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公式TOEIC L&Rトレーニングからリスニング編の特徴と使い方

今回の記事では「公式TOEIC Listening & Readingトレーニング リスニング編」の特徴と使い方をみていきたいと思います(長いので,以下「TOEICトレーニング リスニング編」とします)。

本書は実際にTOEICを開発したETSが作成したもので,リスニングセクションを幅広く対策できるだけでなく,問題の傾向やスピーカーの顔ぶれは本番と同じものです。

パート3と4の対策のみに限るのであれば,同じく公式が出しているTOEIC Part3&4音声速解を使うことも考えられますが,まだ試験について多くを知らない初心者の方や目標点が600点くらいの方であれば,特に本書が取り組みやすく感じられるでしょう。

さらには「プラクティス」と名が付く書籍も公式から販売されていますが,そちらは数ヶ月もの時間をかけ,複数から成る手順に従いながらリスニング能力を伸ばしていくカリキュラムとなっていて,超初心者から使うことができるものの,手取り足取りになる関係上,進みは遅くヘビーな印象です。

その点,本書は一通りやるだけであれば20日間でできますし,リスニングの全パート分の問題を毎日手軽に解けるのは適度な負担であり,ちょっとの頑張りを見せつつも短期間で対策を完了させることができます。

TOEICトレーニング リスニング編の特徴

公式TOEIC Listening & Readingトレーニング リスニング編の表紙

TOEICの概要だったり本書の特徴や使い方だったりが最初に書かれてはいるものの,それは最初の10ページくらいで,紙面の残り約200ページは練習問題とその解答・解説に割かれています。

カリキュラムにある通り,20日で1通りやり終えたいと思うのであれば,毎日1つのセクションをやるだけでよく,全部で20個に分かれていてわかりやすいです。

ちなみに,本書には372~380問が収録されているので,単純に計算して,1日に18~19問を解くことになると思っておきましょう。

とはいえ,ページ数にすると3~5ページ程度ですので,ミニ模試または小手調べをしている感覚のまま1日分が終了します↓

TOEICトレーニングリスニング編の日課の例

上記はSection1の問題の一部ですが,パート1で2問,パート2では5問,パート3とパート4で6問ずつの計19問ということで,2回ページをめくるだけで終わりになりました。

もっとも,ただ問題を解いて丸を付けるだけだと形式に慣れることはできても,リスニング能力をさほど高めることはできないでしょう。

解説を読み,音源を再度聞くことくらいは最低限必要です。

丁寧に読んでいくと,1日分は時間にして1時間近くかかることがあってもおかしくはありません。

詳しい使い方を次章でみていきましょう!

 

 

TOEICトレーニング リスニング編の使い方

TOEICトレーニング リスニング編の使い方が書かれたページ

基本

プラクティスの方を買わずにTOEICトレーニング リスニング編を選んだわけですから,その強みを生かした学習をすべきで,まず目標にしたいのは20日間で完走することです。

本番のリスニングでは45分かけて100問を解くところですが,先述したように本書の日課は20問もありませんから,1つのセクション分は9分以内に解き終わることになります。

その後,丸つけをして間違えたところは再度音源を聴き,もう一度解いてみましょう。

そのとき,どうして間違えたのかを考えてみるようにしてください

単に音が聴き取れなかったのであれば,その原因は英語の音に慣れていないことにあります。

これは,毎日一定時間英語を聴くことで改善可能です。

一方で,ある程度聞き取れたにもかかわらず,文意の解釈を間違ってしまったのならば,単語力や文法力が原因で聴き取れなくなっていることが予想されます。

こちらの場合,すぐ下で語るような特別な練習を別に設ける必要があることに注意しましょう。

 

応用

英語の音に慣れていない場合,聞く時間を増やすよりも,頻度の方に目を向けるようにしてください。

リスニングはたとえ数分間であっても,毎日行っているとしっかり効果が表れます。

逆に,1日に長時間リスニングしたとしても他の日に何もしなければ,思ったほど能力はアップしないものです。

例えば,1週間のうち毎日10分間のリスニングを6日行った場合と,1日に60分間リスニングして残りは何もしなかった場合を比べると,前者の方がより高い効果があります。

