今回は,Flipout LLCという会社が出しているTOEIC対策アプリについてレビューしていきたいと思います。
アプリの名前は「トレーニングTOEIC test」となっており,インパクトには欠けるのものの,内容に関してはシンプルかつ適度にまとまっている印象です。
広告さえ我慢できれば無料で利用することもできるので,コスパは抜群で,最近では2025年4月に問題が加筆修正されるなど,更新も適宜行われています。
早速,その概要からみていくことにしましょう!
もくじ
トレーニングTOEIC testとは
- 名称:トレーニングTOEIC®test
- 提供元:Flipout LLC
- 料金:無料または月額500円
- 特徴:新形式に対応したTOEIC対策アプリ。Part1から7までの全ての問題が網羅されており,解説もある。問題数はリスニングセクションのものが400問,リーディングセクションは383問。単語学習も可能で,目標スコア400~800点レベルに各500問
- 展開:App StoreとGoogle Playでダウンロード可能
トレーニング内容は王道を行くもので,本番と同形式の問題がパート別に収録されています。
このアプリが登場したばかりの頃はPart5までしか問題がありませんでしたが,今ではPart6や7にも対応し,単語の収録数は市販の単語帳に匹敵するという圧巻の充実っぷりです。
TOEICスコアで400点から800点までに対応した単語を100点刻みで5つにレベル分けし,それぞれに500問が用意されているので,収録単語をすべて合わせると全部で2500語になります。
ただし,無料アプリの宿命で,全画面表示の広告は特に気になりますが,無料でここまで使えるアプリは他に類をみません。

それでは次章で,本アプリに寄せられた口コミについて分析してみましょう!
トレーニングTOEIC testの口コミを分析
良い口コミ
- サクサク動くし,ちょっとした時間に使いやすい
- リスニング力を伸ばすのに向いている
- コンテンツが充実
私は本アプリが「TOEICトレーニング」という名前だったときから使っていますが,評価の数もAndroidのものは,59件→1296件(2年目)→1457件(3年目)→1670件(4年目)→2579件(7年目)と,更新するたびに順調に増えてきました。
iOSのものも含めて,評価は4.6~4.7に落ち着き,当初の予想通り,高評価を維持し続けています。
特に評判が良いのはリスニング問題で,それ目的に他アプリと使い分けている学習者も少なくないです。
逆に,リーディングのPart6と7の問題は,後から追加された経緯もあってか,Part1~4と比べてしまうと,若干物足りなく感じられるかもしれません。
とはいえ,無料でこれだけの完成度のものは滅多にありませんし,更新の方も毎年3回程度行われており,ユーザーの声が反映され続けているところが高印象です。
悪い口コミ
- リスニングの音声を途中から再生できない
- 単語問題の中に選択肢が異なるものがある
- スクリプトや解説に間違いがある
一般的には,無料アプリは使い勝手と操作性,さらには更新頻度が少ない点が悪い口コミに繋がることが多いものですが,本アプリはどうでしょう。
画面が特に見にくいとは感じませんが,多少使い勝手が悪いことは確かで,例えば,リスニングの音声を自由に進めたり戻したりすることはできません。
速度も変えられず一時停止もできないですし,話者の国籍はバリエーションに乏しいです。
ところで,古いレビューを中心に「BGMの音量がミュートできない件」が指摘されていましたが,メニューの設定のところで,効果音や広告の音量と合わせて簡単にオフにできるため,詳しくは次章を参照してください。
スクリプトの間違いについてはわかる人にはわかります。
それについて,評価のところで書いている方もいましたが,以下のように,場所や内容までを詳しく書くと,次回の更新で修正してもらえる可能性が高いです↓
ここまでをまとめると,復習用にはあまり適さず,解答や解説を見ながら文法のミスを自らで指摘できる,ある程度実力がある方に向いています。
基本操作について
本アプリの初期画面はいたってシンプルで,メインコンテンツが一列に並び,気になるところを選んで勉強を進めていくだけです↓
なお,上部左にある歯車のマークを押すことでメニューが開きます。
内容についていくつか説明していくと,「表彰状」は3283問すべて正解したら授与されるお楽しみコンテンツです。
続いて,「設定」のところではサウンドの調節(音量の他,バックグラウンド再生の有無)を行える他,データのリセットを行うことができます。
なお,前者においては画面上部右側にある「スピーカーのマーク」を押した先の方が,より細かく設定可能で,例えば,消音設定のときの扱いの変更はここからしかできません。

