今回は,中高生を始め,社会人まで含めた幅広い層に人気を誇る英単語学習アプリである「mikan」を紹介しましょう。
日本経済新聞や東洋経済でも紹介されたことがある本アプリですが,Google Playの教育カテゴリでランキング第1位に輝いたほどの実力があります。
もはや「モンスターアプリ」とも言ってもよいmikanですが,TOEICの英単語帳としてみた場合の評価は,一体どのようなものになるでしょうか。
大学受験目的での利用に比べると数は少ないでしょうが,ここではTOEIC対策に使う場合に限定して,その使い方についてみていきたいと思います。
もくじ
mikanとは
アプリ概要
当サイトは,TOEIC対策ができるおすすめアプリを扱っている関係上,公開テストへの役立ち度という観点で評価していきますが,こと単語に関しては,Part5に限らずあらゆる問題を解く際に役立つものです。
例えば,mikanでは単語の意味だけでなく発音まで学べるので,リスニングセクションの攻略に貢献してくれることは容易に想像できるでしょう。
本アプリにはTOEIC用の単語帳が複数含まれているものの,無料のものは,mikanオリジナルの全10冊です↓
無料の単語帳と収録語数
- TOEIC200点レベル:400語
- TOEIC300点レベル:400語
- TOEIC400点レベル:400語
- TOEIC500点レベル:500語
- TOEIC600点レベル:400語
- TOEIC700点レベル:300語
- TOEIC800点レベル:200語
- TOEIC900点レベル:100語
- TOEIC英単語2500:2500語
- 初めてのTOEIC対策!mikan厳選 TOEIC英単語 10日間集中トレーニング
TOEICスコアが低い人ほど使える単語帳が多くなります。
他は有料コンテンツになり,利用するためには「Lite(約16冊)」または「Premium(約160冊)」と呼ばれるプランに申し込まなければならないことに注意してください(TOEIC以外のものを含めると500冊以上になります)。
Premiumでは有名教材が使い放題になる以外に,例文学習機能や,TOEIC模試,さらにはPart別の苦手診断を受けられたり,辞書閲覧やmy単語帳の制限がなくなったりしますが,利用料金として,前者が月額1000円の年額7200円が,後者ではそれぞれ1800円と12000円がかかります。
とはいえ,無料で使える分だけでもかなりの程度まで学習できますし,有料プランは最初に無料体験することが可能です。
しばらく無料で使ってみて,すべて学び終えたか,mikanを気に入った時点で課金してみるのが良いでしょう。
mikanの評判について
現在,Google Play Storeの評価は星4.5個(2.33万件のレビュー),App Storeは星4.8個(23.9万件のレビュー)のように高評価となっています(2025年6月16日時点)。
良い口コミ
- 単語の学習効率が良い
- 気軽にできる
- 復習機能がある
- TOEICで結果が出た
予想通り,単語の発音まで聞けるところや,高速で学習できるテンポの良さが高評価の理由になっていましたが,それ以外にもいくつか興味深い機能があるようです。
例えば,ランダムで出題される際に既出の単語が重複されない点や,ランクアップのためのテストが,ゲーム感覚で行なえて面白いとのコメントがありました。
TOEIC目的でmikanを始めたユーザーの1人は,400点台だったものが700点以上を連続して取れるようになったそうです。
私的には,ネガティブなレビューに対して,企業側がかなりの頻度で返事をしているところに誠実さを感じました。
2021年3月時点でのダウンロード数は450万人強でしたが,この4年で倍の900万人になっています。
悪い口コミ
- 課金しないと使えない機能がある
- 不具合がある
先にみてきたように,TOEIC用の単語帳として評判が高い市販教材は有料コンテンツです。
書籍の定価とmikanの利用料金を比べてみると,1ヶ月でマスターするという話であれば半額程度で済みますが,2ヶ月以上かかるなら書籍を買った方が安く済みます。
また,書籍を持っているからといってmikanの有料コンテンツの一部を無料で利用できるなどの特典はありません(1冊買い切りの形ではないので,利用料金が高くなっています)。
アップデートによって,これまで使えていたものが使えなくなることは,今後も起こりそうです。
仕様の変更で不便になったと述べている方が複数いました。
ところで,最近のレビューに「機種変更により,これまで積み上げてきた学習記録が消えてしまった」という苦情がありましたが,「運営に相談したところ,個別に対応してもらえた」とのコメントがあったことを覚えておきましょう。
その他,スマホとの相性によっては動作が重かったり,バグや強制終了が起こったりするようですが,それはどんなアプリを使う場合においても注意すべきところです。
こちらに関しては,実際に使ってみるしかないでしょう。
mikanでTOEIC対策を無料で行う方法
アプリを起動すると,ニックネームなどを登録する欄が現れます。
ミカンの形をしたキャラクター(ひとかわむけお)が話しかけてきてくれるところが,モチベーションのアップに役立ちそうです。
目的としてビジネス英語や日常英会話も選択できますが,ここでは「TOEIC」を選択しましょう。
目標スコアを決めると,そのレベルの単語帳がデフォルトに設定されるわけですが,おすすめは,今の実力からみて100点アップ程度のものを選ぶことです。
つまり,保有スコアが550点の方であれば,いきなり800点を選んだりせずに600点のものから始めるようにしましょう!
