッチコピーはぴったりだと思います。
著者のお二方ともTOEICで満点を取っているのはもちろん,普段は企業での研修や専門学校講師を勤め,公開テストを定期的に受験して問題を分析しているプロフェッショナルです。
ちなみに,浅場眞紀子さんは,私が以前利用していたスタディサプリのパーソナルコーチプランの監修者(コーチのコーチ的な)方でもあります。
広そうに思われたTOEIC業界ですが,やはり有名な方というのは数が限られていて,そういった方のもとに教材を作る依頼は正確に集まるのだなぁと実感しました。
また,もう一人のトニー・クック氏の著書についても,すでに別の記事でレビューしています↓↓
なお,本書の音声ですが,MP3形式で別サイトからダウンロードすることが可能で収録されており,著者の浅場氏によるミニ講義も受講できて満足度も高めです↓↓
S&W総合対策の使い方
続けて本書の使い方について説明します。
まずは上の目次を見てみましょう!
ここで1つ注目したいのは,本編に入る前に,本書の使い方を始め「セルフチェック」や「さまざまな学習法」といった項目があるところです。
まずはセルフチェックを受けますが,これはTOEICの研修とかで決まってやることなのでしょう↓↓
やってみると,現在自分が必要とする対策が簡単にわかります。
この本は全体的に評価が好きで,一番最後のまとめにもセルフチェックが登場しますが,こちらの項目を1つ1つをチェックしていくと,本番のテストも万全な状態で望むことができるでしょう↓↓
他の模試を解く際も,横にこの表を置いてチェックしてみることで,出題意図を押さえた解答が的確に書けるようになるという優れものです。
さて,肝心の本編ですが,
- S&Wの設問別攻略法
- 模擬テスト
- 発信力強化トレーニング
のように3つに分かれます。
「攻略法」では,スピーキングテストとライティングテスト別に1から解き方を学ぶのですが,1題ごとに時間を区切って手取り足取り学習していくスタイルなので,初心者でも問題ありません。
そして,そこで学んだことを試せるのが,続く「模擬テスト」の部分です。
残念ながら1回分ではありますが,やり遂げるとS&Wテストについてかなりの程度理解できるでしょう。
しかも,これで終わりにならず,その後には「発信力強化トレーニング」という問題が控えており,そこから5日間かけてさらなるスコアアップを可能にするための練習メニューが利用できます。
- テストの攻略法を知り,模擬テストで形式に慣れる
- 残りの時間で復習と実力アップに役立つトレーニングを行う
これこそが本書の使い方です。
とはいえ,より具体的な学習プランも提示されていて,テストまでの残り時間によって2つから選べます。
1つは残り1週間前のパターンで,もう1つは1ヶ月前のパターンです↓↓
模擬テストはどちらのパターンであっても必ずやることになりますが,攻略法や発信力のトレーニングにかける時間がそれぞれ異なっています。
残り時間がまさに1週間か1ヶ月のどちらかであれば,完全にこれに従ってやってみるのも1つの方法でしょう。
本編のレビュー
設問別攻略法
S&Wの設問別攻略法ですが,スピーキングテストが110ページ,ライティングは55ページあります。
ここではスピーキングテストの写真描写問題を例にみていきますが,まずはこのように例題が示され,どのようなシーンで役立ち,スコアアップにつながるヒントも学びましょう↓↓
テストのための勉強ですが,実際の生活で役立つからこそ学ぶ価値があります。
なお,写真は本番と同様のカラー印刷でした。
解説部分では,訳や解答例の他,どのような意識をもって攻略にあたればよいのかを具体的に学習します↓↓
上の説明ですと,「情報・動作・様子」の3つの観点に注目して答案を作成するのがよいことがわかりますが次ページから始まるトレーニング1~3を通して,ここでの理解をできるに変えてしまいましょう↓↓
「奥」とか「中央」といった表現すら満足に言えなかった私は,必死にここの表現を覚えて本番でも大いに使った記憶があります。
最後に練習問題で仕上げましょう↓↓
模擬テスト
注意書きにもありますが,スピーキングは声に出して解答し,録音する必要があることはお忘れなく。
自分の声を聴くのは恥ずかしいですが頑張りましょう。
問題は途中で止まることなく,約80分間ぶっ続けでやります↓↓
解答例は音声付きで以下のような解説もありますが,先述した通り著者の浅場眞紀子さんの講義(15分弱)も聴くことができました↓↓
著者を身近に感じられる工夫は他書も見習ってほしいものです。
発信力強化トレーニング
試験まで残り日数がある場合は,発信力強化トレーニングも全部こなしていきましょう!
各日ごとにトレーニング内容は大きく異なっており,どれもかなりの充実っぷりです↓↓
3日目の課題はタイピング速度を上げる練習です。
「ただタイピングするだけ?」と侮ることなかれ。
指示通りに意味を考えながらタイピングしていくと,英語の勉強にもなるんですよ,これが。
まとめ
以上,TOEICテストスピーキング/ライティング総合対策のレビューでした。
序章から本編まで1つ1つ中身を解説してきたわけですが,この本1冊でかなりの充実した対策ができることがわかっていただけたのではないでしょうか。
本書でかなりの知識を入れた上で,最後のセルフチェックも利用して,特に弱点だと思える範囲をピンポイントで対策していけばいいことになります。
そのためのヒントは本書の前置きにも書いてありましたし,苦手分野の対策ができる参考書をここで改めて購入してもいいですね。
とにかく最初はこの本をやってからです。
役立つ表現は実生活にも取り入れて,ご自身の英語をアップデートしてください!