中学生や高校生であれば,英語の実力を測定するために英検を受験するのが普通ですが,在学中に英検2級(まれに準1級)に合格してしまった生徒は,その後,卒業までの間,どう過ごすのでしょうか。
近年だと,英検はもうそれ以上の級(準1級や1級)を目指すのを止めて,今度はTOEICを受験させられることが増えてきているようです。
今回の記事では,「都内の中堅レベルの中高一貫校に通う中高生が,どのくらいのTOEICスコアを保有しているのか,そしてそのスコアはどのような勉強法によって生み出されているのか」についてみていくことにしましょう!

TOEICスコアは,上を見れば小学生で980点を取っている子がいますし,逆に一流企業に入社した新入社員で400点台の方も知っていますが,「中高生がこんな勉強法で学んでいると,大体このくらいのスコアが取れるんだな」という目安にしていただけたらと思います。
もくじ
中高生のTOEICスコアの平均は500~600点
いきなり結論から申し上げますが,中堅の中高一貫校に通う生徒のTOEICスコアは平均で550点です。
中央値ではないので,少数のできる子たちが大きく点数を稼いで平均スコアを上げていることも考えましたが,その学校の校長先生曰く,「ほとんどの生徒が500~600点の間に収まる」とのことでした。
もっとも,この数字はその学校で英検2級まで合格してしまった上位10%弱の子たちが受けたTOEICの結果であって,学校にいる全員が受けた結果ではないことに注意が必要です。
とはいえ,そんなTOEIC受験者の主要メンバーとなっているのは中学2年生から高校2年生までの生徒であり,学力的に一番期待ができる高校3年生は除かれています。
ゆえに,「どうせ,できる子だちの結果でしょ」などと無視できる話ではないのです。
受験勉強を本格的に始めるようになると,どの生徒も猛勉強を重ねて一気に学力を上げるもので,そんな子たちがTOEICを受験した場合,平均スコアはさらに上がることが容易に予測されます。
ちなみに,上の平均点を求めた際の受験人数の詳細についてですが,各回で多少のばらつきはあるものの,
- 中学2年生が2~3人
- 中学3年生が5~6人
- 高校1年生が10人
- 高校2年生が20~30人
でした。
中2~高2の生徒数が合わせて600人くらいの学校ですので,そのうちの約50人(10%弱)が受験したときの結果となります。
なお,スコアの内訳ですが,大体TOEIC600点を取る生徒であれば,
- リスニングが300~350点
- リーディングで250~300点
の範囲に収まることがほとんどです。
ゆえに,中高生はひとまず,このスコアの取得を目指して頑張ることをおすすめします。

中高生がTOEIC600点を取得するための勉強法
TOEICで600点と言ったら,後の人生で役立つ場面が多いとされます(詳しくは後述)。
それでは,先の学校では,どのような勉強法でもって生徒を指導しているのでしょうか。
今回話を聞いた中高一貫校では,週に5時間ほど英語の授業があり,そのうち3~4時間を読解や文法の学習に充て,残りの1~2時間はコミュニケーションの授業を行う時間割を採用していました。
早速,内容についてみていきますが,英文読解や英文法はどんな学校でも扱う内容なので,特に変わったことをやっているようには感じません。
それでは,もう1つのコミュニケーションの授業の方で何か特殊なことをやっているはずで,中学3年生の子に尋ねてみると,外国で使われている教科書(現地の小学生が使うレベル)をひたすら読むという勉強法が採用されていました。
このトレーニングは中々に効果的で,実用性を兼ねた英語学習法です。
例えば,「6÷2=3」を英語で言うことすら難しかったりします(Six divided by two equals threeなどと言います)。
ですが,こういった授業がTOEICスコアに大きな影響を与えているのかと聞かれれば,決してそのようなことはないわけです。
普段,塾で英語を教えている私からすると,内容面で奇抜なことをやっているようには感じられないというのが正直な感想となります。
それでは勉強時間の方はどうでしょう。
一般的に,TOEICのスコアを400点から600点にするのには,独学で1100時間がかかるとされます↓
しかし,それを英語ができる大人(他人)に習うと半分の550時間で済むわけで,週に5時間の勉強であれば110週が必要です。
学生には長期休暇があることを考慮しても,3年間も授業を受けていれば,その時間数に達します。
加えて,実際は週に1~2時間,家庭学習の時間が加わるので,勉強時間的には十分足りていると言えるでしょう。
ここまでの内容をまとめると,都内の中堅校に通う生徒がTOEIC600点を取得するための勉強法は,
- 学習内容はいたって普通の内容を週に5~7時間。それを2~3年続けること
と結論付けられます。
普通の勉強法を普段から欠かさず継続し,学校の順位でトップの10%に入っていれば,学生の間にTOEIC600点の英語力が付くというのは私にとって驚きでした。
中高生がTOEIC600点を実現する意義
さて,ここで少し話を変えて,「TOEICで600点」というのが社会に出た時,どれくらいの価値があるのか考えてみましょう!
