Z会の「TOEIC Part別アプローチシリーズ」ですが,すでにPart1・2のアプローチのレビューでみたように,600点以上を取れる実力がある学習者を対象としているがために中々に高度な内容です。
詳しくは後で述べますが,「TOEIC Part6・7のアプローチ」では英文をかなり正確に読めることを前提に,限りある時間の中でどのようにリーディングセクションを高速に解くかや正答率を上げる方法を紹介しています。
TOEICの読解問題で,これまで質問を先読みしておくことの重要性について考えたことがなかった方にとっては驚きの連続でしょうし,実力者は実際この方法でもって正解を導いているわけです。
本書の内容に従って正しく問題にアプローチできるようになると,本番で答えに自信が持てなかった際,それまでに得られた情報の中からもっともらしい答えを探そうとする態度が芽生えるでしょう。
TOEICで難しいとされる問題はどれだけ多くの時間をかけても解けないものであり,明らかに正答率の低い問題と見なせることが多いわけです。
ならば,できなくて当然のものである(実力が足りない以外に,時間がかかるからという判断もこれに該当します)と潔く諦めて次の問題に進んでいくことができると,その後の正答率の高い問題を取りこぼさずに済むでしょう。
本書を読んでいなければ,何か見落としていたのかもしれないと無駄に時間を費やすことになりかねません。
スポーツでもそうですが,練習で身に付けた技術以外を本番で試したところで上手くいくことはないのです。
もちろん,本書には読解スピードを高めるための数多くのアプローチが収録されているので,中・上級者ならではの方法論を身に付けて,TOEICのスコアを更新していきましょう!
もくじ
Z会のPart6・7のアプローチの特徴

Z会のTOEIC L&R TEST Part6・7のアプローチは,
- ポイントを押さえた上で英文を素早く理解する
ことを重視しています。
なので,例えば,推測問題に関しては動作と結果に注目するだったり,筆者の意見を表す動詞を中心に探すなどのテクニックを教えることはしません。
Z会らしく,王道を行きあらゆるタイプの問題に通用するアプローチを教えることに徹しているところが本書の大きな特徴です。
なお,王道であるだけに,英文法の知識や語彙力,さらには基本的な読解力があることが前提となるため,TOEICで600点以下の方に本書は適しません。
本書の肝となる方法論は「快速フォーカス」と呼ばれ,全部で4つの手順に従います↓

文字でみると大した内容に感じられないかもしれませんが,上に挙げた内容を正しく実践できるようになるためには様々なタイプの問題を用いてトレーニングを積む必要があり,それこそ,どのようなタイプの英文が出ても変わらずに解けるようにならなければなりません。
質問を先読みすればよいと言っても,ただ目で追って意味を理解するだけでは不十分で,
この英文はあのタイプの問題だな。なら,あそことあそこに注意して読むようにしないと。
というところまで考えられるようになる必要があるわけです。
そのために,このPart6・7のアプローチでは全部で18日間を費やして,以下のような種類の英文に精通していくわけですが,最後の3日間は総合問題となっており,ミニ模試と呼べるほどではないものの,本番を想定した訓練も行えます↓

先ほど紹介した快速フォーカスの方法論のページを毎回即座に開ける状態にしておき,自分なりに解釈しながら身に付けていきましょう!
次章からは,本書の特徴を詳しく見ていくことにします。
どこに注目して読めばよいかが書かれている

これは同シリーズの他書(他にPart1・2,Part3・4,Part5用があります)でもみられる特徴ですが,毎回,上のような「高得点者の着眼点」から解説が始まるわけです。
普通,TOEICの対策本でワーク的な作業を求められることはあまりないはずのところ,Z会のPart別アプローチシリーズは一味違います。
先の問題であれば,英文を文書タイプだと確認してから,宛先や差出人など,具体的にみるべきところを一つ一つ確かめることになりました。
質問文があるものは,キーワードを確認する作業も挟みましょう。
そして本文では,スラッシュリーディングを実践させられたり設問の根拠が述べられている箇所にマーキングをさせられたりします。
本書は黒と青の2色刷りですが,注目すべきところや重要な部分を中心に色分けされているので特に不満点はありません。
1回の学習時間はシリーズ共通で30~40分となっており,問題を解くのにその半分の時間を費やします。
快速フォーカスの説明は理路整然としている
Part6・7のアプローチでは,解答・解説に入る前に先ほど挙げた4つの手順を確認できるところが特徴的です。
質問が無いものなどで一部手順が省略されることはありますが,こういったページが設けられているだけで全然違います↓

たとえ問題に正解できたとしても,ここに書かれている内容をすべて実践できていないことが多いように思うので,どういう考え方が王道なのか,自分なりの答えを探す態度で臨みましょう。
もちろん,普通の問題集にあるような解説や全訳も載っています。
ただし,スラッシュリーディングを行って後戻りせずに訳していくのが快速フォーカスの肝なので,復習では内容理解を優先して読むようにしましょう。
問題タイプですが,難解とされるマルチプルパッセージ(問題を解くのに複数の文書を読まされるもの)も何問か含まれています。
実践演習や総合問題もある
これまでの内容はあくまで練習問題という位置づけでした。
そこで学んだ方法論は,すぐ後に続く実戦問題で再度チェックすることができます。
同じ問題タイプが選ばれてきているので,場合によっては,前のページも確認しながら同じようにやってみましょう!
その他,最後の3日間は総合問題となっており,実際の問題(70問)の10分の1くらいの量ではありますが,これまでに出てきた問題タイプが複数組み合わされたものになっているので,大変実践的です↓

このとき,これまでのように快速フォーカスの手順を詳しくみていくことはしません。
この3日間は,これまでに行ってきた実践問題を複数個解くイメージです。
しかしここまで来ると,できるようになった自分を実感できるようになります。
順番は前後しますが,本書では単語や着眼点のまとめも適宜行われ,英語の実力を高めることも可能です↓

まとめ

以上,Z会のTOEIC L&R Part6・7のアプローチのレビューでした。
最後に本書の基本データをまとめておきますが,発売されたのはかなり前なので,新品で入手できなくても中古を利用しやすくなっています↓
基本概要
著者:Z会編集部,Ross Tulloch
出版社:Z会
発売:2018年9月
ページ:292ページ
ISBN-10:4862902573
定価:1980円
音声:なし
注意点としては,あくまで中・上級者向けなので,初級者は実力を高めた後で使うようにしてください。
本書を使うメリットですが,対応できる範囲が限られる小手先のテクニックではなく,全ての問題に通じる王道となる読み方を身に付けることに専念するため,「18日間」という比較的短期間で学び終えることができます。
解答・解説前に独自の分析ページが設けられているのが特徴的で,ワーク形式でもって快速フォーカスのやり方を一つ一つ身に付けていけるでしょう。
それに伴って読解力や語彙力も高まることになるため,最後の総合問題を解く際には実力が付いたことを実感できるはずです。
もちろん,TOEICのリーディングセクションでは1時間以上ぶっ通しで100問を解かなければなりません。
本書で学んだ方法論は,他の模試を使って学ぶ際にも実践するようにしてください。
同じZ会が出版したものに分析!解決!TOEICテスト模試が出ています。
最後までお読みいただきありがとうございました。