今回は,数多くのTOEIC対策本を出版しているアルクが提供する「booco(ブーコ)」をレビューしていきましょう!
できることを簡単に言ってしまえば,アプリをスマートフォンにインストールするだけで,百単位のアルク出版の書籍が便利に使えるようになります。
書籍で学習している限り,自分の声を評価してもらうことはできませんが,同じ本を教材としていても,boocoであれば,スマホのマイクを通して自分の声が録音でき,その出来栄えをAIに判定してもらうことだってできてしまうわけです。
もちろん,boocoの機能はそれだけではありません。
リスニングにおいては単にCDで再生するだけでは味わえない機能が搭載されていますし,今流行りのAIが自分の正答率を基にして苦手な問題を出題してくれる機能まで備わっています(こちらは有料)。
当記事では,こうした機能の使い方について幅広くまとめているので,是非参考にしてください!

もくじ
boocoでできること
boocoは,アルクの人気書籍を多数収録したアプリで,無料で音声のダウンロードができることはもちろん,アプリ独自のトレーニングを行うこともできます。
昔はALCOというアプリがその役割を担っていたのですが,2021年の4月以降,書籍版の無料音声ダウンロードはすべてbooco上で行うことが基本となりました。
本アプリでは,主に以下のことができます↓
- パソコンを介さず音声が利用可能
- 電子書籍の購入が可能
- 独自トレーニングが行える
- 自分の解答や音声を自動採点してもらえる
- 特定書籍が読み放題になる
- AIがおすすめ書籍をリコメンド
もっとも,全部を詳しく説明したところで,まだboocoを使ったことがない人には実感が沸かない&煩雑になってしまうと思うので,以下では,私が特に便利だと思う特徴に絞って紹介していこうと思います。
音声のダウンロードが可能
アルク出版の書籍のほとんどは,本アプリを使うことでその音声を無料でダウンロードすることができます。
最初に書籍から入って,boocoの存在を知ることになる方も少なくないでしょう。
実際,私もその1人なのですが,対応書籍の数は600冊以上もある(ただし,TOEICや英語以外のものも含む)ので,本アプリはアルク出版が管理する巨大図書館のようなものです。
また,本アプリが採用している再生装置の仕組みは簡単になっています。
さらに言うと,このboocoではアップデートが頻繁に行われており,アプリの不具合に気づいたら即座に運営に連絡できるページも設けられていました↓
ちゃんと問い合わせができることは重要で,アプリを作ったらあとはほったらかしという会社も少なくないですし,日本語に対応していないアプリもあるわけです。
アップデートの回数は1週間に1回以上と非常に多く,その度にboocoの使い勝手が改善されてきています。
人気のアルク書籍が使い放題になる
boocoでは有料プラン(サブスクリプション)が用意されていて,名前を「booco Plus」と言い,アルクの170冊以上の電子書籍を使い放題にすることが可能です。
月額3200円ですが,TOEICでは3ヶ月間の勉強が1つの目安となることもあり,3ヶ月プランは6200円となっています↓
公式サイト

無料プランで始めた方はマイページの「アップグレード」というボタンから,有料プランに変更が可能です。
本の検索ですが,リスニングやリーディングといった英語4技能に基づいた分類に限らず,シャドーイングやディクテーションといったトレーニング別に検索することもできます↓
このプランの対象になっている書籍にはbooco独自のアレンジが加えられ,語句の並び替え問題や速読問題など,全部で18種類以上のクイズが設けられているとあって,1冊の使用効果は実際の書籍以上であると言っても過言ではありません。
前提条件として,boocoの運営は書籍の出版元と同じアルクなわけですから,その学習方針が捻じ曲げられることはないですし,書籍版と異なり,学習過程で自分の声を録音したり,次にどの問題を解くべきかの指示が受けられたりするわけです。
不満点を述べるのなら,あくまでアルク出版の書籍に限られていて,TOEICの公式問題集などが含まれていないことが挙げられますが,代替として「至高の模試」が使えるでしょうし,実際,我が家の本棚に並んでいる本のタイトルをみても,結構な数がアルク出版のものだったりします。
例えば,以下のような本をすでにお持ちの方も多いのではないでしょうか↓
booco Plusで使える電子版の例
鬼の変則リスニング,基本例文990選,ゼロからスコアが稼げるドリル,リスニング出るとこだけ,中学英文法で600点,はじめて受けるTOEIC全パート完全攻略,2ヶ月で攻略TOEIC730点,やたらと出る英単語クイックマスター,BEYOND990,究極の英語リーディング・リスニング・ディクテーション,キクタン各種,直前の技術,究極の模試,究極の英会話,英語の電話,英語の発音,Mr.Evineシリーズなど

なお,アルク関連でTOEICの総合対策が行えるものとしてはSantaアルクが有名です↓
boocoを使い始めるまでの手順
ここでは,boocoを使用する手順についてまとめてみたいと思います。
とはいえ,やることは「インストールして探して使うだけ」なので,手順としては全部で3ステップです。
先のページから本アプリをインストールしたら,後はコンテンツをダウンロードしてライブラリに加えるか探して選択するだけでよく,以下に長々と書いているような内容も,時間にすれば数分で済みます。
ユーザー側の気持ちとしてはTOEIC勉強に専念したいわけですから,いちいちアプリの起動や設定に時間がかかったり,広告が表示されたりログインが毎回求められたりするようでは本末転倒です。
その点,boocoは他者からの干渉もないですし自分の勉強のみに集中できます。
①インストールする
まずはboocoをスマホにインストールしましょう!
