TOEIC900点攻略完全パッケージをレビュー!高難度問題と模試の使い方

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執筆・運営者:さんくす
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さんくす
TOEIC L&R 425点から915点,S&W 340点に到達。IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022受賞。100以上の教材を実際に使い,独学でも続けやすいTOEIC対策を整理しています。詳しいプロフィール

今回は,Z会のTOEIC対策本「TOEIC L&R TEST 900点攻略完全パッケージ」をレビューします。

本書は,700〜800点台から900点台を目指す方に向けた上級者向け教材です。

全パートを広く基礎から確認する本ではなく,900点を突破するうえで差がつきやすい問題を中心に扱っている点に特徴があります。

そのため,600点台を目標にしている段階では,まず基礎語彙・文法・公式問題集などを優先した方がよいです。

一方で,すでに700点台後半から800点台に到達していて,「普通の問題集では簡単な問題が多くなってきた」と感じる方にとっては,かなり効率よく弱点をあぶり出せる1冊です。

さんくす
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Z会の完全パッケージシリーズには,600点・730点を目標とする姉妹本もあります。現在のスコアに合わせて選ぶのが大切です。

TOEIC L&R TEST900点攻略完全パッケージの進め方

TOEIC L&R TEST900点攻略完全パッケージの表紙

基本情報

  • 書名:TOEIC L&R TEST 900点攻略完全パッケージ
  • 編集:Z会編集部
  • 出版社:Z会
  • 発売時期:2017年5月
  • 定価:2,420円(税込)
  • 対象レベル:700〜800点台から900点台を目指す方
  • 収録内容:攻略法講義,トレーニング問題,発展問題,フルサイズ模試200問
  • ページ数:336ページ
  • 音声:CD-ROM付属,特設サイトからMP3音声・補助教材をダウンロード可能

本書は,以下の明確な4つのステップに沿って学習をビルドアップしていく構造を採っています。

  1. パートごとの「攻略法」で難問のアプローチを学ぶ
  2. 変則的な「トレーニング」を使って脳に負荷をかける
  3. 「発展問題」を解いて解法パターンを完成させる
  4. 本番仕様の「模擬試験」で実力を総仕上げする

Z会の教材らしく,攻略法を読んで終わるのではなく,すぐにトレーニングと発展問題で確認できるため,知識を実戦に移しやすい構成です。

ステップ4の模擬試験は,本番形式のフルサイズ模試(200問)が1回分収録されています。

一般的なスコア換算表は付随していませんが,900点突破のために各セクションで何問正解すべきかという具体的な「目標正答数の目安」が明記されており,上級者の指標として非常に役立ちます。

公式な換算表ではなく参考値として扱うとよい理由については以下の記事を参考にしてください↓

TOEICで難問ミスまで可能かを教える私
TOEICでは何問ミスまでOK?目安は

TOEIC(ここではL&Rテストのことを指します)は「英語学習に終わりがない」という理由から,完璧をイメージさせる1000点ではなく,990点を満点として計算されます。 しかし,そのせいなのでしょうか ...

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Z会の特設サイトでは,CD-ROMと同内容の音声に加え,1.2倍速のハイスピード音声,Part5の解答入り読み上げ音声,模試用マークシート,ディクテーション用シートなどもダウンロードできます。

市販の模試教材は数多く存在しますが,本書の本質的な価値はステップ1〜3のメインコンテンツにあります。

それぞれのパートがどのような中身になっているのか,詳細を順番に確認していきましょう。

 

 

モニター正解率50%以下の難問を狙い撃つ「攻略法」

TOEIC L&R TEST900点攻略完全パッケージの目次

上の画像は本書の目次ですが,「Unit」と表記されているセクションが攻略法を学ぶ単元にあたります。

Part1で1つ,Part2で3つ,Part3で2つ,Part4で2つ,Part5で5つ,Part6で1つ,Part7で3つの計17個の攻略法が網羅されています。

これらのUnitがどのように選定されたのかというと,本書の制作段階において事前に大規模なモニター試験を実施し,上級者の間でも正解率が50%以下に落ち込んだ難問だけを厳選してピックアップしています

