今回は「KIRIHARA Online Academy」を使ってTOEIC対策をする場合について考えていきたいと思います。
本サービスの強みを一言で言ってしまえば,オンライン英会話で有名なワールドトークに所属する優秀な講師陣と,英語の参考書で有名な桐原書店が作成したカリキュラムが融合することで,より安定した指導が可能になっているところですが,以下で詳しくみていくことにしましょう。
その上で,価格に見合うサービスなのかどうか,最後に結論付けることにしたいと思います。
もくじ
KIRIHARA Online Academyのコースと料金
KIRIHARA Online Academyは2021年8月にスタートした,どちらかと言うと後発組にあたる英語学習用プラットフォームです。
冒頭でも述べたように,学参考書業界で有名な桐原書店が共同開発会社となって,ワールドトークを運営するライトアップ社とタッグを組んで世に出したサービスになりますが,英会話を扱うのではなく,範囲がより限られたTOEICや英検対策などを主な対象としている点がユニークでしょう。

大学受験の際に多くの人がお世話になったであろう「Next Stage」や「英文解釈の技術」といった名著も,出版元は桐原書店です↓
中でも,英語関連の参考書が充実しているように思います。
さて,KIRIHARA Online Academyに存在する主なコースは以下の通りです↓
- TOEIC500~600点突破コース
- TOEIC730点突破コース
- 英検準1級一次試験対策コース
- 英検2級一次試験対策コース
- 英検準2級一次試験対策コース
- 英検準1級二次試験合格コース
- 英検2級二次試験合格コース
- 英検準2級二次試験合格コース

TOEIC500~600点突破コースは,英検で言うと準2級相当の学力を有する初学者に向いており,730点突破コースは英検2級以上の中級者におすすめです。
一方,英検コースに関しては,準1・2・準2級に面接も含めて対応しています。
英検の二次試験対策ができてしまうサービスはあまり数がないので貴重ですが,当サイトはTOEICの教材を中心に扱っている関係で,以下ではTOEICテスト突破コースに限ってみていくことにしましょう。
なお,料金についてもここで触れておきますが,KIRIHARA Online Academyでは入会金はかかりません。
加えて,使用する教材で桐原書店が出版しているものは無償で提供されます(後述)。
最後にTOEICコースの授業料ですが,コース間で差はなく,どちらも2ヶ月(50分8コマ)で38500円です。
スコアによって値段に差が付けられている教材は少なくないので,特に730点突破コースを受講される方はお得に感じられるかもしれません。
さて,この料金が高いのか安いのかについて評価するため,どのようなサービスが含まれているのか,次章から個別にみていくことにしましょう。
TOEIC対策コースで使用する教材
ここではTOEICテスト突破コースで使われる教材について扱いますが,具体的には以下の4冊となります↓
- TOEIC L&Rテスト書き込みドリル全パート
- 公式TOEIC問題集
- DataBase TOEIC L&Rテスト最強 単語&フレーズ
- 総合英語FACTBOOK これからの英文法
書き込みドリルのレベルが入門編(500~600点突破コース)か標準編(730点突破コース)であるかの違いがありますが,その他の教材は共通です。
当サイトの期間別学習法のところで,2ヶ月間を費やす場合の基本方針を示しましたが,それと同様の教材が揃っていることがわかります↓
とはいえ,独学だとパート別問題集を使うべきところが総合対策本に代わっているのは,KIRIHARA Online Academyでは指導者が付くことになるからです。