iOS版は16.0以上,Android版はOS9.0以上に対応していますが,スマホとの相性もあるので実際に入れて使ってみるまでは油断できません。
とはいえ,評価の方は2025年6月18日の時点で,iOS版が星4.6(2.2万件の評価)となり,Android版が星4.3(1736件の評価)と好評です。
アルクの書籍の質を疑う方は少ないでしょうし,boocoでは料金体系含めて仕組みが複雑ではないため,それがわかりやすいという評価に繋がっているように思います。
②コンテンツを探す
boocoのメニューとしては画面下部に表れる「ホーム・ライブラリ・さがす・マイページ」の4つがありますが,「ライブラリ」の項目は自分が学習を開始した書籍が徐々に登録されていくことになるため最初は利用しません。
boocoを使う時間が増えるにつれて自分なりの使い方が定着してきますから,そうなってから使えば十分です(「ホーム」の項目から,次に何をすればよいかのサポートも得られますし)。
なので,最初は「さがす」の項目のお世話になるわけで,とりあえずは人気書籍に分類されているものの中から選ぶようにすれば失敗しにくいです↓
いつみても,キクタン(アルクの英単語帳)の数が多いように思いますが,これは目標スコア別に複数冊が存在するからでしょう。
もちろん,本自体の評価は,数ある単語帳の中でも勢いに任せて学習できる唯一無二の特徴を誇るものだと思っているので,私の中でも1位・2位を争う出来だと結論付けています↓
③使ってみる
お目当ての書籍が見つかったら開いてみましょう!
boocoでは4つ以上の項目を選ぶことができ,以下のものを基本として,これに「マークシート」や「AI暗記」,「単語リスト」が加わることがあります(今回の説明には出てこないので詳細は省きます)↓
- クイズ=問題部分をスマホ学習用に抜き出したもの
- 読む=書籍版を読むことができる。いわゆる電子書籍
- 聞く=収録されている音声部分のみを抜き出したもの
- 書籍情報=その本の内容について窺い知ることができる
boocoを使う場所が出先であれば,簡単に学習ができるよう「クイズ」や「聞く」を中心に利用することになるでしょう。
「書籍情報」は,その本の初印象が実際と相違ないかを確認するために使うことが多く,そこまで詳しくは書かれてはいません。
実際,有料プランであれば実際の本の内容を簡単に読めてしまうわけですから,わざわざ書籍情報に目を通す必要はなく,「はじめに」や「もくじ」を直接読んでみる方がよっぽど詳しい内容が書いてあるでしょう。
もちろん,書籍情報のところで立派なことが書かれていようとも,使ってみると意外と大したことがないと感じることがあるかもしれません。
ところで,スマホを使うのは出先であることが多く,ついつい受け身学習になりやすいわけですので,積極的にクイズを解いていくことをおすすめします。
クイズをある程度の量解いてからであれば,自宅やカフェでタブレットを使ってじっくり読みこむことが有効になるでしょう。
また,音読やシャドーイングのように,外だとやりづらいトレーニングは,自宅などの人目につかないところで優先的に行うようにすべきです。
といったわけで,クイズはその本の基礎知識なしでいきなり取り掛かってしまって大丈夫ですが,心配な方は以下で概要を把握しておいてください↓
boocoの各クイズの特徴
TOEIC TEST系:実際の出題形式に合わせた問題をパートごとに解く
英単語系:次々に表示される単語の意味を選択肢から選ぶ
音読系:自分の声を録音してその出来をAIに判定してもらう
ディクテーション系:音声を再生し聴き取った英文を入力する
シャドーイング系:手本を聞き英文の意味を確認し自分でも再現する
リスニング系:音を聴いて質問に答える
リーディング系:文章を読んで質問に答える
語句並び替え系:文法的に正しくなるよう単語を並び替える
もっとも,本1冊まるごとすべてが同じタイプのクイズで構成されることはありません。
基本的にはさまざまなクイズが混ざって出題されることになるので,あくまで代表的な出題が上の基準で分類されているにすぎず,詳しくはクイズにおけるタイトルの冒頭部分を見るようにしましょう↓
ここまでで基本的な説明は終わりになりますが,次章ではboocoの使い方についてもう少し詳しくみていきたいと思います。
boocoを使った勉強法
先に挙げたトレーニングですが,文字による簡単な説明だけではわかりづらいところもあったかと思うので,ここでは画像も使って説明を加えていくことにしましょう!
