今回は,中高生を始め社会人までの幅広い層に人気を誇る英単語学習アプリである「mikan」をレビューしてみることにしましょう。
日本経済新聞や東洋経済でも紹介されたことがある本アプリですが,Google Playの教育カテゴリにおいてもランキング第1位に輝くほどの実力があります。
もはやモンスターアプリとも言えるmikanですが,TOEICの英単語帳としてみた場合の評価は一体どのようなものになるでしょうか。
ここではTOEIC対策に使う場合に限定して,その使い方についてみていきたいと思います。
目次
mikanとは
名称:英単語アプリmikan
提供:mikan Company
料金:無料(mikan PROは有料)
概要:とにかく早く単語を暗記できるところがウリのスマホアプリ。 1分あれば20単語を学ぶことができるので,電車の中でもパッと学べます。出題形式は4択以外の出題もあり,すべての単語の発音が聞けるのも魅力です。収録数が20,000語という時点ですでに驚きですが,アプリの強みを生かし,苦手な単語を自動判定してくれます。無料にもかかわらず学習状況の表示もでき,教育系のスマホアプリランキングの上位にたえず顔を出しているのも納得です
当サイトでは,TOEIC対策ができるおすすめアプリを扱っている関係上,公開テストへの役立ち度という観点で評価していきますが,こと単語に関しては,パート5に限らずあらゆる英文を読む際にたえず問題となってくるものです。
単語の意味だけでなく発音まで覚えられるというのであれば,リスニングパートにおいてもかなりの効果を期待できるわけで,mikanのスコアアップへの貢献度はなかなか大きくなると思われます。
なお,TOEIC用の英単語帳として利用できるものは以下の通りです↓↓
単語帳の名前と収録語数
- 200点レベル:400語
- 300点レベル:400語
- 400点レベル:400語
- 500点レベル:500語
- 600点レベル:400語
- 700点レベル:300語
- 800点レベル:200語
- 900点レベル:100語
- TOEIC英単語2500:2500語
- 速読速聴・英単語STANDARD1800
- 速読速聴・英単語GLOBAL 900
- 世界一わかりやすいTOEICテストの英単語
- 超即効スコアUPテクニック114
- 英単語スピードマスター
- 必ず☆でる単スピードマスター
- 頻出英単語
- 1日5分○日完結(990,800,600,400点)
赤字は有料コンテンツとなり,これらを利用するためには「mikan PRO」と呼ばれるものに申し込まなければならないことに注意してください(利用料金は1ヶ月1,000円,6ヶ月4,800円,1年7,200円です)。
もちろん,無料で使える分だけでもかなりの程度まで学習できますし,PROも無料体験することが可能です。
しばらく使ってみて,気に入ったようであればPROにしてみるのも良いでしょう。
とはいえ,無料体験から返金不可になったというレビューもみられるので,気軽に手を出すのはおすすめできません。
評判について
良い口コミ
- 使い勝手が良い
- 気楽にできる
- 復習機能がある
予想通り,単語の発音まで聞けることであったり高速で学習できるテンポの良さが高評価の理由になっていましたが,それ以外にもいくつか興味深い機能があるようです。
例えば,ランダムで出題される際に既出の単語が重複されない点や「ランクアップテスト」というのがゲーム感覚で面白いとのこと。
私的には,ネガティブなレビューに対して企業側がかなりの頻度で返事をしているところに誠実さを感じました。
2018年から2020年にかけての約2年半でレビュー数は4,000件近く増えており,mikanの勢いが感じられますし,つい先日にもアップデートが行われていました。
なお,2021年3月時点で,これまでのユーザー数は450万人を突破しているとのことです。
悪い口コミ
- 課金しないと使えない機能がある
- 書籍があってもアプリの購入が必要
- 機種変更には対応していない
- その他不具合がある
先にみてきたように,TOEIC用の単語帳として評判が高いZ会の速読速聴・英単語シリーズは残念ながら有料コンテンツです。
1ヶ月でマスターするという話であれば半額で済みますが,2ヶ月以上かかるなら書籍を買った方が安く済みます。
また,書籍を持っているからといってmikanの有料コンテンツの一部を無料で利用できるなどの特典はありません。
数年前のレビューでは「機種変更によりこれまで積み上げてきた学習記録が消えてしまった」というものがありましたが,最近では「運営に相談したところ,個別に対応してもらえた」とのレビューもありました。
その他,スマホとの相性によってはバグや強制終了が起こるようですが,それはどんなスマホアプリを使う場合においても共通した悩みです。
こちらに関しては,実際に使ってみるしかないでしょう。
mikanの使い方
アプリを起動すると,ニックネームなどを登録する欄が現れます。
ミカンの形をしたキャラクター(ひとかわむけお)が,話しかけてきてくれるのもモチベーションアップにつながりそうです。
目的として,日常英会話や大学入試なども選択できますが,ここでは「TOEIC」を選択しましょう。
得点を決めると,そのレベルの単語帳がデフォルトに設定されますが,おすすめは今の実力からみて100点上以内のものを選ぶことです。
つまり保有スコアが550点の方であれば,いきなり800点を選んだりせずに600点のものから(場合によっては500点のものから)ステップアップしていきましょう!