後者では,これまでの実績(正解の数と状態)をゼロにできるため,復習時に使ってみても良いでしょう。
「本気で勉強プラン」というのは当アプリ唯一の課金コンテンツで,月額500円で広告を消すことができるものです。
必須級とまでは言いませんが,気になる方は利用してください。
その他の設定項目として,問い合わせを行ったり,アプリを他人に紹介できたりもします。
学習コンテンツのレビュー
それでは,実際やることになる問題について詳しくみていきましょう!
TOEICの順番通り,前半でリスニングセクションを,後半でリーディングセクションを解説します。
リスニングセクション
リスニングセクションの問題数は以下の通りです↓
- Part1:50問
- Part2:50問
- Part3:150問
- Part4:150問
問題の画面はシンプルでわかりやすく,解答も整頓されて掲載されています↓
右上にあるスピーカーボタンを押すことで,何度も聴き直すことが可能です。
さらに上に見えているボックスに印を付けると,この問題をチェック問題として保存できるので,間違えた問題だけを集めて一気に復習することができます。
以下の写真は,1問だけチェックした状態のものです↓
ただし,数が増えてきても順番を変えることはできないので,あくまで補助的な機能と考えておきましょう。

Part2は本番同様,音声だけの出題ですが,こちらも問題にチェックを付けられます。
Part3と4は,会話を聞いて3つの質問に一気に答える問題です。
これらのパートには残念ながらチェックボタンはないので,間違ったものだけを保存することはできません。
ですが,問題を解き終わった際に,問題文と解答を確認することはできます↓
加えて,スピーカーのボタンを押せば,原稿を見ながら音声確認をすることも容易です↓
なお,「回答終了ボタン」を押すまでは決定されないので,選択肢のチェックは何度でも修正可能です。
いちいちダウンロードが入って時間がかかるようなことはなく,アプリはサクサク動きます。
ただし,リスニングセクションの問題には,答えにたどり着くための根拠や語句の解説はないので,英文を見てすぐに答えがわかるレベルの人でなければ,得られるものが少なくなってしまうかもしれません。
リーディングセクション
リーディングセクションも同じように,問題数をまとめてみました↓
- Part5:300問
- Part6:40問
- Part7:43問
まずは最も多くの問題数を誇るPart5ですが,出題は1ページに1問ずつです↓
答えのページでは,答えとその短文の訳の他,なんと解説まで出てきます↓
文法問題を解くときは,「どうしてその答えになるか」という根拠づけが非常に大切になってくるので,解説が付いていると有難いです。
さらに,Part1や2で見受けられたチェックボックスやランダム10題も利用できます。
Part6や7の読解問題はスマホ画面の制約上,全体を確認することができないものもありますが,問題のスクロールも含めて,使い勝手は良好です↓
問題ごとに解説があった他,以下のように全訳もあります↓
英単語
英単語は400点・500点・600点・700点・800点レベルの全5段階に分けられていて,それぞれに500語が用意されています。
無料アプリながらすごい充実度です。
一番簡単な400点レベルは以下のような単語から始まりますが,
800点レベルともなると,なかなかに難しめの単語が出題されてきます↓
個別に意味と解答が表示されますが,上で示したように,5問ごとにまとめて確認することもできます。
ここでもチェックボックスが利用でき,間違えた単語や自信がなかった単語を片っ端から放り込むようにすれば,自分だけの単語帳を作ることも可能でしょう。
同義語や派生語,発音記号などが載っていないからこそ,スピード感を持って単語を学習できる強みがあります。
まとめて一気に勉強するときはピッタリです。
まとめ
以上,Flipout LLCのトレーニングTOEIC testというアプリのレビューでした。
余計なものをそぎ落としたシンプルさが,重く滞りがちなTOEIC対策にスピード感を与えてくれていました。
月額500円以上する有料のものと比べてしまえば,解説内容や使い勝手に劣るものの,ちょっとした空き時間にやるのに適したアプリだと思います。
特に単語帳はボリュームがあって,満足度は高めです。
とはいえ,無料で使用しようと思えば広告が入りますし,長いリスニングを途中から再生することはできないところは復習する際に不便で,長文問題の解き心地は本番のTOEICテストとは異なるため,模試代わりに使うこともできません。
しかし,TOEICの出題に対する理解が深まることは確かなので,誰でも一度はやってみたい優秀な無料アプリと言えるでしょう。
とりあえずやってみて,これだけではダメそうだとわかった場合に,有料アプリや問題集に手を出してみるのが良いように思います。
このアプリで練習を積み,模試だけ別に買って解くようなこともできるので,是非検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。