その他,「1日どのくらいの単語をやるのか」であったり,「目標を達成していない場合に通知がくる時間帯を設定」したりできますが,これらは後からも変更できます(前者は,単語帳の種類ごとに設定できます)。
ここでは「TOEIC英単語2500」の単語帳を使ってみましょう!
トップページをみると,100語ずつ入った25個のRankに分かれていることがわかります。
早速,「はじめる」のボタンを押して,問題を解いてみましょう(学習モードは4択,出題形式は英日です)↓
発音を聴いて4択から正解を選ぶのですが,30秒ちょっとで10語が終わるペースは心地よいです。
そして100語やり終えると,できた単語と間違えたものがこのように分類されて表示されます↓
上の画像では,間違えてしまった単語が5個ありましたが,その後,すぐに復習できる他,単語帳に追加したり,例文を確認したりすることもできます。
いずれにしても,できなかった単語はその後何度も間違えることが予想されるので,何回復習しても良いです。
Liteプラン以上だと,選択肢を赤シートで隠す設定ができ,そうすると2段構えで学ぶことが可能ですが,その場合,シートを外すのに多少のタイムロスが生じますし,そもそもの出題形式をカード形式(後述)にすれば用に足りるように思います。
ちなみに,私が気に入っているのは,別のRankに進みたいと思ったときに受けさせられる「ランクアップテスト」です↓
1つ下のランクの問題の中から30問が出題され,一定の正解率以上でランクが解放される(難易度「おに」は回答時間も指定される)のですが,こうした遊び要素がゲーム的で,mikanを楽しいと感じているユーザーは少なくないでしょう。
最低でも8割の正解率でないと不合格になってしまうので,気を引き締めていきましょう!
以下は無事に30問やり終えたときの結果表示ですが,通常時のトレーニング後にも似たものが表示されます↓
My単語帳に加えたり,理解度を変更できる他,単語をタッチすることで例文を確認することもできます。
この他,2500語学び終えたら,すべての単語を対象に総復習して仕上げましょう。

その他の使い方
マイページの歯車のマークから,学習の設定を変えることができます。
これまではテスト形式の4択問題でしたが,学習モードを「カード(カードめくり学習)」にすることで,ノーヒントで単語の意味が言えるかを確認する出題形式に変更可能です↓
カードをタップすると意味が表示されてきますが,理解できているものは右にスワイプするか「知ってる」のボタンを押し,それ以外は左にスワイプまたは「知らない」を押してください。
4択形式よりも難易度は高くなりますが,学習スピードが速くなります。
最終的にはこの形式で学んでいきましょう。
なお,mikanの学習記録のところから日々の学習履歴を確認できますが,以下で記事にしたStudyplusやStudyCastとの連携が可能です↓
また,ニックネームの変更や学習ジャンルの設定はマイページのロゴマークがあるところから変更できる他,ロゴは9種類から選ぶことができます。
マイページではmikanテストを利用することもでき,そちらは全国的なイベントで,自己ベストの他,受験者数や平均点が表示されるので,実力試しで参加してみてはいかがでしょう。
時期によって開催されているものが多少異なりますが,現時点では,
- TOEIC英単語2500
- 大学入試共通テスト必須400語
- 中学英単語
- 高校基礎英語
を確認できました。
まとめ
mikanのその他から読める「効率的な学習方法」という記事にも書いてありましたが,本アプリが向いている人は,
- 文法などに問題はなく,あとは単語だけの人
- 基本単語がなさすぎる人
です。
有料会員の場合は利用できる教材が増えるので,その限りではありませんが,無料で使う場合,スピーキングやライティングのようなアウトプットの練習には不向きではあるものの,インプットを増やす目的に向いています。
3ヶ月65850円のパーソナルコーチもありますが,mikanは基本的に,「とにかく早く意味を答える」という,英語の反射神経とも呼べる能力を養うことを最大の目的としています。
有料アプリの最高峰であるスタディサプリのTEPPAN英単語と同様,リズム良く単語を勉強できることに驚くでしょう↓
すばやく意味が頭に浮かぶことは,速さが問われるTOEICでは特に物を言う能力です。
正しい音と単語がリンクすれば,TOEICのスコアもきっと大きく伸びることと思います。
すき間時間を利用して是非頑張っていきましょう!