海外のニュースを浴びるように聴くことによって,TOEICのリスニングスコアをアップさせることができます。
昔は生放送を録音するか,放送からやや遅れて発売されるリスニング用CDを手に入れる必要があったのですが,今やそうした苦労をすることなしに最新のニュースをLIVEで聴くことが可能です。
その際,主にインターネットを利用することになりますが,当記事では私が普段よく使っているサイトを紹介します。
加えて,海外ニュースを語学に用いるときのちょっとしたコツについてもまとめているので,参考にしていただけたら幸いです。
もくじ
海外ニュースをTOEIC対策に使う魅力
海外ニュースですが,スマホアプリや動画サイトを利用することで簡単に視聴できます。
TOEICのリスニング対策として活用することができ,VOCなどの例外を除いて,基本的にはナチュラルスピードの英語で話されるのが特徴です。
一昔前のリスニング教材にありがちな,同一話者がスタジオで録音したような音源と異なり,国籍や年齢,性別などを異にする,非常に多様な英語を聴くことができるため,話者との相性が問題にならない「真のリスニング力」が身に付きます。
中には英語ネイティブではない話者による英語も登場しますが,そうしたものを聴いたせいで自分のリスニング力が落ちることはないので安心してください。
なお,海外ニュースに登場するアナウンサーは,普段よりも感情を込めて話すことが多く,英語特有のリズムに慣れる際の教材として使いやすいように思います。
また,海外コメンテーターの質についてですが,教養ある知識人が呼ばれることがほとんどで,日本のニュースと一味違う考えを知ることができ,勉強になったと感じる場合が多いです。
TOEICのリスニング対策として考えた場合,海外ニュースの発話スピードは本番よりも早く,聴こえた英語は日本語を介さずに頭から理解していくしかありません。
普段よりレベルが高い教材で練習することのメリットは,TOEIC本番で話される英語がより遅く聞こえてくることですが,TOEICテストで聞き慣れない単語が出てきたときの対処法を学ぶための教材としても役立ちます。
私もかつては,TOEICでわからない単語を耳にするたびに思考が停止してしまい,その後の内容理解が著しく低下してしまうことが課題でしたが,海外ニュースを聴くようになって,苦手意識を多少払拭することができました。
特に,固有名詞(店とか会社名とか)が不意をついて出てくることに対しては,かなりの耐性が付いたように感じています。
TOEIC本番で,単語の勉強不足が原因で聴き取れないのであれば納得できますが,謎めいた登場人物の名前につまづいた結果,不正解となってしまうのは実にもったいないことです。
また,ビジネスで英語をよく使う社会人であれば,自分の専門領域に近いニュースを何度も聴くことによって,その界隈でよく使われる英語表現を身に付けることができますし,先述したように,日本で耳にする内容とは違った視点で語られていることに気が付くこともあるでしょう。
このように,普段と違ったリスニング学習ができるのが海外ニュースを聴くことの魅力です。
海外ニュースが聴けるサイト
続いて,おすすめの海外ニュースとその使い方について説明しましょう!