TOEICの運営元であるIIBCが公表している,学習目的とTOEICスコアを比較した表を使って考えれば,470点以上のスコアは,
- 会社紹介
- 製品紹介
- 海外旅行
- ホームステイ
ができるレベルとされています。
なお,新入社員に期待されるTOEICスコアが535点くらいでしたし,当サイトでは企業が求めるTOEICスコアを600点と結論付けました↓
もちろん,海外部門を希望するか,偏差値が60を超える大学に入ってしまったような人であればそれ以上のスコアを取得しない限りは周りからの評価は得にくいでしょう。
ですが,中学の偏差値が50後半だと,大学は偏差値50のところに合格できれば塾的にはまずまずの結果とされますし,そのレベルであればTOEIC600点は自信を持ってよいスコアだと言えます。
ちなみに,もうすでに社会人になってしまった方で,600点を目標にしている方に向けてのアドバイスですが,現役の高校生が普通に勉強していて達成できる数字ということで,特別なTOEIC対策(勉強法)は必要ないということです。
難しいのは毎日の勉強時間をどうやって確保するかでしょう。
高校で習うような勉強を2~3年間継続するとギリギリ取れるのがTOEIC600点ですが,やることが多い社会人や大学生にとっては,毎日1時間以上の勉強時間を確保するのは割と難しいことのように思われます。
そうなると,勉強の質を変えなければいけません。
中高生と異なり,積極的にTOEIC専用の勉強を行うべきであり,現在ではオンライン教材を使うことでTOEICのスコアがアップしやすい勉強法を実践することができます。
自己投資をして自分専用のコーチも付けてしまえば,3ヶ月でTOEICの100点アップも夢ではありません。
その場合,時間をお金で買う形になりますが,普通は体験できない毎日を送ることができるので,後がない方や楽しい学習体験を送りたい方は是非試してみてください↓
大人の学び方の一例
まとめ
最後に今回の記事内容をまとめます。
都内の偏差値50後半の中高一貫校に通う生徒で英検2級以上を取得している子が,学校でIPテストを受けさせられたときのTOEICスコアは,500~600点の間に収まるのが普通です。
高校3年生という受験勉強中の生徒のデータが入っていない状態でその結果なので,中高生は600点をひとまず目標にしてみてください。
なお,このスコアは,TOEIC用の特別な勉強をせずとも,高校英語を毎日1時間くらい学び続けると3年程度で無理なく達成できてしまう数字であるということがわかりました。
ゆえに,勉強する時間がある中高生は,TOEIC専用の問題集などで解くテクニックを学ぶより,王道を行く英語学習をやり直す勉強法がおすすめとなります。
その証拠に,実際にTOEICを受けた生徒のうち,専用の対策本まで読みこなして準備万端の状態で挑んだ子の割合は少なく,唯一の対策らしい対策はTOEICの単語帳を別に買って読む程度でした。
その生徒に初めて受験したときの感想を尋ねてみたところ,
一応最後まで問題を解き終えたけれど,合っているかどうかは全然自信がないです
との答えでした。
ちなみに,このくらいの手応えでも600点近いスコアが達成できています。
社会人がこのスコアを実現するためには,勉強時間をどのように確保するかが重要です。
通常,数年かけてようやく取得できるTOEIC600点というスコアは,学生時代に達成しておかないと,本当にそのスコアが必要になる時期(就活や昇進時)に困ってしまうことになります。
時間をかければ誰もが取れるスコアではありますが,それを短期間で取らないといけないから難しいわけです。
特に数ヶ月の勉強期間でTOEICスコアを100点以上伸ばす必要に迫られた場合には,TOEICに特化した教材を使うようにし,第三者に教えてもらうことが必須となります。
是非,当サイトで紹介している様々な教材の中から,自分のライフスタイルに合いそうなものを見つけてください。
ところで,昨今の中学3年生の中には英検2級を取得する子が結構な数いて,社会全体としての英語意識の高まりも感じるようになりました。
逆に,英語が苦手な人には生きづらい世の中になってしまって大変同情しますが,現代が求めているのはどうやらこのような世界のようです。
理不尽さにめげることなく,明日もTOEIC対策を頑張っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。