なお,公式問題集以外のドリルや単語帳そして文法書はどれも桐原書店のものということで,KIRIHARA Online Academyに入会すると無料でもらうことができます。
定価にすると1485~2035円ですので,3冊合わせると5000~6000円になりますから,これもコスパについて分析する際の判断基準に加えておくことにしましょう。
ちなみに,書き込みドリルと最強 単語&フレーズの著者である早川幸治氏が,KIRIHARA Online Academyの短期集中カリキュラムを監修しています。
FACTBOOKの大西泰斗氏はポケット語学の記事のところで紹介しました。
加えて,毎回の講義を担当するワールドトークの講師たちは,誰もが同じ1つのカリキュラムを使って授業を進めていくことになるため,明確で安定した指導を行うことが可能です。
他の講師への引継ぎも可能なので,多忙で決まった時間に予約が取れないという方も,希望する時間に対応できる講師を安心して選ぶことができます。
次章では,当サービスにかかわるスタッフについてまとめていきたいと思います。
KIRIHARA Online Academyのスタッフ
まずはすでに紹介した監修者の早川幸治氏についてですが,KIRIHARA Online Academyのカリキュラムには,彼独自の学習メソッドが色濃く反映されています。
全国200社以上の企業でTOEICの研修を行うなど,その実力はこれまでに数々の書籍が出版されていることからも明らかで,Amazonに寄せられているレビューの評価も高いです。
先に紹介した書き込みドリルについては当サイトでもすでにレビューしているので,興味のある方は以下の記事をご覧ください↓
早川式メソッドでは,文法力や語彙力に構文分析能力を高めることで,その場しのぎにならない実力自体をアップさせつつ,TOEICで重視される情報処理能力は多読や音読,速読を通して育成していくことになります。
そして実践部分もないがしろにせず,時間配分や解答力を含めた総合的な対策が可能です。
オンライン指導を担当する講師の質についてですが,ワールドトークでは以下の条件を満たしたコーチが採用されていました↓
- 塾講師歴が3年以上
- 海外滞在歴が10年以上または海外勤務3年以上
- TOEICのスコアが900点以上
- TOEICテスト対策の指導ができる
- 日本人である
実力者であることは言うまでもありませんが,TOEIC対策に関しては日本人の学習事情をよく知っている講師であることも重要で,日本人であれば相談がしやすいでしょう(一般的な傾向として,日本人講師は重宝されるため,契約料金は高めです)。
KIRIHARA Online Academyでも,ほとんど上と同条件で,かつ桐原書店の独自カリキュラムに精通している講師が30名近く在籍しています。
KIRIHARA Online Academyの独自カリキュラム
TOEIC対策コースは2ヶ月で全8回というカリキュラムですが,実際,何をどう学ぶかについては,標準とされるものがすでに公開されています。
もっとも,英語力の伸び方や学習進捗状況によって,内容は調整されることになるので絶対ではありませんが,語学において重要なレッスン日以外の過ごし方について,指針となるものがわかりやすくまとめられているところはKIRIHARA Online Academyの魅力の1つと言えるでしょう。
学習者は,担当講師に指示された内容を1週間かけて独学し,そこで生じた不明点を質問したり,理解度をチェックしてもらうなどの個別指導サービスを受けることができます。
このときの進捗状況は講師間で共有されているので,同じ担当講師にこだわらず,都合が良い時間に別の講師にみてもらうこともでき,これはワールドトークを単独で利用していてはできないことです。
ここでは推奨ペースとされているように,1週間に1回のレッスンを受けたとしたときの,大まかな進め方についてみていきましょう!
まず,初日に学習の進め方を講師と一緒に確認していきます。
予めPart2の範囲を書き込みドリルで学んでおき,授業内で疑問点を解決しますが,その他,同パートにおける攻略法について,公式問題集を使って理解を深め,1週間後までに今度はPart5に取り組むといった流れです。
2週目には第2回のレッスンがあり,今度はPart5の攻略法について学びます。
Part1から順番にやらないところから,TOEICをよく理解している人がカリキュラムを作っていることがわかるわけですが,頑張った分だけスコアに反映されやすいのがこれらのパートです(この後の順番については諸説あります)。
そういった感じで,3~7週目にかけて,Part7→Part3→Part4→Part6の順で学んでいきますが,より学習効果を高めるために,速読練習や音読・オーバーラッピング・シャドーイングのやり方を習うことになるでしょう↓
公式問題集も使って演習量を確保する他,単語テストは毎回行われます。
最後となる8週目には,Part1の疑問点を解決してから総復習を行いますが,TOEIC本番までに何をすべきかであったり,受験時の心得だったりを教えてもらえるはずです。
KIRIHARA Online Academyでの学び方
ここでは,学び方について解説します。
まず最初に,会員登録を済ませましょう↓
公式サイト
希望するコースを選んだあとは講師を予約して体験レッスンを行いますが,2回目以降のキャンセルは予約した日の6時間以上前であれば,受講回数が減るなどのペナルティーはありません。
レッスン日になったら,KIRIHARA Online Academyからのメールを開き,そこに記載されているURLをクリックしましょう(レッスン詳細ページからもアクセスできます)。
あとは接続機器のチェックを済ませて,Google Meetに参加するだけです。
教材が共有できないため,PCかタブレットが推奨されています。
ついでに,書くものも用意しておきましょう。
なお,動作するかどうかに関しては,会員登録後に無料レッスンを体験できるので心配無用です。
KIRIHARA Online Academyのコスパ
最後に,KIRIHARA Online Academyのコスパの高さについて分析して終わりにしましょう。
ワールドトークでTOEIC対策を行おうと思うと,それこそ講師の裁量で自由にスケジュールが組まれることになり,終わりの時期は特に決められません。
そのため,場合によっては指導期間が1年のような長期間に及ぶことがあり,もちろん,それだけ熱心に教えてもらえることにはなりますが,学習者側は予算を含めた計画が立てづらくなってしまうことも確かでしょう。
その点,KIRIHARA Online Academyであれば,基本的に受講期間が2ヶ月(8コマ)を超えることはありません。
加えて,TOEICの各種突破コースではテキストをもらうことができ,これを値段にすると5500円相当でした。
一方,ワールドトークでは,同じ2ヶ月の利用料金が22000円程度になるので,テキスト代を考慮すると,KIRIHARA Online Academyの方が11000円ほど割高になります↓

しかし,その差額で以下に挙げた恩恵を享受できることになるので,コスパは高いように思います↓
- 桐原書店が開発したカリキュラムで学べる
- 使う教材が決まっていて講師間で共有される
- 忙しくても安定したレッスンが受けられる
- 早川幸治氏の教材動画が利用できる
桐原書店のカリキュラムはこと英語学習に関しては抜きん出ているので,TOEIC対策に関しても,独学ではなく,プロの指導を受けるようにしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。