ここでは「NPR,AFN,BBC,CNN,NHKワールドJAPAN」の5つを取り上げます。
NPR
National Public Radio(NPR)はアメリカの公共放送ですが,海外ニュースを24時間聞き流しできる他,短めにまとめられたニュースを選んで聴くことや,同じ放送を何度も聴き直すことができ,アーカイブ動画は15秒戻したり進めたりすることも可能で,使い勝手に大変優れるサイトです。
1971年に設立され,本部はワシントンD.C.にあり,独自番組は米国のニュースと文化系が中心ですが,このようにインターネットでも配布されるラジオ番組であれば,遠く離れた日本からでも簡単に聴くことができます。
アメリカ英語が基本で,サイトにあるプレイヤーが使いやすいです↓
私はHOURLY NEWSを主に使っていますが,CONTINUOUS PLAYのところにチェックを入れておくと次々にニュースのおすすめが選ばれてくるので,いったん選んだ後は特に何も必要とせず,一定時間聴き続けることができます。
ニュースによっては「Read Story」というボタンが表示され,そこから概要ページに飛ぶことができる他,音源をダウンロードすることや,履歴欄から過去に聴いたものを確認することも可能です。
プレイヤーを使わず,普通にニュースを英語で読むこともできますが,記事の中にはリスニング音源が付いているものもあるので(PODCASTS&SHOWSなど),まず最初に記事をざっと眺めて,気になるタイトルの音源をPLAYLISTに放り込んで一気に聞くといった使い方もできます↓
NPRには5分どころか30分を超える長さの音源もあるので,聴くものには困らないでしょう。
AFN
American Forces Network(AFN)は,アメリカ軍が海外に駐留または配属されている人々に提供している政府によるテレビ・ラジオ放送ですが,24時間ニュースを聴くことができます。
設立は1942年で,本部はワシントンD.C.に隣接するメリーランド州の基地です。
主な目的は為替やガソリン料金も含めた情報提供になりますが,故国が恋しくならないようにと,アメリカのエンターテインメントも充実しています。
パソコンでも聴けますが,スマホアプリの方が受信感度や使い勝手にも優れるので,私は出先で利用することが多いです。
基本的にはAFN goを使用することになり,最初に放送局を選びますが,ここではAFN TOKYOを選んだとしましょう。
ニュース番組よりも音楽チャンネル(MUSIC STATIONS)の方が種類が多いくらいですが,英語のリスニング用として,NEWS & SPORTSを利用できます↓
Fansはスポーツ関連のニュースを扱う番組です。
2つ目のThe Voiceが扱うのはAP通信の他,ABCニュースやFOXニュース,そして軍のニュースとなります。
音楽チャンネルについても一応触れておくと,Descriptionのところに詳細が書かれていて,例えばCountryやJazzやRockは音楽ジャンルを表し,Legacyでは伝説のバンドであるツェッペリンやヴァンヘイレンを聞くことができました。
BBC
これまでの2つはアメリカ英語でしたが,イギリス英語を聴きたい方はBBC NEWSを使うようにしましょう。
放送が開始されたのは1922年で,本社はロンドンにあり,公共放送かつ国営放送です。
最近のTOEICではイギリス英語も多く登場しますし,赴任先や留学先が英国の方はBBCで耳を慣らしておくことをおすすめします。
BBC soundsのところでLive放送を聴けますが,20以上あるチャンネルのうち,私は「World Service(いわゆる海外向けに放送を行っている国際放送でニュースが中心)」を聴くことが多いです。
LIVE放送なのでスケジュールはガッチリ決まってしまっているものの,いちいち選ばなくて済むので,使い方はわかりやすいでしょう↓
なお,動画が観られる環境であれば,YouTube版を利用すると映像も確認できて理解しやすいですし,簡易字幕も利用できます。
また,同じくYouTubeにある「BBC Learning English」というチャンネルにおいては,英語学習に役立つコンテンツを配信中です。
CNN
CNNは1980年に設立された,世界初の24時間放送のニュース専門チャンネルです。
本社はジョージア州のアトランタにあり,ケーブルテレビと衛星放送によるニュースが主ですが,LIVEを聞くことができたり,日本語版のサイトの利用もできます。
前者では,単にオーディオの形で聴く以外にも動画を観られるものもあり,そちらでは字幕も表示可能です。
後者は基本,日本語表示になりますが,Videoのところで英語のニュースを聴くことができます。
本来はテレビ放送の方を視聴すべきところで,CNN ENGLISH EXPRESSという語学用のコンテンツの用意もあるのですが,それらは有料なのでご注意ください。
なお,日本で「海外ニュース」と言えばCNNのことを指していると言っても過言ではなく,英語の達人とされる方の多くは本サービスに行き着くようです。
最近読んだとある雑誌においても,「ジムで運動をしながらCNNを観るのが日課です」とNHKラジオの講師の方がコメントしていました。
NHK World-Japan
日本で製作されているニュース番組が,このNHKワールドJapanです。
本社は東京渋谷区にあるNHK放送センターで,日本国内のニュースも英語になって放送されているので,海外ニュースの入門としておすすめしています。
Watch Liveのところから動画付きのニュースを視聴可能ですが,NEWSの項目から録画されたVideoの視聴も可能で,後者であれば聞き直しも可能です。
動画内の人物が日本語で話すことが少なくないものの,それが嫌であれば他の番組を見ればよいわけで,逆に日本語が助けとなって内容が理解しやすいとも言えるでしょう。
内容も日本のことが多く,背景知識を生かしやすいです。
このとき英語字幕が利用できるのですが,オリジナルよりも5秒程度遅れて表示されてくるので,あくまでちょっとした確認用です。
海外ニュースを使って勉強するときのコツ
最後に,海外ニュースを使ってリスニングの勉強をする際のコツについてまとめましょう!