ひたすらにリスニングする
有料プランを使わない場合,boocoは主にリスニングプレイヤー要員になると思われます。
その使い勝手は良好で,リピートする範囲は「全トラック・1トラック・AとBの間・ランダム再生」のいずれかから1つ選ぶことが可能です↓
この他,私が個人的に便利だと思ったのは,再生速度を0.5倍から2倍までで7段階で調節できるところです。
リスニングのトレーニングを行っている最中,どうしても聞き取れない箇所が出てくることはよくあるもので,そんな時に再生速度を遅くすれば聞き取りやすくなりますし,逆に聞き慣れた音源を1.5倍速などで再生すれば,負荷を高くすることができます。
後者においては,音質が大きく変わるためにこれまで敬遠していた方もいるでしょうが,TOEIC満点狙いの本などで,音声が最初から高速で吹き込まれていることは少なくありません。
音声の再生については,秒数を2秒から30秒の間で指定して,巻き戻しや早送りをする機能が利用できますが,私はデフォルトの設定である2秒のままにしておき,ちょっと聴き取れなかったものがあったときに巻き戻して聴き直す使い方をしています↓
出先でリスニングしていると,どうしても集中力が途切れてしまうときがあるので,これはぼんやりしていて聞き逃してしまった際に使うようにするのが吉です。
逆に,大きく巻き戻したり早送りしたかったりするときには,指でスライダー(ゲージみたいなところ)を動かせばよいので,8秒以上の幅ではあまり使うことはありません。
愚直にトレーニングだけを行う
問題集と同じ問題を使っている電子版も多いですが,その取り組み方や印象の違いを考えると,もはやこれはboocoオリジナルのものだと言ってしまって構わないでしょう。
それくらい,本アプリに特化した形の仕上がりとなっています。
内容は先述した通りですが,以下は左から「英単語・リスニング・音読・リーディングクイズ」のものです↓
これらの出題形態は適材適所でバランス良く出てくることになるので,あれこれ考えずに普通にやってみるだけでも勉強内容が偏らずに済みます。
とはいえ,自分の裁量でトレーニングを飛ばすことのないよう注意してください。
音声素材はすべてディクテーションする
続いて,3つ目の勉強法はディクテーションです。
同名のクイズもありますが,ここではあらゆるリスニング素材を材料に,ノートを別に用意してディクテーションを行うことを意味します。
そのやり方ですが,下記のように開始時点と終了時点を設定し,その間を延々と繰り返しながら書き取っていきましょう(画像では,30秒と40秒の間をリピートしています)↓
boocoの音声プレイヤーはこのように使いやすく,通常の速度で聞き取れないような箇所も,再生速度を遅くすれば対応可能です。
最初は通常のスピードで聴きますが,3~4回聴いてもわからなければ,遅くしてでも聴き取ってみましょう。
シャドーイングする
シャドーイングもディクテーションと同様にハードなトレーニングですが,練習した分だけその見返りが大きくなるので,是非挑戦してみてください。
もちろん,boocoのクイズでは録音と採点まで自動でやってくれるので,ずっと楽に取り組むことが可能です。
再生速度ですが,シャドーイングクイズの場合,1倍または0.75倍いずれかの再生速度が選択できます↓
上ではOFFにしていますが,慣れないうちは日本語や英語の台本を表示させながら読み上げることも可能です。
もっとも,台本を表示させて読むだけならばただの音読になってしまうので,最終的には何も見ずに行うようにしましょう。
自分の録音した内容は発音と流暢さも含めた総合評価まで,それぞれ4段階(星0~3)で評価されます↓
なお,本章と前章で紹介した2つの学習方法に関しては,以下のまとめ記事で詳細を確認してください↓
まとめ
以上,アルク出版のboocoというスマホアプリの紹介でした。
インストールしてから数分で使い始めることができ,操作も再生速度の設定以外は慣れも必要ないので,多くの方がすぐ使いこなせるようになるでしょう。
アルク出版の教材の音声と書籍内容の両方がダウンロードできる時点ですでに電子書籍の範疇を超えていますが,それに加えてクイズが追加されているのが本アプリの大きな特徴です。
音源の再生速度を遅くしたり早くすることが可能なだけでなく,自分の発話内容を録音して評価してもらえるので,音読やシャドーイングといった難しいトレーニングも簡単にできてしまいます。
おすすめはbooco Plusに3ヶ月契約することで,キャンペーン価格で申し込めたと仮定して,愚直にクイズだけを選り好みせずに取り組み,あとは公式問題集で模試を数回行えば,1万円の出費で結構なTOEIC対策が可能です。
今回は,あくまで初期段階の取り組みを中心に述べたので省略しましたが,しばらくboocoをやりこんでいると,AIが最適な復習問題を提示してきてくれるようになりますし,集中特訓機能を使って特定の分野の問題だけをひたすらに解くこともできます。
登場してから数年が経ち,大きなアップデートをする必要がないほどに洗練されてきましたが,今もなお更新は頻繁に行われており,ユーザーからの評価は良好です。
アプリを開いて,可視化される勉強時間が増えてきたことに気づくと,初月のやる気も3ヶ月くらいなら持ちます。
予算1万円でboocoを使って,目標スコアを是非とも達成しましょう!
最後までお読みいただき,ありがとうございました。