その他,「1日どのくらいの単語をやるのか」であったり,「目標を達成していない場合に通知がくる時間帯を設定」したりできますが,これらは後からも変更できます(前者は単語帳ごとに設定します)。
ここでは「TOEIC英単語2500」の単語帳を使ってみましょう(以下ではAndroidとiOS版の画像が混在していますがご了承ください)。
トップページには,100語ずつに25個のRankに分かれています。
まずは「未学習」というボタンを押して,問題を解いてみましょう!
発音を聴いて4択から正解を選ぶのですが,30秒ちょっとで10語が終わるペースは心地よいです。
そして100語やり終えると,できた単語と間違えたものがこのように分類されて表示されます↓↓
上の画像の場合,間違えてしまった単語が7個あったことがわかりました。
ランダム,苦手,総復習という3つのボタンが確認できますが,「ランダム」はこれまでに学習した単語に順番を変えて再度挑戦するものなので,ここでは「苦手」というボタンを押して間違えた単語だけを復習することにしましょう(「総復習」については後述)!
無事に全部正解できると,このような修了証が発行されます↓↓
なんというか,頑張ったのが報われる感じがして嬉しいですね!
1つのRankを終えて次のRankに進みたいと思った場合には「ランクアップテスト」というものを受ける必要があります↓↓
こういった遊び要素がゲーム的で楽しいです。
なお,出題内容は直前にやったRankの中からランダムで10問が選ばれてきます。
1問でも間違えると不合格となってしまうので気を引き締めていきましょう!
以下は無事に10問やり終えた画面ですが,下にスクロールしていくと結果の詳細が確認できます↓↓
チェックを付けたり外したりできる他,「詳細」をタッチすることで外部のWeb辞書で意味を確認することもできます↓↓
例文をみたり発音も聴けますが,多義語の説明は初心者には厳しいと思うので,慣れてきてから使うように後回しにして構いません。
さてここで,先に保留していた「総復習」について説明しましょう。
以下の画像はこれまでにやったRank1と2の200語を終えた時の様子ですが,単語は自動で5段階に分類されており,いつでも立ち止まって復習することができます↓↓
同じ正解であっても,解答するまでの時間によって細かく分類されているあたりに,mikanの評判の理由を垣間見たような気がしました。
その他の使い方
先の「苦手」ボタンの左にある歯車を押すと,学習の設定を変えることができます。
上ではテスト形式の4択問題でしたが,「カードめくり学習」という,ノーヒントで単語の意味が言えるか確認する出題形式にも変更できます↓↓
「知らない,知ってる」のいずれかのボタンを押すと即座に日本語訳が表示されてくるので,問題の負荷を高めたい方はもちろん,初回学習の際や知らない単語が多すぎるときに使うのもおすすめです。
その他,1回に学習する単語数を10語以上に増やしたり,PROに申し込んだ方は日本語から英語を答えたり,音声のみから正解を選んだり,暗記シートで選択肢を隠すなどの多様な設定が可能になります↓↓
mikan PROで利用できる機能
- 学習履歴(単語数や時間)をグラフで確認可
- 日英,リスニング形式のテストも利用可能
- 分からないボタンが追加される
- 暗記シート機能で選択肢を見ずに解ける
- my単語帳を利用可能
最後の「my単語帳」とは,自由に単語と意味を入力してはmikan形式で学習できるもので,別の問題集を使う際に役立つでしょう。
なお,無料機能で言い忘れていたこととして,Studyplusとの連携が可能です↓↓
また,ニックネームの変更や各種音量の調整などは,画面最下部右にある「その他」を押し,次の画面の右上にある「設定」から変更できます↓↓
また,1つ前の「その他」画面から「mikanテスト」という全国的なイベントに参加することもでき,自己ベストの他,受験者数や平均点が表示されるので,実力試しで参加してみてはいかがでしょう↓↓
まとめ
mikanのその他から読める「効率的な学習方法」という記事にも書いてありましたが,本アプリが向いている人というのは,
- 文法などに問題はなく,あとは単語だけの人
- 基本単語がなさすぎる人
です。
無料で使う場合,スピーキングやライティングのようなアウトプットの練習には不向きですが,インプットを増やす目的には向いています。
mikanは「とにかく早く意味を答える」という,英語の反射神経とも呼べる能力を養うことを最大の目的としています。
有料アプリの最高峰であるスタディサプリのTEPPAN英単語と同様,リズム良く単語を勉強できることに驚くでしょう↓↓
すばやく意味が頭に浮かぶことは,速さが問われるTOEICでは特に物を言う能力です。
すき間時間を利用して是非頑張っていきましょう!
正しい音と単語がリンクすれば,TOEICのスコアもきっと大きく伸びることと思います。