これまで見てきたように,海外ニュースは24時間ずっと利用できるので,アクセスすればいつでもリスニングの勉強ができます。
この時,聞く内容を何にするかですが,勉強と言っても海外ニュースをわざわざリスニング教材に選ぶ以上,辛いと感じるものは適していません。
純粋にTOEICの勉強が目的であれば,海外ニュースよりも,問題自体の難易度をより難しく調節したTOEIC用の教材を使う方が効率的でしょう。
なので,自分が興味のある分野で,ほどほどに没頭できる話題を選んで視聴することをおすすめします。
とはいえ,聴くものによっては英語字幕や原稿が利用できることがあり,話される英語が早すぎて手も足も出ないCNNだからといって避ける理由にはならないでしょう。
スポーツニュースは軽いテーマに分類されますが,学習者の興味次第では政治や医療分野の視聴も推奨できます。
ところで,映像付きの動画としてニュースを観る場合に,見出しタイトルが英字新聞を使ったTOEIC学習で語ったものと同じルールに従っていることに注意してください。
その他,なるべく音に集中できるよう気が散らない環境でリスニングすることが大切で,私が最も集中できるのは通勤中の電車内です。
静止した状態で目的地まで運ばれていくため,イヤホンから流れる音に集中できます。
途中で意味がわからない単語に出会っても動揺せず,話の筋を掴むことができるようになることが学習目的であれば,通勤中は海外ニュースを聞く時間にし,ながら作業をすることなくリスニングに集中できる環境を作ってみてください。
同様の理由で,布団の中で少しリスニングしてから眠りにつくのもおすすめです。
なお,リアルタイムの海外ニュースに手を出す前に,ニュース特有の言い回しを含む表現について学んでおくと,よりスムーズにリスニングできるかもしれません。
例えば,AFNの放送中に流れるCMを英語教材にした参考書や,NHK World-Japanの素材を使ったラジオ番組があります↓
まとめ
以上,海外ニュースを使ったリスニングの魅力やおすすめサイト,さらには勉強法について簡単にまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
20年以上前に学生だった人には考えられなかった勉強が現代では可能になっており,それこそ自分の知識と選択次第で,新しい勉強法を生み出すことができる時代です。
海外ニュースでは時事問題を題材に英語を学べるだけでなく,異文化ゆえのこれまでになかった視点でものを考えられるようにもなります。
使い方については,同じものを速度を変えて何度も聴いて構いませんし,休日時間の半分をリスニングしながら過ごしてみると,まるで海外にいるような生活を送ることができ,実際私がイギリスに旅行していた時にはBBCをTVでずっと流していたわけで,その生活が今は日本にいながら再現可能です。
当記事で紹介したように,アメリカ英語にイギリス英語,さらには国際ニュースに国内ニュースなど,放送局ごとに特性があるわけですから,複数の番組を使い分けることも十分考えられるでしょう。
勉強を習慣化するにあたっては,毎日同じタイミングで使うことが重要とされますので,自分なりの付き合い方を見つけて,日々のTOEIC学習に海外ニュースを役立ててみてください。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。