さんくす
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4択問題をランダムに選べば理論上の正答率は25%です。正答率がそれに近い,または下回る問題は,上級者にとってもかなり厄介な問題だと考えられます。

紙面には各選択肢のリアルな選ばれた比率(選択比率データ)が掲載されており,中には正解の選択肢を選んだ割合がわずか24.1%という,手強い引っ掛け問題も確認できます↓

各選択肢の選択比率

多くの受験生が誤答を選んでしまうプロセスが可視化されているため,「なぜ自分が間違えるのか」のメカニズムを客観的に納得しながら対策を進めることができます。

 

 

高地トレーニングで脳の処理速度を上げる「トレーニング問題」

各Unitは,およそ30分前後の集中で1つのサイクルが終わる合理的な分量に区切られています。

解説を読み込んだのち,すぐに変則形式の「トレーニング問題」へと移行します。

TOEICで900点以上のハイスコアを目指すための専門書では,本番の形式をあえて崩して負荷を高める手法がよく使われます。

本書のトレーニングメニューもまさにその高地トレーニングの思想を反映した設計です。

たとえばPart1のトレーニングでは,1枚の写真に対して8パターンもの音声描写が連続して流れ,その1つずつに対してスピーディーに○×で正誤を判定していきます↓

TOEIC L&R TEST900点攻略完全パッケージのPart1トレーニング

また,本来であれば3択形式であるはずのPart2も,流れる応答に対して即座に○×で答えていく高密度なノック形式にアレンジされています↓

TOEIC L&R TEST900点攻略完全パッケージのPart2トレーニング

他のパートに関しては本番に準じた形式ですが,無駄な標準問題を徹底的に削ぎ落とし,短時間で難問のコア表現にだけピンポイントで触れられるよう工夫されています。

さんくす
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各パートに1つずつ(Part5のみ例外的に2つ)のトレーニングが用意されており,計8つの厳選されたメニューが展開されます。問題の絶対数は多くありませんが,どれも非常に質の高い良問です。

スコアが高くなるほど1点の重みが増し,学習の時間対効果は低下しがちです。

しかし,この完全パッケージで難問に触れることで,高難度の引っ掛けパターンに対する脳の反応速度が向上し,本番で余裕を持ちやすくなります。

 

 

上級者も容赦なく削られる「発展問題」の壁

各パートの締めくくりに配置されている「発展問題」の難易度は非常にハイレベルです。

TOEICの保有スコアが800点を超えてくると,市販の問題集ではほとんどの設問に正解できるようになります。

特にリスニングはリーディングに比べてスコアが出やすいため,解きっぱなしの作業になりがちです。

しかし,本書の発展問題は,上級者でも失点しやすい「残り1割の難問」を高密度で集めています

体感的な正答率は7割付近まで落とし込まれるため,出来の悪さに一時的に悔しい思いをすることも少なくありません。

ですが,そのぶん1問の間違いから学べる語彙や語法は多いです。

発展問題だけでも計73問あり,トレーニング問題と合わせるとかなりの演習量になります↓

発展問題のパート別問題数

  • Part 1:4問
  • Part 2:10問
  • Part 3:12問
  • Part 4:12問
  • Part 5:10問
  • Part 6:8問
  • Part 7:17問
さんくす
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これほどまでに質の高い難問のストックを高い精度で揃えるのは,非常に労力がかかる作業です。上級者の弱点をあぶり出す演習量として,クオリティ面での不満は一切ありません。

 

 

本番のバランスを正確にシミュレーションできる「模擬試験」

模試として有名なTOEIC公式問題集は2回分,本書は1回分のフルサイズ模試を収録しています。

本書の主役はあくまで攻略法・トレーニング・発展問題ですが,最後に200問通しで確認できる点は便利です。

1回分のフルサイズ模試を丸ごと内包しつつ,前半に高品質なクオリティの難問特化トレーニングが完備されていることを考えると,コストパフォーマンスの面でも非常に優秀なパッケージです。