もちろん,長時間リスニング練習をすることに価値がないわけではありません。

実際,英語漬けの1日を送るための方法で語ったような生活は,退屈な毎日から抜け出し,やる気をアップさせるのに一役買っています。

ただし,折角長く聞くのであれば,単に聞き流すのではなく,何かしら積極的に工夫を行っていくべきで,例えば,苦手な訛りのある話者にのみ限定して聞いてみるとか,本書でも紹介されている学習方法を試すべきでしょう。

TOEIC学習に役立つおすすめテクニックのところで詳しく述べたディクテーションやシャドーイングはもちろん,それ以外にもいくつかの候補が挙げられていました↓

  • 要点の聞き取り練習:パート3と4の要点をメモし,後で和訳をみて比較する。
  • 語彙学習:スクリプトの中で知らなかった語句があれば,どのような場面で使われているのかを意識しながら,意味やスペルを覚える。
  • 組み合わせ学習:公式問題集もやってみる

最後は他社が出している模試でも構わず,時間を測って練習ができる唯一無二のものということで,すでに購入している人がほとんどでしょう。

なので,実際のところは要点メモと語句のピックアップが中心になるはずです。

この他,2周目の解き直しをすることも考えられ,時短のための工夫として,間違えたものだけに取り組むこともできるでしょう。

補足
補足
その場合,1周目を行う際,間違いにチェックを入れておくことが必要です。

 

 

TOEICトレーニング リスニング編の1と2の違い

TOEICトレーニングリスニング編の1と2の見た目比較

TOEICトレーニング リスニング編はこれまでに1と2が出ていますが,難易度にほとんど違いはありません

もちろん,話によっては1の方が難しい時もありますし,2の出来が悪かった時もありました。

保有しているTOEICスコアが異なると,結果もまた異なるのかもしれませんが,私の体感的に,どちらも程良い難しさで,どちらか一方が難しいと感じることはなかったです。

もっとも,スコアが900点を超えてしまうとほとんどが満点になってしまい,例えば私自身のSection1の出来は1冊目が19/19,2冊目は18/19となりましたが,内容的に隅々まで理解できたかと言われれば決してそのようなことはなく,本書で勉強することは無駄にならないと感じています。

ちなみに,近くにいた大学生に1冊目を解いてもらったところ,約半分の正答率(11/19)でした。

彼女曰く,tollbooth(料金所)やdetour(迂回路)の意味が分かっていなかったそうです。

1冊目と2冊目の違いですが全くないわけではありません。

例えば,1はCD付きであるのに対して,2ではTOEICの公式アプリなどでダウンロードすることが前提となっているためにCDはありません(しかし定価は変わりません)。

また,2では解答が別冊になっている他,全体的にレイアウトが改善しており,ページ数がより少なくなっている関係で,多少取り組みやすく感じられました

音声も,directionsのトラック番号が最初に集中しているなど,改善が見られます。

その一方で,1では音源の話者の国籍を一覧表で確認できたものが2にはありません。

補足
補足
2においても,話者の国籍は解答のスクリプトで見ることができます。

いずれにせよ,どちらを使おうと最終到達地点は結局のところ変わらず,気に入ったら2冊ともやればよいだけの話です。

なお,本書が発売されてから結構な月日が経過したこともあって,中古で本シリーズを購入される方も少なくないように思われます。

1と2とでは発売時期に6.5年もの差があり,これまでに購入された数的に1の方が多いのは明らかですし,新しい本の方が値段はずっと高くなる傾向にあるため,私のおすすめは1を購入することです。

これがもし,ほぼ毎年新しいものが発売されるTOEICの公式問題集であれば,基本的に新しい方を買うのが正解ですが,本シリーズはそうとは限らないことに注意してください。

補足
補足
その他,CDが欠品しているために激安になっているような1があればさらに狙い目で,音源は先の公式アプリから聴くことができるので全く支障ありません。

 

 

まとめ

TOEICトレーニングリスニング編の目次

以上,TOEICの公式が販売しているリスニング対策に特化した参考書のレビューでした。

本書は1と2ともに,20日で一通り終えられ,あまり試験まで残り時間がない人がリスニングのスコアをアップさせるのに向いています。

もちろん,もう少し時間をかけて2周目に臨んだり,弱点部分に集中して応用学習を行なったりすることで,必要十分な対策も可能でしょう。

1と2ではレイアウトなどを考えると後者の方が良い出来であるように感じますが,中古品を探すのであれば圧倒的に前者がおすすめです。

余った時間やお金は別の対策に用いましょう。

もちろん,2時間かけてフルサイズの問題を解くことも忘れないでください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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