さんくす
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Z会からは1回分の模試だけを独立させた書籍も出版されています。

本書に収録されている模擬試験は,前半のメインパートとは異なり,本番形式に近いバランスで構成されています。

そのため,現在の自分が200問を通してどこまで対応できるかを確認する実戦練習として使えます。

前述の通り換算スコア表の代わりに「900点突破のための目標正答数」のシートがついており,各パートで死守すべき正解数が一目で分かります↓

TOEIC900点攻略のための目標正答数

スコア換算表こそありませんが,900点突破に必要な正答数の目安を確認できるため,「何点相当か」よりも「どのパートであと何問拾うべきか」を意識しやすい作りです。

専用のマークシートが付属しているほか,音声も「本番通りのノンストップ再生」と「復習用の小分けトラック」の2種類が用意されており,解いたあとの精読・精聴プロセスを見据えた丁寧な設計が施されています。

別冊解説では正解へのロジカルな導線はもちろん,ナレーターの母語国籍や重要ボキャブラリーが綺麗にまとめられており,非常に復習がスムーズに進みます↓

模試の解説の様子

収録されている語彙のレベルは非常に高いため,日常のビジネス英文で見落としがちなハイレベル単語を効率よく補完することができます。

 

 

まとめ:難問特化パッケージの弱点の補い方

以上,Z会のTOEIC900点攻略完全パッケージのレビューをお届けしました。

高スコアを狙い撃ちにする専門書らしく,本書に収録された問題は発展的な内容ばかりです。

公式WEBサイトから「1.2倍速などの高速版音声」をダウンロードしてさらに負荷を高められるなど,至れり尽くせりの仕様に仕上がっています。

通常の問題集で学習していると,すでに知っているイージーな標準問題を数多く解くことになり,上級者にとっては時間のロスが生まれがちです。

その点,本書を使えばすべての学習時間を「自分の伸び代である弱点補強」だけに集中させることができます↓

ただし,本書は難問へのアプローチを学ぶには優れていますが,900点突破を安定させるための演習量としては,これ1冊だけではやや物足りない面もあります。

本書で「上級者が落としやすい問題の見極め方」を学んだら,公式問題集や他社模試で本番形式の演習量を補うとよいでしょう。

公式教材であれば,800点以上を目指す方向けの「公式TOEIC L&R問題集 800+」も選択肢になります↓

公式TOEIC Listening & Reading 800 plusのレビュー記事用アイキャッチ画像
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また,オンライン教材の「スタディサプリENGLISH」を併用する方法もあります。

本書で難問への視点を学び,スタディサプリの実戦問題集やディクテーション,シャドーイングで演習量を増やすと,インプットした攻略法を実際の問題処理に落とし込みやすくなるはずです。

本書を「900点台に必要な難問対策」,公式問題集やアプリ教材を「本番形式の演習量確保」として使い分けると,学習の役割がはっきりします。

管理人のイチオシ!おすすめ対策

スタディサプリENGLISH

私自身が独学の限界に直面した際,900点の壁を越える大きな支えになったアプリです。単語帳,実戦問題集,パート別攻略法までそろっており,TOEIC対策を1つのアプリで進められます。1人で続けるのが不安な方は,生成AIをコーチ役にする運用法もあわせて試してみてください。

Asteria for Business

S&Wの対策ができる教材は少ないですが,ビジネス英語を学ぶことで間接的にスコアアップが狙えます。Z会のAsteriaは十八番の添削課題に加え,オンライン英会話も利用できます。一方,L&R対策用にAdaptieが用意され,AI演習で弱点をピンポイントで潰していけます。質問サポートも利用可能です。

  • この記事を書いた人
東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす

さんくす

東大院修了(農学修士)・指導歴20年の教育メディア運営者 さんくす。英語に苦手意識があったところから,TOEIC L&R 425点を経て915点,S&W 340点に到達し,IIBC AWARD OF EXCELLENCE 2022を受賞しました。20年以上の英語学習経験と,100以上の教材を実際に検証してきた一次情報をもとに,TOEIC対策を発信しています。

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